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公開番号
2024159079
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023074839
出願日
2023-04-28
発明の名称
光パルス列発生装置及び光パルス列発生方法
出願人
浜松ホトニクス株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G02F
1/01 20060101AFI20241031BHJP(光学)
要約
【課題】使用者が必要とする時間強度波形及び波長成分を有する光パルス列を容易に得ることができる光パルス列発生装置を提供する。
【解決手段】光パルス列発生装置1は、記憶部24と、特徴設定部27とを備える。記憶部24は、複数の位相パターンを予め記憶する。複数の位相パターンは、互いに時間差を有し中心波長が互いに異なる複数の第2光パルスを含む光パルス列Pbを第1光パルスPaから形成するための位相パターンである。複数の位相パターンは、第1光パルスPaに関する第1の特徴、及び光パルス列Pbに関する第2の特徴のうち一方又は両方がそれぞれ異なる。特徴設定部27は、使用者からの入力に応じて、第1の特徴及び第2の特徴を設定する。記憶部24は、複数の位相パターンを第1の特徴及び第2の特徴と関連付けた状態で記憶する。SLM14は、特徴設定部27により設定された第1の特徴及び第2の特徴と対応する位相パターンを表示する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
互いに時間差を有し中心波長が互いに異なる複数の第2光パルスを含む光パルス列を第1光パルスから形成するための複数の位相パターンであって、前記第1光パルスに関する第1の特徴、及び前記光パルス列に関する第2の特徴のうち一方又は両方がそれぞれ異なる複数の位相パターンを予め記憶する記憶部と、
使用者からの入力に応じて、前記第1の特徴及び前記第2の特徴を設定する特徴設定部と、
前記第1光パルスを出力する光源と、
前記複数の位相パターンのうち一の位相パターンを表示する空間光変調器を有し、前記第1光パルスから前記光パルス列を形成するパルス形成部と、
を備え、
前記記憶部は、前記複数の位相パターンを前記第1の特徴及び前記第2の特徴と関連付けた状態で記憶し、
前記空間光変調器は、前記複数の位相パターンのうち、前記特徴設定部により設定された前記第1の特徴及び前記第2の特徴と対応する一の位相パターンを表示する、光パルス列発生装置。
続きを表示(約 2,600 文字)
【請求項2】
前記第1の特徴は、前記第1光パルスの中心波長、前記第1光パルスの帯域幅、前記第1光パルスのスペクトル形状、前記第1光パルスのスペクトル位相、及び前記光源の種類、からなる群から選択される少なくとも一つの特徴を含む、請求項1に記載の光パルス列発生装置。
【請求項3】
前記第2の特徴は、前記複数の第2光パルスのパルス本数、前記複数の第2光パルス間の時間間隔、前記複数の第2光パルス間の時間間隔のばらつき、前記複数の第2光パルスそれぞれの中心波長、前記複数の第2光パルスの中心波長差、前記複数の第2光パルスそれぞれの帯域幅、前記複数の第2光パルスそれぞれの帯域幅のばらつき、前記複数の第2光パルス間のピーク強度比、及び前記複数の第2光パルス間のピーク強度のばらつき、からなる群から選択される少なくとも一つの特徴を含む、請求項1に記載の光パルス列発生装置。
【請求項4】
前記記憶部は複数の位相パターン群を記憶しており、
前記複数の位相パターン群それぞれは、前記複数の位相パターンのうちの一部である二以上の位相パターンを含み、前記第2の特徴に関する二以上の指標値それぞれと一対一で対応しており、
前記特徴設定部は、前記二以上の指標値のうち使用者の入力により選択された一の指標値に対応する前記位相パターン群の各位相パターンにより得られる前記光パルス列の前記第2の特徴を使用者に提示する提示部を有し、
前記空間光変調器は、前記提示部において提示された前記第2の特徴のうち使用者が選択した一の前記第2の特徴に対応する前記位相パターンを表示する、請求項1~3のいずれか1項に記載の光パルス列発生装置。
【請求項5】
前記複数の位相パターンを生成する位相パターン生成部を更に備え、
前記位相パターン生成部は、
強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の第1波形関数を、時間強度波形関数及び時間位相波形関数を含む時間領域の第2波形関数に変換する第1変換部と、
時間強度波形関数及び時間位相波形関数を含み、予め作成されたターゲット強度スペクトログラムに対応する時間領域の第3波形関数を、前記第2波形関数から求める第2変換部と、
前記第3波形関数を、強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の第4波形関数に変換する第3変換部と、を有し、
