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公開番号2024157693
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023072195
出願日2023-04-26
発明の名称添加剤造粒物、プラスチック組成物の製造方法
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09K 15/08 20060101AFI20241031BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンを含む造粒物であって、良好な流動性を有する造粒物を提供する。
【解決手段】フェノール系酸化防止剤(1)を含有する酸化防止剤(a)を含む組成物(A)から形成されてなる添加剤造粒物であって、フェノール系酸化防止剤(1)の総量に対して、40~100質量%の、Cu-Kα波長のX線を用いたX線回折測定により、回折角2θ=4.2°および2θ=10.6°に鋭いX線回折ピークを示す結晶構造を有する3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンであるフェノール系酸化防止剤(1-1-1)を含む、添加剤造粒物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
フェノール系酸化防止剤(1)を含有する酸化防止剤(a)を含む組成物(A)から形成されてなる添加剤造粒物であって、フェノール系酸化防止剤(1)の総量に対して、40~100質量%の、Cu-Kα波長のX線を用いたX線回折測定により、回折角2θ=4.2°および2θ=10.6°に鋭いX線回折ピークを示す結晶構造を有する3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンであるフェノール系酸化防止剤(1-1-1)を含む、添加剤造粒物。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記フェノール系酸化防止剤(1-1-1)の含有量は、フェノール系酸化防止剤(1)に含まれる3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンであるフェノール系酸化防止剤(1-1)の総量に対して、40~100質量%である、請求項1に記載の添加剤造粒物。
【請求項3】
フェノール系酸化防止剤(1)において、前記フェノール系酸化防止剤(1-1-1)の量と、Cu-Kα波長のX線を用いたX線回折測定により、回折角2θ=7.9°に鋭いX線回折ピークを示す結晶構造を有する3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンであるフェノール系酸化防止剤(1-1-2)の量との比率が(1-1-1):(1-1-2)=100:0~40:60である、請求項1に記載の添加剤造粒物。
【請求項4】
組成物(A)に含まれるフェノール系酸化防止剤(1)の量は、組成物(A)の総量に対して、2~30質量%である、請求項1に記載の添加剤造粒物。
【請求項5】
組成物(A)に含まれる酸化防止剤(a)の量は、組成物(A)の総量に対して、25~100質量%である、請求項1に記載の添加剤造粒物。
【請求項6】
酸化防止剤(a)は、リン系酸化防止剤(2)および/またはイオウ系酸化防止剤(3)をさらに含む、請求項1に記載の添加剤造粒物。
【請求項7】
組成物(A)に含まれる、フェノール系酸化防止剤(1)と、リン系酸化防止剤(2)および/またはイオウ系酸化防止剤(3)との総量は、組成物(A)の総量に対して、25~100質量%である、請求項6に記載の添加剤造粒物。
【請求項8】
酸化防止剤(a)の総量に対する、フェノール系酸化防止剤(1)の量は5~30質量%であり、リン系酸化防止剤(2)および/またはイオウ系酸化防止剤(3)の総量は70~95質量%である、請求項6に記載の添加剤造粒物。
【請求項9】
酸化防止剤(a)の総量に対する、フェノール系酸化防止剤(1)の量は10~15質量%であり、リン系酸化防止剤(2)の量は48~53質量%であり、イオウ系酸化防止剤(3)の量は35~40質量%である、請求項6に記載の添加剤造粒物。
【請求項10】
組成物(A)は、中和剤、滑剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、金属石鹸、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、顔料、難燃剤、充填剤、核剤、可塑剤、加工助剤、発泡剤、および乳化剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む、請求項1に記載の添加剤造粒物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、添加剤造粒物、プラスチック組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンは、フェノール系酸化防止剤として知られるヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルであり、ε晶、δ晶、αβ晶、またはγ晶の結晶構造を有することが知られている(特許文献1)。
【0003】
そのうち、ε晶はX線回折測定により、回折角2θ=7.9°に鋭いX線回折ピークを示す結晶構造を有し、該ε晶のヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルの粉粒体も知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-87860号公報
