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公開番号2024150905
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-24
出願番号2023063939
出願日2023-04-11
発明の名称回転電機
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人信友国際特許事務所
主分類H02K 3/46 20060101AFI20241017BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ローレンツ力によって導線が振動することを防止することができる回転電機を提供する。
【解決手段】転電機は、固定子と、回転子と、を備えている。固定子は、複数のボビン130と、電機子巻線112と、を有している。また、ボビン130の胴部131の側面部131a、131bは、複数の突起136と、2つの突起136の間に形成される溝部137と、を有している。そして、電機子巻線112における1層目の導線は、溝部137に一部が配置される第1導線112a1と、第1導線112a1と隣接し、突起136に巻かれる第2導線112a2と、を有している。また、突起136における溝部137からの突出高さH1は、導線の高さよりも小さく設定される。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
固定子と、
前記固定子と対向して配置される回転子と、を備え、
前記固定子は、
複数のボビンと、
前記ボビンの胴部に集中巻された平角線からなる導線を有する電機子巻線と、を有し、
前記ボビンの前記胴部の側面部は、複数の突起と、2つの前記突起の間に形成される溝部と、を有し、
前記電機子巻線における1層目の導線は、
前記溝部に一部が配置される第1導線と、
前記第1導線と隣接し、前記突起に巻かれる第2導線と、を有し、
前記突起における前記溝部からの突出高さは、前記導線の高さよりも小さく設定される
回転電機。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
複数の前記突起の数は、前記電機子巻線の前記導線の層数と同数以上である
請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記突起における前記溝部からの突出高さは、前記導線の高さの半分の長さに設定されている
請求項1に記載の回転電機。
【請求項4】
前記溝部における2つの前記突起の間の長さは、前記導線の長手方向の長さに前記導線の巻膨らみ余裕を加えた長さに設定される
請求項1に記載の回転電機。
【請求項5】
前記導線は、導体に絶縁被膜をコーティングすることで形成され、
前記突起における前記溝部からの突出高さ及び前記溝部における2つの前記突起の間の長さは、前記導体にコーティングされた前記絶縁被膜の厚さを考慮して設定される
請求項3又は4に記載の回転電機。
【請求項6】
前記胴部は、
前記突起と前記溝部が形成された第1側面部と、
前記第1側面部と対向し、前記突起と前記溝部が形成された第2側面部と、を有し、
前記第2側面部における、前記第1側面部の前記溝部が形成された位置と対向する位置には、前記突起が形成され、
前記第2側面部における、前記第1側面部の前記突起が形成された位置と対向する位置には、前記溝部が形成される
請求項1に記載の回転電機。
【請求項7】
前記突起に突出方向の先端側である前記導線と接触する接触面は、前記導線の形状に合わせて一部に曲面が形成される
請求項1に記載の回転電機。
【請求項8】
前記導線における2層目以降の導線は、少なくとも4本の導線と接触して配置される
請求項1に記載の回転電機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に、エレベーターの巻上機やその他各種の装置には、固定子と、回転子を有する回転電機が設けられている。従来の回転電機としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。
【0003】
特許文献1には、鉄心の周囲を覆う絶縁部材の巻回部に平角線を複数層に重ねて巻回した回転電機のコイルが記載されている。そして、絶縁部材の巻回部は、巻回軸に直交する断面が方形状であり、平角線の横断面は、長辺および短辺を有する長方形状であることが記載されている。また、平角線の一方の長辺が絶縁部材の巻回部に対向するように巻回されている。そして、特許文献1には、絶縁部材の巻き始め部分に対応する巻回部の相対向する一対の辺に沿ってそれぞれ段状突起部を形成することが記載されている。また、段状突起部の幅は、そこに巻回された初期ターン部の平角線の倒れを阻止し得る幅である。さらに、段状突起部の高さHは初期ターン部に隣接する複数層の実ターン部の最外層の平角線が、初期ターン部の平角線に係止されて巻回軸の方向へのずれを阻止される高さであることが記載されている。
【0004】
また、一般的に回転電機のコイルは、駆動中の振動や熱膨張の影響で解けたりしないように、ワニス等の樹脂を用いて固定される。しかしながら、長期的に運用された回転電機のコイルは、繰り返し温度変化や電磁力にさらされることで、樹脂層の摩耗や油脂分の減少が起こり、導線同士の結合力が弱まる。
【0005】
導線同士の結合力が弱まると、コイルに作用するローレンツ力等の作用で、コイルが振動し、振動による摩擦でエナメル層などのコイル表面の被膜が剥がれてしまう。そして、被膜が剥がれたコイルの導線は、導線同士の接触による層間短絡や導線とコアの接触による地絡などを引き起こす原因となっていた。
【0006】
このため、定期的なメンテナンスによる摩耗箇所の確認や、摩耗を低減する対策が必要である。そして、集中巻の回転電機では、コイルに作用するローレンツ力が固定子ヨーク側に発生する。例えば、アウターロータ型の回転電機では、内径方向にローレンツ力が発生し、その力の大きさは周期的である。なお、インターロータ型の回転電機では、外径方向にローレンツ力が発生する。このため、コイルの導線が内径方向に変位しないように、絶縁物等で固定したり、接着を強化したりする必要があった。
【0007】
このような問題の対策として、特許文献1に記載されている技術では、導線の幅方向がボビンの段状突起部に接触することで、導線がローレンツ力によって変位することを規制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2004-312795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された技術において、ローレンツ力による変位を規制することができるのは、コイルの1層目だけであった。通常、集中巻コイル構造の回転電機では、平角線である導線が何層も重ねて巻かれている。その結果、特許文献1に記載された技術では、2層目以降に作用したローレンツ力による変位を規制する効果はなく、1層目以外は振動し、動線の被膜が剥がれる、という問題を有していた。
【0010】
本目的は、上記の問題点を考慮し、ローレンツ力によって導線が振動することを防止することができる回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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