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公開番号2024155398
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023070077
出願日2023-04-21
発明の名称弾性波装置
出願人株式会社村田製作所
代理人弁理士法人大阪フロント特許事務所
主分類H03H 9/145 20060101AFI20241024BHJP(基本電子回路)
要約【課題】リターンロスを小さくすることができる弾性波装置を提供する。
【解決手段】弾性波装置1は、圧電性基板2と該基板上に設けらた1対のバスバー4、5、IDT電極3、反射器13Aを含む1対の反射器と、IDT電極の電極指6、7が重なり合っている交叉領域Aと、を備える。交叉領域は、中央領域Cと1対のエッジ領域Ea、Ebと、を有する。IDT電極の1対のバスバー及び各反射器の1対のバスバーにそれぞれ、反射器間方向xに沿ってそれぞれ複数の開口部Oa~Odが設けられている。IDT電極の中央領域Cにおける音速をVa、開口部形成領域Oaにおける音速をVbとしたときVa≠Vbであり、各反射器の延長中央領域における音速をVc、開口部形成領域Oc、Odにおける音速をVdとしたときVc≠Vdであり、IDT電極と、少なくとも一方の反射器が設けられている部分とにおいて、(Vb/Va)≠(Vd/Vc)である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
圧電性基板と、
前記圧電性基板上に設けられており、互いに対向している1対のバスバー、並びに互いに間挿し合っている複数の第1の電極指及び複数の第2の電極指を有するIDT電極と、
前記複数の第1の電極指及び前記複数の第2の電極指が延びる方向を第1の方向、前記第1の方向と直交する方向を第2の方向としたときに、前記第2の方向において、前記IDT電極を挟み互いに対向するように前記圧電性基板上に設けられている、1対の反射器と、
を備え、
各前記反射器が、互いに対向している1対の反射器バスバーと、前記1対の反射器バスバーに電気的に接続されている複数の反射器電極指と、を有し、
前記第2の方向から前記IDT電極を見たときに、隣り合う前記第1の電極指及び前記第2の電極指が重なり合っている領域が交叉領域であり、前記交叉領域が、中央領域と、前記第1の方向において前記中央領域を挟み互いに対向している1対のエッジ領域と、を有し、
前記中央領域を前記第2の方向において延長した領域が延長中央領域であり、
前記IDT電極の前記1対のバスバー、及び各前記反射器の前記1対の反射器バスバーにそれぞれ、前記第2の方向に沿って複数の開口部が設けられており、前記1対のバスバー、及び前記1対の反射器バスバーのそれぞれにおける、前記複数の開口部が設けられている領域が開口部形成領域であり、
前記IDT電極が設けられている部分において、前記中央領域における音速をVa、前記開口部形成領域における音速をVbとしたときに、Va≠Vbであり、各前記反射器が設けられている部分において、前記延長中央領域における音速をVc、前記開口部形成領域における音速をVdとしたときに、Vc≠Vdであり、
前記IDT電極が設けられている部分と、少なくとも一方の前記反射器が設けられている部分とにおいて、(Vb/Va)≠(Vd/Vc)である、弾性波装置。
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
圧電性基板と、
前記圧電性基板上に設けられており、互いに対向している1対のバスバー、並びに互いに間挿し合っている複数の第1の電極指及び複数の第2の電極指を有するIDT電極と、
前記複数の第1の電極指及び前記複数の第2の電極指が延びる方向を第1の方向、前記第1の方向と直交する方向を第2の方向としたときに、前記第2の方向において、前記IDT電極を挟み互いに対向するように前記圧電性基板上に設けられている、1対の反射器と、
を備え、
前記反射器が、互いに対向している1対の反射器バスバーと、前記1対の反射器バスバーに電気的に接続されている複数の反射器電極指と、を有し、
前記第2の方向から前記IDT電極を見たときに、隣り合う前記第1の電極指及び前記第2の電極指が重なり合っている領域が交叉領域であり、前記交叉領域が、中央領域と、前記第1の方向において前記中央領域を挟み互いに対向している1対のエッジ領域と、を有し、