前記位相パターン生成部は、前記第1波形関数を前記第4波形関数に置き換えながら前記複数の位相パターンのそれぞれに関して前記第1変換部、前記第2変換部、および前記第3変換部の動作を繰り返し行い、繰り返し動作後に得られる前記第4波形関数の前記位相スペクトル関数に基づいて前記複数の位相パターンそれぞれを生成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の光パルス列発生装置。
【請求項6】
前記第2変換部は、
前記第2波形関数を、強度スペクトログラム及び位相スペクトログラムに変換する部分と、
前記強度スペクトログラムを前記ターゲット強度スペクトログラムに置き換えるとともに、前記位相スペクトログラムを拘束する部分と、
置き換え後の前記強度スペクトログラム及び拘束された前記位相スペクトログラムを、前記第3波形関数に変換する部分と、
を含む、請求項5に記載の光パルス列発生装置。
【請求項7】
前記第2変換部は、
前記第2波形関数に対し、前記ターゲット強度スペクトログラムに対応する目標波形に基づく前記時間強度波形関数の置き換えを行う部分と、
前記ターゲット強度スペクトログラムに前記第2波形関数のスペクトログラムが近づくように前記第2波形関数を修正する部分と、
修正後の前記第2波形関数から前記第3波形関数を生成する部分と、
を含む、請求項5に記載の光パルス列発生装置。
【請求項8】
前記複数の位相パターンは、強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の第1波形関数を、時間強度波形関数及び時間位相波形関数を含む時間領域の第2波形関数に変換する第1変換ステップと、時間強度波形関数及び時間位相波形関数を含み、予め作成されたターゲット強度スペクトログラムに対応する時間領域の第3波形関数を、前記第2波形関数から求める第2変換ステップと、前記第3波形関数を、強度スペクトル関数及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の第4波形関数に変換する第3変換ステップとを、前記第1波形関数を前記第4波形関数に置き換えながら繰り返し行い、繰り返し動作後に得られる前記第4波形関数の前記位相スペクトル関数に基づいて生成されたものである、請求項1~3のいずれか1項に記載の光パルス列発生装置。
【請求項9】
互いに時間差を有し中心波長が互いに異なる複数の第2光パルスを含む光パルス列を第1光パルスから形成するための複数の位相パターンであって、前記第1光パルスに関する第1の特徴及び前記光パルス列に関する第2の特徴の一方又は両方がそれぞれ異なる複数の位相パターンを予め準備する準備ステップと、
使用者からの入力に応じて、前記第1の特徴及び前記第2の特徴を設定する特徴設定ステップと、
前記第1光パルスを出力する光出力ステップと、
前記複数の位相パターンのうち一の位相パターンを表示する空間光変調器を用い、前記第1光パルスから前記光パルス列を形成するパルス形成ステップと、
を含み、
前記準備ステップでは、前記複数の位相パターンを前記第1の特徴及び前記第2の特徴と関連付けた状態で準備し、
前記パルス形成ステップでは、前記複数の位相パターンのうち、前記特徴設定ステップにより設定された前記第1の特徴及び前記第2の特徴と対応する一の位相パターンを前記空間光変調器に表示させる、光パルス列発生方法。
【請求項10】
前記第1の特徴は、前記第1光パルスの中心波長、前記第1光パルスの帯域幅、前記第1光パルスのスペクトル形状、前記第1光パルスのスペクトル位相、及び前記光出力ステップに用いられる光源の種類、からなる群から選択される少なくとも一つの特徴を含む、請求項9に記載の光パルス列発生方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、光パルス列発生装置及び光パルス列発生方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び非特許文献1には、空間光変調器(Spatial Light Modulator:SLM)を用いてスペクトル位相及び/又はスペクトル強度を変調することにより、光パルスを成形する技術が開示されている。非特許文献1では、所望の光パルス波形を得るためのスペクトル位相及びスペクトル強度を、反復フーリエ法を用いて算出している。特許文献1では、時間強度波形を構成する光の波長成分(周波数成分)を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-036486号公報
【非特許文献】
【0004】
M. Hacker, G. Stobrawa, T. Feurer, “Iterative Fourier transformalgorithm for phase-only pulse shaping”, Optics Express, Vol. 9, No. 4, pp.191-199,13 August 2001
