特許ウォッチ

公開番号2024156961
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-06
出願番号2024133318,2022541751
出願日2024-08-08,2021-08-06
発明の名称睡眠推定システム、及び睡眠推定方法
出願人京セラ株式会社,国立大学法人筑波大学
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類A61B 5/16 20060101AFI20241029BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】睡眠段階を簡便に推定する。
【解決手段】睡眠推定装置は、血流データを取得する第1取得部と、血流データに対して周波数解析処理を実行することにより、血流データの周波数スペクトルを生成する生成部と、周波数スペクトルに基づき、被検体の睡眠段階を判定する第1判定部と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
被検体の血流データの周波数スペクトルに基づき、前記被検体の睡眠段階を判定する判定部を備え、
ノンレム睡眠における睡眠段階を、眠りの浅い睡眠段階から順にステージ１、２及び３とするとき、
前記判定部は、少なくとも前記周波数スペクトルが、０．２Ｈｚ以上かつ０．３Ｈｚ以下の周波数帯域を含む領域に所定の形状を含む場合に、前記被検体の睡眠段階が前記ステージ１から前記ステージ２又は３へ遷移したと判定する、睡眠推定システム。
続きを表示（約 1,100 文字）【請求項２】
前記所定の形状は、上に凸のブロードな波形である、請求項１に記載の睡眠推定システム。
【請求項３】
前記判定部は、前記周波数スペクトルにおいて、前記周波数帯域のうちの一部の第１範囲における第１強度が、前記第１範囲以外の第２範囲における第２強度よりも大きい場合に、前記所定の形状を含むと判定する、請求項１又は２に記載の睡眠推定システム。
【請求項４】
前記判定部により前記ステージ１から前記ステージ２又は３へ遷移したと判定されたとき、又は、前記ステージ１から前記ステージ２又は３へ遷移したと判定されてから所定時間経過後に、第１通知処理を実行する第１通知部を備える、請求項１～３の何れか１項に記載の睡眠推定システム。
【請求項５】
前記被検体の血管に光を照射することにより発生する散乱光を受光することにより、前記血流データを検出する血流計を備える、請求項１～４の何れか１項に記載の睡眠推定システム。
【請求項６】
前記被検体の血管に光を照射することにより発生する散乱光を受光することにより、前記血流データを検出する血流計を備えるウェアラブル機器を備える、請求項１～４の何れか１項に記載の睡眠推定システム。
【請求項７】
被検体の血流データの周波数スペクトルに基づき、前記被検体の睡眠段階を判定する判定部を備え、
ノンレム睡眠における睡眠段階を、眠りの浅い睡眠段階から順にステージ１、２及び３とするとき、
前記判定部は、前記血流データとは異なる生体情報に基づいて前記ステージ２又は３に対応するものとして特定された、０．２Ｈｚ以上かつ０．３Ｈｚ以下の周波数帯域を含む領域において所定の形状を有する周波数スペクトルを、教師データとして用いて学習させた学習済モデルに対し、前記血流データの周波数スペクトルを与えた場合に、前記被検体の睡眠段階が前記ステージ１から前記ステージ２又は３へ遷移したかを判定する、睡眠推定システム。
【請求項８】
前記所定の形状は、上に凸のブロードな波形である、請求項７に記載の睡眠推定システム。
【請求項９】
前記判定部により前記ステージ１から前記ステージ２又は３へ遷移したと判定されたとき、又は、前記ステージ１から前記ステージ２又は３へ遷移したと判定されてから所定時間経過後に、第１通知処理を実行する第１通知部を備える、請求項７又は８に記載の睡眠推定システム。
【請求項１０】
前記生体情報は、脳波計により検出される脳波データである、請求項７～９の何れか１項に記載の睡眠推定システム。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、被検体の睡眠段階の推定に関する。
続きを表示（約 2,200 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１には、睡眠段階を検出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
日本国特開2018-161432号公報
【発明の概要】
【０００４】
