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公開番号2024165105
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023080979
出願日2023-05-16
発明の名称アンモニア排水処理装置
出願人株式会社ジャパンエンジンコーポレーション
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類F01N 3/08 20060101AFI20241121BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】排ガスの脱硝を安定して継続しつつ、アンモニア漏洩を適切に管理することができるアンモニア排水処理装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様であるアンモニア排水処理装置は、舶用ディーゼルエンジンから排出された排ガスに還元剤を混合して前記排ガスを脱硝する排ガス脱硝装置に対し、前記舶用ディーゼルエンジンのアンモニア燃料に由来するアンモニア排水を前記還元剤として供給するアンモニア排水供給系統と、前記排ガス脱硝装置に対し、アンモニア水とは異なる還元剤である非アンモニア水を前記還元剤として供給する非アンモニア水供給系統と、を備える。前記排ガス脱硝装置および前記非アンモニア水供給系統は、船舶において区画された安全エリアの内部に配置され、前記アンモニア排水供給系統は、前記船舶において前記安全エリアから隔離された管理エリアの内部に配置される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
舶用ディーゼルエンジンから排出された排ガスに還元剤を混合して前記排ガスを脱硝する排ガス脱硝装置に対し、前記舶用ディーゼルエンジンのアンモニア燃料に由来するアンモニア排水を前記還元剤として供給するアンモニア排水供給系統と、
前記排ガス脱硝装置に対し、アンモニア水とは異なる還元剤である非アンモニア水を前記還元剤として供給する非アンモニア水供給系統と、
を備え、
前記排ガス脱硝装置および前記非アンモニア水供給系統は、船舶において区画された安全エリアの内部に配置され、
前記アンモニア排水供給系統は、前記船舶において前記安全エリアから隔離された管理エリアの内部に配置される、
ことを特徴とするアンモニア排水処理装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記管理エリアの内部に通じ、前記アンモニア排水供給系統のうち前記管理エリアから前記安全エリアに延在するアンモニア排水供給管を覆うカバー管をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンモニア排水処理装置。
【請求項3】
前記カバー管の内部ガスを前記管理エリアの内部へ流すように前記カバー管の内部を換気するための換気管をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2に記載のアンモニア排水処理装置。
【請求項4】
前記カバー管は、前記排ガス脱硝装置から離間した状態で配置される、
ことを特徴とする請求項2または3に記載のアンモニア排水処理装置。
【請求項5】
前記カバー管の内部におけるアンモニアガスの濃度を検出するガス濃度検出部と、
検出された前記アンモニアガスの濃度が所定の基準濃度を超過する場合、前記排ガス脱硝装置に対する前記アンモニア排水の供給を停止するように前記アンモニア排水供給系統を制御する制御部と、
をさらに備え、
前記非アンモニア水供給系統は、前記排ガス脱硝装置に対する前記アンモニア排水の供給が停止している際に、前記排ガス脱硝装置に対して前記非アンモニア水を供給する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載のアンモニア排水処理装置。
【請求項6】
前記管理エリアの内部におけるアンモニアガスの濃度を検出するガス濃度検出部と、
検出された前記アンモニアガスの濃度が所定の基準濃度を超過する場合、前記排ガス脱硝装置に対する前記アンモニア排水の供給を停止するように前記アンモニア排水供給系統を制御する制御部と、
をさらに備え、
前記非アンモニア水供給系統は、前記排ガス脱硝装置に対する前記アンモニア排水の供給が停止している際に、前記排ガス脱硝装置に対して前記非アンモニア水を供給する、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載のアンモニア排水処理装置。
【請求項7】
前記アンモニア排水供給系統における前記アンモニア排水のアンモニア濃度を計測する濃度計測部と、
計測された前記アンモニア濃度が所定の上限濃度を超過する場合、前記排ガス脱硝装置に対する前記アンモニア排水の供給を停止するように前記アンモニア排水供給系統を制御する制御部と、
をさらに備え、
前記非アンモニア水供給系統は、前記排ガス脱硝装置に対する前記アンモニア排水の供給が停止している際に、前記排ガス脱硝装置に対して前記非アンモニア水を供給する、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載のアンモニア排水処理装置。
【請求項8】
計測された前記アンモニア濃度が前記上限濃度を超過する場合に前記アンモニア排水を希釈するための清水を供給する清水供給部をさらに備え、
前記アンモニア排水供給系統は、
前記アンモニア排水を貯蔵するアンモニア排水タンクと、
前記アンモニア排水タンクから前記排ガス脱硝装置に通じるアンモニア排水供給管と、
を備え、
前記清水供給部は、前記アンモニア排水タンクへ前記清水を供給する、
ことを特徴とする請求項7に記載のアンモニア排水処理装置。
【請求項9】
