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公開番号2025067602
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-24
出願番号2023177708
出願日2023-10-13
発明の名称ビニル重合体製造装置およびビニル重合体の製造方法
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C08F 2/01 20060101AFI20250417BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】エネルギー消費を低減しつつ、低コストでビニル重合体を製造する。
【解決手段】原料ビニルモノマーを重合してビニル重合体組成物を得るための重合反応槽と、前記重合反応槽に前記原料ビニルモノマーを供給するための原料ビニルモノマー供給部と、前記ビニル重合体組成物を液体状のビニル重合体と気体状の未反応ビニルモノマーとに分離するための脱揮部と、前記未反応ビニルモノマーから不純物成分を除去するための精製器と、前記不純物成分が除去された未反応ビニルモノマーを前記原料ビニルモノマー供給部に循環させる循環部と、再生/バイオ原料ビニルモノマーを供給するための再生/バイオ原料ビニルモノマー供給部と、原料ビニルモノマーから水を回収するための脱水部と、を備えるビニル重合体製造装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
再生/バイオ原料ビニルモノマーおよび非再生/非バイオ原料ビニルモノマーを含む原料ビニルモノマーを重合して、ビニル重合体組成物を得るための重合反応槽と、
前記重合反応槽に前記原料ビニルモノマーを供給するための原料ビニルモノマー供給部であって、第1の配管により前記重合反応槽に接続されており、非再生/非バイオ原料ビニルモノマーを供給するための非再生/非バイオ原料ビニルモノマー供給部を備える原料ビニルモノマー供給部と、
前記ビニル重合体組成物を液体状のビニル重合体と気体状の未反応ビニルモノマーとに分離するための脱揮部であって、第2の配管により前記重合反応槽に接続されており、前記ビニル重合体を排出するためのビニル重合体排出口と、前記未反応ビニルモノマーを排出するための第1の未反応ビニルモノマー排出口と、第1の未反応ビニルモノマー排出口よりも下流側に配置されている第2の未反応ビニルモノマー排出口と、を有する脱揮部と、
前記未反応ビニルモノマーから不純物成分を除去するための精製器であって、第3の配管により前記脱揮部の第1の未反応ビニルモノマー排出口に接続され、および/または、第4の配管により前記脱揮部の第2の未反応ビニルモノマー排出口に接続されている精製器と、
前記不純物成分が除去された未反応ビニルモノマーを前記原料ビニルモノマー供給部に循環させる循環部であって、前記精製器と前記原料ビニルモノマー供給部とを接続する第5の配管に設けられている循環部と、
前記原料ビニルモノマー供給部、前記重合反応槽、前記精製器、前記循環部、第3の配管および第4の配管からなる群から選ばれる少なくとも1つに接続され、再生/バイオ原料ビニルモノマーを供給するための再生/バイオ原料ビニルモノマー供給部と、
前記再生/バイオ原料ビニルモノマー供給部の下流、第1の配管、第3の配管、第4の配管および第5の配管からなる群から選ばれる少なくとも1つに接続され、原料ビニルモノマーから水を回収するための脱水部と、を備えるビニル重合体製造装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記再生/バイオ原料ビニルモノマー供給部が、第3の配管および第4の配管からなる群から選ばれる少なくとも1つに接続されている、請求項1に記載のビニル重合体製造装置。
【請求項3】
前記脱揮部が脱揮押出機である、請求項1または請求項2に記載のビニル重合体製造装置。
【請求項4】
第3の配管および第4の配管からなる群から選ばれる少なくとも1つのうちの当該再生/バイオ原料ビニルモノマー供給部よりも前記脱揮部の近傍の領域に設けられている冷却部をさらに備え、
前記冷却部が、気体状の未反応ビニルモノマーを液化するための冷却部である、請求項2に記載のビニル重合体製造装置。
【請求項5】
第5の配管のうちの前記原料ビニルモノマー供給部の近傍の領域に設けられているか、または前記原料ビニルモノマー供給部に接続されており、前記重合反応槽に供給される原料ビニルモノマーの組成を調節するための原料ビニルモノマー調合槽をさらに備える、請求項1または請求項2に記載のビニル重合体製造装置。
【請求項6】
第4の配管のうちの前記精製器の近傍の領域に設けられており、前記脱揮部から導出された未反応ビニルモノマーを液体状の未反応ビニルモノマーとして貯留するための第1の貯留タンクと、
第5の配管のうちの前記原料ビニルモノマー供給部の近傍の領域に設けられており、前記精製器から導出された未反応ビニルモノマーを液体状の未反応ビニルモノマーとして貯留するための第2の貯留タンクと
をさらに備える、請求項1または請求項2に記載のビニル重合体製造装置。
【請求項7】
前記脱水部が、第3の配管および第4の配管からなる群から選ばれる少なくとも1つに接続されている、請求項1または請求項2に記載のビニル重合体製造装置。
【請求項8】
前記脱水部が、前記再生/バイオ原料ビニルモノマー供給部の下流に接続されている、請求項1または請求項2に記載のビニル重合体製造装置。
【請求項9】
前記脱水部が、液液分離、凍結濃縮分離、蒸留分離、膜分離、吸着分離、吸収分離、超音波霧化分離及びクロマトグラフィーからなる群から選ばれる少なくとも1つを採用した脱水部である、請求項1または請求項2に記載のビニル重合体製造装置。
【請求項10】
