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公開番号2024145384
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023057708
出願日2023-03-31
発明の名称ダイヤモンド電極
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人
主分類C25B 11/067 20210101AFI20241004BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】導電性ダイヤモンド膜の剥離を抑制し、ダイヤモンド電極の耐久性を向上させることができる技術を提供する。
【解決手段】金属ニオブからなる基板と、基板の少なくとも一方の主面上に形成された導電性ダイヤモンド膜と、基板と導電性ダイヤモンド膜との間に形成された遷移層と、を有し、遷移層は、ニオブと炭素を主成分とする微結晶、および、ニオブと酸素を主成分とする微結晶の集合体からなる、ダイヤモンド電極。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
金属ニオブからなる基板と、
前記基板の少なくとも一方の主面上に形成された導電性ダイヤモンド膜と、
前記基板と前記導電性ダイヤモンド膜との間に形成された遷移層と、を有し、
前記遷移層は、ニオブと炭素を主成分とする微結晶、および、ニオブと酸素を主成分とする微結晶の集合体からなる、ダイヤモンド電極。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記遷移層中のニオブの平均組成が、前記基板側から前記導電性ダイヤモンド膜側にかけて、連続的に減少している、請求項1に記載のダイヤモンド電極。
【請求項3】
前記ニオブと炭素を主成分とする微結晶は、化学式NbCまたはNb

Cの炭化ニオブ微結晶である、請求項1に記載のダイヤモンド電極。
【請求項4】
前記遷移層は、化学式NbCの炭化ニオブ微結晶の存在割合が化学式Nb

Cの炭化ニオブ微結晶の存在割合よりも多い第1遷移層と、化学式Nb

Cの炭化ニオブ微結晶の存在割合が化学式NbCの炭化ニオブ微結晶の存在割合よりも多い第2遷移層とを有し、
前記第1遷移層は前記導電性ダイヤモンド膜側に存在し、前記第2遷移層は前記基板側に存在する、請求項3に記載のダイヤモンド電極。
【請求項5】
前記ニオブと酸素を主成分とする微結晶は、化学式NbOの酸化ニオブ微結晶であり、前記第1遷移層に、前記酸化ニオブ微結晶が混在している、請求項4に記載のダイヤモンド電極。
【請求項6】
前記第1遷移層に含まれる前記化学式NbCの炭化ニオブ微結晶の結晶子径は、5nm以上100nm以下であり、前記第2遷移層に含まれる前記化学式Nb

Cの炭化ニオブ微結晶の結晶子径は、10nm以上2000nm以下である、請求項4に記載のダイヤモンド電極。
【請求項7】
前記化学式NbOの酸化ニオブ微結晶の結晶子径は、5nm以上100nm以下である、請求項5に記載のダイヤモンド電極。
【請求項8】
前記第1遷移層の厚さは、10nm以上500nm以下であり、前記第2遷移層の厚さは、1μm以上10μm以下である、請求項4に記載のダイヤモンド電極。
【請求項9】
前記第1遷移層における、前記化学式NbCの炭化ニオブ微結晶に対する、前記化学式NbOの酸化ニオブ微結晶の体積存在比率は、50%以上100%以下である、請求項5に記載のダイヤモンド電極。
【請求項10】
前記遷移層内部の前記導電性ダイヤモンド膜との境界近傍に、空隙を有する多孔質部が存在する、請求項1に記載のダイヤモンド電極。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤモンド電極の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
導電性ダイヤモンドは、水系・非水系における電位窓が広く、バックグラウンド電流も小さいため、広い電位範囲で安定な電気化学反応が可能な電極材料として知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ニオブ、タンタル、チタン及びジルコニウムから成る群から選択されるバルブメタル及びこれらの金属基合金から選択される材料を含んで成る電極基材の少なくともその表面を塑性加工し、次いで前記電極基材を真空中又は不活性雰囲気中で加熱処理し、該加熱処理した電極基材表面に導電性ダイヤモンド膜を形成することを含んで成ることを特徴とする導電性ダイヤモンド電極の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4456378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、導電性ダイヤモンド膜の剥離を抑制し、ダイヤモンド電極の耐久性を向上させることができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、
金属ニオブからなる基板と、
前記基板の少なくとも一方の主面上に形成された導電性ダイヤモンド膜と、
前記基板と前記導電性ダイヤモンド膜との間に形成された遷移層と、を有し、
前記遷移層は、ニオブと炭素を主成分とする微結晶、および、ニオブと酸素を主成分とする微結晶の集合体からなる、ダイヤモンド電極が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、導電性ダイヤモンド膜の剥離を抑制し、ダイヤモンド電極の耐久性を向上させることができる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本発明の実施形態のダイヤモンド電極10の断面を示す模式図である。
図2は、本発明の実施形態のダイヤモンド電極10の遷移層30と導電性ダイヤモンド膜40との境界近傍の拡大模式図である。
図3は、本発明の実施形態のダイヤモンド電極10の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図4は、本発明の実施形態の多孔質部形成工程S102を説明する模式図である。
図5は、本発明の他の実施形態のダイヤモンド電極10の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図6は、本発明の実施例のサンプル1の断面写真である。
図7は、本発明の実施例のサンプル1のTEM-EDXによる組成分析の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<発明者の得た知見>
まず、発明者が得た知見について説明する。
【0010】
ホウ素等を含有させることで導電性を付与したダイヤモンド電極は、オゾン等の酸化剤の生成に用いることができる。このようなダイヤモンド電極においては、耐久性が大きな課題である。特許文献1等に記載されている技術により、基板とダイヤモンド膜との密着性、剥離強度は改善されたものの、実用的なレベルの耐久性を得ることは困難であることがわかった。
(【0011】以降は省略されています)

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