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公開番号
2024166222
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2024152329,2022534359
出願日
2024-09-04,2022-03-18
発明の名称
リサイクル炭素繊維収束体組成物、およびその製造方法
出願人
富士加飾株式会社
代理人
弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類
D06M
15/263 20060101AFI20241121BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】回収されたトウ状の収束体を再利用のためにマトリックス樹脂と混練りする作業が一層安定し、且つ製造された成形体の物性が一層安定したものになるような実用化技術の確立を課題とする。
【解決手段】炭素繊維強化型熱硬化性樹脂成形体から取り出されたリサイクル炭素繊維収束体と、前記炭素繊維の表面に存在する第1の化学的官能基との間で化学的親和性を示す第2の化学的官能基を有する表面改質剤とを含有するリサイクル炭素繊維収束体組成物であり、前記リサイクル炭素繊維収束体は、炭素繊維がアモルファスカーボンでトウ状に収束されており、前記リサイクル炭素繊維収束体組成物の全体を100質量%としたとき前記表面改質剤を0.1~1質量%含有し、且つ前記リサイクル炭素繊維収束体組成物を600℃×60分の条件で加熱して測定したときの残留炭素量が1~5質量%であるリサイクル炭素繊維収束体組成物。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
炭素繊維強化型熱硬化性樹脂成形体から取り出されたリサイクル炭素繊維収束体と、
前記炭素繊維の表面に存在する化学的官能基(以下、第1の化学的官能基という)との間で化学的親和性を示す化学的官能基(以下、第2の化学的官能基という)を有する表面改質剤と
を含有するリサイクル炭素繊維収束体組成物であり、
前記リサイクル炭素繊維収束体は、炭素繊維が樹脂残渣を実質的に含まないアモルファスカーボンでトウ状に収束されており、
前記リサイクル炭素繊維収束体組成物の全体を100質量%としたとき前記表面改質剤を0.1~0.8質量%含有し、且つ
前記リサイクル炭素繊維収束体組成物を600℃×60分の条件で加熱して測定したときの残留炭素量が1~5質量%であるリサイクル炭素繊維収束体組成物。
続きを表示(約 850 文字)
【請求項2】
前記第1の化学的官能基は、カルボキシル基、アルデヒド基、カルボニル基より選ばれる少なくとも1種であり、
前記第2の化学的官能基は、水酸基、エポキシ基、アクリロイル基、フェニル基、アクリル基、ウレタン基、シラノール基、シロキサン基、エステル基、イミド基、ニトリル基、ステアリン酸基、マレイン酸基より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のリサイクル炭素繊維収束体組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載のリサイクル炭素繊維収束体組成物から形成されるシート。
【請求項4】
請求項1または2に記載されたリサイクル炭素繊維収束体組成物を製造する方法であって、
炭素繊維強化型熱硬化性樹脂成形体を、加熱炉内で400℃以上、480℃以下の温度域の温度まで加熱し、炭素繊維が樹脂残渣を実質的に含まないアモルファスカーボンでトウ状に収束されているリサイクル炭素繊維収束体を得る工程と、
得られたリサイクル炭素繊維収束体と、前記炭素繊維の表面に存在する第1の化学的官能基との間で化学的親和性を示す第2の化学的官能基を有する表面改質剤の含有液とを接触させた後、乾燥させる工程とを含み、
前記リサイクル炭素繊維収束体を得る工程では、前記炭素繊維強化型熱硬化性樹脂成形体を、少なくとも300℃以上、400℃以下の温度域で、加熱炉内の燃焼ガスの流動下で加熱した後、400℃以上、480℃以下の温度域で、酸素濃度を16~17.8体積%とした雰囲気ガス中で少なくとも30分間保持するリサイクル炭素繊維収束体組成物の製造方法。
【請求項5】
前記加熱炉内の燃焼ガスの平均流動速度を0.1~10m/秒とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記300℃以上、400℃以下の温度域での加熱は、前記炭素繊維強化型熱硬化性樹脂成形体からの発煙が終了するまで行う請求項4または5に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素繊維強化型熱硬化性樹脂(以下、CFRPということがある)成形体から回収されたリサイクル炭素繊維(以下、rCFということがある)収束体を含む組成物、およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
炭素繊維を熱硬化性マトリックス樹脂中に混練配合して成形されたCFRP成形体は、これまで航空宇宙機やレーシングカーといった高強度および高弾性が要求される構造体素材として重用されてきたが、近年益々活用場面が拡がり、例えば、風力発電のブレードや圧縮天然ガスボンベ(以下、CNGボンベということがある)といった厚肉成形体への活用が高まっている。CFRP成形体は、上述のような大型製品だけでなく、テニスラケットなどのスポーツ用品の骨格体や、ノート型パソコン、タブレット端末、スマートフォンなどの身近な電子機器の筐体としての利用も多くなっている。
【0003】