特開2015-157853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンは、優れた酸化防止効果を有するが、該フェノール系酸化防止剤をプラスチックに添加して使用する際に、造粒物として添加することを検討したところ、造粒物の流動性が悪くなる場合があった。特に、このような造粒物は、輸送される、倉庫などに貯蔵保管されるなど、製造後に一定の期間が経過した後に使用される場合が多いが、このような保管などの期間中に造粒物の流動性が悪くなる場合があることがわかった。したがって、本発明は、3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンを含む造粒物であって、良好な流動性を有する造粒物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、造粒物の流動性に影響を及ぼす要因について詳細に検討した結果、該フェノール系酸化防止剤の結晶構造が造粒物の流動性に影響することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕フェノール系酸化防止剤(1)を含有する酸化防止剤(a)を含む組成物(A)から形成されてなる添加剤造粒物であって、フェノール系酸化防止剤(1)の総量に対して、40~100質量%の、Cu-Kα波長のX線を用いたX線回折測定により、回折角2θ=4.2°および2θ=10.6°に鋭いX線回折ピークを示す結晶構造を有する3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンであるフェノール系酸化防止剤(1-1-1)を含む、添加剤造粒物。
〔2〕前記フェノール系酸化防止剤(1-1-1)の含有量は、フェノール系酸化防止剤(1)に含まれる3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンであるフェノール系酸化防止剤(1-1)の総量に対して、40~100質量%である、〔1〕に記載の添加剤造粒物。
〔3〕フェノール系酸化防止剤(1)において、前記フェノール系酸化防止剤(1-1-1)の量と、Cu-Kα波長のX線を用いたX線回折測定により、回折角2θ=7.9°に鋭いX線回折ピークを示す結晶構造を有する3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンであるフェノール系酸化防止剤(1-1-2)の量との比率が(1-1-1):(1-1-2)=100:0~40:60である、〔1〕または〔2〕に記載の添加剤造粒物。
〔4〕組成物(A)に含まれるフェノール系酸化防止剤(1)の量は、組成物(A)の総量に対して、2~30質量%である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の添加剤造粒物。
〔5〕組成物(A)に含まれる酸化防止剤(a)の量は、組成物(A)の総量に対して、25~100質量%である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の添加剤造粒物。
〔6〕酸化防止剤(a)は、リン系酸化防止剤(2)および/またはイオウ系酸化防止剤(3)をさらに含む、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の添加剤造粒物。
〔7〕組成物(A)に含まれる、フェノール系酸化防止剤(1)と、リン系酸化防止剤(2)および/またはイオウ系酸化防止剤(3)との総量は、組成物(A)の総量に対して、25~100質量%である、〔6〕に記載の添加剤造粒物。
〔8〕酸化防止剤(a)の総量に対する、フェノール系酸化防止剤(1)の量は5~30質量%であり、リン系酸化防止剤(2)および/またはイオウ系酸化防止剤(3)の総量は70~95質量%である、〔6〕または〔7〕に記載の添加剤造粒物。
〔9〕酸化防止剤(a)の総量に対する、フェノール系酸化防止剤(1)の量は10~15質量%であり、リン系酸化防止剤(2)の量は48~53質量%であり、イオウ系酸化防止剤(3)の量は35~40質量%である、〔6〕~〔8〕のいずれかに記載の添加剤造粒物。
〔10〕組成物(A)は、中和剤、滑剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、金属石鹸、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、顔料、難燃剤、充填剤、核剤、可塑剤、加工助剤、発泡剤、および乳化剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の添加剤造粒物。
〔11〕添加剤造粒物のメジアン径(質量基準)が0.1~7mmである、〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の添加剤造粒物。
〔12〕プラスチック100質量部に対して、〔1〕~〔11〕のいずれかに記載の添加剤造粒物を0.005~10質量部配合する工程を含む、プラスチック組成物の製造方法。
〔13〕プラスチックは熱可塑性樹脂である、〔12〕に記載のプラスチック組成物の製造方法。
〔14〕プラスチックはポリオレフィン系樹脂である、請求項〔12〕に記載のプラスチック組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンを含む造粒物であって、良好な流動性を有する造粒物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例で使用した化合物(1-1-1)のCu-Kα波長のX線を用いたX線回折測定結果を示す図である。
実施例で使用した化合物(1-1-2)のCu-Kα波長のX線を用いたX線回折測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更をすることができる。また、特定の特徴について複数の上限値および下限値が記載されている場合、これらの上限値および下限値のうち任意の上限値と下限値とを組合せて好適な数値範囲とすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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