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公開番号2025064532
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2023174376
出願日2023-10-06
発明の名称同期回転電機
出願人個人
代理人弁理士法人平和国際特許事務所
主分類H02K 1/2753 20220101AFI20250410BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】 磁石体及びヨークを反発力に拮抗しながら容易に組み立てることができるようにするとともに、磁石体及びヨークを磁気飽和を防いで安定して一体化できるようにする。
【解決手段】 磁石体2が同極同士を互いに対向させて扇型のヨーク3を介して等角度間隔に配置されたロータにおいて、磁石体2として磁束密度Bが150mT≦Bになるネオジム磁石を用い、ヨーク3の中心角θを20°<θ<40°に設定し、磁石体2の側面をこれに直交する方向から見たとき、磁石体2の側面の周縁からヨーク3の側面の周縁を突出させて磁石体2の側面とヨーク3の側面とを接合させ、ヨーク3のアキシャル方向の突出寸法Ea、アキシャル方向他方側の突出寸法Eb、隣接する磁石体2の最小間隔Gの関係を、0.5mm≦Ea≦5mm、0.5mm≦Eb≦5mm、0.5mm≦G≦5mmに設定した。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
回転軸により回転させられるリング状のロータと、ロータの周囲に設けられるステータとを備え、上記ロータを、上記回転軸の外側に該回転軸の中心軸を中心とする円周方向に沿って同極同士を互いに対向させて等角度間隔に配置され同一形状且つ同一の大きさに形成された複数の永久磁石からなる磁石体と、隣接する磁石体間に配置され該磁石体の側面に接合する側面を有するとともに所定の中心角を有した扇状で同一形状且つ同一の大きさに形成された複数のヨークとを備えて構成した同期回転電機において、
上記磁石体を、その磁束密度をBとしたとき、150mT≦Bの磁石材料で構成し、
上記ヨークの中心角をθとしたとき、20°<θ<40°に設定し、
上記磁石体のアキシャル方向の長さをMa、ラジアル方向の長さをMrとし、上記ヨークのアキシャル方向の長さをYa、ラジアル方向の長さをYrとしたとき、Ma<Ya、Mr<Yrに設定し、
上記磁石体の側面をこれに直交する方向から見たとき該磁石体の側面の周縁から上記ヨークの側面の周縁を突出させて該磁石体の側面と上記ヨークの側面とを接合させ、
上記磁石体の側面のアキシャル方向一方側の周縁に対する上記ヨークの側面のアキシャル方向一方側の周縁の突出寸法をEaとし、上記磁石体の側面のアキシャル方向他方側の周縁に対する上記ヨークの側面のアキシャル方向他方側の周縁の突出寸法をEbとし、隣接する磁石体の最小間隔をGとしたとき、
0.5mm≦Ea≦5mm、0.5mm≦Eb≦5mm、0.5mm≦G≦5mmに設定したことを特徴とする同期回転電機。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
上記磁石体の側面のラジアル方向外端側の周縁に対する上記ヨークの側面のラジアル方向外側の周縁の突出寸法をEcとしたとき、0.5mm≦Ec≦5mmに設定したことを特徴とする請求項1記載の同期回転電機。
【請求項3】
上記ヨークにおいて、25.7°<θ≦36°の範囲であって、該ヨークの数をnとしたとき、n=10,n=12,n=14の何れかにし、上記磁石体を、略直方体状に形成したことを特徴とする請求項2記載の同期回転電機。
【請求項4】
上記ヨークの側面の外端部に、周方向に沿って突出形成され上記磁石体の外端面が衝止する突片を形成したことを特徴とする請求項3記載の同期回転電機。
【請求項5】
上記ロータを、上記回転軸が挿通されて固定されるとともに上記各ヨークの基端部を保持する非磁性体からなるホルダを備えて構成したことを特徴とする請求項4記載の同期回転電機。
【請求項6】
上記ロータを、上記回転軸が挿通されて固定されるリング状に形成され外周部に上記各ヨークの基端部を保持する非磁性体からなるホルダを備えて構成し、上記ヨークの内端部に周方向左右に突出する係合部を設け、上記ホルダの外周部に上記係合部が該ホルダの上記中心軸に直交する一方面または他方面側から挿入されて係合する被係合部を形成したことを特徴とする請求項4記載の同期回転電機。
【請求項7】
上記ロータを、上記回転軸が挿通されて固定されるとともに上記各ヨークの上記中心軸に直交する一方面及び他方面に夫々付設されて上記各ヨークの基端部を保持する非磁性体からなる一対のプレートを備えたホルダを備えて構成し、上記各ヨークの基端部に上記回転軸の軸方向に沿う第1ボルト挿通孔を形成し、上記ホルダの各プレートに上記第1ボルト挿通孔に対応した複数の第2ボルト挿通孔を形成し、上記一方のプレートの第2ボルト挿通孔、上記各ヨークの第1ボルト挿通孔及び上記他方のプレートの第2ボルト挿通孔に非磁性体からなるボルトを挿通し、各ボルトに非磁性体からなるナットを螺合して、上記各ヨークを一対のプレートで挾持することを特徴とする請求項4記載の同期回転電機。
