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公開番号2024155268
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069862
出願日2023-04-21
発明の名称液溜構造を備える装置
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人
主分類G01N 27/28 20060101AFI20241024BHJP(測定;試験)
要約【課題】溶存物質濃度の電気化学的測定をin-situで安定して高精度で行う技術を提供する。
【解決手段】被検液が流れる流路と、被検液中に含まれる溶存物質の濃度を測定する電気化学センサと、電気化学センサに接触させる被検液を一時的に滞留させる液溜構造と、を備え、液溜構造は、濃度測定を実施する期間中は、流路に被検液が流れる状態を維持しつつ、流路内に配置された電気化学センサの周囲に、被検液を静止状態とする領域を一時的に確保し、濃度測定を実施した後の期間中は、流路に被検液が流れる状態を維持しつつ、測定済みの被検液記領域内から流路へ排出し、流路を流れる被検液を領域内に取込むよう構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被検液が流れる流路と、
前記被検液中に含まれる溶存物質の濃度を測定する電気化学センサと、
前記電気化学センサに接触させる前記被検液を一時的に滞留させる液溜構造と、を備え、
前記液溜構造は、
濃度測定を実施する期間中は、前記流路に前記被検液が流れる状態を維持しつつ、前記流路内に配置された前記電気化学センサの周囲に、前記被検液を静止状態とする領域を一時的に確保し、前記濃度測定を実施した後の期間中は、前記流路に前記被検液が流れる状態を維持しつつ、測定済みの前記被検液を前記領域内から前記流路へ排出し、前記流路を流れる前記被検液を前記領域内に取込むよう構成されている、
装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記液溜構造は、
前記被検液の流出入口となる開口を有する枠体と、
前記枠体内に前記電気化学センサを保持する保持部と、
を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記枠体は、前記流路内における前記被検液の流れ方向に交差して設置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記液溜構造は、前記枠体と前記保持部とを相対移動させることより前記開口を水密に閉塞する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記枠体は、前記開口を閉塞可能な蓋部材を備え、
前記蓋部材は、前記保持部及び前記電気化学センサのうち少なくともいずれかとの干渉により開閉する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記液溜構造は、前記開口を閉塞する蓋部材をさらに備え、
前記液溜構造は、前記枠体と前記蓋部材とを相対移動させることにより前記開口を水密に閉塞する、
請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記液溜構造は、前記枠体と前記電気化学センサとを同時に前記流路内に移動させることにより、前記流路内に前記領域を一時的に確保する、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記開口の一部としての前記被検液の流入口が、前記枠体の側面に設けられており、
前記開口の他の一部としての前記被検液の流出口が、前記枠体の前記側面のうち前記流入口の設置位置と対向する位置に設けられており、
前記液溜構造は、前記流入口と前記流出口とを結ぶ直線が前記流れ方向に交差するように前記枠体を配置することにより、前記流路内に前記領域を一時的に確保する、
請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記枠体は、外側枠体と、前記外側枠体の内部に配置される内側枠体と、を有し、
前記開口は、前記外側枠体及び前記内側枠体にそれぞれ設けられており、
前記液溜構造は、前記外側枠体及び前記内側枠体のうち少なくともいずれかを回転させることにより、又は前記外側枠体と前記内側枠体とを相対移動させることにより、前記外側枠体及び前記内側枠体の前記開口をそれぞれ水密に閉塞する、
請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記開口の一部としての前記被検液の流入口が、前記外側枠体及び前記内側枠体のそれぞれの側面に設けられており、
前記開口の他の一部としての前記被検液の流出口が、前記外側枠体及び前記内側枠体のそれぞれの前記側面のうち前記流入口の設置位置と対向する位置に設けられている、
請求項9に記載の装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液溜構造を備える装置に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
ダイヤモンドを含む材料で構成された電極膜を有する作用電極を備える電気化学センサを用い、溶存物質濃度を電気化学的に測定することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-281356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、溶存物質濃度の電気化学的測定をin-situで安定して高精度で行う技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、
被検液が流れる流路と、
前記被検液中に含まれる溶存物質の濃度を測定する電気化学センサと、
前記電気化学センサに接触させる前記被検液を一時的に滞留させる液溜構造と、を備え、
前記液溜構造は、
濃度測定を実施する期間中は、前記流路に前記被検液が流れる状態を維持しつつ、前記流路内に配置された前記電気化学センサの周囲に、前記被検液を静止状態とする領域を一時的に確保し、前記濃度測定を実施した後の期間中は、前記流路に前記被検液が流れる状態を維持しつつ、測定済みの前記被検液を前記領域内から前記流路へ排出し、前記流路を流れる前記被検液を前記領域内に取込むよう構成されている、