計測された前記アンモニア濃度が所定の下限濃度未満である場合に前記アンモニア排水の水分量を減らす水分量調整部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項7に記載のアンモニア排水処理装置。
【請求項10】
前記還元剤を混合した後の前記排ガスの温度を検出する排ガス温度検出部と、
検出された前記排ガスの温度が所定の基準温度未満である場合、前記排ガス脱硝装置に対して供給する前記アンモニア排水の供給量を減らすように前記アンモニア排水供給系統を制御する制御部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載のアンモニア排水処理装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニア排水処理装置に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、船舶の分野においては、舶用ディーゼルエンジンの排ガスに含まれる窒素酸化物を低減する排ガス脱硝装置が提案されている。一般に、舶用ディーゼルエンジンは、重油等の化石燃料をシリンダ内の燃焼室に噴射して燃焼させ、これによる燃焼エネルギーを利用して駆動する。排ガス脱硝装置は、上記のように駆動する舶用ディーゼルエンジンから排出された排ガスに、アンモニア水等の還元剤を混合し、排ガス中の窒素酸化物と還元剤との還元反応によって排ガスを脱硝する。船舶外に排出される排ガス中の窒素酸化物の含有量(すなわち窒素酸化物の排出量)は、上記排ガスの脱硝によって低減される。
【0003】
また、船舶の分野においては、近年、舶用ディーゼルエンジンから排出される二酸化炭素の排出量を削減する手法の1つとして、アンモニア混焼技術を採用した舶用ディーゼルエンジン(アンモニア燃焼エンジン)が開発されつつある。アンモニア混焼技術は、舶用燃料として採用されている従来の化石燃料と、燃焼しても二酸化炭素が発生しない燃料としてのアンモニアとを、舶用ディーゼルエンジンの燃焼室に噴射して一緒に燃焼させるものである。これにより、舶用ディーゼルエンジンの排ガスに含まれる二酸化炭素の含有量(すなわち二酸化炭素の排出量)を削減することができる。
【0004】
上記のようなアンモニア混焼技術が採用された舶用ディーゼルエンジンにおいては、一般に、アンモニア燃料を燃焼室に噴射するためのポンプや配管、燃料噴射弁等から、アンモニア燃料を含有したドレン(以下、アンモニア含有ドレンという)が排出される。例えば、特許文献1には、舶用ディーゼルエンジンから排出されたアンモニア含有ドレン(舶用ディーゼルエンジンからの廃液)を油分とアンモニア成分とに分離し、当該アンモニア成分に水を注入して得られたアンモニア水を、排ガスを脱硝するための還元剤として選択式触媒還元(SCR:Selective Catalytic Reduction)のユニットに供給する処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6940727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したSCRのユニット等の排ガス脱硝装置に対してアンモニア水を供給する供給系統(配管やポンプ等)からアンモニア水が漏洩する等、アンモニア漏洩のトラブルが発生した場合、排ガス脱硝装置に対するアンモニア水の供給を停止して、供給系統の点検および復旧作業を行う必要がある。この場合、たとえ船舶が航行中であっても、排ガス脱硝装置による排ガスの脱硝を停止しなければならず、船舶外に排出される排ガス中の窒素酸化物の含有量が増加する可能性がある。特に、船舶が航行している海域が窒素酸化物の排出規制海域(ECA:Emission Control Area)である場合、船舶を一旦停泊する等によって排ガスの排出量を抑える必要があり、これに起因して、船舶の航行が阻害される可能性がある。
【0007】
また、上記トラブルが発生した供給系統の点検および復旧作業を行うためには、漏洩したアンモニア水やアンモニアガスを当該供給系統の設置エリアから排除して、この設置エリアの安全を確保する必要がある。しかしながら、上記漏洩したアンモニア水やアンモニアガスの排除には長時間を要するため、当該供給系統の点検および復旧作業の開始までに長時間の待機を余儀なくされる。これに起因して、排ガス脱硝装置による排ガスの脱硝を再開するまでに長時間を要することから、排ガスの脱硝を安定して継続することが困難になる。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、排ガスの脱硝を安定して継続しつつ、アンモニア漏洩を適切に管理することができるアンモニア排水処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るアンモニア排水処理装置は、舶用ディーゼルエンジンから排出された排ガスに還元剤を混合して前記排ガスを脱硝する排ガス脱硝装置に対し、前記舶用ディーゼルエンジンのアンモニア燃料に由来するアンモニア排水を前記還元剤として供給するアンモニア排水供給系統と、前記排ガス脱硝装置に対し、アンモニア水とは異なる還元剤である非アンモニア水を前記還元剤として供給する非アンモニア水供給系統と、を備え、前記排ガス脱硝装置および前記非アンモニア水供給系統は、船舶において区画された安全エリアの内部に配置され、前記アンモニア排水供給系統は、前記船舶において前記安全エリアから隔離された管理エリアの内部に配置される、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るアンモニア排水処理装置は、上記の発明において、前記管理エリアの内部に通じ、前記アンモニア排水供給系統のうち前記管理エリアから前記安全エリアに延在するアンモニア排水供給管を覆うカバー管をさらに備える、ことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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