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公開番号2024164308
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-26
出願番号2024153606,2021507804
出願日2024-09-06,2019-08-14
発明の名称階層キャッシュシステムにおけるプリフェッチ管理
出願人テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
代理人個人
主分類G06F 12/0895 20160101AFI20241119BHJP(計算;計数)
要約【課題】マルチレベルキャッシュシステムを含むメモリシステムを提供する。
【解決手段】CPUコア102、第1のラインサイズを有するL1メモリキャッシュ130及び第1のラインサイズよりも大きな第2のラインサイズを有するL2メモリキャッシュ155を含むプロセッサ100であって、L2メモリキャッシュの各ラインが上半分と下半分を含む。メモリコントローラサブシステム101は、CPUコア102、L1メモリキャッシュ及びL2メモリキャッシュと結合し、第1のターゲットアドレスに対するL1メモリキャッシュにミスがあると、ミスとなった第1のターゲットアドレスがL2メモリキャッシュにおけるラインの下半分にマップすると判定し、L2メモリキャッシュからライン全体をリトリーブし、L2メモリキャッシュからL1メモリキャッシュにライン全体を返す。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
装置であって、
中央処理装置(CPU)コア、
前記CPUコアによる実行のための命令を格納するための第1のメモリキャッシュであって、第1のラインサイズを有する前記第1のメモリキャッシュ、
前記CPUコアによる実行のための命令を格納するための第2のメモリキャッシュであって、前記第2のメモリキャッシュが第2のラインサイズを有し、前記第2のラインサイズが前記第1のラインサイズよりも大きく、前記第2のメモリキャッシュの各ラインが上半分及び下半分を有する、前記第2のメモリキャッシュ、及び
前記CPUコア及び第1及び第2のメモリキャッシュに結合されるメモリコントローラサブシステム、
を含み、
前記メモリコントローラサブシステムが、第1のターゲットアドレスについての前記第1のメモリキャッシュにおけるミスの判定の際、前記ミスとなった前記第1のターゲットアドレスが前記第2のメモリキャッシュにおけるラインの前記下半分にマップすると判定し、前記第2のメモリキャッシュからライン全体をリトリーブし、前記ライン全体を前記第2のメモリキャッシュから前記第1のメモリキャッシュに戻すように構成される、装置。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記第2のラインサイズが前記第1のラインサイズの2倍である、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
第2のターゲットアドレスについての前記第1のメモリキャッシュにおける第2のミスの判定の際、前記メモリコントローラサブシステムが、前記第2のミスとなった前記第2のターゲットアドレスが、前記第2のメモリキャッシュにおけるラインの前記上半分にマップすると判定し、また、前記第2のメモリキャッシュからの前記ラインの前記下半分ではなく前記第2のメモリキャッシュからの前記ラインの前記上半分を前記第1のメモリキャッシュに戻すように構成される、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、
前記メモリコントローラサブシステムが、
前記ミスとなった前記第1のターゲットアドレスが前記第2のメモリキャッシュにおける前記ラインの前記下半分にマップすると判定し、また、前記第2のメモリキャッシュからの前記ライン全体のための要求を生成するための、第1のメモリコントローラ、及び
前記要求を受けとり、前記第2のメモリキャッシュにアクセスして前記ライン全体をリトリーブするための、第2のメモリコントローラ、
を含む、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、
前記第1のターゲットアドレスが仮想アドレスであり、
前記第2のメモリキャッシュからの前記ライン全体に対する前記要求が、前記仮想アドレスに基づいて生成される物理アドレスを含み、
