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公開番号2024158357
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023073503
出願日2023-04-27
発明の名称ガスセンサユニット
出願人日本特殊陶業株式会社
代理人弁理士法人暁合同特許事務所
主分類G01N 27/409 20060101AFI20241031BHJP(測定;試験)
要約【課題】酸素イオンの移動に伴う起電力変化を考慮してインピーダンスを精度よく検出する。
【解決手段】本開示のガスセンサユニット10は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質体に一対の電極を設けた検出セル21を有し、特定ガス濃度に応じた起電力を出力するガスセンサユニット10であって、検出セル21に対して、パルス信号を印加するパルス印加手段と、パルス信号の印加時の第1電圧V o u t 1を取得する第1電圧取得手段と、パルス信号の印加を終了してから、時間t a経過時の第2電圧V o u t 2を取得する第2電圧取得手段と、第2電圧V o u t 2を用いて第1電圧V o u t 1を補正することによりインピーダンスR iを算出するインピーダンス算出手段と、を備え、パルス信号の印加を終了してから、酸素イオンの移動に伴う検出セル21の起電力変化Δ 1がゼロになるまでの時間をt bとしたときに、時間t aは時間t bよりも短い。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
酸素イオン伝導性を有する固体電解質体に一対の電極を設けたセルを有し、特定ガス濃度に応じた起電力を出力するガスセンサユニットであって、
前記セルに対して、パルス信号を印加するパルス印加手段と、
前記パルス信号印加時の第1電圧V
1
を取得する第1電圧取得手段と、
前記パルス信号の印加を終了してから、時間t
a
経過時の第2電圧V
2
を取得する第2電圧取得手段と、
前記第2電圧V
2
を用いて前記第1電圧V
1
を補正することによりインピーダンスR iを算出するインピーダンス算出手段と、を備え、
前記パルス信号の印加を終了してから、酸素イオンの移動に伴う前記セルの起電力変化Δ 1がゼロになるまでの時間をt
b
としたときに、前記時間t
a
は前記時間t
b
よりも短い、ガスセンサユニット。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
前記パルス信号を印加する通電時間Tは前記時間t
b
よりも短く、前記時間t
a
は前記通電時間Tよりも短い、請求項1に記載のガスセンサユニット。
【請求項3】
前記時間t
a
よりも長く前記時間t
b
よりも短い時間をt
a
′とし、前記パルス信号の印加を終了してから、前記時間t
a
′経過時の第3電圧V
3
を取得する第3電圧取得手段をさらに備え、
前記インピーダンス算出手段は、前記第2電圧V
2
と前記第3電圧V
3
を用いて前記第1電圧V
1
を補正することによりインピーダンスR iを算出する、請求項1または請求項2に記載のガスセンサユニット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスセンサユニットに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
自動車等の内燃機関の燃費向上や燃焼制御を行うガスセンサとして、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサやA/Fセンサ等の空燃比センサが知られている。また、自動車の排気ガス規制の強化に伴い、排気ガス中の窒素酸化物(NO

)量の低減が要求されており、NO

濃度を直接測定できるNO

センサが開発されている。これらのガスセンサは、ジルコニア等の酸素イオン伝導性の固体電解質体の表面に一対の電極を形成してなるセルを有し、このセルからの出力に基づいて特定ガスの濃度検出を行っている。
【0003】
これらのガスセンサとして、固体電解質体の外面に測定対象ガスに晒される測定電極を形成し、その固体電解質体の内面に基準ガスに晒される基準電極を形成した構成をなし、測定対象ガス中の酸素濃度を基準ガス中の酸素濃度との差に基づいて検出する酸素センサが知られている。固体電解質体を用いた酸素センサを適正に使用するためには、酸素センサ内に搭載したヒータを制御して酸素センサが酸素濃度を正しく測定できる温度(活性化温度)に制御する必要がある。このため、内燃機関動作中は酸素センサが目標とする制御温度を維持するようにヒータを制御する必要がある。
【0004】
一般に固体電解質体の温度とインピーダンスとには相関性があるため、インピーダンス測定によって目標温度で安定しているかどうかを判断してヒータを制御する。インピーダンス測定は、パルス電圧の印加により生じる電位の変化とパルス電流値から算出する方法が用いられる。例えば、特開2000-258387号公報(下記特許文献1)には、インピーダンス検出手段により検出された高周波インピーダンスに基づいてセル温度を目標温度に調整する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-258387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、固体電解質体にパルス電圧を印加すると、それによるパルス電流が流れることで酸素イオンの移動が生じることから、酸素分圧の変化が生じ、固体電解質体の起電力が変化する。そのため、このときの起電力変化も含んだ電位をインピーダンス算出に用いると、正しいインピーダンスを測定できなくなってしまう。特に、理論空燃比(以下「ストイキ」という)近傍で起電力が大きく変化するようなバイナリタイプのセンサでは、ストイキ近傍で過大または過小なインピーダンスが算出されることとなり、これが温度制御に大きく影響することがある。
【0007】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、酸素イオンの移動に伴う起電力変化を考慮してインピーダンスを精度よく検出できるガスセンサユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のガスセンサユニットは、酸素イオン伝導性を有する固体電解質体に一対の電極を設けたセルを有し、特定ガス濃度に応じた起電力を出力するガスセンサユニットであって、前記セルに対して、パルス信号を印加するパルス印加手段と、前記パルス信号印加時の第1電圧V
1
を取得する第1電圧取得手段と、前記パルス信号の印加を終了してから、時間t
a
経過時の第2電圧V
2
を取得する第2電圧取得手段と、前記第2電圧V
2
を用いて前記第1電圧V
1
を補正することによりインピーダンスR iを算出するインピーダンス算出手段と、を備え、前記パルス信号の印加を終了してから、酸素イオンの移動に伴う前記セルの起電力変化Δ 1がゼロになるまでの時間をt
b
としたときに、前記時間t
a
は前記時間t
b
よりも短い、ガスセンサユニットである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、酸素イオンの移動に伴う起電力変化を考慮してインピーダンスを精度よく検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、ガスセンサユニットの構成を示す概略図である。
図2は、検出セルの検出原理を示す図である。
図3は、単一パルス電圧の波形、および検出セルの第1電圧と第2電圧を取得する方法を示す図である。
図4は、検出セルの検出状態を示す図である。
図5は、パルスONからOFFに切り替わった直後の波形を拡大して示す図である。
図6は、インピーダンスを算出する手順を示すフローチャートである。
図7は、状態S 1と状態S 0の電位差に基づいてインピーダンスを算出したグラフである。
図8は、図7のグラフを、平均値からのずれ量で書き直したものである。
図9は、状態S 2と状態S 1の電位差に基づいてインピーダンスを算出したグラフである。
図10は、図9のグラフを、平均値からのずれ量で書き直したものである。
図11は、リーン側における単一パルス電圧の実波形を示す図である。
図12は、リッチ側における単一パルス電圧の実波形を示す図である。
図13は、単一パルス電圧の波形、および検出セルの第2電圧と第3電圧を取得する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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