装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、溶存物質濃度の電気化学的測定をin-situで安定して高精度で行う技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1(a)は、本開示の一態様における液溜構造の概略構成の一例を示す図であり、濃度測定を実施する期間中の枠体部分を縦断面図で示す図であり、図1(b)は、図1(a)に示す液溜構造において、濃度測定を実施した後の期間中の枠体部分を縦断面図で示す図である。
図2(a)は、本開示の一態様における液溜構造の概略構成の変形例を示す図であり、濃度測定を実施する期間中の枠体部分を縦断面で示す図であり、図2(b)は、図2(a)に示す液溜構造において、濃度測定を実施した後の期間中の枠体部分を縦断面図で示す図である。
図3(a)は、本開示の一態様における液溜構造の概略構成のさらに他の変形例を示す図であり、濃度測定を実施する期間中の枠体部分を縦断面図で示す図であり、図3(b)は、図3(a)に示す液溜構造において、濃度測定を実施した後の期間中の枠体部分を縦断面図で示す図である。
図4(a)は、本開示の一態様における液溜構造の概略構成のさらに他の変形例を示す図であり、濃度測定を実施する期間中の枠体部分を縦断面図で示す図であり、図4(b)は、図4(a)に示す液溜構造において、濃度測定を実施した後の期間中の枠体部分を縦断面図で示す図であり、図4(c)は、本開示の一態様における液溜構造の概略構成のさらに他の変形例を示す図であり、濃度測定を実施する期間中の枠体部分を縦断面図で示す図であり、図4(d)は、図4(c)に示す液溜構造において、濃度測定を実施した後の期間中の枠体部分を縦断面図で示す図である。
図5は、本開示の一態様における液溜構造の概略構成のさらに他の変形例を示す図であり、濃度測定を実施した後の期間中の枠体部分を縦断面図で示す図である。
図6(a)は、本開示の一態様における液溜構造の概略構成のさらに他の変形例を示す図であり、濃度測定を実施する期間中の様子を縦断面図で示す図であり、図6(b)は、図6(a)に示す液溜構造において、濃度測定を実施した後の期間中の様子を縦断面図で示す図であり、図6(c)は、図6(a)に示す液溜構造を下面図で示す図である。
図7(a)は、図6に示す液溜構造のさらに他の変形例を正面図で示す図であり、図7(b)は、図7(a)に示す液溜構造を側面図で示す図であり、図7(c)は、図7(a)に示す液溜構造を下面図で示す図である。
図8(a)は、図6に示す液溜構造のさらに他の変形例を正面図で示す図であり、図8(b)は、図8(a)に示す液溜構造を側面図で示す図である。
図9(a)は、本開示の一態様における液溜構造の概略構成のさらに他の変形例を示す図であり、濃度測定を実施する期間中の枠体部分を縦断面図で示す図であり、図9(b)は、枠体部分を図9(a)のA-A線断面図で示す図であり、図9(c)は、図9(a)に示す液溜構造において、濃度測定を実施した後の期間中の枠体部分を縦断面図で示す図であり、図9(d)は、枠体部分を図9(c)のB-B線断面図で示す図である。
図10(a)は、本開示の一態様における液溜構造の概略構成のさらに他の変形例を示す図であり、濃度測定を実施する期間中の枠体部分を縦断面図で示す図であり、図10(b)は、枠体部分を図10(a)のC-C線断面図で示す図であり、図10(c)は、図10(a)に示す液溜構造において、濃度測定を実施した後の期間中の枠体部分を縦断面図で示す図であり、図10(d)は、枠体部分を図10(c)のD-D線断面図で示す図である。
図11(a)は、本開示の一態様における液溜構造の概略構成のさらに他の変形例を示す図であり、濃度測定を実施する期間中の枠体部分を縦断面図で示す図であり、図11(b)は、枠体部分を図11(a)のE-E線断面図で示す図であり、図11(c)は、図11(a)に示す液溜構造において、濃度測定を実施した後の期間中の枠体部分を縦断面図で示す図であり、図11(d)は、枠体部分を図11(c)のF-F線断面図で示す図である。
図12(a)は、本開示の一態様における液溜構造の概略構成のさらに他の変形例を示す図であり、濃度測定を実施する期間中の枠体部分を縦断面図で示す図であり、図12(b)は、図12(a)に示す液溜構造において、濃度測定を実施した後の期間中の枠体部分を縦断面図で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<発明者等が得た知見>
ダイヤモンドを含む材料で構成された電極膜を有する作用電極を備える電気化学センサを用いた電気化学的測定により溶存物質濃度を測定する際、被検液を静止状態としつつ電気化学センサが備える作用電極等の電極に接触させて測定する必要がある場合がある。例えば、オゾン水中のオゾン濃度を電気化学的に測定する際、オゾン濃度を安定して正確に測定するためには、被検液(オゾン水)を静止状態としつつ電極に接触させて測定する必要がある。というのも、オゾン水中のオゾン濃度(水中の溶存オゾン濃度)を電気化学的に測定する際、被検液に流れ(動き)があると、電気化学センサが備える電極に供給されるオゾンの量が被検液の動きによって変化し、その結果、濃度の測定結果が不安定になる(濃度の測定精度が低くなる)ことがあるためである。
【0009】
また、オゾンの半減期(オゾン濃度が1/2になるまでの時間)は、静止状態のオゾン水であっても二十数分程度であるとの報告があることから、オゾン濃度の電気化学的測定を行う際、新鮮な(生成したばかりの)オゾン水を用いて測定する必要がある。このため、オゾン水生成装置により生成したオゾン水が流れる流路に電気化学センサを設置し、溶存オゾン濃度の電気化学的測定をオゾン水が流れる流路で行うこと、すなわち、溶存オゾン濃度の測定をin-situで行うことが要求されている。
【0010】
しかしながら、上述のように、溶存オゾン濃度の電気化学的測定は、被検液を静止状態として行う必要がある。このため、溶存オゾン濃度の測定をin-situで行うことが困難であった。
(【0011】以降は省略されています)

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