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公開番号2024148653
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023061985
出願日2023-04-06
発明の名称カリウム型又はアンモニウム型スメクタイトスラリー及びその製造方法、並びに脱水ケーキ
出願人クニミネ工業株式会社
代理人弁理士法人クオリオ,個人,個人
主分類C01B 33/40 20060101AFI20241010BHJP(無機化学)
要約【課題】分散安定性に優れるK型又はNH4型スメクタイトスラリー及びその製造方法、並びにK型又はNH4型スメクタイトスラリーの調製に好適な脱水ケーキを提供する。
【解決手段】Na型スメクタイトと、カリウム塩又はアンモニウム塩と、水とを混合して前記Na型スメクタイトを陽イオン交換に付し、次いで塩を除去し、脱水して脱水ケーキを得て、この脱水ケーキと水とを混合してK型又はNH4型スメクタイトスラリーを得ることを含む、K型又はNH4型スメクタイトスラリーの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
Na型スメクタイトと、カリウム塩又はアンモニウム塩と、水とを混合して前記Na型スメクタイトを陽イオン交換に付し、次いで塩を除去し、脱水して脱水ケーキを得て、この脱水ケーキと水とを混合してK型又はNH

型スメクタイトスラリーを得ることを含む、K型又はNH

型スメクタイトスラリーの製造方法。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記脱水ケーキの含水率が70~85質量%である、請求項1に記載のK型又はNH

型スメクタイトスラリーの製造方法。
【請求項3】
前記脱水ケーキに含まれるスメクタイトの平均粒子径が1000nm以下である、請求項1又は2に記載のK型又はNH

型スメクタイトスラリーの製造方法。
【請求項4】
Na型スメクタイトと、カリウム塩又はアンモニウム塩と、水とを混合して前記Na型スメクタイトを陽イオン交換に付し、次いで塩を除去し、脱水して得られるK型又はNH

型スメクタイトの脱水ケーキであって、水と混合してK型又はNH

型スメクタイトスラリーを得るための、脱水ケーキ。
【請求項5】
前記脱水ケーキの含水率が70~85質量%である、請求項4に記載の脱水ケーキ。
【請求項6】
前記脱水ケーキに含まれるスメクタイトの平均粒子径が1000nm以下である、請求項4に記載の脱水ケーキ。
【請求項7】
請求項4~6のいずれか1項に記載の脱水ケーキと、水とを混合してなる、K型又はNH

型スメクタイトスラリー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、K型又はNH

型スメクタイトスラリー及びその製造方法、並びに脱水ケーキに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
粘土鉱物であるスメクタイトは、スメクタイトを構成するケイ酸塩とアルミン酸塩の結晶性層状化合物であるアルミノシリケート層(以下、「結晶層」とも称す。)の底面同士の間隙(底面間隙)に水分子がインターカレートし、底面間隙が広がることにより膨潤性を示すことが知られている。特にスメクタイトの層間陽イオン(交換性陽イオン)がNa(ナトリウム)イオンであるNa型スメクタイトは、Naイオンの介在による結晶層同士の電気的引力が比較的弱く、Na型スメクタイトを水に分散させると水分子が次々に結晶層間にインターカレートし、結晶層の底面間隙が4nm以上に広がった浸透性膨潤を示し、さらに層間剥離が生じて無限膨潤する。一方で、例えば、1価の陽イオンであるK(カリウム)イオンやNH

