TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2024146087
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023058800
出願日
2023-03-31
発明の名称
リチウム含有溶液の製造方法
出願人
住友金属鉱山株式会社
代理人
弁理士法人山内特許事務所
主分類
C01D
15/04 20060101AFI20241004BHJP(無機化学)
要約
【課題】溶離工程後の溶液のリチウム含有率を高め、溶離工程後の工程の溶液の量を抑制することで、リチウム製造のための製造コストを抑えることが可能なリチウム含有溶液の製造方法を提供する。
【解決手段】リチウム含有溶液の製造方法は、吸着工程と、吸着後マンガン酸リチウムと酸含有溶液とを接触させて溶離溶液を得る溶離工程と、マンガン酸化工程と、をこの順で実行する。溶離工程は、酸含有溶液のH
+
濃度が高い第1溶離工程と、第1溶離工程よりも酸含有溶液のH
+
濃度が低い第2溶離工程と、を含んで構成される。そして、第1溶離工程の後に第2溶離工程を行う。この構成により、第1溶離工程で効率よく溶離が行われるとともに、第2溶離工程では酸含有溶液の水素イオン濃度を高くする必要がないので、酸含有溶液に追加する酸の量を抑制でき、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液の量を抑制できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
マンガン酸リチウムから得られたリチウム吸着剤に低濃度リチウム含有溶液を接触させて吸着後マンガン酸リチウムを得る吸着工程と、
前記吸着後マンガン酸リチウムと酸含有溶液とを接触させて溶離溶液を得る溶離工程と、
前記溶離溶液に、酸化剤およびpH調整剤を追加することでマンガンを酸化させ、マンガン濃度を抑制したリチウム含有溶液を得るマンガン酸化工程と、
をこの順で実行し、
前記溶離工程は、第1溶離工程と、該第1溶離工程よりも前記酸含有溶液の水素イオン濃度が低い第2溶離工程と、を含んで構成され、
前記第1溶離工程の後に前記第2溶離工程が行われている、
ことを特徴とするリチウム含有溶液の製造方法。
続きを表示(約 790 文字)
【請求項2】
前記第1溶離工程における前記酸含有溶液の水素イオン濃度が、1.0mol/L以上4.0mol/L以下であり、
前記第2溶離工程における前記酸含有溶液の水素イオン濃度が、0.1mol/L以上0.5mol/L以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有溶液の製造方法。
【請求項3】
前記溶離溶液は、前記溶離工程においてリチウムを高濃度で含む高濃度リチウム溶離溶液と、該高濃度リチウム溶離溶液よりもリチウムの濃度が低い低濃度リチウム溶離溶液と、に分離され、
前記溶離工程で用いられる前記酸含有溶液には、前記低濃度リチウム溶離溶液に酸を加えたものが含まれ、
前記マンガン酸化工程で用いられる前記溶離溶液に、前記高濃度リチウム溶離溶液が含まれる、
ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有溶液の製造方法。
【請求項4】
前記高濃度リチウム溶離溶液は、
前記溶離工程を経て得られる前記溶離溶液のうち、前記溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分を抜き出した前記溶離溶液である、
ことを特徴とする請求項3に記載のリチウム含有溶液の製造方法。
【請求項5】
前記高濃度リチウム溶離溶液は、
前記溶離工程が始まってから、あらかじめ定められた開始時間と終了時間との間に得られた前記溶離溶液である、
ことを特徴とする請求項3に記載のリチウム含有溶液の製造方法。
【請求項6】
前記溶離工程後に得られる溶離後リチウム吸着剤を洗浄する水洗工程が、前記溶離工程後に設けられ、
前記水洗工程で得られる水洗後液が、前記酸含有溶液に加えられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム含有溶液の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム含有溶液の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、溶離工程後の溶液におけるリチウムの含有率を高め、溶離工程後の工程で用いられる溶液の量を抑制することで、リチウム製造のための製造コストを抑えることが可能なリチウム含有溶液の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
スピネル型の構造を持つ、マンガン酸リチウム(LiMn
2
O
4
、Li
1.33
Mn
1.67
O
4
、Li
1.6
Mn
1.6
O
4
等)に塩酸などの鉱酸を接触させることで得られるλ-MnO
2
(HMn
2
O
4
、H
1.33
Mn
1.67
O
4