本開示の一態様に係る睡眠推定システムは、被検体の血流データの周波数スペクトルに基づき、前記被検体の睡眠段階を判定する判定部を備え、ノンレム睡眠における睡眠段階を、眠りの浅い睡眠段階から順にステージ１、２及び３とするとき、前記判定部は、少なくとも前記周波数スペクトルが、０．２Ｈｚ以上かつ０．３Ｈｚ以下の周波数帯域を含む領域に所定の形状を含む場合に、前記被検体の睡眠段階が前記ステージ１から前記ステージ２又は３へ遷移したと判定する。
【０００５】
更に、本開示の一態様に係る睡眠推定システムは、被検体の血流データの周波数スペクトルに基づき、前記被検体の睡眠段階を判定する判定部を備え、ノンレム睡眠における睡眠段階を、眠りの浅い睡眠段階から順にステージ１、２及び３とするとき、前記判定部は、前記血流データとは異なる生体情報に基づいて前記ステージ２又は３に対応するものとして特定された、０．２Ｈｚ以上かつ０．３Ｈｚ以下の周波数帯域を含む領域において所定の形状を有する周波数スペクトルを、教師データとして用いて学習させた学習済モデルに対し、前記血流データの周波数スペクトルを与えた場合に、前記被検体の睡眠段階が前記ステージ１から前記ステージ２又は３へ遷移したかを判定する。
【０００６】
更に、本開示の一態様に係る睡眠推定方法は、被検体の血流データの周波数スペクトルに基づき、前記被検体の睡眠段階を判定する判定工程を含み、ノンレム睡眠における睡眠段階を、眠りの浅い睡眠段階から順にステージ１、２及び３とするとき、前記判定工程では、少なくとも前記周波数スペクトルが、０．２Ｈｚ以上かつ０．３Ｈｚ以下の周波数帯域を含む領域に所定の形状を含む場合に、前記被検体の睡眠段階が前記ステージ１から前記ステージ２又は３へ遷移したと判定する。
【０００７】
更に、本開示の一態様に係る睡眠推定方法は、被検体の血流データの周波数スペクトルに基づき、前記被検体の睡眠段階を判定する判定工程を含み、ノンレム睡眠における睡眠段階を、眠りの浅い睡眠段階から順にステージ１、２及び３とするとき、前記判定工程では、前記血流データとは異なる生体情報に基づいて前記ステージ２又は３に対応するものとして特定された、０．２Ｈｚ以上かつ０．３Ｈｚ以下の周波数帯域を含む領域において所定の形状を有する周波数スペクトルを、教師データとして用いて学習させた学習済モデルに対し、前記血流データの周波数スペクトルを与えた場合に、前記被検体の睡眠段階が前記ステージ１から前記ステージ２又は３へ遷移したかを判定する。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
実施形態１の睡眠推定システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
血流計が検出する血流波形データの一例を示すグラフである。
血流波形データに対してフーリエ変換処理を実行することにより生成された周波数スペクトルの一例を示すグラフである。
心電計が検出する心電波形データの一例を示すグラフである。
心電波形データに対してフーリエ変換処理を実行することにより生成された周波数スペクトルの一例を示すグラフである。
血流波形データに対するウェーブレット変換処理の結果の一例を示す画像である。
実施形態１の睡眠推定装置による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
実施形態２の睡眠推定システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、本開示に係る被検体の睡眠段階の判定（推定）について説明する。まず、本開示に係る被検体の睡眠段階の判定の元となる原理について説明する。本明細書において「Ａ～Ｂ」と記載した場合、「Ａ以上、かつＢ以下」を示すことに留意されたい。また、本明細書では、睡眠段階の判定に用いられる血流データの一例として、血流波形データを挙げて説明する。
【００１０】
〔原理〕
図２は、血流計が検出する血流波形データの一例を示すグラフである。図２において、縦軸は、時間当たりの血流量に比例する値［単位：無次元］を示し、横軸は、測定時間［単位：ｍｉｎ］を示す。血流計は、血流波形データとして、図２に示すような生波形データＷ１及び加工波形データＷ２を取得できる。加工波形データＷ２は、生波形データＷ１を、Ｒ波のピークを取得しやすいように加工した波形データである。加工波形データＷ２は、例えば、生波形データＷ１に平滑化処理を実行することにより生成される。加工波形データＷ２において、隣接するピーク（図中の逆三角形状が示す位置での血流量）間の時間間隔は、心拍間隔（ＲＲＩ：R-R Interval）を示す。図４に示す心拍の生波形データＷ１２においても同様に、隣接するピーク（図中の逆三角形状が示す位置での血流量）間の時間間隔は、心拍間隔（ＲＲＩ）を示す。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許