前記中央領域を前記第2の方向において延長した領域が延長中央領域であり、
前記IDT電極の前記1対のバスバー、及び前記反射器の前記1対の反射器バスバーにそれぞれ、前記第2の方向に沿って複数の開口部が設けられており、前記1対のバスバー、及び前記1対の反射器バスバーのそれぞれにおける、前記複数の開口部が設けられている領域が開口部形成領域であり、
前記第2の方向において、金属により前記圧電性基板が被覆されている部分の割合いを、メタライゼーション比とし、前記IDT電極が設けられている部分において、前記中央領域における前記メタライゼーション比をMa、前記開口部形成領域における前記メタライゼーション比をMbとしたときに、Ma≠Mbであり、各前記反射器が設けられている部分において、前記延長中央領域における前記メタライゼーション比をMc、前記開口部形成領域における前記メタライゼーション比をMdとしたときに、Mc≠Mdであり、
前記IDT電極が設けられている部分と、少なくとも一方の前記反射器が設けられている部分とにおいて、(Mb/Ma)≠(Md/Mc)である、弾性波装置。
【請求項3】
前記IDT電極が設けられている部分と、双方の前記反射器が設けられている部分との間において、(Mb/Ma)≠(Md/Mc)である、請求項2に記載の弾性波装置。
【請求項4】
各前記反射器の前記1対の反射器バスバーがそれぞれ、前記第1の方向に沿って並んでいる内側バスバー部及び外側バスバー部と、前記内側バスバー部及び前記外側バスバー部を接続しており、前記第2の方向に沿って並んでいる複数の接続電極と、を有し、
少なくとも一方の前記反射器において、隣り合う前記反射器電極指同士の中心間距離と、隣り合う前記接続電極同士の中心間距離とが互いに異なる、請求項1または2に記載の弾性波装置。
【請求項5】
前記IDT電極の前記1対のバスバー及び各前記反射器の前記1対の反射器バスバーがそれぞれ、前記第1の方向に沿って並んでいる内側バスバー部及び外側バスバー部と、前記内側バスバー部及び前記外側バスバー部を接続しており、前記第2の方向に沿って並んでいる複数の接続電極と、を有し、
前記IDT電極の前記1対のバスバー及び各前記反射器の前記1対の反射器バスバーのそれぞれにおいて、前記内側バスバー部及び前記外側バスバー部の間の領域が前記開口部形成領域であり、
前記IDT電極の前記バスバーにおける隣り合う前記接続電極のうち少なくとも一方に接続されており、前記第2の方向に延びている複数の第1の電極パターン部と、
各前記反射器の前記反射器バスバーにおける隣り合う前記接続電極のうち少なくとも一方に接続されており、前記第2の方向に延びている複数の第2の電極パターン部と、
をさらに備え、
前記IDT電極の前記開口部形成領域における、前記複数の第1の電極パターン部の面積占有率と、少なくとも一方の前記反射器の前記開口部形成領域における、前記複数の第2の電極パターン部の面積占有率とが互いに異なる、請求項1または2に記載の弾性波装置。
【請求項6】
前記第1の電極パターン部の前記第1の方向に沿う寸法と、前記第2の電極パターン部の前記第1の方向に沿う寸法とが互いに異なる、請求項5に記載の弾性波装置。
【請求項7】
前記第1の電極パターン部の前記第2の方向に沿う寸法と、前記第2の電極パターン部の前記第2の方向に沿う寸法とが互いに異なる、請求項5に記載の弾性波装置。
【請求項8】
前記IDT電極の前記バスバーにおける隣り合う前記接続電極の間にそれぞれ、1本の前記第1の電極パターン部、または前記第1の方向に沿って並んでいる2本以上の前記第1の電極パターン部が設けられており、
前記反射器の前記反射器バスバーにおける隣り合う前記接続電極の間にそれぞれ、1本の前記第2の電極パターン部、または前記第1の方向に沿って並んでいる2本以上の前記第2の電極パターン部が設けられており、
前記IDT電極の前記バスバーにおける隣り合う前記接続電極の間に設けられている前記第1の電極パターン部の本数と、少なくとも一方の前記反射器の前記反射器バスバーにおける隣り合う前記接続電極の間に設けられている前記第2の電極パターン部の本数とが互いに異なる、請求項5に記載の弾性波装置。
【請求項9】
