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公開番号2024144152
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2024023703
出願日2024-02-20
発明の名称偏光板
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20241003BHJP(光学)
要約【課題】偏光板の斜め方向から視認される虹ムラが抑制され、かつ、高温高湿環境下での偏光子の色抜けが抑制された偏光板、並びに、該偏光板を含む粘着剤層付き偏光板及び該粘着剤層付き偏光板を含む液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】ポリエステル系樹脂フィルム、第1接着剤層、偏光子、第2接着剤層及び(メタ)アクリル系樹脂フィルムをこの順に含む偏光板であって、第1接着剤層は、ラジカル硬化性接着剤組成物の硬化物層であり、ポリエステル系樹脂フィルムは、Re=(nx-ny)×dで定義される位相差値Reについて、第1配置において測定される位相差値Re1が6000nm以上であり、第2配置において測定される位相差値Re2が5000nm以上であり、第3配置において測定される位相差値Re3が6000nm以上であり、第4配置において測定される位相差値Re4が7000nm以上である偏光板が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステル系樹脂フィルム、第1接着剤層、偏光子、第2接着剤層及び(メタ)アクリル系樹脂フィルムをこの順に含む偏光板であって、
前記第1接着剤層は、ラジカル硬化性接着剤組成物の硬化物層であり、
前記ポリエステル系樹脂フィルムは、式(1)で定義される位相差値Reについて、以下の[i]~[iv]を満たす偏光板。
Re=(n

-n

)×d (1)
[式中、n

はフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、n

はフィルム面内の進相軸方向の屈折率を表し、dはフィルムの厚みを表す。]
[i]ポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が90°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第1配置において測定される位相差値Re1が6000nm以上である。
[ii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その進相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第2配置において測定される位相差値Re2が5000nm以上である。
[iii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、ポリエステル系樹脂フィルム面内においてその進相軸に対して45°の角度をなす軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第3配置において測定される位相差値Re3が6000nm以上である。
[iv]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その遅相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第4配置において測定される位相差値Re4が7000nm以上である。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記ポリエステル系樹脂フィルムの膜厚が60μm以上である請求項1に記載の偏光板。
【請求項3】
前記ラジカル硬化性接着剤組成物は、窒素元素を含む(メタ)アクリル系化合物を含有する請求項1に記載の偏光板。
【請求項4】
前記第2接着剤層は、ラジカル硬化性接着剤組成物の硬化物層である、請求項1に記載の偏光板。
【請求項5】
前記ポリエステル系樹脂フィルムは易接着層を有し、前記易接着層中にスルホン酸塩基を含む化合物を含有する、請求項1に記載の偏光板。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の偏光板と粘着剤層とを含む粘着剤層付き偏光板であって、
前記粘着剤層が、前記(メタ)アクリル系樹脂フィルムにおける前記偏光子とは反対側の面に積層されている粘着剤層付き偏光板。
【請求項7】
請求項6に記載の粘着剤層付き偏光板を含む液晶表示装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板に関し、さらには該偏光板を含む粘着剤層付き偏光板及び液晶表示装置にも関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置の視認性の向上が求められている。液晶表示装置の視認性向上のため、液晶表示を構成する部材の一つである偏光板においても、ムラ抑制や光抜けの抑制が求められている。
偏光板のムラ抑制や、高温湿熱環境下における偏光子の光抜け(色抜け)抑制のために、偏光板における偏光子保護フィルムの種類や接着剤、また組み合わせの検討が行われている。例えば、特許文献1には、一方の偏光子保護フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムを適用した場合に、もう一方の偏光子保護フィルムとして、アクリル系樹脂フィルムを適用し、接着剤層としてカチオン系開始剤を有するエポキシ系樹脂組成物を用いることで偏光板の高温環境下での光学耐久性を向上できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2016-500833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の偏光板であったとしても、偏光板の斜め方向より視認される虹ムラ抑制や高温高湿環境下における偏光子の色抜け抑制が十分ではなかった。
【0005】
本発明は、偏光板の斜め方向から視認される虹ムラが抑制され、かつ、高温高湿環境下での偏光子の色抜けが抑制された偏光板、並びに、該偏光板を含む粘着剤層付き偏光板及び該粘着剤層付き偏光板を含む液晶表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の発明を含む。
[1] ポリエステル系樹脂フィルム、第1接着剤層、偏光子、第2接着剤層及び(メタ)アクリル系樹脂フィルムをこの順に含む偏光板であって、
前記第1接着剤層は、ラジカル硬化性接着剤組成物の硬化物層であり、
前記ポリエステル系樹脂フィルムは、式(1)で定義される位相差値Reについて、以下の[i]~[iv]を満たす偏光板。
Re=(n

