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公開番号
2024150669
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-23
出願番号
2024119174,2021516229
出願日
2024-07-25,2020-04-24
発明の名称
子宮内膜症の診断方法、病態モニタリング方法及びキット
出願人
中外製薬株式会社
,
学校法人自治医科大学
,
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
33/68 20060101AFI20241016BHJP(測定;試験)
要約
【課題】子宮内膜症を診断する方法または対象における子宮内膜症の罹患の有無を決定する方法、子宮内膜症に罹患した対象の子宮内膜における線維化または癒着の程度を決定する方法、子宮内膜症に罹患した対象の痛みを予測する方法、子宮内膜症に罹患した対象の病態をモニタリングする方法等、およびこれらの方法を行うためのキットを提供すること。
【解決手段】子宮内膜症患者において存在量が健常人と異なる複数のマーカーが存在すること、それらのマーカーの存在量を測定することにより、対象が子宮内膜症を罹患しているか否かを診断できること、子宮内膜の線維化、癒着の程度を決定できること、子宮内膜症に罹患した対象の痛みを予測できること、子宮内膜症に罹患した対象の病態をモニタリングできることを見出した。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
子宮内膜症の診断を補助する方法であって、
対象から得られた血漿試料における、マーカーNeutrophil-activating peptide 2および/またはConnective-tissue-activating peptide IIIの存在量を測定する工程を含む方法。
続きを表示(約 530 文字)
【請求項2】
対象における子宮内膜症の罹患の有無の決定を補助する方法であって、
対象から得られた血漿試料における、マーカーNeutrophil-activating peptide 2および/またはConnective-tissue-activating peptide IIIの存在量を測定する工程を含む方法。
【請求項3】
前記マーカーの存在量は、血漿試料中の当該マーカーのポリペプチド濃度である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
子宮内膜症を診断するためのキットであって、
マーカーNeutrophil-activating peptide 2および/またはConnective-tissue-activating peptide IIIの存在量を測定するための試薬を含むキット。
【請求項5】
対象における子宮内膜症の罹患の有無を決定するためのキットであって、
マーカーNeutrophil-activating peptide 2および/またはConnective-tissue-activating peptide IIIの存在量を測定するための試薬を含むキット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、子宮内膜症を診断する方法または対象における子宮内膜症の罹患の有無を決定する方法、子宮内膜症に罹患した対象の子宮内膜における線維化または癒着の程度を決定する方法、子宮内膜症に罹患した対象の痛みを予測する方法、子宮内膜症に罹患した対象の病態をモニタリングする方法等、およびこれらの方法を行うためのキット等に関する。
続きを表示(約 14,000 文字)
【背景技術】
【0002】
子宮内膜症は、妊娠可能な女性の6~10%に認められるエストロゲン依存性の炎症性疾患で、50%以上の患者において不妊症や骨盤痛が認められる(非特許文献1)。子宮内膜症の発症メカニズムに関して、様々な仮説が唱えられており(非特許文献2)、炎症性サイトカイン・ケモカイン、増殖因子、ホルモンなど様々な因子との関連性が報告されている(非特許文献3)。また、ホルモンを標的とした薬剤はすでに開発されており、ホルモン剤であるGnRHアンタゴニストやプロゲステロン製剤によって、疼痛の緩和、病態の改善が示されている(非特許文献4、5)。しかし、ホルモン剤治療は副作用が強く、長期的な使用が困難であることが治療上の問題となっている(非特許文献6)。また、炎症性サイトカイン・ケモカインを標的とした薬剤開発が進んでおり、子宮内膜症サルモデルにおいて、抗IL-8抗体が強い病態改善効果を示している(特許文献1)。
【0003】
子宮内膜症の診断において、内視鏡による観察や開腹手術など浸潤的な手法においてのみ確定診断が可能となる。また、患者において普段の月経に伴う症状(痛みなど)と初期的な子宮内膜症の症状の違いに気づくことが困難である。これらにより、患者候補群の診断までのハードルが高く、発症から確定診断まで平均して7~11年を要すると考えられている。確定診断の遅れは子宮内膜症の治療開始時期の遅れとなり、臨床上大きな問題となっている(非特許文献7、8)。このため血液マーカーなど患者の負担が少ない非浸潤的な診断法が強く求められているが、精度の高い診断法はまだ確立されていない(非特許文献9)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
WO2018/025982
【非特許文献】
【0005】
Giudice LC. Endometriosis. N Engl J Med 2010; 362:2389-98.
Rogers PA et al. Research priorities for endometriosis. Reprod Sci 2017; 24:202-226.
Beste MT et al. Molecular network analysis of endometriosis reveals a role for c-Jun-regulated macrophage activation. Sci Transl Med. 2014; 6:222ra216.
