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公開番号
2024162320
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-21
出願番号
2023077702
出願日
2023-05-10
発明の名称
繊維状セルロース含有物の製造方法及び繊維状セルロース複合樹脂の製造方法
出願人
大王製紙株式会社
代理人
弁理士法人永井国際特許事務所
主分類
C08B
15/06 20060101AFI20241114BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】相溶化剤等の添加剤として融点の低い樹脂も使用可能な、好ましくは水溶性の樹脂も使用可能な繊維状セルロース含有物の製造方法、及び繊維状セルロース複合樹脂の製造方法を提供する。
【解決手段】セルロース繊維と、樹脂粉末からなる添加剤とを乾燥状態で混合して繊維状セルロース含有物とするにあたり、セルロース繊維を、カルバメート化し、平均繊維長0.1~0.5mm、含水率1~10%としておくことで、繊維状セルロース含有物とする。また、この繊維状セルロース含有物又は当該繊維状セルロース含有物及び樹脂を混練して繊維状セルロース複合樹脂とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
セルロース繊維と、樹脂粉末からなる添加剤とを乾燥状態で混合して繊維状セルロース含有物とするにあたり、
前記セルロース繊維を、カルバメート化し、平均繊維長0.1~0.5mm、含水率1~10%としておく、
ことを特徴とする繊維状セルロース含有物の製造方法。
続きを表示(約 890 文字)
【請求項2】
前記セルロース繊維のカルバメート基の導入量を0.5~2.0mmol/gとする、
請求項1に記載の繊維状セルロース含有物の製造方法。
【請求項3】
前記混合の温度が1~50℃である、
請求項1に記載の繊維状セルロース含有物の製造方法。
【請求項4】
前記樹脂粉末が、無水有機酸変性ポリオレフィンである、
請求項1に記載の繊維状セルロース含有物の製造方法。
【請求項5】
前記樹脂粉末の平均粒子径が1~1,000μmである、
請求項4に記載の繊維状セルロース含有物の製造方法。
【請求項6】
前記セルロース繊維の平均繊維径が0.1~19μmで、かつファイン率が20~45%である、
請求項1に記載の繊維状セルロース含有物の製造方法。
【請求項7】
前記セルロース繊維のフィブリル化率が2.0%以下である、
請求項1に記載の繊維状セルロース含有物の製造方法。
【請求項8】
前記混合に先立って前記セルロース繊維を乾燥し、
この乾燥は、前記セルロース繊維の含水率が1%以上となる範囲に留める、
請求項1に記載の繊維状セルロース含有物の製造方法。
【請求項9】
前記混合に先立って前記セルロース繊維を含水率が1%未満になるまで乾燥し、
その後、前記セルロース繊維の含水率が1%以上に戻った後に前記混合を行う、
請求項1に記載の繊維状セルロース含有物の製造方法。
【請求項10】
セルロース繊維と、樹脂粉末からなる添加剤とを乾燥状態で混合して繊維状セルロース含有物とし、この繊維状セルロース含有物又は当該繊維状セルロース含有物及び樹脂を混練して繊維状セルロース複合樹脂とするにあたり、
前記セルロース繊維を、カルバメート化し、平均繊維長0.1~0.5mm、含水率1~10%としておく、
ことを特徴とする繊維状セルロース複合樹脂の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維状セルロース含有物の製造方法及び繊維状セルロース複合樹脂の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、セルロースナノファイバーや、マイクロ繊維セルロース(ミクロフィブリル化セルロース)等の微細繊維は、樹脂の補強材としての使用が脚光を浴びている。もっとも、微細繊維が親水性であるのに対し、樹脂は疎水性であるため、微細繊維を樹脂の補強材として使用するには、当該微細繊維の分散性に問題があった。そこで、セルロース繊維に樹脂粉末からなる相溶化剤を混合する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。同提案は、スラリー状のセルロース繊維に相溶化剤を混合した後、適宜、乾燥して繊維状セルロース含有物とし、あるいは更に混練して繊維状セルロース複合樹脂とするものである。この提案によると、相溶化剤の混合によってセルロース繊維の凝集が抑えられるため、極めて有用な技術であるとされている。
【0003】
しかしながら、同提案においては相溶化剤を混合した後に乾燥することになるため、融点の高い樹脂粉末を使用しなければ乾燥時に相溶化剤が粉末状を保てなくなってしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-195405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、相溶化剤等の添加剤として融点の低い樹脂も使用可能な繊維状セルロース含有物の製造方法、及び繊維状セルロース複合樹脂の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
相溶化剤等の添加剤として融点の低い樹脂をも使用可能とするためには、セルロース繊維及び添加剤の混合において乾燥を行わないものとする、つまり乾燥状態で混合(ドライ混合)するものとすればよい。しかしながら、ドライ混合するためにはセルロース繊維をスラリーの状態ではなく、乾燥した状態で相溶化剤等の添加剤と混合する必要があるが、単にセルロース繊維をスラリーの状態ではないものとしたのでは、相溶化剤等の添加剤と混合する前にセルロース繊維が不可逆的に凝集してしまう。そこで、この凝集をいかに抑制するかという観点で研究・開発を進めた結果、想到するに至ったのが次の手段である。
【0007】
すなわち、
セルロース繊維と、樹脂粉末からなる添加剤とを乾燥状態で混合して繊維状セルロース含有物とするにあたり、
前記セルロース繊維を、カルバメート化し、平均繊維長0.1~0.5mm、含水率1~10%としておく、
ことを特徴とする繊維状セルロース含有物の製造方法である。
【0008】
また、
セルロース繊維と、樹脂粉末からなる添加剤とを乾燥状態で混合して繊維状セルロース含有物とし、この繊維状セルロース含有物又は当該繊維状セルロース含有物及び樹脂を混練して繊維状セルロース複合樹脂とするにあたり、
前記セルロース繊維を、カルバメート化し、平均繊維長0.1~0.5mm、含水率1~10%としておく、
ことを特徴とする繊維状セルロース複合樹脂の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、相溶化剤等の添加剤として融点の低い樹脂も使用可能な繊維状セルロース含有物の製造方法、及び繊維状セルロース複合樹脂の製造方法となる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、発明を実施するための形態を説明する。なお、本実施の形態は、本発明の一例である。本発明の範囲は、本実施の形態の範囲に限定されない。
(【0011】以降は省略されています)
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