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公開番号2024161970
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023077076
出願日2023-05-09
発明の名称アゾール系抗真菌薬剤耐性Trichophyton indotineaeの分子生物学的検出法
出願人学校法人帝京大学
代理人個人
主分類C12Q 1/686 20180101AFI20241114BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】白癬菌Trichophyton indotineae(T.indotineae)における、より安価で迅速な感受性株と耐性株とを鑑別する方法を提供する。
【解決手段】前記鑑別方法は、白癬菌Trichophyton indotineae(T.indotineae)からゲノムDNAサンプルを調製する工程;前記T.indotineaeのCYP51B遺伝子の翻訳領域の5’末端より上流のアンチセンス鎖と相補的な塩基配列を含むフォワードプライマーと、前記CYP51B遺伝子の翻訳領域の3’末端より下流のセンス鎖と相補的な塩基配列を含むリバースプライマーとの組合せを用いて、前記核酸サンプルの核酸増幅反応を行い、得られた核酸増幅産物のサイズを分析することにより、T.indotineaeにおけるCYP51B遺伝子の重複コピー数を予想し、アゾール系抗真菌剤耐性を判定する工程;を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
白癬菌Trichophyton indotineae(T.indotineae)からゲノムDNAサンプルを調製する工程;
前記T.indotineaeのCYP51B遺伝子の翻訳領域の5’末端より上流のアンチセンス鎖と相補的な塩基配列を含むフォワードプライマーと、前記CYP51B遺伝子の翻訳領域の3’末端より下流のセンス鎖と相補的な塩基配列を含むリバースプライマーとの組合せを用いて、前記核酸サンプルの核酸増幅反応を行い、得られた核酸増幅産物のサイズを分析することにより、T.indotineaeにおけるCYP51B遺伝子の重複コピー数を予想し、アゾール系抗真菌剤耐性を判定する工程;
を含む、
T.indotineaeにおけるアゾール系抗真菌剤耐性株の鑑別方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アゾール系抗真菌薬剤耐性Trichophyton indotineaeの分子生物学的検出法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
2018年、インドにおいて、アリルアミン系抗真菌薬であるテルビナフィン(TBF)に耐性(低感受性)を示す体部白癬の流行が多数報告され、その原因菌はTrichophyton interdigitaleとされた。
2020年、前記TBF耐性T.interdigitaleは、加納らによって、Trichophyton indotineaeとして新種提案された(非特許文献1)。
【0003】
2022年、本発明者らは、T.indotineaeにおけるアゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール、ボリコナゾール)耐性がCYP51B遺伝子(TinCYP51B)のコピー数の増加による同遺伝子の過剰発現に基づくものであることを報告した(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Kano, R. et al., Trichophyton indotineae sp. nov.: A New Highly Terbinafine-Resistant Anthropophilic Dermatophyte Species. Mycopathologia 185, 947-958 (2020).
Yamada, T. et al., Gene Amplification of CYP51B: a New Mechanism of Resistance to Azole Compounds in Trichophyton indotineae. Antimicrobial Agents and Chemotherapy June 2022 Volume 66 Issue 6.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記非特許文献2では、次世代シーケンサーによるT.indotineaeの全ゲノム配列決定により、CYP51B遺伝子の重複コピー数を決定しており、より安価で迅速な感受性株と耐性株とを鑑別する方法が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、以下の本発明により解決することができる:
[1]白癬菌Trichophyton indotineae(T.indotineae)からゲノムDNAサンプルを調製する工程;
前記T.indotineaeのCYP51B遺伝子の翻訳領域の5’末端より上流のアンチセンス鎖と相補的な塩基配列を含むフォワードプライマーと、前記CYP51B遺伝子の翻訳領域の3’末端より下流のセンス鎖と相補的な塩基配列を含むリバースプライマーとの組合せを用いて、前記核酸サンプルの核酸増幅反応を行い、得られた核酸増幅産物のサイズを分析することにより、T.indotineaeにおけるCYP51B遺伝子の重複コピー数を予想し、アゾール系抗真菌剤耐性を判定する工程;
を含む、
T.indotineaeにおけるアゾール系抗真菌剤耐性株の鑑別方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より安価で迅速に、白癬菌(T.indotineae)におけるアゾール系抗真菌薬に対する感受性株と耐性株との鑑別を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
T.indotineaeのアゾール系抗真菌薬感受性株(TIMM20114)と同薬耐性株(TIMM20116、TIMM20118)におけるゲノム上のCYP51B遺伝子(TinCYP51B)の数と配置を模式的に示す説明図である。
配列番号1のセンスプライマーと、配列番号2のアンチセンスプライマーとの組合せを使用し、T.indotineaeのアゾール系抗真菌薬耐性株と同感受性株から抽出したゲノムDNAサンプルを鋳型としてLA-PCR(Long and accurate PCR)反応を行い、PCR増幅産物(DNA断片)のアガロースゲル電気泳動の結果を示す電気泳動像である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び表1に示すように、T.indotineaeのアゾール系抗真菌薬感受性株(以下、単に感受性株と称することがある)では、TinCYP51Bのコピー数が1であるのに対して、アゾール系抗真菌薬耐性株(以下、単に耐性株と称することがある)では、TinCYP51Bのコピー数が複数(例えば、3~7)であり、前記耐性株では重複するTinCYP51Bがゲノム上で同じ方向に一列に繰り返す構造(タンデムリピート構造)をとっている。耐性株では、TinCYP51Bのコピー数が増加しているため、同遺伝子が過剰発現しており、アゾール系抗真菌薬への耐性をもたらしている。
【0010】
本発明の鑑別方法では、プライマーセットとして、TinCYP51Bの翻訳領域の5’末端より上流のアンチセンス鎖と相補的な塩基配列を含むフォワードプライマーと、前記TinCYP51Bの翻訳領域の3’末端より下流のセンス鎖と相補的な塩基配列を含むリバースプライマーとの組合せを使用する。
(【0011】以降は省略されています)

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