Taylor HS et al. Treatment of Endometriosis-Associated Pain with Elagolix, an Oral GnRH Antagonist. N Engl J Med. 2017; 377:28-40.
Kohler G et al. A dose-ranging study to determine the efficacy and safety of 1, 2, and 4mg of dienogest daily for endometriosis. Int J Gynaecol Obstet. 2010; 108:21-5.
Treatment of Endometriosis-Associated Pain with Elagolix, an Oral GnRH Antagonist.
Greene R et al. Diagnostic experience among 4,334 women reporting surgically diagnosed endometriosis. Fertility and Sterility, 2009; 91:32-39.
Manderson L et al. Circuit breaking: Pathways of treatment seeking for women with endometriosis in Australia. Qualitative Health Research, 2008; 18:522-534.
Fassbender A et al. Update on biomarkers for the detection of endometriosis. Biomed Res Int 2015; 2015:130854.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、子宮内膜症を診断する方法または対象における子宮内膜症の罹患の有無を決定する方法、子宮内膜症に罹患した対象の子宮内膜における線維化または癒着の程度を決定する方法、子宮内膜症に罹患した対象の痛みを予測する方法、子宮内膜症に罹患した対象の病態をモニタリングする方法等、およびこれらの方法を行うためのキットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の発明者らは、子宮内膜症の診断方法及び病態モニタリング方法について鋭意研究を行った結果、子宮内膜症患者において存在量が健常人と異なる複数のマーカーが存在すること、それらのマーカーの存在量を測定することにより、対象が子宮内膜症を罹患しているか否かを診断できること、子宮内膜の線維化、癒着の程度を決定できること、子宮内膜症に罹患した対象の痛みを予測できること、子宮内膜症に罹患した対象の病態をモニタリングできることを見出した。
【0008】
本開示は、このような知見に基づくものであり、具体的には以下の発明に関する。
[1]子宮内膜症を診断する方法であって、
対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量を測定する工程を含む方法。
[2]対象における子宮内膜症の罹患の有無を決定する方法であって、
対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量を測定する工程を含む方法。
[3]対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が高い場合、または表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が低い場合、前記試料が由来する対象が子宮内膜症に罹患している、またはその可能性があると示される工程を更に含む、[1]または[2]に記載の方法。
[4]対象における子宮内膜の線維化の程度を決定する方法であって、
対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量を測定する工程を含む方法。
[5]対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が高い場合、または表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が低い場合、前記試料が由来する対象において子宮内膜における線維化が発生している、またはその可能性があると示される工程を更に含む、[4]に記載の方法。
[6]対象における子宮内膜の癒着の程度を決定する方法であって、
対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量を測定する工程を含む方法。
[7]対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が高い場合、または表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が低い場合、前記試料が由来する対象が子宮内膜における癒着が発生している、またはその可能性があると示される工程を更に含む、[6]に記載の方法。
[8]子宮内膜症を罹患しているまたは罹患していると疑われる対象における子宮内膜症による痛みの程度を予測する方法であって、
対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量を測定する工程を含む方法。
[9]対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が高い場合、または表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が低い場合、前記試料が由来する対象において子宮内膜症による痛みが発生する、またはその可能性があると示される工程を更に含む、[8]に記載の方法。
[10]子宮内膜症を罹患しているまたは罹患していると疑われる対象における子宮内膜症の進行度を決定する方法であって、
対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量を測定する工程を含む方法。
[11]対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が高い場合、または表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が低い場合、前記試料が由来する対象において子宮内膜症が進行している、またはその可能性があると示される工程を更に含む、[10]に記載の方法。
[12]前記タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が健常人から得られた試料における同マーカーの存在量より高い場合、存在量が高いと判定される、[3]、[5]、[7]、[9]、または[11]に記載の方法。
[13]前記タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が健常人から得られた試料における同マーカーの存在量の2倍以上の場合、および/または表6Aで示されるマーカーから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が健常人から得られた試料における同マーカーの存在量の1.6倍以上の場合、存在量が高いと判定される、[3]、[5]、[7]、[9]、または[11]に記載の方法。
