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公開番号
2024158165
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023073130
出願日
2023-04-27
発明の名称
シートベルト用リトラクタ
出願人
芦森工業株式会社
代理人
弁理士法人有古特許事務所
主分類
B60R
22/28 20060101AFI20241031BHJP(車両一般)
要約
【課題】衝撃エネルギー吸収ワイヤによる異音を容易に防止可能なシートベルト用リトラクタを提供する。
【解決手段】シートベルト用リトラクタは、巻取ドラム3と、巻取ドラム3の第1端部31側の第1端面31aと対向するように配置されるロッキングベースと、巻取ドラム3に設けられたスロット35内に収容されるとともに頭部43がロッキングベースに取り付けられる衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bを含む。巻取ドラム3の第2端部32には樹脂製のブッシュ3Aが取り付けられ、ブッシュ3Aは、巻取ドラム3の第2端部32の外周を覆う環状部38と、環状部38から突出してスロット35の第2開口37を通じてスロット35内に挿入される保持突起39を有する。保持突起39は衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bの先端部とスロット35の内面との間に介在する。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
互いに対向する一対の側壁を含むハウジングと、
ウエビングを巻き取る、前記一対の側壁の間に前記ウエビングの巻取方向と引出方向に回転可能に収容された巻取ドラムであって、前記一対の側壁に設けられた挿通孔内にそれぞれ位置する第1端部および第2端部を含む巻取ドラムと、
前記巻取ドラムの第1端部側の第1端面と対向するように配置される、車両の緊急時に前記引出方向への回転が阻止されるロッキングベースと、
前記巻取ドラムの第1端面に第1開口を形成するとともに前記第2端部側の第2端面に第2開口を形成するように前記巻取ドラムの軸方向に沿って前記巻取ドラムに設けられたスロット内に収容され、前記第1開口から張り出す頭部が前記ロッキングベースに取り付けられ、前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとの相対回転時に前記第1開口から塑性変形しながら引き出されて衝撃エネルギーを吸収する衝撃エネルギー吸収ワイヤと、
前記巻取ドラムの第2端部に取り付けられて、前記巻取ドラムの第2端部と前記ハウジングの挿通孔との間に設けられた樹脂製のブッシュと、を備え、
前記ブッシュは、前記巻取ドラムの第2端部の外周を覆う環状部と、前記環状部から突出して前記第2開口を通じて前記スロット内に挿入される保持突起を有し、前記保持突起が前記衝撃エネルギー吸収ワイヤの先端部と前記スロットの内面との間に介在する、シートベルト用リトラクタ。
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【請求項2】
前記保持突起は内面が互いに対向する一対の板状部を有し、前記一対の板状部の外面には前記スロットの内部に係合する爪が設けられており、前記爪が前記スロットの内部に係合した状態で、前記一対の板状部の間に前記衝撃エネルギー吸収ワイヤの先端部が挿入される、請求項1に記載のシートベルト用リトラクタ。
【請求項3】
前記スロットは、前記巻取ドラムの第1端部と第2端部との間で前記巻取ドラムの外周面から凹む凹部と、前記第1端部を貫通して前記凹部と前記第1開口とを連通する第1貫通穴と、前記第2端部を貫通して前記凹部と前記第2開口とを連通する第2貫通穴を有し、
前記凹部の内面には、前記スロットに収納された前記衝撃エネルギー吸収ワイヤに接触して前記衝撃エネルギー吸収ワイヤを太さ方向に変形させる突起が設けられている、請求項1または2に記載のシートベルト用リトラクタ。
【請求項4】
互いに対向する一対の側壁を含むハウジングと、
ウエビングを巻き取る、前記一対の側壁の間に前記ウエビングの巻取方向と引出方向に回転可能に収容された巻取ドラムと、
前記巻取ドラムの一端部側の端面と対向するように配置される、車両の緊急時に前記引出方向への回転が阻止されるロッキングベースと、
前記巻取ドラムの前記一端部側の端面に開口を形成するように前記巻取ドラムの軸方向に沿って前記巻取ドラムに設けられたスロット内に収容されるとともに、前記スロットの開口から張り出す頭部が前記ロッキングベースに取り付けられ、前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとの相対回転時に前記開口から塑性変形しながら引き出されて衝撃エネルギーを吸収する衝撃エネルギー吸収ワイヤと、を備え、
前記スロットは、前記巻取ドラムの前記一端部と他端部との間で前記巻取ドラムの外周面から凹む凹部と、前記巻取ドラムの前記一端部を貫通して前記凹部と前記開口とを連通する貫通穴を有し、
前記凹部の内面には、前記スロットに収納された前記衝撃エネルギー吸収ワイヤに接触して前記衝撃エネルギー吸収ワイヤを太さ方向に変形させる突起が設けられている、シートベルト用リトラクタ。
