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公開番号2024165333
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023081448
出願日2023-05-17
発明の名称蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部での孔食進展量管理装置
出願人東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人弁理士法人サクラ国際特許事務所
主分類F01D 25/00 20060101AFI20241121BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】運転データに基づいて予測された過去から現在までの蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部での孔食の進展および将来の運転条件に基づいて予測された将来の孔食の進展を時系列で認識することができる蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部での孔食進展量管理装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、孔食進展量管理装置100は、計測された情報に基づいて算出された蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部での孔食進展量に関する情報を示す過去孔食進展量関連情報と、ユーザインターフェース140の入力画面を用いた操作において入力された将来の運転条件および過去孔食進展量関連情報に基づいて算出された将来における将来孔食進展量に関する情報を示す将来孔食進展量関連情報とを、ユーザインターフェース140の表示部に表示させる表示情報を生成する表示情報生成部を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
計測された情報に基づいて算出された過去から現在までの蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部で生ずる過去孔食進展量に関する情報を示す過去孔食進展量関連情報と、ユーザインターフェースの入力画面を用いた操作において入力された将来の運転条件および前記過去孔食進展量関連情報に基づいて算出された将来における前記ロータにおける動翼の植込み部で生ずる将来孔食進展量に関する情報を示す将来孔食進展量関連情報とを、前記ユーザインターフェースの表示部に表示させる表示情報を生成する表示情報生成部を備えることを特徴とする蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部での孔食進展量管理装置。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記表示情報生成部は、
前記過去孔食進展量関連情報および前記将来孔食進展量関連情報の双方を時系列で前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部での孔食進展量管理装置。
【請求項3】
前記表示情報生成部は、
所定時間おきに、前記過去孔食進展量関連情報を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部での孔食進展量管理装置。
【請求項4】
前記表示情報生成部は、
前記将来の運転条件が入力されるごとに、前記将来孔食進展量関連情報を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部での孔食進展量管理装置。
【請求項5】
前記ロータは、低圧タービンの最終段落前の3つの段落の羽根の植え込み部であり、
前記表示情報生成部は、
前記将来孔食進展量に基づいて算出された前記ロータの点検が推奨される孔食進展量を示す点検閾値に係る情報を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部での孔食進展量管理装置。
【請求項6】
前記表示情報生成部は、
ユーザインターフェース画面を用いた操作において入力された第2の将来の運転条件および前記過去孔食進展量関連情報に基づいて算出された将来における前記ロータの第2の将来孔食進展量に関する情報を示す第2の孔食進展量関連情報をさらに前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部での孔食進展量管理装置。
【請求項7】
前記表示情報生成部は、
第2の孔食進展量に基づいて算出された前記ロータの点検が推奨される点検推奨時期に係る情報を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項6に記載の蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部での孔食進展量管理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部での孔食進展量管理装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、発電設備において、二酸化炭素(CO

)の排出量を削減する対策として再生可能エネルギの導入が加速されている。再生可能エネルギを利用した発電においては、天候などによって発電量が変化する。そのため、近年では、火力発電設備は、再生可能エネルギを利用した発電における不安定な電力供給を補うため、調整用電源としての調整火力を中心とした運用に移行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平9-26273号公報
特開2006-194550号公報
特開2002-297710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
調整用電源としての運用に移行すると、起動停止回数や負荷変化が増える方向となる。この結果、低圧タービンの後半段落が湿り域と乾き域を行き来することとなり、従来に比べてより一層、低圧タービンのロータにおける動翼の植込み部に生ずる腐食による孔形状の孔食が発生することが知られていた。低圧タービンにとって過酷な上記の運転が繰り返されることにより、動翼の植込み部の孔食が進展し、結果として、動翼植込み部の応力腐食割れ(SCC:Stress Corrosion Cracking)および腐食疲労(CF:Corrosion Fatigue)の発生リスクが増すことになる。
【0005】
孔食進展によるSCC(応力腐食割れ)およびCF(腐食疲労)の調査は、タービンロータを吊り出し、羽根を抜き取りのうえ、植込み部を検査することが従来行われていた。しかしながら、運用条件次第では異常が無い場合もあり、その場合は発電事業者にとって、定期検査において不要な期間と費用を費やした結果となってしまう。そのため、実機の検査が必要かどうかだけでも知りたいというニーズがある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、運転データに基づいて予測された過去から現在までの蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部に生ずる孔食の進展および将来の運転条件に基づいて予測された将来の孔食の進展を時系列で認識することができる蒸気タービンのロータの孔食進展量管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、実施形態に係る蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部に生ずる孔食の進展量管理装置は、計測された情報に基づいて算出された過去から現在までの蒸気タービンのロータにおける動翼の植込み部に生ずる過去孔食進展量に関する情報を示す過去孔食進展量関連情報と、ユーザインターフェースの入力画面を用いた操作において入力された将来の運転条件および前記過去孔食進展量関連情報に基づいて算出された将来における前記ロータにおける動翼の植込み部に生ずる将来孔食進展量に関する情報を示す将来孔食進展量関連情報とを、前記ユーザインターフェースの表示部に表示させる表示情報を生成する表示情報生成部を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
第1の実施形態に係る孔食進展量管理装置を備えた蒸気タービンの構成を模式的に示す系統図である。
第1の実施形態に係る孔食進展量管理装置の機能構成を示すブロック図である。
第1の実施形態に係る孔食進展量管理装置におけるユーザインターフェースに表示させる将来の運転条件の入力画面の一例を示す図である。
第1の実施形態に係る孔食進展量管理装置による孔食進展の定周期演算処理の手順を示すフロー図である。
第1の実施形態に係る孔食進展量管理装置による孔食進展の将来予測演算処理の手順を示すフロー図である。
第1の実施形態に係る孔食進展量管理装置におけるユーザインターフェースに表示させる低圧タービンの評価部位の定周期計算および将来予測計算の結果の一例を示す図である。
第1の実施形態に係る孔食進展量管理装置におけるユーザインターフェースに表示させる水質データの一例を示す図である。
第1の実施形態に係る孔食進展量管理装置における基本情報の初期設定ステップを説明するためのフロー図である。
第1の実施形態に係る孔食進展量管理装置における定周期計算ステップを説明するためのフロー図である。
第1の実施形態に係る孔食進展量管理装置における将来予測計算ステップを説明するためのフロー図である。
第2の実施形態に係る孔食進展量管理装置における将来予測演算処理を説明するためのフローチャートである。
第2の実施形態に係る孔食進展量管理装置における将来予測演算処理を説明するためのフローチャートである。
第2の実施形態に係る孔食進展量管理装置における表示画面の一例を示す図である。
第2の実施形態に係る孔食進展量管理装置におけるユーザインターフェースに表示させる比較演算結果を選択する選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る蒸気タービンのロータの孔食進展量管理装置(以下、「孔食進展量管理装置」という)について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重畳する説明は省略する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る孔食進展量管理装置100を有する蒸気タービン10を備えた発電設備1の構成を模式的に示す系統図である。
(【0011】以降は省略されています)

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