[14]前記表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が健常人から得られた試料における同マーカーの存在量より低い場合、存在量が低いと判定される、[3]、[5]、[7]、[9]、または[11]に記載の方法。
[15]前記表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が健常人から得られた試料における同マーカーの存在量の0.5倍以下の場合、および/または表6Bで示されるマーカーから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が健常人から得られた試料における同マーカーの存在量の0.625倍以下の場合、存在量が低いと判定される、[3]、[5]、[7]、[9]、または[11]に記載の方法。
[16]子宮内膜症を罹患しているまたは罹患していると疑われる対象における子宮内膜症の病態をモニタリングする方法であって、
対象から異なる時点で採取された複数の試料のそれぞれにおける、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量をそれぞれ測定する工程を含む方法。
[17]前記タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が経時的に減少する場合、または前記表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が経時的に増加する場合、前記試料が由来する対象において子宮内膜症の病態が改善している、またはその可能性があると示される工程をさらに含む、[16]に記載の方法。
[18]前記タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が経時的に増加する場合、または前記表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が経時的に減少する場合、前記試料が由来する対象において子宮内膜症の病態が悪化している、またはその可能性があると示される工程をさらに含む、[16]に記載の方法。
[19]前記マーカーをポリペプチドとして測定する、[1]から[18]のいずれか一項に記載の方法。
[20]前記試料が血液試料である、[1]から[19]のいずれか一項に記載の方法。
[21]前記試料におけるマーカーの存在量は、血液試料中の当該マーカーのポリペプチド濃度である、[20]に記載の方法。
[21-1]前記血液試料中のタイプVコラーゲンMMP分解産物濃度は配列番号:4または配列番号:6で示されるペプチドを特異的に認識することより測定される、[20]または[21]に記載の方法。
[22]子宮内膜症を診断するためのキットであって、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量を測定するための試薬を含むキット。
[23]対象における子宮内膜症の罹患の有無を決定するためのキットであって、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量を測定するための試薬を含むキット。
[24]対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が高い場合、または表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が低い場合、前記試料が由来する対象が子宮内膜症に罹患している、またはその可能性があると示されることを記載した指示書をさらに含む、[22]または[23]に記載のキット。
[25]対象における子宮内膜の線維化の程度を決定するためのキットであって、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量を測定するための試薬を含むキット。
[26]対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が高い場合、または表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が低い場合、前記試料が由来する対象において子宮内膜における線維化が発生している、またはその可能性があると示されることを記載した指示書をさらに含む、[25]に記載のキット。
[27]対象における子宮内膜の癒着の程度を決定するためのキットであって、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量を測定するための試薬を含むキット。
[28]対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が高い場合、または表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が低い場合、前記試料が由来する対象において子宮内膜における癒着が発生している、またはその可能性があると示されることを記載した指示書をさらに含む、[27]に記載のキット。
[29]子宮内膜症を罹患しているまたは罹患していると疑われる対象における子宮内膜症による痛みの程度を予測するためのキットであって、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量を測定するための試薬を含むキット。
[30]対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が高い場合、または表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が低い場合、前記試料が由来する対象において子宮内膜症による痛みが発生する、またはその可能性があると示されることを記載した指示書をさらに含む、[29]に記載のキット。
[31]子宮内膜症を罹患しているまたは罹患していると疑われる対象における子宮内膜症の進行度を決定するためのキットであって、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量を測定するための試薬を含むキット。
[32]対象から得られた試料における、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が高い場合、または表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が低い場合、前記試料が由来する対象において子宮内膜症が進行している、またはその可能性があると示されることを記載した指示書をさらに含む、[31]に記載のキット。
[33]前記タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が健常人から得られた試料における同マーカーの存在量より高い場合、存在量が高いと判定される、[24]、[26]、[28]、[30]、または[32]に記載のキット。
[34]前記タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が健常人から得られた試料における同マーカーの存在量の2倍以上の場合、および/または表6Aで示されるマーカーから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が健常人から得られた試料における同マーカーの存在量の1.6倍以上の場合、存在量が高いと判定される、[24]、[26]、[28]、[30]、または[32]に記載のキット。