、H
1.6
Mn
1.6
O
4
等)は、選択的にリチウムを吸着することが知られている。このλ-MnO
2
をリチウム回収に用いた場合、λ-MnO
2
は不純物を吸着しないため、リチウム回収において中和剤の使用量を大幅に低減できるといったメリットがある。このことから、この方法の商業利用が期待されている。このλ-MnO
2
を用いたリチウム含有溶液の製造方法が、特許文献1で開示されている。
【0003】
特許文献1のリチウム含有溶液の製造方法は、溶離工程に用いられる酸含有溶液として、溶離工程で得られた溶離溶液の全量に対して酸を追加して、酸含有溶液の水素イオン濃度を調整することで、溶離工程後の工程で用いられる溶離溶液の量を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開2022/210847号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、酸含有溶液は、水素イオン濃度を所定の値にするために酸が追加される必要があり、酸の追加量が多いと、溶離溶液後の工程で用いられる溶液の量を抑制する効果は限定的であるという問題がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、溶離工程後の溶液におけるリチウム含有率を高め、溶離工程後の工程で用いられる溶液の量を抑制することで、リチウム製造のための製造コストを抑えることが可能なリチウム含有溶液の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明のリチウム含有溶液の製造方法は、マンガン酸リチウムから得られたリチウム吸着剤に低濃度リチウム含有溶液を接触させて吸着後マンガン酸リチウムを得る吸着工程と、前記吸着後マンガン酸リチウムと酸含有溶液とを接触させて溶離溶液を得る溶離工程と、前記溶離溶液に、酸化剤およびpH調整剤を追加することでマンガンを酸化させ、マンガン濃度を抑制したリチウム含有溶液を得るマンガン酸化工程と、をこの順で実行し、前記溶離工程は、第1溶離工程と、該第1溶離工程よりも前記酸含有溶液の水素イオン濃度が低い第2溶離工程と、を含んで構成され、前記第1溶離工程の後に前記第2溶離工程が行われていることを特徴とする。
第2発明のリチウム含有溶液の製造方法は、第1発明において、前記第1溶離工程における前記酸含有溶液の水素イオン濃度が、1.0mol/L以上4.0mol/L以下であり、前記第2溶離工程における前記酸含有溶液の水素イオン濃度が、0.1mol/L以上0.5mol/L以下であることを特徴とする。
第3発明のリチウム含有溶液の製造方法は、第1発明において、前記溶離溶液は、前記溶離工程において、リチウムを高濃度で含む高濃度リチウム溶離溶液と、該高濃度リチウム溶離溶液よりもリチウムの濃度が低い低濃度リチウム溶離溶液と、に分離され、前記溶離工程で用いられる前記酸含有溶液には、前記低濃度リチウム溶離溶液に酸を加えたものが含まれ、前記マンガン酸化工程で用いられる前記溶離溶液に、前記高濃度リチウム溶離溶液が含まれることを特徴とする。
第4発明のリチウム含有溶液の製造方法は、第3発明において、前記高濃度リチウム溶離溶液は、前記溶離工程を経て得られる前記溶離溶液のうち、前記溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分を抜き出した前記溶離溶液であることを特徴とする。
第5発明のリチウム含有溶液の製造方法は、第3発明において、前記高濃度リチウム溶離溶液は、前記溶離工程が始まってから、あらかじめ定められた開始時間と終了時間との間に得られた前記溶離溶液であることを特徴とする。
第6発明のリチウム含有溶液の製造方法は、第1発明において、前記溶離工程後に得られる溶離後リチウム吸着剤を洗浄する水洗工程が、前記溶離工程後に設けられ、前記水洗工程で得られる水洗後液が、前記酸含有溶液に加えられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1発明によれば、溶離工程が、第1溶離工程と、それよりも酸含有溶液の水素イオン濃度が低い第2溶離工程と、を含んで構成され、第1溶離工程の後に第2溶離工程が行われることにより、第1溶離工程で効率よく溶離が行われるとともに、第2溶離工程では酸含有溶液の水素イオン濃度を高くする必要がないので、酸含有溶液に追加する酸の量を抑制でき、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液の量を抑制できる。これにより、リチウム製造のための製造コストを抑えることができる。
第2発明によれば、第1溶離工程における酸含有溶液の水素イオン濃度と、第2溶離工程における酸含有溶液の水素イオン濃度が所定の値であることにより、リチウム吸着剤からのマンガンの溶解を抑制できるとともに、溶離の効率を高めることができる。
