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公開番号
2024146829
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2024047840
出願日
2024-03-25
発明の名称
水溶性チオアミド化合物カルボン酸塩の製造方法
出願人
住友化学株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07C
327/40 20060101AFI20241004BHJP(有機化学)
要約
【課題】向上した生産性を有する、水溶性チオアミド化合物カルボン酸塩の製造方法を提供すること。
【解決手段】水溶性チオアミド化合物カルボン酸塩(E)の製造方法であって、下記工程:
(1)カルボン酸エステル基を有する疎水性アミド化合物(A)とチオアミド化剤(B)とを疎水性溶媒中で反応させて、エステル基を有するチオアミド化合物(C)を得る工程;
(2)得られたエステル基を有するチオアミド化合物(C)を含む疎水性溶媒中に、チオアミド化剤(B)およびその残渣を分解可能な塩基性化合物(D-1)と水とを添加した後、分液操作により水層を抜き取り、チオアミド化剤(B)およびその残渣の水溶性分解物を除去する工程;および
(3)工程(2)により得られるエステル基を有するチオアミド化合物(C)を含む疎水性溶媒中に、該チオアミド化合物(C)のエステル基を加水分解可能な塩基性化合物(D-2)および水を添加した後、分液操作によりチオアミド化合物カルボン酸塩(E)の水溶液を得る工程
を含み、
前記塩基性化合物(D-1)が前記塩基性化合物(D-2)より弱い塩基性を有する、方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
水溶性チオアミド化合物カルボン酸塩(E)の製造方法であって、下記工程:
(1)カルボン酸エステル基を有する疎水性アミド化合物(A)とチオアミド化剤(B)とを疎水性溶媒中で反応させて、エステル基を有するチオアミド化合物(C)を得る工程;
(2)得られたエステル基を有するチオアミド化合物(C)を含む疎水性溶媒中に、チオアミド化剤(B)およびその残渣を分解可能な塩基性化合物(D-1)と水とを添加した後、分液操作により水層を抜き取り、チオアミド化剤(B)およびその残渣の水溶性分解物を除去する工程;および
(3)工程(2)により得られるエステル基を有するチオアミド化合物(C)を含む疎水性溶媒中に、該チオアミド化合物(C)のエステル基を加水分解可能な塩基性化合物(D-2)および水を添加した後、分液操作によりチオアミド化合物カルボン酸塩(E)の水溶液を得る工程
を含み、
前記塩基性化合物(D-1)が前記塩基性化合物(D-2)より弱い塩基性を有する、方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
塩基性化合物(D-1)が、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一ナトリウム、及び、リン酸一水素二ナトリウムからなる群から選ばれる1以上の化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
塩基性化合物(D-2)が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、及び、テトラブチルアンモニウムヒドリドからなる群から選ばれる1以上の化合物である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
カルボン酸エステル基を有する疎水性アミド化合物(A)が、それぞれ置換基を有してもよい、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フラン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾチアゾール環およびチエノチオフェン環からなる群から選択される芳香族環構造を有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
カルボン酸エステル基を有する疎水性アミド化合物(A)が式(A1):
TIFF
2024146829000010.tif
20
49
[式中、
R
1
~R
4
は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~8の脂環式炭化水素基、炭素数1~8のアルコキシ基、炭素数1~8のチオエーテル基、炭素数1~8のスルホニル基およびハロゲン原子からなる群から選択される基を表し、
R
5
は単結合、アルキレン基または炭素数3~8の二価の脂環式炭化水素基を表し、
R
6
は炭素数1~4のアルキル基を表す]
で示されるアミド化合物である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
水溶性チオアミド化合物カルボン酸塩(E)が式(E1):
TIFF
2024146829000011.tif
20
48
[式中、
R
1
~R
5
は、それぞれ、前記式(A1)のR
1
~R
5
と同じ意味を表し、
Mは、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を表し、
mはMで表されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の価数を表す]
で示されるチオアミド化合物カルボン酸塩である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
塩基性化合物(D-3)の存在下、請求項1または2に記載の方法により得られるチオアミド化合物カルボン酸塩(E)の水溶液に酸化剤(F)を添加して、カルボキシル基を有するベンゾチアゾールカルボン酸塩(G)を得ることを含む、ベンゾチアゾールカルボン酸塩(G)の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法により得られるベンゾチアゾールカルボン酸塩(G)と酸との反応によりベンゾチアゾールカルボン酸(H)を得ることを含む、ベンゾチアゾールカルボン酸塩(H)の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性チオアミド化合物カルボン酸塩の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、フラットパネル表示装置(FPD)に用いられる、偏光板、位相差板等の光学フィルムに適用され得る材料の中間体として、水溶性チオアミド化合物カルボン酸塩が用いられている。
非特許文献1には、無溶媒下で、ジカルボン酸エステル基を有する疎水性アミド化合物とチオアミド化剤とを反応させることによりエステル基を有するチオアミド化合物を含む溶液を得、溶液をシリカゲルカラムにより精製した後に、濃縮し乾燥させて、エステル基を有するチオアミド化合物を粉体として取り出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
