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公開番号2024143412
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056073
出願日2023-03-30
発明の名称無機赤色顔料およびその利用
出願人ノリタケ株式会社
代理人個人,個人
主分類C01G 45/00 20060101AFI20241003BHJP(無機化学)
要約【課題】安全性が高く、鮮やかな赤色を実現する無機赤色顔料を提供すること。
【解決手段】ここに開示される無機赤色顔料は、リチウムマンガン複合酸化物を含み、レーザー回折散乱法に基づく体積基準の粒度分布における平均粒子径(D50)が1μm以上5μm以下であり、D50と電界放出型走査電子顕微鏡像(FE-SEM像)に基づく平均粒子径(DSEM)との比であるD50/DSEMが1以上4以下である。
【選択図】図4


特許請求の範囲【請求項1】
無機赤色顔料であって、
リチウムマンガン複合酸化物を含み、
レーザー回折散乱法に基づく体積基準の粒度分布における平均粒子径(D
50
)が1μm以上5μm以下であり、
前記D
50
と電界放出型走査電子顕微鏡像(FE-SEM像)に基づく平均粒子径(D
SEM
)との比であるD
50
/D
SEM
が1以上4以下である、無機赤色顔料。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
レーザー回折散乱法に基づく体積基準の粒度分布におけるD
90
粒子径が30μm以下である、請求項1に記載の無機赤色顔料。
【請求項3】
SCE方式で測定されるL*a*b*表色系のa*値が32以上であり、SCE方式で測定されるL*C*h表色系のh値が20以上40以下である、請求項1に記載の無機赤色顔料。
【請求項4】
前記無機赤色顔料の全重量を100wt%としたときに、リチウムマンガン複合酸化物の含有量は、80wt%以上である、請求項1に記載の無機赤色顔料。
【請求項5】
アルミニウム成分をさらに含み、
前記無機赤色顔料の全重量を100wt%としたときに、アルミニウムの含有量が10wt%以下である、請求項1に記載の無機赤色顔料。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の無機赤色顔料を含む赤色塗料。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の無機赤色顔料を含む塗膜を備えた、セラミックス製品。
【請求項8】
Li源とMn源とを、Mn量に対するLi量のモル比(Li/Mn)が2を超えるよう混合する工程と、
前記Li源と前記Mn源との混合物を焼成する工程と、
前記焼成工程後の焼成物を洗浄する工程と、
を含み、
前記洗浄工程では、過剰なLi成分を除去するように洗浄を実施する、無機赤色顔料の製造方法。
【請求項9】
前記混合工程において、さらにAl源を加え、
Al量に対するLi量のモル比(Li/Al)が4以上となるように前記Li源と前記Al源とを混合する、請求項8に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、無機赤色顔料、無機赤色顔料を含む赤色塗料、無機赤色顔料を含む塗膜を有するセラミックス製品、無機赤色顔料の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
無機顔料は、有機顔料と比較して耐熱性や耐候性に優れるため、高温にさらされ得る製品や、屋外に設置される製品の着色に多く使用されている。カドミウムレッドやクロムバーミリオン等の無機顔料は、赤色の着色顔料として広く用いられている。しかしながら、これらの無機顔料は、人体や環境に悪影響を及ぼす有害物質であるカドミウムやクロム酸、鉛などを含有する。近年では、より安全性の高い無機赤色顔料が検討されている。例えば、特許文献1~2および非特許文献1~5では、それぞれ種々の無機化合物を用いて赤色に発色する顔料が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第2923558号公報
特許第6410806号公報
【非特許文献】
【0004】
Dyes and Pigments, 136, January 2017, 219-223
RSC Adv., 5, 2015, 44886-44894
Applied Surface Science, 387,2016, 1147-1153
ACS Omega 2020, 5, 13108-13114
Z. Anorg. Allg. Chem. 2020, 1722-1729
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1および2に開示される顔料は、ベンガラよりも鮮やかな赤色を示す顔料が開示されているが、粒径が大きく、塗料として用いた際には表面がざらつき、目的とする発色を得ることができない。一方で、特許文献1および2に開示される顔料は、粒径が比較的小さく塗料として用いることに適しているが、発色値がオレンジ色に近い。
【0006】
また、非特許文献3に開示される顔料は、鮮やかな赤色を示し、粒径も比較的小さいため塗料として用いることに適しているが、硫化セリウムを用いることが記載されている。このため、当該顔料の作製時において硫化水素や硫化炭素のような有害なガスを使用する必要があり、安全性の観点から好ましくない。ここで、非特許文献4および5に記載されるように、構成元素としてリチウムとマンガンとを少なくとも含む酸化物(例えば、Li

MnO

)は、有害性の高い原料を使用せずに製造することができる安全性の高い無機赤色顔料である。非特許文献4に開示される顔料は、発色値(特にはa*値)が低く、くすんだ赤色や、オレンジ色に近い。また、非特許文献5に開示される顔料は、発色値は比較的良好だが粒径が大きいため、塗料として用いることに適していない。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、安全性が高く、鮮やかな赤色を示す無機赤色顔料を提供することにある。また、他の目的は、かかる無機赤色顔料を含む塗料、かかる無機赤色顔料を含む塗膜を備えてセラミックス製品、および、かかる無機赤色顔料の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を実現するべく、ここに開示される無機赤色顔料が提供される。ここに開示される無機赤色顔料は、リチウムマンガン複合酸化物を含み、レーザー回折散乱法に基づく体積基準の粒度分布における平均粒子径(D
50
)が1μm以上5μm以下であり、上記D
50
と電界放出型走査電子顕微鏡像(FE-SEM像)に基づく平均粒子径(D
SEM
)との比であるD
50
/D
SEM
が1以上4以下である。
【0009】
無機赤色顔料の粒径が所定の範囲内に調整されていることにより、オレンジ色や黄色の発色が抑えられて鮮やかな赤色を実現することができる。また、かかる無機赤色顔料は、粒径が従来に比して小さく調整されるため、塗膜とした際にも表面のざらつきが抑制され、より鮮やかな発色を実現する。さらに、かかる無機赤色顔料は、人体や環境に悪影響を及ぼす有害成分を含有せず、より安全性の高い無機赤色顔料である。
【0010】
ここに開示される無機赤色顔料の好ましい一態様では、レーザー回折散乱法に基づく体積基準の粒度分布におけるD
90
粒子径が30μm以下である。
かかる構成によれば、粒径が大きい粒子が抑制され、さらに良好な発色を示す。
(【0011】以降は省略されています)

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