-n

)×d (1)
[式中、n

はフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、n

はフィルム面内の進相軸方向の屈折率を表し、dはフィルムの厚みを表す。]
[i]ポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が90°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第1配置において測定される位相差値Re1が6000nm以上である。
[ii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その進相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第2配置において測定される位相差値Re2が5000nm以上である。
[iii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、ポリエステル系樹脂フィルム面内においてその進相軸に対して45°の角度をなす軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第3配置において測定される位相差値Re3が6000nm以上である。
[iv]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その遅相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第4配置において測定される位相差値Re4が7000nm以上である。
[2] 前記ポリエステル系樹脂フィルムの膜厚が60μm以上である[1]に記載の偏光板。
[3] 前記ラジカル硬化性接着剤組成物は、窒素元素を含む(メタ)アクリル系化合物を含有する[1]又は[2]に記載の偏光板。
[4] 前記第2接着剤層は、ラジカル硬化性接着剤組成物の硬化物層である、[1]~[3]のいずれかに記載の偏光板。
[5] 前記ポリエステル系樹脂フィルムは易接着層を有し、前記易接着層中にスルホン酸塩基を含む化合物を含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の偏光板。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載の偏光板と粘着剤層とを含む粘着剤層付き偏光板であって、
前記粘着剤層が、前記(メタ)アクリル系樹脂フィルムにおける前記偏光子とは反対側の面に積層されている粘着剤層付き偏光板。
[7] [6]に記載の粘着剤層付き偏光板を含む液晶表示装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、偏光板の斜め方向からの虹ムラが抑制され、かつ、高温高湿環境下での偏光子の色抜けが抑制された偏光板、並びに、該偏光板を含む粘着剤層付き偏光板及び該粘着剤層付き偏光板を含む液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の偏光板の一例を模式的に示す概略断面図である。
位相差値Re1及びその測定方法を説明する概略斜視図である。
位相差値Re2及びその測定方法を説明する概略斜視図である。
位相差値Re3及びその測定方法を説明する概略斜視図である。
位相差値Re4及びその測定方法を説明する概略斜視図である。
本発明の粘着剤層付き偏光板の一例を模式的に示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の偏光板は、ポリエステル系樹脂フィルム、第1接着剤層、偏光子、第2接着剤層及び(メタ)アクリル系樹脂フィルムをこの順に含む。
本発明の偏光板の層構成の例を図1に示す。図1に示される偏光板1は、ポリエステル系樹脂フィルム10、第1接着剤層15、偏光子30、第2接着剤層25及び(メタ)アクリル系樹脂フィルム20をこの順に含む。
図1に示されるように本発明の偏光板において、ポリエステル系樹脂フィルム10と第1接着剤層15とは直接接していることが好ましい。また、(メタ)アクリル系樹脂フィルム20と第2接着剤層25とは直接接していることが好ましい。偏光子30と第1接着剤層15とは直接接していることが好ましい。偏光子30と第2接着剤層25とは直接接していることが好ましい。
【0010】
<ポリエステル系樹脂フィルム>
本発明に使用されるポリエステル系樹脂フィルムは、式(1)で定義される位相差値Reについて、以下の[i]~[iv]を満たす。
Re=(n

-n

)×d (1)
[式中、n

はフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、n

はフィルム面内の進相軸方向(フィルム面内の遅相軸方向と直交する方向)の屈折率を表し、dはフィルムの厚みを表す。]
[i]ポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が90°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第1配置において測定される位相差値Re1が6000nm以上である。
[ii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その進相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第2配置において測定される位相差値Re2が5000nm以上である。
[iii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、ポリエステル系樹脂フィルム面内においてその進相軸に対して45°の角度をなす軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第3配置において測定される位相差値Re3が6000nm以上である。
[iv]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その遅相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第4配置において測定される位相差値Re4が7000nm以上である。
(【0011】以降は省略されています)

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