前記圧電性基板上に、前記IDT電極及び各前記反射器を覆うように設けられている誘電体膜をさらに備え、
前記誘電体膜の、少なくとも一方の前記反射器を覆っている部分における、前記延長中央領域と平面視において重なっている部分の厚みと、前記開口部形成領域と平面視において重なっている部分の厚みとが互いに異なる、請求項1または2に記載の弾性波装置。
【請求項10】
前記圧電性基板と、前記IDT電極及び各前記反射器との間に設けられている誘電体層をさらに備え、
前記誘電体層の、少なくとも一方の前記反射器が設けられている部分における前記延長中央領域に位置している部分の厚みと、前記開口部形成領域に位置している部分の厚みとが互いに異なる、請求項1または2に記載の弾性波装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、弾性波装置は、携帯電話機のフィルタなどとして広く用いられている。下記の特許文献1には、弾性波装置の一例が開示されている。この弾性波装置においては、圧電基板上にIDT(Interdigital Transducer)が設けられている。IDTにおいては、複数の電極指が延びる方向における内側から外側にかけて、中央領域、低音速領域及び高音速領域がこの順序で配置されている。複数の電極指が延びる方向において、音速が互いに異なる領域が配置されていることにより、横モードの抑制が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2015/182522号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の弾性波装置においては、リターンロスが大きくなることを十分に抑制できないおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、リターンロスを小さくすることができる、弾性波装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る弾性波装置のある広い局面では、圧電性基板と、前記圧電性基板上に設けられており、互いに対向している1対のバスバー、並びに互いに間挿し合っている複数の第1の電極指及び複数の第2の電極指を有するIDT電極と、前記複数の第1の電極指及び前記複数の第2の電極指が延びる方向を第1の方向、前記第1の方向と直交する方向を第2の方向としたときに、前記第2の方向において、前記IDT電極を挟み互いに対向するように前記圧電性基板上に設けられている、1対の反射器とを備え、各前記反射器が、互いに対向している1対の反射器バスバーと、前記1対の反射器バスバーに電気的に接続されている複数の反射器電極指とを有し、前記第2の方向から前記IDT電極を見たときに、隣り合う前記第1の電極指及び前記第2の電極指が重なり合っている領域が交叉領域であり、前記交叉領域が、中央領域と、前記第1の方向において前記中央領域を挟み互いに対向している1対のエッジ領域とを有し、前記中央領域を前記第2の方向において延長した領域が延長中央領域であり、前記IDT電極の前記1対のバスバー、及び各前記反射器の前記1対の反射器バスバーにそれぞれ、前記第2の方向に沿って複数の開口部が設けられており、前記1対のバスバー、及び前記1対の反射器バスバーのそれぞれにおける、前記複数の開口部が設けられている領域が開口部形成領域であり、前記IDT電極が設けられている部分において、前記中央領域における音速をVa、前記開口部形成領域における音速をVbとしたときに、Va≠Vbであり、各前記反射器が設けられている部分において、前記延長中央領域における音速をVc、前記開口部形成領域における音速をVdとしたときに、Vc≠Vdであり、前記IDT電極が設けられている部分と、少なくとも一方の前記反射器が設けられている部分とにおいて、(Vb/Va)≠(Vd/Vc)である。
【0007】
