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公開番号2025081412
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-27
出願番号2025020784,2022550171
出願日2025-02-12,2022-07-27
発明の名称セラミックス製品
出願人ノリタケ株式会社
代理人個人
主分類C04B 41/89 20060101AFI20250520BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】充分な耐化学性を有し、洗浄中の装飾膜の破損を抑制できるセラミックス製品を提供する。
【解決手段】貴金属元素とマトリクス形成元素を含む装飾膜を有するセラミックス製品を提供する。かかるセラミックス製品のマトリクス形成元素は、少なくとも希土類元素を含有する。そして、ここに開示されるセラミックス製品は、装飾膜の表面を対象としたFESEM-EDS分析において得られた貴金属元素の質量濃度CNが11%以上70%以下であり、かつ、貴金属元素の質量濃度CNに対する希土類元素の質量濃度CRの割合(CR/CN)が0.01以上0.18以下である。かかるセラミックス製品の装飾膜は、耐アルカリ性と耐酸性が高いレベルで両立しているため、充分な耐化学性を有し、洗浄中の装飾膜の破損を抑制できる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
貴金属元素とマトリクス形成元素を含む装飾膜を有するセラミックス製品であって、
前記マトリクス形成元素は、少なくとも希土類元素を含有し、
前記装飾膜の表面を対象としたFESEM-EDS分析において得られた前記貴金属元素の質量濃度C

が11%以上70%以下であり、かつ、
前記貴金属元素の質量濃度C

に対する前記希土類元素の質量濃度C

の割合(C

/C

)が0.01以上0.18以下である、セラミックス製品。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記マトリクス形成元素は、Zr、TiおよびCoからなる第1元素の少なくとも一種をさらに含有する、請求項1に記載のセラミックス製品。
【請求項3】
前記装飾膜の表面を対象としたFESEM-EDS分析において得られた前記希土類元素の質量濃度C

に対する前記第1元素の質量濃度C

の割合(C

/C

)が3以下である、請求項2に記載のセラミックス製品。
【請求項4】
前記装飾膜は、前記貴金属元素としてPt、Au、Pd、Rh、Ir、Agからなる群から選択される少なくとも一種を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のセラミックス製品。
【請求項5】
前記貴金属元素の質量濃度C