European Journal of Medical Chemistry,123(2016),514-522
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の方法では、チオアミド化合物のカルボン酸塩の前駆体であるエステル基を有するチオアミド化合物を取り出すために濃縮工程および乾燥工程を含むため、工業スケールでの製造には適さない。
【0005】
本発明では、向上した生産性を有する、水溶性チオアミド化合物カルボン酸塩の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の好適な実施形態を提供するものである。
[1] 水溶性チオアミド化合物カルボン酸塩(E)の製造方法であって、下記工程:
(1)カルボン酸エステル基を有する疎水性アミド化合物(A)とチオアミド化剤(B)とを疎水性溶媒中で反応させて、エステル基を有するチオアミド化合物(C)を得る工程;
(2)得られたエステル基を有するチオアミド化合物(C)を含む疎水性溶媒中に、チオアミド化剤(B)およびその残渣を分解可能な塩基性化合物(D-1)と水とを添加した後、分液操作により水層を抜き取り、チオアミド化剤(B)およびその残渣の水溶性分解物を除去する工程;および
(3)工程(2)により得られるエステル基を有するチオアミド化合物(C)を含む疎水性溶媒中に、該チオアミド化合物(C)のエステル基を加水分解可能な塩基性化合物(D-2)および水を添加した後、分液操作によりチオアミド化合物カルボン酸塩(E)の水溶液を得る工程
を含み、
前記塩基性化合物(D-1)が前記塩基性化合物(D-2)より弱い塩基性を有する、方法。
[2] 塩基性化合物(D-1)が、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一ナトリウム、及び、リン酸一水素二ナトリウムからなる群から選ばれる1以上の化合物である、[1]に記載の方法。
[3] 塩基性化合物(D-2)が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、及び、テトラブチルアンモニウムヒドリドからなる群から選ばれる1以上の化合物である、[1]または[2]に記載の方法。
[4] カルボン酸エステル基を有する疎水性アミド化合物(A)が、それぞれ置換基を有してもよい、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フラン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾチアゾール環およびチエノチオフェン環からなる群から選択される芳香族環構造を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5] カルボン酸エステル基を有する疎水性アミド化合物(A)が式(A1):
TIFF
2024146829000001.tif
30
75
[式中、
R
1
~R
4
は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~8の脂環式炭化水素基、炭素数1~8のアルコキシ基、炭素数1~8のチオエーテル基、炭素数1~8のスルホニル基およびハロゲン原子からなる群から選択される基を表し、
R
5
は単結合、アルキレン基または炭素数3~8の二価の脂環式炭化水素基を表し、
R
6
は炭素数1~4のアルキル基を表す]
で示されるアミド化合物である、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 水溶性チオアミド化合物カルボン酸塩(E)が式(E1):
TIFF
2024146829000002.tif
30
75
[式中、
R
1
~R
5
は、それぞれ、前記式(A1)のR
1
~R
5
と同じ意味を表し、
Mは、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を表し、
mはMで表されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の価数を表す]
で示されるチオアミド化合物カルボン酸塩である、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 塩基性化合物(D-3)の存在下、[1]または[2]に記載の方法により得られるチオアミド化合物カルボン酸塩(E)の水溶液に酸化剤(F)を添加して、カルボキシル基を有するベンゾチアゾールカルボン酸塩(G)を得ることを含む、ベンゾチアゾールカルボン酸塩(G)の製造方法。
[8] [7]に記載の方法により得られるベンゾチアゾールカルボン酸塩(G)と酸との反応によりベンゾチアゾールカルボン酸(H)を得ることを含む、ベンゾチアゾールカルボン酸塩(H)の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、向上した生産性を有する、水溶性チオアミド化合物カルボン酸塩の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の水溶性チオアミド化合物カルボン酸塩(E)の製造方法は、下記工程:
(1)カルボン酸エステル基を有する疎水性アミド化合物(A)とチオアミド化剤(B)とを疎水性溶媒中で反応させて、エステル基を有するチオアミド化合物(C)を得る工程;
(2)得られたエステル基を有するチオアミド化合物(C)を含む疎水性溶媒中に、チオアミド化剤(B)およびその残渣を分解可能な塩基性化合物(D-1)と水とを添加した後、分液操作により水層を抜き取り、チオアミド化剤(B)およびその残渣の水溶性分解物を除去する工程;および
(3)工程(2)により得られるエステル基を有するチオアミド化合物(C)を含む疎水性溶媒中に、該チオアミド化合物(C)のエステル基を加水分解可能な塩基性化合物(D-2)および水を添加した後、分液操作によりチオアミド化合物カルボン酸塩(E)の水溶液を得る工程
を含み、
塩基性化合物(D-1)が塩基性化合物(D-2)より弱い塩基性を有する。
【0009】
<工程(1)>
工程(1)は、カルボン酸エステル基を有する疎水性アミド化合物(A)とチオアミド化剤(B)とを疎水性溶媒中で反応させて、エステル基を有するチオアミド化合物(C)を製造する工程である。
【0010】
チオアミド化剤の使用量は、カルボン酸エステル基を有する疎水性アミド化合物(A)1モル当量に対して、好ましくは0.5~1.0モル当量であり、より好ましくは0.5~0.8モル当量であり、さらに好ましくは0.5~0.6モル当量である。
(【0011】以降は省略されています)
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