本発明に係る弾性波装置の他の広い局面では、圧電性基板と、前記圧電性基板上に設けられており、互いに対向している1対のバスバー、並びに互いに間挿し合っている複数の第1の電極指及び複数の第2の電極指を有するIDT電極と、前記複数の第1の電極指及び前記複数の第2の電極指が延びる方向を第1の方向、前記第1の方向と直交する方向を第2の方向としたときに、前記第2の方向において、前記IDT電極を挟み互いに対向するように前記圧電性基板上に設けられている、1対の反射器とを備え、前記反射器が、互いに対向している1対の反射器バスバーと、前記1対の反射器バスバーに電気的に接続されている複数の反射器電極指とを有し、前記第2の方向から前記IDT電極を見たときに、隣り合う前記第1の電極指及び前記第2の電極指が重なり合っている領域が交叉領域であり、前記交叉領域が、中央領域と、前記第1の方向において前記中央領域を挟み互いに対向している1対のエッジ領域とを有し、前記中央領域を前記第2の方向において延長した領域が延長中央領域であり、前記IDT電極の前記1対のバスバー、及び前記反射器の前記1対の反射器バスバーにそれぞれ、前記第2の方向に沿って複数の開口部が設けられており、前記1対のバスバー、及び前記1対の反射器バスバーのそれぞれにおける、前記複数の開口部が設けられている領域が開口部形成領域であり、前記第2の方向において、金属により前記圧電性基板が被覆されている部分の割合いを、メタライゼーション比とし、前記IDT電極が設けられている部分において、前記中央領域における前記メタライゼーション比をMa、前記開口部形成領域における前記メタライゼーション比をMbとしたときに、Ma≠Mbであり、各前記反射器が設けられている部分において、前記延長中央領域における前記メタライゼーション比をMc、前記開口部形成領域における前記メタライゼーション比をMdとしたときに、Mc≠Mdであり、前記IDT電極が設けられている部分と、少なくとも一方の前記反射器が設けられている部分とにおいて、(Mb/Ma)≠(Md/Mc)である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の弾性波装置によれば、リターンロスを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の模式的平面図である。
本発明の第1の実施形態のIDT電極における、第1のバスバー付近及び第2のバスバー付近の一部を拡大して示す模式的平面図である。
比較例の弾性波装置の模式的平面図である。
本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置のインピーダンス周波数特性を示す図である。
本発明の第1の実施形態、第1の実施形態の変形例及び比較例の弾性波装置の、共振周波数付近におけるリターンロスを示す図である。
本発明の第1の実施形態、第1の実施形態の変形例及び比較例の弾性波装置の、反共振周波数付近におけるリターンロスを示す図である。
本発明の第1の実施形態、第1の実施形態の変形例及び比較例の弾性波装置の、ストップバンドの上端付近におけるリターンロスを示す図である。
本発明の第2の実施形態のIDT電極における、第1のバスバー付近及び第2のバスバー付近の一部を拡大して示す模式的平面図である。
本発明の第3の実施形態に係る弾性波装置の模式的平面図である。
本発明の第3の実施形態、第3の実施形態の変形例及び比較例の弾性波装置の、共振周波数付近におけるリターンロスを示す図である。
本発明の第3の実施形態、第3の実施形態の変形例及び比較例の弾性波装置の、反共振周波数付近におけるリターンロスを示す図である。
本発明の第3の実施形態、第3の実施形態の変形例及び比較例の弾性波装置の、ストップバンドの上端付近におけるリターンロスを示す図である。
本発明の第4の実施形態に係る弾性波装置の模式的平面図である。
本発明の第5の実施形態に係る弾性波装置の模式的平面図である。
本発明の第6の実施形態に係る弾性波装置の模式的平面図である。
本発明の第7の実施形態に係る弾性波装置の模式的平面図である。
本発明の第8の実施形態に係る弾性波装置の模式的平面図である。
本発明の第9の実施形態に係る弾性波装置の模式的平面図である。
図18中のI-I線に沿う模式的断面図である。
本発明の第10の実施形態に係る弾性波装置の模式的平面図である。
図20中のI-I線に沿う模式的断面図である。
本発明の第10の実施形態の変形例の弾性波装置における、図21に示す断面に相当する部分を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
(【0011】以降は省略されています)

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