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公開番号2024164802
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-27
出願番号2024030338
出願日2024-02-29
発明の名称レール腐食防止用シート、レールの被覆構造体及びレールの被覆構造体の製造方法
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類E01B 9/68 20060101AFI20241120BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】従来技術では、多様なレール形状に応じて、レール防護カバーを用意するのは煩雑である。加えて、レール腐食防止用の部材には、耐久性が求められる。本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、容易に施工でき、かつ耐久性に優れるレール腐食防止用シートを目的とする。
【解決手段】繊維強化プリプレグからなり、前記繊維強化プリプレグの樹脂を硬化させた状態で、JIS E 1203:2007の直流絶縁抵抗試験で測定される抵抗値が5×106Ω以上であることよりなる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
補強部材と硬化性樹脂とを有する繊維強化プリプレグを有し、
前記硬化性樹脂を硬化させた状態で、JIS E 1203:2007の直流絶縁抵抗試験で測定される抵抗値が5×10

Ω以上である、レール腐食防止用シート。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記硬化性樹脂を硬化させた状態で、JIS C 2110-1:2016の交流絶縁破壊電圧試験で測定される電圧が20kV以上である、請求項1に記載のレール腐食防止用シート。
【請求項3】
前記硬化性樹脂を硬化させた状態で、JIS C 2110-2:2016の直流絶縁破壊電圧試験で測定される電圧が15kV以上である、請求項1に記載のレール腐食防止用シート。
【請求項4】
前記硬化性樹脂を硬化させた状態で、JIS A 7502-2:2015の附属書Fの防食被覆層の透水試験で測定される透水量が0.15g以下である、請求項1に記載のレール腐食防止用シート。
【請求項5】
前記硬化性樹脂を硬化させた状態で、表面防護工の品質基準「中防食C種」で測定される塩化物イオン遮断性が1.0×10
-3
mg/cm

・日以下である、請求項1に記載のレール腐食防止用シート。
【請求項6】
前記硬化性樹脂を硬化させた状態で、表面防護工の品質基準「中防食C種」で測定される酸素遮断性が1.00mol/m

・年以下である、請求項1に記載のレール腐食防止用シート。
【請求項7】
前記補強部材は、ガラス繊維を含む、請求項1に記載のレール腐食防止用シート。
【請求項8】
前記硬化性樹脂は、光硬化性樹脂を含む、請求項1に記載のレール腐食防止用シート。
【請求項9】
レールと、前記レールの少なくとも底面を覆う被覆層と、を有し、
前記被覆層は、請求項1~8のいずれか一項に記載のレール腐食防止用シートの硬化物である、レールの被覆構造体。
【請求項10】
レールの少なくとも底面に接着剤を塗布する工程と、
前記接着剤を塗布した面に、請求項1~8のいずれか一項に記載のレール腐食防止用シートを貼り付ける工程と、
前記レール腐食防止用シートにエネルギー線を照射して、前記繊維強化プリプレグの前記硬化性樹脂を硬化して、被覆層とする工程と、
を有する、レールの被覆構造体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、レール腐食防止用シート、レールの被覆構造体及びレールの被覆構造体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
レールには、電車の動力となる電気が流れている。そのため、レールは腐食(いわゆる電食)が進行しやすくなっている。そして、レールの腐食は、わずかに発生するだけでも、レールの折損を引き起こす原因となる。こうした問題に対して、レールの腐食防止を目的として、レール腐食防止用の部材が提案されている。例えば、特許文献1には、レールの略下半分を覆う、ポリ塩化ビニルの成形体であるレール防護カバーが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された発明によれば、レールと大地との電気的接触を遮断することで、レールの腐食防止を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-203096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の発明では、多様なレール形状に応じて、レール防護カバーを用意するのは煩雑である。加えて、レール腐食防止用の部材には、耐久性が求められる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、容易に施工でき、かつ耐久性に優れるレール腐食防止用シートを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の態様を有する。
<1>
補強部材と硬化性樹脂とを有する繊維強化プリプレグを有し、
前記硬化性樹脂を硬化させた状態で、JIS E 1203:2007の直流絶縁抵抗試験で測定される抵抗値が5×10

