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公開番号2024144807
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023056929
出願日2023-03-31
発明の名称複合酸化物粒子
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人ブナ国際特許事務所
主分類C01B 33/26 20060101AFI20241004BHJP(無機化学)
要約【課題】球状で高結晶性であり、白味を帯びており、低熱膨張率である複合酸化物粒子を提供する。
【解決手段】本発明に係る複合酸化物粒子は、多結晶であり、かつ主結晶相がコージェライトおよびインディアライトの少なくとも一方を含み、TMA法による熱膨張率が1.5ppm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
多結晶であり、かつ主結晶相がコージェライトおよびインディアライトの少なくとも一方を含み、TMA法による熱膨張率が1.5ppm以下である、
複合酸化物粒子。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
平均粒子径(D50)が、0.1μm以上500.0μm以下である、請求項1に記載の複合酸化物粒子。
【請求項3】
X線回折法で測定し、回折角2θが15~40°の範囲で、以下の式(I)で算出される結晶化度が40以上である、請求項1に記載の複合酸化物粒子。
結晶化度=結晶性ピーク面積/(結晶性ピーク面積+非晶質ピーク面積)・・・(I)
【請求項4】
レーザー回折法による粒度分布において、累積90%径である粒径D90と累積10%径である粒径D10との差D90-D10が、1000.0μm以下である、請求項1に記載の複合酸化物粒子。
【請求項5】
真円度が0.70以上である、請求項1に記載の複合酸化物粒子。
【請求項6】
X線回折法で測定し、回折角2θが27.5~29.5°の範囲における結晶の主ピークの半値幅が、0.20°以下である、請求項1に記載の複合酸化物粒子。
【請求項7】
ナノ粒子が、0.1質量%以上30質量%以下の割合で含まれる、請求項1に記載の複合酸化物粒子。
【請求項8】
L*a*b*色空間におけるL*が91.00以上100.00以下、a*が-10.00以上3.00以下、およびb*が-10.00以上5.00以下である、請求項1に記載の複合酸化物粒子。
【請求項9】
粒子状のコージェライトとナノ粒子とを混合して混合粒子を得る工程と、
前記混合粒子を加熱する工程と、
を含む、複合酸化物粒子の製造方法。
【請求項10】
前記加熱工程が、1000℃以上1400℃以下で行われる、請求項9に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複合酸化物粒子に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、次世代の半導体実装用材料が種々検討されている。例えば、特許文献1には、コージェライトおよびその多形であるインディアライトの少なくとも一方の結晶を含有する結晶化ガラスが記載されている。特許文献1に記載の結晶化ガラスは、例えば、高周波用基板の高周波電子デバイスの部材として有用であることが記載されている。
【0003】
コージェライト成分を含む複合酸化物の軟化点は、900℃付近で比較的低い。そのため、コージェライトの結晶多形であるインディアライト相が生成し始めるときに、粒子同士が固着して塊状となり、粒子状(球状)構造を維持することができない。したがって、特許文献1に記載の結晶化ガラスは、無機フィラーのように粉末状かつ球状で使用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2022/059724号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、球状で高結晶性であり、白味を帯びており、低熱膨張率である複合酸化物粒子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)多結晶であり、かつ主結晶相がコージェライトおよびインディアライトの少なくとも一方を含み、TMA法による熱膨張率が1.5ppm以下である、複合酸化物粒子。
(2)粒子径が、0.1μm以上500.0μm以下である、上記(1)に記載の複合酸化物粒子。
(3)X線回折法で測定し、回折角2θが15~40°の範囲で、以下の式(I)で算出される結晶化度が40以上である、上記(1)または(2)に記載の複合酸化物粒子。
結晶化度=結晶性ピーク面積/(結晶性ピーク面積+非晶質ピーク面積)・・・(I)
(4)レーザー回折法による粒度分布において、累積90%径である粒径D90と累積10%径である粒径D10との差D90-D10が、1000.0μm以下である、上記(1)~(3)のいずれかに記載の複合酸化物粒子。
(5)真円度が0.70以上である、上記(1)~(4)のいずれかに記載の複合酸化物粒子。
(6)X線回折法で測定し、回折角2θが27.5~29.5°の範囲における結晶の主ピークの半値幅が、0.20°以下である、上記(1)~(5)のいずれかに記載の複合酸化物粒子。
(7)ナノ粒子が、0.1質量%以上30質量%以下の割合で含まれる、上記(1)~(6)のいずれかに記載の複合酸化物粒子。
(8)L*a*b*色空間におけるL*が91.00以上100.00以下、a*が-10.00以上3.00以下、およびb*が-10.00以上5.00以下である、上記(1)~(7)のいずれかに記載の複合酸化物粒子。
(9)コージェライト粒子とナノ粒子とを混合して混合粒子を得る工程と、混合粒子を加熱する工程とを含む、複合酸化物粒子の製造方法。
(10)加熱工程が、1000℃以上1400℃以下で行われる、上記(9)に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る複合酸化物粒子は、球状で高結晶性であり、白味を帯びており、低熱膨張率である。したがって、本発明に係る複合酸化物粒子は、例えば、半導体パッケージ基板などの熱による反りを効率よく防止するため、基板に分散させて使用することができる。さらに、本発明に係る複合酸化物粒子は白味を帯びているため、半導体パッケージ基板などに使用したとしても、着色しない。その結果、半導体パッケージ基板などに生じる欠陥や汚れなどを光学的に見分けやすくなる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る複合酸化物粒子は、多結晶であり、かつ主結晶相がコージェライトおよびインディアライトの少なくとも一方を含む。すなわち、本発明に係る複合酸化物粒子は、コージェライトおよびインディアライトの少なくとも一方の微細な単結晶(結晶粒)を複数含んでいる。
【0009】
コージェライトおよびインディアライトは、2MgO・2Al



・5SiO

の組成を有する化合物であり、異なる結晶構造を有する。主結晶相がコージェライトを主として含むか、インディアライトを主として含むかは、例えば、本発明に係る複合酸化物粒子を製造する際の加熱温度(焼成温度)に依存すると推察される。具体的には、1000℃以上1200℃以下程度で加熱すると、インディアライト相を主結晶相とする複合酸化物粒子が得られる傾向にある。一方、1200℃以上1400℃以下程度で加熱すると、コージェライト相を主結晶相とする複合酸化物粒子が得られる傾向にある。
【0010】
本発明に係る複合酸化物粒子は、TMA法による熱膨張率が1.5ppm以下である。熱膨張率が1.5ppm以下であることによって、本発明に係る複合酸化物粒子は、例えば、半導体パッケージ基板に分散させて使用すると、基板の熱による反りを効率よく防止することができる。本発明に係る複合酸化物粒子において、TMA法による熱膨張率は、好ましくは0.0ppm未満である。
(【0011】以降は省略されています)

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