前記ライン全体に対する前記要求がさらに、前記第2のメモリキャッシュからの前記ライン全体が前記第2のメモリキャッシュからリトリーブされるべきであることを示すインジケータを含む、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、
前記第1のターゲットアドレスで始まるプログラム命令のプリフェッチユニットセットをリトリーブするため、前記第1のターゲットアドレスが、前記CPUコアによって前記
メモリコントローラサブシステムに提供されるべきであり、
前記CPUコアがさらに、付加的なプリフェッチユニット内のプログラム命令がリトリーブされずに前記CPUコアに提供されるという信号をメモリコントローラサブシステムにアサートする、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
第2のターゲットアドレスが、前記第2のターゲットアドレスで始まるプログラム命令の第1のプリフェッチユニットセットをリトリーブするために、前記CPUコアによって前記メモリコントローラサブシステムに提供されるようになっており、
前記CPUコアがまた、前記メモリコントローラサブシステムにプリフェッチカウントを提供するようになっており、前記プリフェッチカウントが、前記第1のプリフェッチユニットに続くプログラム命令のプリフェッチユニットの数を示す、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、
前記メモリコントローラサブシステムが、前記プリフェッチカウント及び前記第2のターゲットアドレスに基づいて一連のターゲットアドレスを計算するようになっており、前記第1のターゲットアドレスが、前記一連のターゲットアドレスのうちの最後のターゲットアドレスである、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、
前記ミスとなった前記第1のターゲットアドレスが前記第2のメモリキャッシュにおけるラインの前記下半分にマップするとの前記判定が、前記第1のターゲットアドレスにおける少なくとも1つのビットの論理状態の判定を含む、装置。
【請求項10】
システムであって、
入力/出力デバイス、及び
前記入力/出力デバイスに結合されるプロセッサであって、中央処理装置(CPU)コアと、第1のメモリキャッシュと、第2のメモリキャッシュと、メモリコントローラサブシステムとを含む、前記プロセッサ、
を含み、
前記第1のメモリキャッシュが、第1のラインサイズを有し、前記CPUコアによる実行のための命令を格納するのものためであり、
前記第2のメモリキャッシュが、前記CPUコアによる実行のための命令を格納するものであり、前記第1のラインサイズよりも大きい第2のラインサイズを有し、前記第2のメモリキャッシュの各ラインが上半分及び下半分を含み、
前記メモリコントローラサブシステムが、前記CPUコアに及び第1及び第2のメモリキャッシュに結合されており、
前記メモリコントローラサブシステムが、第1のターゲットアドレスにおける前記第1のメモリキャッシュのミスの際に、前記ミスとなった前記第1のターゲットが前記第2のメモリキャッシュにおけるラインの前記下半分にマップすると判定し、前記第2のメモリキャッシュからライン全体をリトリーブし、前記第2のメモリキャッシュから前記第1のキャッシュに前記ライン全体を返すように構成されている、システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
メモリシステムには、マルチレベルキャッシュシステムを含むものがある。特定のメモリアドレスに対する要求をメモリコントローラによってプロセッサコアから受信すると、メモリコントローラは、そのメモリアドレスに関連するデータが第1のレベルキャッシュ(L1)に存在するかどうかを判定する。データがL1キャッシュに存在する場合、データはL1キャッシュから返される。メモリアドレスに関連するデータがL1キャッシュに存在しない場合、メモリコントローラは、第2のレベルキャッシュ(L2)にアクセスする。L2は、L1キャッシュよりも大きいため、より多くのアドレスを保持し得る。データがL2キャッシュに存在する場合、データはL2キャッシュからプロセッサコアに返され、同じデータが再び要求された場合においてコピーもL1キャッシュに保存される。付加的なメモリレベルの階層も可能である。
続きを表示(約 2,200 文字)【発明の概要】
【0002】