【請求項5】
前記ロッキングベースは、前記衝撃エネルギー吸収ワイヤの頭部が取り付けられる溝または穴である保持部を有し、
前記衝撃エネルギー吸収ワイヤは、前記巻取ドラムの径方向の一方で前記保持部の内面と接触するとともに、前記巻取ドラムの径方向の他方で前記スロットの内面と接触することで、太さ方向に変形している、請求項1,2,4の何れか一項に記載のシートベルト用リトラクタ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両衝突時等の緊急時に、ウエビングが引き出されつつ乗員の衝撃エネルギーを吸収可能なシートベルト用リトラクタに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の緊急時にウエビングの引き出しを防止するシートベルト用リトラクタが知られている。シートベルト用リトラクタでは、ウエビングを巻き取る巻取ドラムがハウジングの一対の側壁の間に回転可能に収容される。
【0003】
例えば、特許文献1には、衝撃エネルギー吸収部材としてトーションバーおよびワイヤが用いられたシートベルト用リトラクタが開示されている。具体的に、特許文献1のシートベルト用リトラクタでは、巻取ドラム(特許文献1では「スプール」と称呼)が一方の端面に開口する中心穴を有し、その端面と対向するようにロッキングベース(特許文献1では「ロック部材」と称呼)が配置されている。トーションバーは巻取ドラムの中心穴内に挿入され、ロッキングベースと反対側の一端側が巻取ドラムと相対回転不能に結合され、他端側がロッキングベースと相対回転不能に結合されている。
【0004】
車両の緊急時にはロッキングベースの引出方向への回転が阻止される。その結果、ウエビングが引き出されつつ巻取ドラムがロッキングベースに対して相対回転する。トーションバーは、そのときの捩れによる塑性変形によって衝撃エネルギーを吸収する。
【0005】
一方、ワイヤはクランク状であり、頭部側直線部と先端側直線部との間にそれらをつなぐオフセット部を含む。ロッキングベースには係止孔が設けられており、その係止孔にワイヤの頭部が取り付けられる。また、巻取ドラムには、ロッキングベースと対向する端面に環状の収容溝が設けられているとともに、その収容溝の底に開口する、巻取ドラムの軸方向と平行な収容孔が設けられている。ワイヤのオフセット部および先端側直線部は、それぞれ巻取ドラムの収容溝および収容孔に収容されている。衝撃エネルギー吸収ワイヤは、車両の緊急時に巻取ドラムとロッキングベースの相対回転に伴って先端側直線部が収容孔の開口から塑性変形しながら引き出されることで衝撃エネルギーを吸収する。
【0006】
さらに、特許文献1のシートベルト用リトラクタでは、異音の発生を防止するために、ワイヤが、頭部側直線部とオフセット部の間の折れ曲がり部で収容溝の底に当接するとともに、オフセット部と先端側直線部の間の折れ曲がり部でロッキングベースに当接し、さらに先端側直線部が互いに反対側の二点で収容孔の内面に当接するように、予め折り曲げ加工されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2006-205820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のように衝撃エネルギー吸収ワイヤを予め加工するには精度の高い折り曲げ加工が必要である。
【0009】
そこで、本発明は、衝撃エネルギー吸収ワイヤによる異音を容易に防止可能なシートベルト用リトラクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、一つの側面から、互いに対向する一対の側壁を含むハウジングと、ウエビングを巻き取る、前記一対の側壁の間に前記ウエビングの巻取方向と引出方向に回転可能に収容された巻取ドラムであって、前記一対の側壁に設けられた挿通孔内にそれぞれ位置する第1端部および第2端部を含む巻取ドラムと、前記巻取ドラムの第1端部側の第1端面と対向するように配置される、車両の緊急時に前記引出方向への回転が阻止されるロッキングベースと、前記巻取ドラムの第1端面に第1開口を形成するとともに前記第2端部側の第2端面に第2開口を形成するように前記巻取ドラムの軸方向に沿って前記巻取ドラムに設けられたスロット内に収容され、前記第1開口から張り出す頭部が前記ロッキングベースに取り付けられ、前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとの相対回転時に前記第1開口から塑性変形しながら引き出されて衝撃エネルギーを吸収する衝撃エネルギー吸収ワイヤと、前記巻取ドラムの第2端部に取り付けられて、前記巻取ドラムの第2端部と前記ハウジングの挿通孔との間に設けられた樹脂製のブッシュと、を備え、前記ブッシュは、前記巻取ドラムの第2端部の外周を覆う環状部と、前記環状部から突出して前記第2開口を通じて前記スロット内に挿入される保持突起を有し、前記保持突起が前記衝撃エネルギー吸収ワイヤの先端部と前記スロットの内面との間に介在する、シートベルト用リトラクタを提供する。
(【0011】以降は省略されています)
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