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公開番号2024163009
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2024024845
出願日2024-02-21
発明の名称光デバイス
出願人株式会社東芝
代理人弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
主分類H04B 10/70 20130101AFI20241114BHJP(電気通信技術)
要約【課題】レーザの性能および安定性を高めた光デバイスを提供する。
【解決手段】光デバイス1において、フォトニック集積回路(PIC)3は、光源7、オン状態とオフ状態とで調整可能な強度変調器9、光チャネル8、10および光学部品11を備える。光源は、強度変調器に光パルスを供給し、強度変調器は、受信したパルスの強度を変調し、変調したパルスを光チャネル10に提供する。変調されたパルスの強度は、強度変調器がオフ状態のときよりもオン状態のときのほうが高い。光学部品は、変調されたパルスをチ光ャネル10から受信する。強度変調器は、オン状態のときにパルスの少なくとも一部分を変調し、該一部分のリーディングエッジが第1の時間に強度変調器を出て、第1の時間から測定された伝搬時間の2倍である第2の時間にオフ状態である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
光源と、
オン状態とオフ状態とで調整可能な強度制御素子と、
第1のポートおよび第2のポートを備える光チャネルと、ここで、前記光チャネルは、前記第1のポートから前記第2のポートまでの光伝搬時間によって特徴付けられており、
光学部品と、
を備え、
前記光源は、光パルスを前記強度制御素子に供給するように構成され、前記強度制御素子は、受信された光パルスの強度を変調し、かつ前記変調された光パルスを前記光チャネルの前記第1のポートに提供するように構成され、ここで、前記変調された光パルスの強度は、前記強度制御素子が前記オフ状態のときよりも前記オン状態のときのほうが高く、前記光学部品は、前記変調された光パルスを前記光チャネルの前記第2のポートから受信するように構成され、
前記強度制御素子は、前記オン状態のときに前記光パルスの少なくとも一部分が変調されるように構成され、前記少なくとも一部分のリーディングエッジが第1の時間に前記強度制御素子を出て、前記強度制御素子は、前記第1の時間から測定された前記光伝搬時間の2倍である第2の時間に前記オフ状態である、光デバイス。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
半導体基板をさらに備え、前記光源、前記強度制御素子、前記光チャネル、および前記光学部品は、前記半導体基板上に集積されている、請求項1に記載の光デバイス。
【請求項3】
前記変調された光パルスの前記強度は、前記強度制御素子が前記オフ状態のときよりも前記オン状態のときのほうが少なくとも2倍高い、請求項1に記載の光デバイス。
【請求項4】
前記オン状態は、第1の持続時間にわたり保持され、前記第1の持続時間は、前記光チャネルを通る前記光伝搬時間の2倍に等しいか、またはそれよりも短い、請求項1に記載の光デバイス。
【請求項5】
前記オフ状態は、前記光チャネルを通る前記光伝搬時間の2倍に等しいか、またはそれよりも長い第2の持続時間にわたり保持される、請求項4に記載の光デバイス。
【請求項6】
前記第2の持続時間は、前記第1の持続時間に等しく、前記第1の持続時間は、前記光チャネルを通る前記光伝搬時間の2倍に等しい、請求項5に記載の光デバイス。
【請求項7】
前記光パルスは、前記第1の持続時間よりも長いパルス持続時間を有する、請求項4に記載の光デバイス。
【請求項8】
前記光源を制御するように構成された光源コントローラと、
前記強度制御素子を前記オン状態と前記オフ状態とで切り替えるように前記強度制御素子を制御するように構成された強度制御素子コントローラと、
をさらに備える、請求項5に記載の光デバイス。
【請求項9】
前記光デバイスは、前記第1の持続時間および前記第2の持続時間を特定する情報を受信するようにさらに構成され、前記強度制御素子コントローラは、前記受信された情報に基づいて前記強度制御素子の状態を保持および切り替えるようにさらに構成される、請求項8に記載の光デバイス。
【請求項10】
前記光学部品は、少なくとも部分的に反射する、請求項1に記載の光デバイス。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、光デバイスに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
光通信においては、レーザなどの光源を後方反射から保護することが多くの場合必要である。例えば、レーザによって放出されたビームは、光学システムの他の光学部品によってレーザに部分的に反射されて戻り得る。後方反射により、レーザによって放出された光の周波数またはパワーの変化を生じさせる可能性があるか、または他の場合にはレーザを損傷させる可能性があるので、これらの後方反射は、レーザの性能および安定性を減少させる可能性がある。自由空間光学システムの場合、一般に光アイソレータと呼ばれる特定の光学部品が、望ましくない後方反射からレーザを保護するために使用され得る。これらの光アイソレータは、非相反(non-reciprocal)光学素子に基づいており、一般に、一方の方向への光伝搬を許容するが、他方の方向への光伝搬をブロックする(または強力に減衰させる)ことができる。
【0003】
安定性が高いレーザが用いられる用途の1つに量子通信システムがある。量子通信システムでは、情報が、単一光子など符号化された単一量子によって送信機と受信機との間で送られる。各光子は、その偏光、位相、またはエネルギー/時間などの光子の特性上に符号化された1ビットの情報を運ぶ。量子通信システムは、多くの場合「アリス」と呼ばれる送信者と多くの場合「ボブ」と呼ばれる受信者の二者間で暗号鍵を共有するための技法である量子鍵配送(QKD)を実装するために使用され得る。この技法の魅力は、多くの場合「イブ」と呼ばれる承認されていない盗聴者に、鍵の任意の一部が知られた可能性があるかどうかのテストを提供するということである。