[35]前記表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が健常人から得られた試料における同マーカーの存在量より低い場合、存在量が低いと判定される、[24]、[26]、[28]、[30]、または[32]に記載のキット。
[36]前記表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が健常人から得られた試料における同マーカーの存在量の0.5倍以下の場合、および/または表6Bで示されるマーカーから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が健常人から得られた試料における同マーカーの存在量の0.625倍以下の場合、存在量が低いと判定される、[24]、[26]、[28]、[30]、または[32]に記載のキット。
[37]子宮内膜症を罹患しているまたは罹患していると疑われる対象における子宮内膜症の病態をモニタリングするためのキットであって、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量を測定するための試薬を含むキット。
[38]対象から異なる時点で採取された複数の試料のそれぞれにおける、タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量を比較すると記載した指示書をさらに含む、[37]に記載のキット。
[39]前記タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が経時的に減少する場合、または前記表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が経時的に増加する場合、前記試料が由来する対象において子宮内膜症の病態が改善している、またはその可能性があると示されることを記載した指示書をさらに含む、[37]または[38]に記載のキット。
[40]前記タイプVコラーゲンMMP分解産物、表1Aで示されるマーカー、表2Aで示されるマーカー、表5Aで示されるマーカー、表6Aで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が経時的に増加する場合、または前記表1Bで示されるマーカー、表2Bで示されるマーカー、表5Bで示されるマーカー、表6Bで示されるマーカーからなるグループから選択される少なくとも一つのマーカーの存在量が経時的に減少する場合、前記試料が由来する対象において子宮内膜症の病態が悪化している、またはその可能性があると示されることを記載した指示書をさらに含む、[37]または[38]に記載のキット。
[41]前記マーカーをポリペプチドとして測定する、[22]から[40]のいずれか一項に記載のキット。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1-1から図1-10は、LC-MSによる健常人血漿/子宮内膜症患者血漿中のタンパク質相対発現量の分析結果を示す図である。各グラフのタイトルは対象タンパク質のGene Symbol:UniProt IDを示しており、X軸はサンプル名であり、Y軸はタンパク質の相対発現量である。グラフ中のバーは、3回分析で得られた三つのデータセットにおけるタンパク質相対発現量の標準偏差である。図1-1は、Gene Symbol:CALU、UniProt ID:O43852についてのデータを示す。
図1-2は、Gene Symbol:CAT、UniProt ID:P04040についてのデータを示す。
図1-3は、Gene Symbol:HBA1、UniProt ID:P69905についてのデータを示す。
図1-4は、Gene Symbol:HBB、UniProt ID:P68871についてのデータを示す。
図1-5は、Gene Symbol:HBD、UniProt ID:P02042についてのデータを示す。
図1-6は、Gene Symbol:PPIA、UniProt ID:P62937についてのデータを示す。
図1-7は、Gene Symbol:PRDX1;PRDX4、UniProt ID:Q06830についてのデータを示す。
図1-8は、Gene Symbol:S100A6、UniProt ID:P06703についてのデータを示す。
図1-9は、Gene Symbol:TPI1、UniProt ID:P60174についてのデータを示す。
図1-10は、Gene Symbol:UBE2V1;UBE2V2、UniProt ID:Q13404についてのデータを示す。
図2-1から図2-10は、SOMAscan(登録商標)による健常人血漿/子宮内膜症患者血漿中のタンパク質発現量分析の結果を示す図である。各グラフのタイトルは対象タンパク質のGene Symbol:UniProt IDであり、X軸はサンプル名であり、Y軸はSOMAscan(登録商標)における対象タンパクのアプタマーシグナルの値である。図2-1は、Gene Symbol:BGN、UniProt ID:P21810についてのデータを示す。
図2-2は、Gene Symbol:CDH12、UniProt ID:P55289についてのデータを示す。
図2-3は、Gene Symbol:DDX19B、UniProt ID:Q9UMR2についてのデータを示す。
図2-4は、Gene Symbol:IL1B、UniProt ID:P01584についてのデータを示す。
図2-5は、Gene Symbol:IL2、UniProt ID:P60568についてのデータを示す。
図2-6は、Gene Symbol:LAG3、UniProt ID:P18627についてのデータを示す。
図2-7は、Gene Symbol:MFGE8、UniProt ID:Q08431についてのデータを示す。
図2-8は、Gene Symbol:PDE5A、UniProt ID:O76074についてのデータを示す。
図2-9は、Gene Symbol:SERPINE2、UniProt ID:P07093についてのデータを示す。
図2-10は、Gene Symbol:SMPDL3A、UniProt ID:Q92484についてのデータを示す。
図3は、健常人血漿/子宮内膜症患者血漿中のタイプVコラーゲン分解産物(C5M)発現量分析の結果を示す図である。X軸はサンプル名であり、Y軸は血漿中の対象分解産物濃度(ng/ml)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
マーカー
本開示におけるマーカーとは、バイオマーカーと言い換えることもでき、正常な生物学的過程、発病過程、又は治療に対する薬理学的な応答性の指標として客観的に測定され評価され得る特定の生体内化学物質を指す。マーカーは、疾患の有無、進行状態、もしくは罹患のしやすさの評価、あるいは薬剤の効果、至適用量、もしくは安全性の評価もしくは予測、あるいは予後の予測などに有用である。本開示におけるマーカーはタンパク質名、タンパク質断片名または遺伝子名で特定されており、マーカーとなる遺伝子をポリペプチドまたはポリヌクレオチド(DNAの形態およびmRNAの形態を含む)として測定することが好ましく、マーカーとなるタンパク質またはタンパク質断片をポリペプチドとして測定することが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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