(アンモニウム)イオン、また2価の陽イオンであるCa(カルシウム)イオンやMg(マグネシウム)イオン等を層間陽イオンとして有するスメクタイトでは、底面間隙への水分子のインターカレートが限定的であり、底面間隔が4nm未満の限定した微視的膨張である結晶性膨潤を示す。スメクタイトが浸透性膨潤と結晶性膨潤のいずれを示すかは、層間陽イオンの価数とイオン半径により決まると考えられており、イオンの価数が小さいほど、またイオン半径が小さいほど浸透性膨潤を示しやすい。
【0003】
スメクタイトはその層間陽イオンの種類に応じて様々な特性を発揮することが知られており、天然型であるNa型スメクタイトを原料として陽イオン交換を行うことにより、層間陽イオンがNaイオン以外の陽イオンである種々のスメクタイトを得ることができる。陽イオン交換の方法には、目的の陽イオンを含む塩の水溶液にNa型スメクタイトを投入して撹拌する方法や、目的の陽イオンの交換樹脂を充填したカラムにNa型スメクタイトの分散液を通水させる方法などがある。陽イオン交換されたスメクタイトはその後、乾燥粉砕され、粉末形態として保存される。一方で、Na型でないスメクタイトは、一般的に水膨潤性ないし分散安定性に劣り、その用途が限定的である。そのため、層間陽イオンがNaイオン以外の陽イオンであるスメクタイトについて、水膨潤性ないし分散安定性を向上させる技術が検討されている。
例えば特許文献1には、層間に存在する陽イオンのうち、70~99mol%が水素イオンであり、二次粒子がロゼット状である粘土の乾燥粉末が開示されており、層間陽イオンを水素イオンに置換した粘土を特定の方法で乾燥させることにより得られる粘土の二次粒子が、水又は親水性溶媒に均一に微分散し、かつ増粘、膨潤することが明らかとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-112568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、分散安定性に優れるK型又はNH

型スメクタイトスラリー及びその製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、前記K型又はNH

型スメクタイトスラリーの調製に好適な脱水ケーキを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、Na型スメクタイトの層間陽イオンを陽イオン交換によりKイオン又はNH

イオンに置換し、次いで塩を除去し、脱水して得られる脱水ケーキが、K型又はNH

型スメクタイトの脱水ケーキであるにも関わらず、水と混合することによってスメクタイトの分散安定性に優れるスラリーとできることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき、更に検討を重ねて完成されるに至ったものである。
【0007】
本発明の上記課題は、下記の手段により解決された。
〔1〕
Na型スメクタイトと、カリウム塩又はアンモニウム塩と、水とを混合して前記Na型スメクタイトを陽イオン交換に付し、次いで塩を除去し、脱水して脱水ケーキを得て、この脱水ケーキと水とを混合してK型又はNH

型スメクタイトスラリーを得ることを含む、K型又はNH

型スメクタイトスラリーの製造方法。
〔2〕
前記脱水ケーキの含水率が70~85質量%である、前記〔1〕に記載のK型又はNH

型スメクタイトスラリーの製造方法。
〔3〕
前記脱水ケーキに含まれるスメクタイトの平均粒子径が1000nm以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のK型又はNH

型スメクタイトスラリーの製造方法。
〔4〕
Na型スメクタイトと、カリウム塩又はアンモニウム塩と、水とを混合して前記Na型スメクタイトを陽イオン交換に付し、次いで塩を除去し、脱水して得られるK型又はNH

型スメクタイトの脱水ケーキであって、水と混合してK型又はNH

型スメクタイトスラリーを得るための、脱水ケーキ。
〔5〕
前記脱水ケーキの含水率が70~85質量%である、前記〔4〕に記載の脱水ケーキ。
〔6〕
前記脱水ケーキに含まれるスメクタイトの平均粒子径が1000nm以下である、前記〔4〕又は〔5〕に記載の脱水ケーキ。
〔7〕
前記〔4〕~〔6〕のいずれかに記載の脱水ケーキと、水とを混合してなる、K型又はNH

型スメクタイトスラリー。
【発明の効果】
【0008】
本発明のK型又はNH

型スメクタイトスラリーは分散安定性に優れる。また、本発明のK型又はNH

型スメクタイトスラリーの製造方法によれば、K型又はNH

型スメクタイトの分散安定性に優れたスラリーを得ることができる。また、本発明の脱水ケーキは、これを水と混合することにより、K型又はNH

型スメクタイトが水に安定に分散してなるスラリーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
各種スメクタイトスラリーのX線回析結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好ましい実施の形態について具体的に説明するが、本発明は、本発明で規定すること以外はこれらの形態に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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