第3発明によれば、高濃度リチウム溶離溶液が、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液に含まれることにより、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液のリチウム含有率を高くできる。また、低濃度リチウム溶離溶液だけが酸含有溶液に加えられるので、少量の酸を加えるだけで酸含有溶液内の水素イオン濃度を上げることができ、その結果として酸含有溶液の量をさらに抑制でき、マンガン酸化工程で用いられる溶離溶液の量を抑制できる。
第4発明によれば、高濃度リチウム溶離溶液は、溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分を抜き出した前記溶離溶液であることにより、高濃度リチウム溶離溶液のリチウム含有率を高くできる。
第5発明によれば、高濃度リチウム溶離溶液は、溶離工程が始まってから、あらかじめ定められた開始時間と終了時間との間に得られた溶離溶液であることにより、高濃度リチウム溶離溶液を容易に得ることができる。
第6発明によれば、水洗工程で得られる水洗後液が、酸含有溶液に加えられることにより、水洗工程で廃棄せざるを得なかったリチウムを回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の第1実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図である。
本発明の第2実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図である。
本発明の第3実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図である。
本発明の第4実施形態に係るリチウム含有溶液の製造方法のフロー図である。
図2のリチウム含有溶液の製造方法において、溶離溶液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分ごとのリチウム濃度を示すグラフである。
図3のリチウム含有溶液の製造方法において、水洗後液の得られ始めを基準として、あらかじめ定められた体積分ごとのリチウム濃度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具現化するためのリチウム含有溶液の製造方法を例示するものであって、本発明はリチウム含有溶液の製造方法を以下のものに特定しない。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
個人
水素製造装置
23日前
株式会社東芝
オゾン発生装置
1か月前
三井金属鉱業株式会社
混合組成物
1か月前
三菱重工業株式会社
可燃性ガス生成システム
1か月前
個人
温水素水およびその作製装置およびその作製方法
1か月前
東ソー株式会社
鉄含有FER型ゼオライト及びその製造方法
23日前
株式会社デンソー
二酸化炭素供給システム
24日前
個人
積層体の製造方法、電子部品の製造方法および積層体
3日前
住友金属鉱山株式会社
硫酸ニッケル水溶液の製造方法
9日前
国立大学法人広島大学
水素の製造方法
4日前
三菱重工業株式会社
炭化水素の直接分解方法
16日前
中谷産業株式会社
カーボンナノチューブ凝集体及びその製造方法
16日前
DIC株式会社
ガーネット型酸化物固体電解質
3日前
東邦チタニウム株式会社
四塩化チタンの製造方法
17日前
株式会社TMEIC
オゾンガス発生装置及び冷媒流量調整方法
18日前
ニダイキ株式会社
硫化金属化合物担持体、およびその製造方法
16日前
ユミコア日本触媒株式会社
コアシェル型ゼオライト
1か月前
三浦工業株式会社
アンモニア分解ガス発生装置
17日前
三浦工業株式会社
アンモニア分解ガス発生装置
17日前
三浦工業株式会社
アンモニア分解ガス発生装置
17日前
三菱重工業株式会社
原料ガスの加熱器、および加熱器の異常診断装置
24日前
国立研究開発法人産業技術総合研究所
メソポーラスシリカ含有成形体とその製造方法
10日前
三菱ケミカル株式会社
ゼオライトの製造方法
23日前
株式会社豊田中央研究所
硝酸水溶液の製造装置および硝酸水溶液の製造方法
3日前
出光興産株式会社
炭酸カルシウムの製造方法及び製造システム
10日前
デンカ株式会社
窒化ホウ素含有粉末、放熱フィラー、及び、樹脂組成物
3日前
DOWAホールディングス株式会社
マンガン含有パイロクロア酸化物粉体の製造方法
17日前
信越化学工業株式会社
コロイダルシリカ及びその製造方法
10日前
東京窯業株式会社
アンモニア分解装置及びその製造方法
9日前
信越化学工業株式会社
コロイダルシリカ及びその製造方法
10日前
信越化学工業株式会社
コロイダルシリカ及びその製造方法
10日前
公立大学法人大阪
硫化リチウム-亜硫酸リチウム複合材料
3日前
水ing株式会社
リン化合物の洗浄方法及びリン化合物の洗浄装置
1か月前
コニカミノルタ株式会社
オゾン発生装置及びオゾン送風装置
3日前
セトラスホールディングス株式会社
リン酸カルシウム
1か月前
日本ゼオン株式会社
カーボンナノチューブ分散液およびその製造方法
4日前
続きを見る
他の特許を見る