Olivier Ripoll, Ville Kettunen, Hans Peter Herzig, “Review ofiterative Fouriertransform algorithms for beam shaping applications”, OpticalEngineering, Vol. 43, No. 11, pp.2549-2556, November 2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば超短パルス光といった種々の光の時間波形を制御するための技術として、光パルスのスペクトル位相及びスペクトル強度をSLMによって変調するものがある。このような技術では、光の時間強度波形を所望の波形に近づけるためのスペクトル位相及びスペクトル強度を算出し、そのスペクトル位相及びスペクトル強度を光に与えるための変調パターンをSLMに呈示させる。また、時間強度波形の形状の制御に加えて、時間強度波形を構成する光の波長成分(周波数成分)を制御することもできる(例えば特許文献1を参照)。複数の光パルスを含む光パルス列を生成する場合、光パルス毎に波長を異ならせることによって、分散計測装置、レーザ加工装置、超高速撮像カメラ、テラヘルツ波発生装置など様々な装置への応用が可能となる。このような技術において、使用者が必要とする時間強度波形及び波長成分を有する光パルス列を容易に得られることは重要である。
【0006】
本開示は、使用者が必要とする時間強度波形及び波長成分を有する光パルス列を容易に得ることができる光パルス列発生装置及び光パルス列発生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]一形態の光パルス列発生装置は、互いに時間差を有し中心波長が互いに異なる複数の第2光パルスを含む光パルス列を第1光パルスから形成するための複数の位相パターンであって、第1光パルスに関する第1の特徴及び光パルス列に関する第2の特徴の一方又は両方がそれぞれ異なる複数の位相パターンを予め記憶する記憶部と、使用者からの入力に応じて、第1の特徴及び第2の特徴を設定する特徴設定部と、第1光パルスを出力する光源と、複数の位相パターンのうち一の位相パターンを表示する空間光変調器を有し、第1光パルスから光パルス列を形成するパルス形成部と、を備える。記憶部は、複数の位相パターンを第1の特徴及び第2の特徴と関連付けた状態で記憶する。空間光変調器は、複数の位相パターンのうち、特徴設定部により設定された第1の特徴及び第2の特徴と対応する一の位相パターンを表示する。
【0008】
上記[1]の光パルス列発生装置では、使用者が特徴設定部に対して入力操作を行うと、第1光パルスに関する第1の特徴、及び光パルス列に関する第2の特徴が設定される。そして、複数の位相パターンのうち、設定された第1の特徴及び第2の特徴と対応する一の位相パターンが空間光変調器に表示される。光源から第1光パルスが出力されると、該空間光変調器を有するパルス形成部によって、第1光パルスから光パルス列が形成される。この光パルス列発生装置によれば、使用者が必要とする時間強度波形及び波長成分を有する光パルス列を使用者が容易に得ることができる。
【0009】
[2]上記[1]の光パルス列発生装置において、第1の特徴は、第1光パルスの中心波長、第1光パルスの帯域幅、第1光パルスのスペクトル形状、第1光パルスのスペクトル位相、及び光源の種類、からなる群から選択される少なくとも一つの特徴を含んでもよい。その場合、光源から出力される第1光パルスに適した位相パターンを複数の位相パターンの中から選択することができる。よって、使用者が必要とする時間強度波形及び波長成分を有する光パルス列を、使用者が更に容易に得ることができる。
【0010】
[3]上記[1]または[2]の光パルス列発生装置において、第2の特徴は、複数の第2光パルスのパルス本数、複数の第2光パルス間の時間間隔、複数の第2光パルス間の時間間隔のばらつき、複数の第2光パルスそれぞれの中心波長、複数の第2光パルスの中心波長差、複数の第2光パルスそれぞれの帯域幅、複数の第2光パルスそれぞれの帯域幅のばらつき、複数の第2光パルス間のピーク強度比、及び複数の第2光パルス間のピーク強度のばらつき、からなる群から選択される少なくとも一つの特徴を含んでもよい。その場合、使用者が必要とする時間強度波形及び波長成分を有する光パルス列をより精度良く実現するための位相パターンを複数の位相パターンの中から選択することができる。よって、使用者が必要とする時間強度波形及び波長成分を有する光パルス列を、使用者が更に容易に得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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