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公開番号2024159235
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023075088
出願日2023-04-28
発明の名称融着機
出願人古河電気工業株式会社
代理人個人
主分類G02B 6/255 20060101AFI20241031BHJP(光学)
要約【課題】 回転調心に対して精度良く時間短縮が可能な融着機を提供する。
【解決手段】 互いに異なる方向から、光ファイバ21の側方へ光を照射する一対の光源が配置され、光ファイバ21を挟んでそれぞれの光源と対向配置されるように、一対の光ファイバ21の側方からの像を撮像可能な一対の第1側方撮像部19a及び第2側方撮像部19bが配置される。制御部30は、回転駆動部32によってそれぞれの光ファイバ21をΔθ回転させ、それぞれの角度における光ファイバ21の画像を取得する工程を繰り返し、光ファイバ21の略全周方向の画像を得て、この全周方向の画像から光ファイバ21の回転方向の位置を算出可能である。この際、制御部30は、光ファイバ21の略全周方向からの画像として、一対の第1側方撮像部19aと、第2側方撮像部19bでそれぞれ撮像された両方の画像を利用して光ファイバ21の回転方向の位置を算出する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
光ファイバ同士を接続する融着機であって、
一対の光ファイバを対向して保持する光ファイバ保持部と、
一対の前記光ファイバの対向方向に対して略垂直な方向に配置される電極と、
互いに異なる方向から、前記光ファイバの側方へ光を照射する複数の光源と、前記光ファイバを挟んでそれぞれの前記光源と対向配置され、一対の前記光ファイバの側方からの像を撮像可能な複数の撮像部と、
複数の前記撮像部によって取得された画像から、前記光ファイバを軸方向に対して垂直な方向に移動させることで、一対の前記光ファイバ同士の軸を調心することが可能な移動駆動部と、
前記光ファイバを、前記光ファイバの軸方向を回転軸として回転させることで、一対の前記光ファイバ同士の回転調心をすることが可能な回転駆動部と、
前記回転駆動部と前記撮像部を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、前記回転駆動部によってそれぞれの前記光ファイバを所定角度回転させ、それぞれの角度における前記光ファイバの画像を取得する工程を繰り返し、前記光ファイバの略全周方向の画像から、前記光ファイバの回転方向の位置を算出可能であり、
前記制御部は、前記光ファイバの略全周方向からの画像として、複数の前記撮像部でそれぞれ撮像された両方の画像を利用して、前記光ファイバの回転方向の位置を算出することを特徴とする融着機。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記光ファイバの軸に対する周方向角度であって、所定の周方向位置を基準として、基準位置からの一の前記撮像部の配置角度をθ1、他の前記撮像部の配置角度をθ2とし、前記一の撮像部と前記他の撮像部のなす角度θ2-θ1=θとすると、
前記制御部は、前記一の撮像部によるθ1~θ1+θの範囲における所定範囲の画像と、前記他の前記撮像部によるθ2~θ2+θの範囲における所定範囲の画像を合わせて、
前記他の撮像部によるθ2~θ2+θの範囲の画像を、前記一の撮像部によるθ1+θ~θ1+2θの範囲における所定範囲の画像として利用することを特徴とする請求項1記載の融着機。
【請求項3】
前記光ファイバの撮像毎のステップ角度をΔθとした際に、θ/Δθ=ステップ数nとすると、
前記制御部は、それぞれの前記撮像部によるn個×2の画像を合わせてθ1+θ~θ1+2θの画像とすることを特徴とする請求項2記載の融着機。
【請求項4】
前記光ファイバの撮像毎のステップ角度をΔθとした際に、θ/Δθ=ステップ数nとすると、
前記制御部は、それぞれの前記撮像部によるn+1個×2の画像を合わせてθ1+θ~θ1+2θの画像とすることを特徴とする請求項2記載の融着機。
【請求項5】
前記制御部は、前記一の撮像部による画像と、前記他の撮像部による画像を比較して、境界部の画像が同一の輝度となるように少なくとも一方の画像について画像調整を行うことを特徴とする請求項2記載の融着機。
【請求項6】
前記一の撮像部と前記他の撮像部のなす角度θが、360°の約数であることを特徴とする請求項2記載の融着機。
【請求項7】
前記光ファイバの軸に対する周方向角度であって、所定の周方向位置を基準として、基準位置からの前記一の撮像部の配置角度をθ1、前記他の撮像部の配置角度をθ2とし、前記一の撮像部と前記他の撮像部のなす角度θ2-θ1=θとすると、
