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公開番号2024160608
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-14
出願番号2023075799
出願日2023-05-01
発明の名称光学部材及びその製造方法並びに光学機器
出願人キヤノン電子株式会社
代理人弁理士法人大塚国際特許事務所
主分類G02B 1/115 20150101AFI20241107BHJP(光学)
要約【課題】樹脂基材を用いた光学部材の光学性能を維持しながら耐久性を高めることを目的とする。
【解決手段】樹脂基材と、樹脂基材上に形成された金属膜と、金属膜上に形成された、特定波長に透光性を有する光学膜とを備える。樹脂基材と金属膜とが一次結合によって結合していること。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂基材と、
前記樹脂基材上に形成された金属膜と、
前記金属膜上に形成された、特定波長に透光性を有する光学膜とを備え、
前記樹脂基材と前記金属膜とが一次結合によって結合していることを特徴とする光学部材。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記金属膜を構成する金属元素をM、前記樹脂基材の炭素原子をCとしたとき、
前記樹脂基材と前記金属膜との前記一次結合はC-O-Mで表されることを特徴とする、請求項1に記載の光学部材。
【請求項3】
前記金属膜は連続膜であることを特徴とする、請求項1に記載の光学部材。
【請求項4】
前記光学膜は複数の屈折率の薄膜の積層構造を有し、
前記金属膜は、前記光学膜を形成する薄膜のうち最も薄い薄膜よりも薄いことを特徴とする、請求項1に記載の光学部材。
【請求項5】
前記金属膜の厚さが3nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の光学部材。
【請求項6】
前記金属膜は原子層が堆積した膜であることを特徴とする、請求項1に記載の光学部材。
【請求項7】
前記金属膜は前記樹脂基材の両面に形成されており、
550nmにおける光透過率が60%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の光学部材。
【請求項8】
樹脂基材と、
前記樹脂基材上に形成された、厚さ3nm以下の金属膜と、
前記金属膜上に形成された、特定波長に透光性を有する光学膜と、
を備えることを特徴とする光学部材。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の光学部材と、前記光学部材を通過した光の像を撮像する撮像素子と、を備える光学機器。
【請求項10】
光学部材の製造方法であって、
樹脂基材上に原子層堆積法により金属膜を形成する工程と、
前記金属膜上に、特定波長に透光性を有する光学膜を形成する工程と、
を含むことを特徴とする製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部材及びその製造方法並びに光学機器に関し、特に樹脂基材に光学膜を積層する技術に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
レンズ及び光学フィルタなどの光学部材には、従来から光学膜が形成されている。例えば、薄膜の光干渉を利用して、反射防止又は赤外カットなどの機能を有する光学膜が知られている。光学部材には光学膜によって特有の機能が付与される。また、光学膜として反射防止膜を形成することで、光学部材のゴースト及びフレアを抑制することができる。さらに、光学膜として赤外カット膜を形成することで、光学部材を光学機器に組み込んだ際に、撮像素子に不要な光(例えば赤外光)が入射することを抑制することができる。このように、撮影光学系において、光学膜を形成した光学部材は画像の劣化抑制のために用いることができる。
【0003】
近年は、重量及びコストの観点から、光学部材の基材として樹脂性の材料が使用されるようになっている。例えば、特許文献1は、プラスチック基板に反射防止膜を形成する際に、密着性の向上を目的に、真空蒸着法によりプラスチック基板と反射防止膜との間に金属膜を設けることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2003-270402
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、過酷な条件では反射防止膜の密着力が不十分であり、クラック及び剥離などが発生する可能性があった。一方で、反射防止膜の密着性を高めるために金属膜の膜厚を大きくすると、透過率等の光学性能が低下するという課題があった。
【0006】
本発明は、樹脂基材を用いた光学部材の光学性能を維持しながら耐久性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る光学部材は、以下の構成を備える。すなわち、
樹脂基材と、
前記樹脂基材上に形成された金属膜と、
前記金属膜上に形成された、特定波長に透光性を有する光学膜とを備え、
前記樹脂基材と前記金属膜とが一次結合によって結合している。
【発明の効果】
【0008】
樹脂基材を用いた光学部材の光学性能を維持しながら耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
一実施形態に係る光学部材の断面図。
一実施形態に係る接合レンズ及び接合部の拡大図。
一実施形態に係る接合レンズ及び接合部の拡大図。
実施例1に係る光学部材の断面図及び光学特性を示す図。
実施例2に係る光学部材の断面図及び光学特性を示す図。
一実施形態に係る光学機器の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
(【0011】以降は省略されています)

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