【0004】
量子通信システムでは、送信者「アリス」は、「ボブ」に送信されることになる光の所望の量子状態を生成するために2つのカスケード接続されたレーザを用い、すなわち、第1のレーザによって放出された光が第2のレーザに注入されて第2のレーザの放出を制御する配置を用い得る。この場合、第1のレーザを、第2のレーザの後方反射した光から、および第2のレーザによって第1のレーザに向かって放出された光から保護することが多くの場合必要である。スケーラビリティおよびコスト効率を向上させ、そのような量子通信送信機の全体寸法を減少させるために、このデバイスを小型フォトニック集積回路として実装することが望ましい。しかしながら、従来の光アイソレータは、これらのアイソレータが基づいている非相反光学素子がフォトニック集積回路のために一般に使用される製作技法に適合しないので、フォトニック集積回路には利用可能でない。
【0005】
次に、実施形態について以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1は、一実施形態に係る例示的な光デバイスの概略図である。
図2は、図1の光デバイスの動作を例示する5つのグラフを示す。
図3Aは、一次レーザおよび二次レーザ配置の概略図である。図3Bは、持続時間t

の制御利得の微小摂動下での一次レーザの光周波数のプロットである。図3Cは、一次レーザの摂動ありと摂動なしの光位相軌道のプロットである。図3Dは、二次レーザの出力パルスのプロットである。
図4は、利得スイッチレーザを備える、一実施形態に係る例示的な光デバイスの概略図である。
図5は、図4の光デバイスの動作を例示する6つのグラフを示す。
図6は、利得スイッチレーザおよびビームスプリッタを備える、一実施形態に係る例示的な光デバイスの概略図である。
図7は、図6の光デバイスの動作を例示する6つのグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一実施形態では、光デバイスが提供される。本光デバイスは、光源、オン状態とオフ状態とで調整可能な強度制御素子、第1のポートと第2のポートとを備える光チャネル、および光学部品を備える。光チャネルは、光チャネルを通る(すなわち、第1のポートから第2のポートまでの)光伝搬時間によって特徴付けられる。光源は、光パルスを強度制御素子に供給するように構成される。強度制御素子は、受信された光パルスの強度を変調し、かつ変調された光パルスを光チャネルの第1のポートに提供するように構成される。変調された光パルスの強度は、強度制御素子がオフ状態のときよりもオン状態のときのほうが高い。光学部品は、変調された光パルスを光チャネルの第2のポートから受信するように構成される。強度制御素子は、オン状態のときに光パルスの少なくとも一部分が変調されるように構成され、少なくとも一部分のリーディングエッジが第1の時間に強度制御素子を出て、強度制御素子は、第1の時間から測定された光伝搬時間の2倍である第2の時間にオフ状態である。
【0008】
開示されるシステムは、デバイスの光源を、光チャネルの第2のポートからの後方伝搬光(例えば、レーザによって放出された光から生じる望ましくない後方反射)から保護することによって光デバイスを改善する。具体的には、開示されるシステムは、光源と光学部品との間を伝搬する光の光強度を(周期的に)変調する強度制御素子(例えば、強度変調器)を提供する(光学部品は、部分的に反射し得て、例えば受動素子または光を放出/増幅する能動素子である)。例えば、強度制御素子は、光源と光学部品との間の光伝搬を許容/ブロックする(または強度制御素子が光増幅器または同様のものである場合は、増幅する/増幅しない)「オン」状態と「オフ」状態とで交互する。さらに、開示されるシステムは、光学部品によって後方反射された(または放出された)任意の光の到着時間を十分に遅延させる遅延線のように作用する、強度制御素子と光学部品との間の光チャネルを提供する。したがって、強度制御素子は、後方伝搬光の強度を変調して、この光が光源を妨害することを防止することができる。例えば、強度制御素子は、光学部品からの反射が強度制御素子に戻って衝突している時間期間中、強度制御素子が「オフ」に設定され、すなわち、強度制御素子を通る伝送をブロックまたは(少なくとも)強力に減衰させる(または、強度制御素子が光増幅器である場合、増幅しない)ように動作され得る。このようにして、反射光は、光源に伝搬して戻ることを完全に防止されるか、または光源の性能が実質的には影響を受けないように少なくとも強度が十分に低くなる。
【0009】
これを実装する1つの方法は、開示されるシステムが、「オン」と「オフ」の期間のタイミングが光源と光学部品との間の往復時間(すなわち、光源から放出された光が、強度制御素子から光学部品に伝搬し、強度制御素子に戻ってくるのに必要な時間)に応じて設定されるように構成されることである。開示されるシステムでは、往復時間は、強度制御素子を光学部品に接続する光チャネルを通る伝搬時間の2倍に相当する。例えば、光パルスが第1の時間に「オン」状態の強度制御素子を出ると、次いで強度制御素子は、往復時間だけ第1の時間よりも遅い第2の時間に「オフ」状態になるように切り替えられ得る(こうして、変調されたパルスを受信することに応答して光学部品によって反射または生成された光は、強度制御素子によってブロックされる)。開示されるシステムは、光源の安定性を高めることができ、例えば、コヒーレント光通信または量子通信で使用するための完全集積型(fully integrated)の小型の光トランシーバを可能にすることによって、幅広い用途に有用であり得る。そのような完全集積型の小型の光トランシーバは、個別のオフチップ構成部品から構成される従来のシステムよりも好ましい。これは、完全集積型のトランシーバは、フットプリントがはるかに小さくなり、コストが下がり、製造歩留まりを高くすることができるからである。
【0010】
一実施形態では、本光デバイスはさらに半導体基板を備え得る。光源、強度制御素子、光チャネル、および光学部品は、半導体基板上に集積され得る。
(【0011】以降は省略されています)

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