Ω以上である、レール腐食防止用シート。
<2>
前記硬化性樹脂を硬化させた状態で、JIS C 2110-1:2016の交流絶縁破壊電圧試験で測定される電圧が20kV以上である、<1>に記載のレール腐食防止用シート。
<3>
前記硬化性樹脂を硬化させた状態で、JIS C 2110-2:2016の直流絶縁破壊電圧試験で測定される電圧が15kV以上である、<1>又は<2>に記載のレール腐食防止用シート。
<4>
前記硬化性樹脂を硬化させた状態で、JIS A 7502-2:2015の附属書Fの防食被覆層の透水試験で測定される透水量が0.15g以下である、<1>~<3>のいずれかに記載のレール腐食防止用シート。
<5>
前記硬化性樹脂を硬化させた状態で、表面防護工の品質基準「中防食C種」で測定される塩化物イオン遮断性が1.0×10
-3
mg/cm

・日以下である、<1>~<4>のいずれかに記載のレール腐食防止用シート。
<6>
前記硬化性樹脂を硬化させた状態で、表面防護工の品質基準「中防食C種」で測定される酸素遮断性が1.00mol/m

・年以下である、<1>~<5>のいずれかに記載のレール腐食防止用シート。
<7>
前記補強部材は、ガラス繊維を含む、<1>~<6>のいずれかに記載のレール腐食防止用シート。
<8>
前記硬化性樹脂は、光硬化性樹脂を含む、<1>~<7>のいずれかに記載のレール腐食防止用シート。
【0006】
<9>
レールと、前記レールの少なくとも底面を覆う被覆層と、を有し、
前記被覆層は、<1>~<8>のいずれかに記載のレール腐食防止用シートの硬化物である、レールの被覆構造体。
【0007】
<10>
レールの少なくとも底面に接着剤を塗布する工程と、
前記接着剤を塗布した面に、<1>~<8>のいずれかに記載のレール腐食防止用シートを貼り付ける工程と、
前記レール腐食防止用シートにエネルギー線を照射して、前記繊維強化プリプレグの前記硬化性樹脂を硬化して、被覆層とする工程と、
を有する、レールの被覆構造体の製造方法。
<11>
前記接着剤は、前記接着剤の硬化物についてJIS E 1203:2007の直流絶縁抵抗試験で測定される抵抗値が、5×10

Ω以上である、<10>に記載のレールの被覆構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のレール腐食防止用シートによれば、施工が容易で、かつ耐久性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に係るレールの被覆構造体を示す断面図である。
本発明の一実施形態に係るレールの被覆構造体の被覆層の燃焼性試験を示す斜視図である。
本発明の一実施形態に係るレールの被覆構造体の製造方法を示す斜視図である。
本発明の一実施形態に係るレールの被覆構造体の製造方法を示す断面図である。
本発明の一実施形態に係るレールの被覆構造体の製造方法を示す断面図である。
疲労試験の測定方法を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明について説明する。
(レール腐食防止用シート)
レール腐食防止用シートは、繊維強化プリプレグを有する。繊維強化プリプレグは、補強部材と、硬化性樹脂とを含む未硬化樹脂シートである。繊維強化プリプレグにおいて、硬化性樹脂は、補強部材に含浸している。
レール腐食防止用シートは、繊維強化プリプレグのみからなってもよいし、繊維強化プリプレグ以外の層(任意層)を有してもよい。
任意層としては、プライマー層、接着層、塗料層等が挙げられる。
レール腐食防止用シートは、レールの施工面(被覆層を設ける領域)に貼り付けた後、繊維強化プリプレグの硬化性樹脂を硬化することで、被覆層(レール腐食防止用シートの硬化物)となる。
(【0011】以降は省略されています)

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