少なくとも1つの例において、装置が、中央処理装置(CPU)コアと、CPUコアによる実行のための命令を格納するための第1のメモリキャッシュとを含む。第1のメモリキャッシュは、第1のラインサイズを持つように構成される。第2のメモリキャッシュが、CPUコアによる実行のための命令を格納する。第2のメモリキャッシュは、第1のラインサイズよりも大きい第2のラインサイズを有し、第2のメモリキャッシュの各ラインが、上半分と下半分を含む。メモリコントローラサブシステムが、CPUコアに及び第1及び第2メモリキャッシュに結合される。第1のターゲットアドレスに対する第1のメモリキャッシュにおいてミスが発生すると、メモリコントローラサブシステムは、ミスが発生した第1のターゲットアドレスを第2のメモリキャッシュ内のラインの下半分にマップし、第2のメモリキャッシュからライン全体をリトリーブし、第2のメモリキャッシュから第1のメモリキャッシュにライン全体を返す。
【図面の簡単な説明】
【0003】
一例に従ったプロセッサを図示する。
【0004】
一例に従った、L1メモリキャッシュアクセスのフルL2キャッシュラインアクセスへの昇格を図示する。
【0005】
一例に従った性能改善を図示するためのフローチャートである。
【0006】
一例に従った別の性能改善を図示するための別のフローチャートである。
【0007】
図1のプロセッサを含むシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、階層(hierarchical)キャッシュサブシステムを含むプロセッサ100の一例を示す。この例におけるプロセッサ100は、中央処理装置(CPU)コア102、メモリコントローラサブシステム101、L1データキャッシュ(L1D)115、L1プログラムキャッシュ(L1P)130、及びL2メモリキャッシュ155を含む。この例では、メモリコントローラサブシステム101は、データメモリコントローラ(DMC)110、プログラムメモリコントローラ(PMC)120、及び、統合メモリコントローラ(UMC)150を含む。この例では、L1キャッシュレベルにおいて、データ及びプログラム命令が別々のキャッシュに分割される。CPUコア102によって実行される命令は、L1P 130に格納され、その後、実行のためにCPUコア102に提供される。一方、データはL1D 115に格納される。CPUコア102は、L1D 115からのデータの読み出し及びL1D 115へのデータの書き込みが可能であり、L1P 130への読み出しアクセスがある(L1P 130への書き込みアクセスはない)。L2メモリキャッシュ155は、データ及びプログラム命令の両方を格納し得る。
【0009】
L1D 115、L1P 130、及びL2メモリキャッシュ155のサイズは実装によって異なり得るが、一例において、L2メモリキャッシュ155のサイズは、L1D 115又はL1P 130のいずれかのサイズよりも大きい。例えば、L1D 115のサイズは32キロバイトで、L1Pのサイズも32キロバイトであるが、L2メモリキャッシュのサイズは64キロバイト~4MBとし得る。また、L1D 115のキャッシュラインサイズは、L2メモリキャッシュ155のキャッシュラインサイズ(例えば128バイト)と同じであり、L1P 130のキャッシュラインサイズは、より小さい(例えば、64バイト)。
【0010】
CPUコア102によりデータが必要とされると、DMC110は、CPUコア102からターゲットデータに対するアクセス要求を受け取る。アクセス要求は、CPUコア102からのアドレス(例えば、仮想アドレス)を含み得る。DMC110は、ターゲットデータがL1D 115に存在するかどうかを判定する。データがL1D 115に存在する場合、データはCPUコア102に返される。しかしながら、CPUコア102によって要求されたデータがL1D 115内に存在しない場合、DMC110は、UMC150にアクセス要求を提供する。このアクセス要求は、CPUコア102によって提供される仮想アドレス(VA)に基づいてDMC110によって生成される物理アドレスを含み得る。UMC150は、DMC110によって提供された物理アドレスがL2メモリキャッシュ155内に存在するかどうかを判定する。データがL2メモリキャッシュ155に存在する場合、データはL2メモリキャッシュ155からCPUコア102に返され、コピーがL1D 115に格納される。キャッシュサブシステムの付加的な階層が存在する可能性もある。例えば、L3メモリキャッシュ又はシステムメモリがアクセスされるように利用可能であり得る。そのため、CPUコア102によって要求されたデータがL1D 115又はL2メモリキャッシュ155のいずれにも存在しない場合、データは、付加的なキャッシュレベルにおいてアクセスされ得る。
(【0011】以降は省略されています)

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