前記原料ビニルモノマーおよび未反応ビニルモノマーが、(メタ)アクリル酸エステルである、請求項1または請求項2に記載のビニル重合体製造装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ビニル重合体製造装置およびビニル重合体の製造方法に関し、より具体的にはマスバランス方式を採用したビニル重合体の製造に特に好適に適用できるビニル重合体製造装置およびビニル重合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
いわゆるビニルモノマーに含まれる(メタ)アクリル酸エステルの代表的な例としては、(メタ)アクリル酸メチル(MMA)が挙げられる。(メタ)アクリル酸メチルを重合したビニル重合体であるポリ(メタ)アクリル酸メチル(PMMA)は透明性に優れており、さらには耐候性にも優れている。よって、ポリ(メタ)アクリル酸メチルは、自動車用部品、看板標識、表示装置等を構成する部材の材料として、広く用いられている。
【0003】
このようなポリ(メタ)アクリル酸メチルを製造するにあたり、(メタ)アクリル酸メチルを主成分とするモノマー混合物を一基の完全混合型反応器を用い、かつ溶媒を用いることなく連続してバルク重合するに際して、任意のモノマー転化率に調整しつつ安定した運転を達成することを目的として、モノマー混合物中の溶存酸素を1ppm以下にした後、特定の半減期を有する開始剤を用いて、特定の消費動力で撹拌して、特定の温度および滞留時間において特定のモノマー転化率で反応させる態様が知られている(特許文献1参照。)。
【0004】
また、ポリ(メタ)アクリル酸メチルを製造するにあたり、未反応の(メタ)アクリル系単量体を自己重合しない状態で回収・再利用可能とすることを目的として、(A)メタクリル酸メチルを50質量%以上含有する(メタ)アクリル系単量体と、ラジカル重合開始剤と、連鎖移動剤とを含有する原料組成物とを重合釜に連続的に供給する工程と、(B)重合釜で、(メタ)アクリル系単量体の少なくとも一部を重合させて、(メタ)アクリル系単量体の少なくとも一部が重合した(メタ)アクリル系重合体を含む反応混合物とする工程と、(C)反応混合物を重合釜から連続的に抜き出し、メタクリル酸メチル二量体並びに未反応の(メタ)アクリル系単量体を含む揮発成分を分離除去する脱揮処理をして、(メタ)アクリル系重合体を得る工程と、を有する(メタ)アクリル系重合体の製造方法において、さらに(D)分離除去された前記揮発成分を蒸留塔に導入し、揮発成分に含まれるメタクリル酸メチル二量体の少なくとも一部と、揮発成分に含まれる未反応の(メタ)アクリル系単量体の少なくとも一部とを含む回収成分を、回収成分におけるメタクリル酸メチル二量体の含有量が0.1~1.0質量%となる条件で回収する工程を実施する態様が知られている(特許文献2参照。)。
【0005】
そして、近年の資源価格の高騰、さらには環境問題に対する意識の高まりに伴って、上記のとおりの種々の用途に用いられたポリ(メタ)アクリル酸メチルを含む製品(成形体)は回収されてリサイクル(再資源化)が図られている。
【0006】
ポリ(メタ)アクリル酸メチルのリサイクルの方法としては、例えば、回収された成形体に対し、再度、成形工程を実施して新たな成形体を製造するマテリアルリサイクル、回収された成形体を熱処理して、ポリ(メタ)アクリル酸メチルを熱分解(解重合)することにより(メタ)アクリル酸メチルを回収し、回収された(メタ)アクリル酸メチル(再生MMAという場合がある。)を用いて新たな成形体を製造するケミカルリサイクル、および回収された成形体を燃料として燃焼させ、燃焼エネルギーを直接的に熱源として、さらには燃焼エネルギーを用いて発電して利用するサーマルリサイクルが挙げられる。
【0007】
ポリ(メタ)アクリル酸メチルは、300℃程度の比較的低い温度で加熱することによって、(メタ)アクリル酸メチルを高収率で回収することができ、不純物の低減が可能であるため、ケミカルリサイクルによりリサイクルされることが好ましい。
【0008】
また、例えば環境負荷低減の観点から、上記のようなケミカルリサイクルによる熱分解、またはバイオマス資源を原料として微生物による発酵を利用して、ビニルモノマーである(メタ)アクリル酸メチルを得る(再生する)方法、さらにはこのようにして得られた(再生された)ビニルモノマーである(メタ)アクリル酸メチル(再生/バイオ原料ビニルモノマーという場合がある。)と、従来、一般的に用いられている、例えば、化石燃料を原料として製造された化石燃料由来のビニルモノマー(バージンビニルモノマー)である(メタ)アクリル酸メチルであって上記再生/バイオ原料ビニルモノマーに該当しない(メタ)アクリル酸メチル(非再生/非バイオ原料ビニルモノマーという場合がある)とを所定の割合で混合して、ビニル重合体であるポリ(メタ)アクリル酸メチルを製造する態様が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平3-111408号公報
特開2005-82687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1および2にかかる技術、さらには再生/バイオ原料ビニルモノマーと非再生/非バイオ原料ビニルモノマーとを用いる従来のビニル重合体の製造方法によっては、ビニル重合体を製造する前に、再生/バイオ原料ビニルモノマーおよび非再生/非バイオ原料ビニルモノマーそれぞれについて複雑な工程を必要とする精製工程などの実施が要求される場合がある。これらの実施には莫大なエネルギーを要することから、さらなるコストを負担する必要が生じる場合がある。
また、原料ビニルモノマー、その硬化物、およびその重合体は、原料ビニルモノマーが、非再生または非バイオ原料ビニルモノマーであるか、再生またはバイオ原料ビニルモノマーであるか、またはこれらの混合物であるかに関わらず、これらに含まれる水を低減することが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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