に対する前記Ptの質量濃度C
Pt
の割合(C
Pt
/C

)が0.75以上である、請求項4に記載のセラミックス製品。
【請求項6】
前記装飾膜は、前記希土類元素としてY、Sm、La、Ce、Pr、Nd、Dyからなる群から選択される少なくとも一種を含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のセラミックス製品。
【請求項7】
前記マトリクス形成元素は、Si、Al、K、Na、Mg、Ca、Ga、BaおよびBiからなる第2元素の少なくとも一種をさらに含有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のセラミックス製品。
【請求項8】
前記装飾膜は、前記貴金属元素を主成分として含む貴金属領域と、前記マトリクス形成元素を主成分として含む非晶質領域とを備えており、複数の前記貴金属領域が前記非晶質領域に点在している、請求項1~7のいずれか一項に記載のセラミックス製品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス製品に関する。詳しくは、貴金属元素とマトリクス形成元素を含む装飾膜を有するセラミックス製品に関する。なお、本出願は、2021年8月30日に出願された日本国特許出願2021-140391号に基づく優先権を主張しており、その出願の全内容は本明細書中に参照として組み入れられている。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
陶磁器、ガラス器、琺瑯器等のセラミックス製品の表面には、優美又は豪華な印象を与えるために、貴金属元素を含む装飾膜が形成されることがある。この種の装飾膜は、所定の成分を含む装飾用組成物をセラミックス製品の表面に付与した後に、焼成処理を行うことによって形成される。かかる装飾用組成物の一例として、貴金属元素とマトリクス形成元素を含有した金属レジネート(金属の有機化合物)が挙げられる。かかる装飾用組成物を焼成すると、非晶質領域と貴金属領域を含む装飾膜が形成される。この非晶質領域には、所定の金属元素および半金属元素(マトリクス形成元素)の酸化物を骨格とした非晶質マトリクス(典型的にはガラスマトリクス)が形成される。
【0003】
この種のセラミックス製品の中には、電子レンジで加熱されることが想定されるもの(例えば、食器等)がある。このセラミックス製品の装飾膜に多量の貴金属が含まれていると、高周波電磁波(例えば周波数2.45GHz程度)によるスパークが生じて装飾膜が破損するおそれがある。このため、近年では、装飾膜における貴金属の含有量を低減させた電子レンジ対応のセラミックス製品が提案されている。この種の装飾膜を形成するための装飾用組成物(上絵付用ペースト)の一例が特許文献1に開示されている。この特許文献1に記載の上絵付用ペーストでは、貴金属粉末の含有量が20重量%以上50重量%未満に調節されており、貴金属粉末の粒径が0.4μm以上2μm以下に調節されている。かかる上絵付用ペーストを焼成すると、絶縁性器物(基材)の表面に水玉模様に分散した貴金属層を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
日本国特許第4757434号
【非特許文献】
【0005】
「希土類けい酸塩ガラスに関する研究」 無機材質研究所研究報告書第42号、科学技術庁(1985)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年では、セラミックス製品を洗浄する際の装飾膜の損傷(剥離や亀裂等)を適切に防止できる技術の開発が望まれている。具体的には、装飾膜の非晶質領域は、耐化学性に乏しいため、強アルカリ性洗剤を使用した高温環境下での洗浄(例えば、自動食器洗浄機による洗浄)を行った場合や、酸性洗剤への長期間の浸漬を行った場合などに損傷してしまうおそれがある。特に、電子レンジ対応のセラミックス製品の装飾膜は、貴金属領域の連続性が失われており、非晶質領域が露出しやすくなっているため、上述した洗浄中の損傷がさらに生じやすくなる傾向がある。
【0007】
本発明者は、上述の課題を解決するに際して、装飾膜の非晶質領域に希土類元素を含有させることを検討した。具体的には、非晶質マトリクス中に希土類元素を存在させることによって、ガラス等の非晶質材料の耐アルカリ性を改善できることが知られている(非特許文献1参照)。かかる耐アルカリ性向上効果は、酸素親和性が高い希土類元素が非晶質マトリクス中にドープされることで網目構造が引き締められ、アルカリイオンの侵入が抑制されることによって生じると考えられている。また、希土類酸化物は、アルカリ性薬剤の曝露によって他の成分が溶出した後も残留して被膜化するため、アルカリ浸食を抑制できるという効果も有していると考えられている。しかしながら、上記構成のセラミックス製品では、非晶質領域に希土類元素を含有させているにもかかわらず、充分な耐アルカリ性を有する装飾膜を形成できないことがあった。
【0008】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、充分な耐化学性を有し、洗浄中の装飾膜の破損を抑制できるセラミックス製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上述の課題を解決するために種々の検討を行った結果、上記構成のセラミックス製品の装飾膜は、貴金属元素を含有しているため、通常の非晶質材料よりも耐アルカリ性が低下しやすいことを発見した。具体的には、セラミックス製品の装飾膜には、優れた美観を生じさせるために貴金属元素が添加される。しかし、この種の貴金属元素は、強い触媒作用を有しているため、非晶質マトリクスの加水分解による耐アルカリ性低下を促進するおそれがある。一方で、貴金属元素によって低下した耐アルカリ性を補填するために多量の希土類元素を添加した装飾膜は、耐酸性が大きく低下するおそれがある。すなわち、セラミックス製品の装飾膜の総合的な耐化学性を向上させるには、貴金属元素の質量濃度C

と希土類元素の質量濃度C

との割合(C

/C

)を適切に制御する必要があると解される。
【0010】
ここに開示される技術は、上述の知見に基づいてなされたものである。ここに開示される技術は、貴金属元素とマトリクス形成元素を含む装飾膜を有するセラミックス製品を提供する。かかるセラミックス製品のマトリクス形成元素は、少なくとも希土類元素を含有する。そして、ここに開示されるセラミックス製品は、装飾膜の表面を対象としたFESEM-EDS分析において得られた貴金属元素の質量濃度C

が11%以上70%以下であり、かつ、貴金属元素の質量濃度C

に対する希土類元素の質量濃度C

の割合(C

/C

)が0.01以上0.18以下である。
(【0011】以降は省略されています)

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