CFRP成形体の市場がこのように拡大してくると、それに伴って使用済みのCFRP成形体や製造時のトリミングで発生したCFRP端材或いはプリプレグ端材が大量に廃棄されることになり、資源の有効活用という視点から見て、合理的且つ経済的な回収技術の確立が望まれる。しかし現時点では有用な回収技術が確立されていないため、大部分はそのまま埋め立て処理に付されているというのが実情である。ところがCFRP成形体中の炭素繊維は導電性を有するので、埋め立て土壌中からCFRP成形体の断片が空中に飛散することで、近辺の電気機器に電気障害や電波障害を惹起し、或いは人体に不測の悪影響を及ぼすという問題があった。また誤って焼却処理に付される場合であっても、その処理工程の中で炭素繊維が飛散すると同様の問題を引き起こす恐れがあることなどが指摘されている。他方、CFRP成形体の利用拡大傾向は、炭素繊維の更なる生産増強を求めているが、炭素繊維を新たに生産するには多大なエネルギー消費が必要であり、コスト高を招くだけでなく、二酸化炭素の排出量を高めるという環境上の問題が憂慮される。そこでCFRP成形体から炭素繊維を効率的に回収する技術の開発が求められるという最初の課題に戻ってくる。
【0004】
このような回収技術としては、例えば特許文献1、2など、および本発明者も著者に加わって発表した非特許文献1が知られており、更に本発明者らが開発して出願公開された特許文献3などが知られている。特許文献1には、炭素繊維強化プラスチックを、酸素濃度が3~18体積%の範囲内で、温度が300~600℃の範囲内のガス雰囲気下で燃焼させないで加熱処理することでプラスチックを熱分解する炭素繊維強化プラスチックの処理方法が示されている。特許文献2には、樹脂で結合された炭素繊維群を100μm~3mmの範囲の繊維状に粉砕後、分級して繊維長を整え、各分級品の1種又は2種以上を、粉砕物の分解ガスの充満下、350~500℃で加熱分解する炭素短繊維の製造方法が記載されている。非特許文献1には、CFRP成形体を赤外加熱式炉の中に配置し、流速0.3m/分の空気流を形成しつつ、昇温速度50℃/分で400℃まで加熱して120分保持して炭素繊維を回収する方法が開示されている。特許文献3は、CFRP成形体を、400℃以上480℃を超えない温度域で加熱することを条件とし、その際300℃に到達した後加熱終了までの区間は、雰囲気ガス中の酸素濃度を15~19体積%に制御し、かつ300℃に到達した後350℃に至るまでの区間で少なくとも1時間保持すると共に、400℃以上の温度域で少なくとも30分間の保持を行うことを骨子とする方法によって、平均繊維長6~100mmの炭素繊維が熱硬化樹脂に由来するアモルファスカーボン前駆体でトウ状に収束され、且つポテンシャル水素量が質量基準で600~8000ppmであるリサイクル炭素繊維収束体として製造できることを示したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平6-99160号公報
特開平11-50338号公報
特開2018-202810号公報
【非特許文献】
【0006】
牛越憲治、小松信之、杉野守彦「CFRPの熱分解法によるリサイクル」、材料、社団法人日本材料学会、1995年4月、Vol.44,No.499、pp428-431
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2や非特許文献1の技術手段で回収される炭素繊維は、CFRP成形体を構成していたマトリックス樹脂をほぼ完全除去したバラバラ状態として得られるものであって、繊維長を最適長さに且つ均質に入手することは極めて困難であった。例えば繊維長が長いものは、互いに絡まり合った綿状外観を呈する故に、補強繊維としての再利用に当たってバージン樹脂との2軸押出し機を用いた混練作業、例えば樹脂の混練工程中へのサイドフィーダーによる供給作業を行うこと自体が物理的に困難であった。仮に困難を乗り越えて混練作業を行ったとしても樹脂中に効率よく均等分散させることができなかった。逆に繊維長が短いものは、粉状外観を呈して環境中に飛散されやすくなって、しばしば発煙したような状況を呈して作業環境の悪化をもたらすだけでなく電気機器の電気障害を惹起するという問題の他、繊維長が短すぎてマトリックス樹脂に対する強化機能が期待できなくなるという本質的な欠陥を抱えるものであった。なお回収された炭素繊維の繊維長を揃えるための分級は極めて困難であり、繊維長が不均一なままでの使用については上記のような問題を回避することができず、仮に分級できたとしても繊維長が長すぎたり短すぎたりするものは、そもそも再利用価値がない故に廃棄するしかなく、回収技術としての完成度は著しく低いと言わざるを得なかった。
【0008】
これらに対して特許文献3に係る上記技術では、回収工程の温度管理と酸素濃度管理により平均繊維長6mm~100mmの炭素繊維が、熱硬化樹脂に由来するアモルファスカーボン前駆体によってトウ状に収束されたものとして回収できるので、炭素繊維の再利用/活用技術が一気に実用レベル(SDGsに認定されるサスティナブル材料)になったとして脚光を浴びつつある。
【0009】
本発明者らはこの技術の実用化に向けて更に検討を進めていく中で、回収対象品として市中から集められてくるCFRP成形体、あるいはその原材料のプリプレグ端材の形状や大きさ、特に板状体における板厚が不均一であること、そのことによってCFRP成形体の処理条件の適/不適を生じて、回収されたトウ状の収束体の外観上に不都合がないにも拘わらず、これを再利用のためにマトリックス樹脂と混練りする段階で、作業上の安定性や製造された成形体の物性の安定性に若干の問題を生じることが分った。
【0010】
本発明においては、回収されたトウ状の収束体を再利用のためにマトリックス樹脂と混練りする作業において、2軸押出し機のノズルから吐出されるリサイクル炭素繊維(rCF)と樹脂の混錬物における繊維の分離が少なく安定したストランドを形成でき、一層安定し、且つ製造された成形体の物性が一層安定したものになるような実用化技術の確立を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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