前記制御部は、前記光ファイバの全周について、少なくとも前記一の撮像部と前記他の撮像部によってそれぞれ画像を取得し、少なくとも前記一の撮像部によるθ1~θ1+360°の範囲における所定範囲の画像と、前記他の前記撮像部によるθ2~θ2+360°の範囲における所定範囲の画像を合わせて、前記他の撮像部によるθ2-θ~θ2-θ+360°の範囲の画像を、前記一の撮像部によるθ1~θ1+360°の画像に対応させて平均化することで、θ1~θ1+360°の画像として利用することを特徴とする請求項1記載の融着機。
【請求項8】
前記光ファイバの軸に対する周方向角度であって、所定の周方向位置を基準として、基準位置からの前記一の撮像部の配置角度をθ1、前記他の撮像部の配置角度をθ2とし、前記一の撮像部と前記他の撮像部のなす角度θ2-θ1=θとすると、
前記一の撮像部によるθ1~θ1+θの範囲における所定範囲の画像と、前記他の撮像部によるθ2~θ2+θの範囲における所定範囲の画像を合わせて、前記他の撮像部によるθ2~θ2+θの範囲における所定範囲の画像を、前記一の撮像部によるθ1+θ~θ1+2θの範囲における所定範囲の画像として利用する第1モードと、
前記光ファイバの全周について、複数の前記撮像部によってそれぞれ画像を取得し、少なくとも前記一の撮像部によるθ1~θ1+360°の範囲の画像と、前記他の撮像部によるθ2-θ~θ2+360°-θの範囲の画像を対応させて平均化することで、θ1~θ1+360°の画像として利用する第2モードと、
を有し、
前記制御部は、前記第1モードと前記第2モードを切り替えることが可能であることを特徴とする請求項1記載の融着機。
【請求項9】
前記撮像部が二つ配置されることを特徴とする請求項1記載の融着機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、効率よく調心作業を行うことが可能な融着機に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
光ファイバ同士の接続には、融着機が用いられる。融着機は、一対のホルダに保持された光ファイバ同士を突き合わせて、電極間に配置し、アークによって光ファイバ同士の先端を融着して、光ファイバ同士を接続するものである。
【0003】
光ファイバ同士の融着時には、光ファイバの先端位置を合わせる調心作業が必要である。このため、従来は、光ファイバ同士を対向して配置した状態で、側方(光ファイバの軸方向に対して垂直な方向)から、撮像部によって光ファイバの先端位置を撮像して調心を行っていた。
【0004】
一方、一般的な単心の光ファイバではなく、いわゆる偏波保持ファイバやマルチコアファイバのように、断面形態に対して周方向の方向性を有する場合、先端位置のみではなく、回転方向の調心も必要である。すなわち、光ファイバのX-Y方向の調心のみではなく、光ファイバの軸方向を中心軸とした周方向の回転調心が必要となる。
【0005】
このような光ファイバの回転調心を行うためには、例えば、光ファイバの対向部の間に反射部材を配置し、光ファイバの端面を撮像部に反射させて撮像し、端面観察によって回転調心を行う方法がある(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2004-53625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の方法では、光ファイバ同士の間に反射部材を移動させる機構や、反射像を得るための撮像部が必要となる。これに対し、光ファイバの側方から光を照射し、その透過光(屈折光)を従来のX-Y調心を行うための撮像部で撮像して、周方向位置を調心する方法が提案されている。
【0008】
図14は、この方法を示す概念図である。なお、光ファイバ101は簡単のため単心で図示する。光ファイバ101の側方から光源100によって光を当て、光ファイバ101を挟んで光源100と対向する位置に配置される撮像素子105で受光(撮像)すると、光の通過ルートによって撮像素子105には光の濃淡が生じる。
【0009】
例えば、ルートAは、光ファイバ101に入射せずに、レンズ103で撮像素子105に集光されるものであり、ルートBは、光ファイバ101のクラッドに入射するがレンズ103を外れてしまうものであり、ルートCは、光ファイバ101のクラッドに入射した後にレンズ103で集光されるものであり、ルートDは、光ファイバ101のコアを通過して、レンズ103で集光されるものである。空気とクラッドとコアとで屈折率が異なるため、光のルートによって、撮像素子105には光の濃淡の縞模様が確認できる。
【0010】
図示した例では、コアが中央に一つであるが、例えばマルチコアファイバのように、コアが複数配置される場合、光ファイバの回転位置によって、コアの配置が異なる。このため、光ファイバ101の回転位置に応じて、屈折率の異なるコアを通過する光のルートが変わり、撮像素子105では、光ファイバの回転に応じて濃淡の縞模様が周期的に変化する。
(【0011】以降は省略されています)

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