【請求項8】
上記ステータとして、上記ロータの外周面にエアギャップを介して対面するとともに該ロータの回転軸を中心とした円周上に所定間隔で列設された複数のステータコイルを備えたラジアル位置ステータを備えたことを特徴とする請求項1乃至7何れかに記載の同期回転電機。
【請求項9】
上記ステータとして、上記ロータの中心軸に直交する一方面及び/または他方面にエアギャップを介して対面するとともに該ロータの回転軸を中心とした円周上に所定間隔で列設された複数のステータコイルを備えたアキシャル位置ステータを備えたことを特徴とする請求項1乃至7何れかに記載の同期回転電機。
【請求項10】
上記ステータとして、上記ロータの外周面にエアギャップを介して対面するとともに該ロータの回転軸を中心とした円周上に所定間隔で列設された複数のステータコイルを備えたラジアル位置ステータと、上記ロータの中心軸に直交する一方面及び/または他方面にエアギャップを介して対面するとともに該ロータの回転軸を中心とした円周上に所定間隔で列設された複数のステータコイルを備えたアキシャル位置ステータとを備えたことを特徴とする請求項1乃至7何れかに記載の同期回転電機。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸により回転させられるリング状のロータとロータの周囲に設けられるステータとを備え電動機あるいは発電機として構成可能な同期回転電機に係り、特に、永久磁石を同極同士が互いに対向するように独立した扇型のヨークを介して周方向に配置した所謂同極反発型のロータを備えた同期回転電機に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種の同期回転電機としては、例えば、特開平6-38415号公報(特許文献1)に掲載されたものが知られており、これは、図31に示すように、回転軸(図示せず)により回転させられるリング状のロータ100と、ロータ100の周囲に設けられるステータ(図示せず)とを備え、ロータ100は、回転軸の外側に回転軸の中心軸Pを中心とする円周方向に沿って同極同士を互いに対向させて等角度間隔(45°)に配置され同一形状且つ同一の大きさで細長の直方体に形成された複数の永久磁石からなる磁石体101と、隣接する磁石体101間に配置され磁石体101の側面に接合する側面を有するとともに所定の中心角(45°)を有した扇状で同一形状且つ同一の大きさに形成された複数のヨーク102とを備えて構成されている。
【0003】
ところで、同期回転電機Kaとして、例えばモータ(電動機)の場合、エネルギー効率の高いモータを得るために、ロータ100の磁石体101として、フェライト系のものに代わり、磁束密度の高い例えばネオジム系磁石を用いたい。しかし、この磁束密度の高い磁石体101を用いたロータ100を設計し安価に生産しようとした際に、図31に示す磁石体101を独立したヨーク102を介して周方向に配置するタイプのロータ100においては、磁石体がフェライト系磁石では問題ないものの、高磁束密度の磁石体101の場合には、磁力が強力で組み立て実装工程に困難性が生じる。そのため、従来においては、ロータとして磁石体を鉄心に埋め込むタイプにした所謂IPMモータが普及している(例えば、特開平10-66285号公報等参照)。しかしながら、例えば、EVやロボットなどの分野においては、出来るだけ低重量で高トルク、高回転のモータを利用することが求められ、磁石体101を独立したヨーク102を介して周方向に配置するタイプのロータ100は、単位重量あたりのトルク密度に優れていることから、その普及が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-38415号公報
特開平10-66285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、再度、磁石体101を独立したヨーク102を介して周方向に配置するタイプのロータ100についての問題点を詳しく挙げると、図31に示すように、このロータ100においては、磁石体101が細長の直方体に形成され、扇型のヨーク102の付け根が広くなっているので、磁束が漏れて本来磁束密度を高めたいラジアル方向の磁束密度が高くならない、本来磁石が保有する磁束を有効に利用することができずエネルギー効率が悪い、という問題がある。そのため、扇型のヨークの付け根幅を狭くするようにし、ヨークの付け根の磁束を極端に少なくしてラジアル方向の磁束密度を高めることが考えられるが、反面、磁気飽和し易くなり、この部分から同極磁石が反発することになるので、上記の実装する場合に磁力が強力で組み立て実装工程に困難性が生じてしまう。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、永久磁石を同極同士が互いに対向するように独立した扇型のヨークを介して周方向に配置したロータを備えたものにおいて、ネオジム磁石などの高性能磁石を用いても、磁石体及びヨークを反発力に拮抗しながら容易に組み立てることができるようにするとともに、磁石体から放射される磁束をヨークに有効に導いて、同時に磁気飽和を防いで高性能磁石とヨークの最適構造化を達成し、磁気的に自動安定して一体化し、高性能磁石が保有するほとんどの磁束密度をヨークに吸収し駆動力に貢献する磁束として放出し最大限活かすことができる同期回転電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者は、長年の研究により、磁束密度の高い高性能磁石体とヨークとの関係を検討した結果、磁気飽和させること無く最大効率を生み出すことができる条件を見出し、本発明を完成させた。
即ち、上記課題を解決するための本発明の同期回転電機は、回転軸により回転させられるリング状のロータと、ロータの周囲に設けられるステータとを備え、上記ロータを、上記回転軸の外側に該回転軸の中心軸を中心とする円周方向に沿って同極同士を互いに対向させて等角度間隔に配置され同一形状且つ同一の大きさに形成された複数の永久磁石からなる磁石体と、隣接する磁石体間に配置され該磁石体の側面に接合する側面を有するとともに所定の中心角を有した扇状で同一形状且つ同一の大きさに形成された複数のヨークとを備えて構成した同期回転電機において、
上記磁石体を、その磁束密度をBとしたとき、150mT≦Bの磁石材料で構成し、
上記ヨークの中心角をθとしたとき、20°<θ<40°に設定し、
上記磁石体のアキシャル方向の長さをMa、ラジアル方向の長さをMrとし、上記ヨークのアキシャル方向の長さをYa、ラジアル方向の長さをYrとしたとき、Ma<Ya、Mr<Yrに設定し、
上記磁石体の側面をこれに直交する方向から見たとき該磁石体の側面の周縁から上記ヨークの側面の周縁を突出させて該磁石体の側面と上記ヨークの側面とを接合させ、
上記磁石体の側面のアキシャル方向一方側の周縁に対する上記ヨークの側面のアキシャル方向一方側の周縁の突出寸法をEaとし、上記磁石体の側面のアキシャル方向他方側の周縁に対する上記ヨークの側面のアキシャル方向他方側の周縁の突出寸法をEbとし、隣接する磁石体の最小間隔をGとしたとき、
0.5mm≦Ea≦5mm、0.5mm≦Eb≦5mm、0.5mm≦G≦5mmに
設定した構成としている。
【0008】
ここで、150mT≦Bの磁石材料としては、希土類磁石を挙げることができる。希土類磁石は希土類金属(ネオジウム、サマリウム、コバルトなど合計17元素)の粉末を成型してから焼結した高性能なマグネットを言う。サマリウム・コバルトSm-Co系マグネット(通称:サマコバ磁石)と、ネオジウム・鉄・ボロンNd-Fe-B系マグネット(通称:ネオジム磁石)とがある。
また、ヨークとしては、飽和磁束密度が高い鉄系の材料、電磁軟鉄、圧紛鉄心、電磁鋼板、低炭素鋼、珪素鋼板等、適宜の材質のものが選択される。必要に応じて、熱処理を行ない、あるいは、防錆のためのメッキや塗装処理を施すことができる。
【0009】
これにより、ロータを組み立てるときは、図5に示すように、例えば、予め、1つのヨークの一方側面に1つの磁石体(一方の磁石体)のS極側面を接合させ、このヨークの他方側面に別の磁石体(他方の磁石体)のS極側面を接合させる。若しくは、図示しないが、予め、1つのヨークの一方側面に1つの磁石体(一方の磁石体)のN極側面を接合させ、このヨークの他方側面に別の磁石体(他方の磁石体)のN極側面を接合させる。
【0010】
この場合、本発明によれば、一方の磁石体が吸着したヨークに他方の磁石体を近づけてこれらの面同士を接合しようとすると反発を受けて吸着できない状態が一時的に生じても、他方の磁石体を更に近接させて面接合させるようにするとそのS極の磁束がヨークに吸収されるようになることから、吸着できるようになる。その理由は、本発明では、図6に示すように、ヨークの中心角θを、20°<θ<40°に設定するとともに、隣接する磁石体の最小間隔Gを0.5mm≦G≦5mmにすることにより、扇型のヨークの付け根幅を狭くするようにし、更に、磁石体の側面をこれに直交する方向から見たとき磁石体の側面の周縁からヨークの側面の周縁を突出させて、即ち、ヨークの周縁(ヨークの全周辺)を磁石体の周縁(磁石体の全周辺)に対して、はみ出すような構成にしたので、特に、図6(b)及び図7(a)に示すように、ヨークの周縁を磁石体の周縁に対して、ラジアル方向のみならずアキシャル方向においても、0.5mm~5mm突出させたので、他方の磁石体を更にヨークに近接させて面接合させると、S極の磁束がヨークに吸収されるようになるからである。
(【0011】以降は省略されています)

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