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公開番号2024142940
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023055361
出願日2023-03-30
発明の名称偏光板
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20241003BHJP(光学)
要約【課題】偏光板の斜め方向から視認される虹ムラが抑制され、かつ、偏光板が貼り合わされた液晶セルの高温下での変形(反り)が抑制される偏光板、並びに、該偏光板を含む粘着剤層付き偏光板及び該粘着剤層付き偏光板を含む光学積層体を提供すること。
【解決手段】偏光板と粘着剤層とを含む粘着剤層付き偏光板であって、偏光板は、樹脂フィルム、接着剤層、偏光子、樹脂層をこの順に含み、粘着剤層は前記樹脂層側に積層されており、樹脂層の厚み方向の位相差の絶対値が100nm以下であり、樹脂フィルムの厚みH1と樹脂層の厚みH2とが、H1/H2>1.0を満たす粘着剤層付き偏光板。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
偏光板と粘着剤層とを含む粘着剤層付き偏光板であって、
偏光板は、樹脂フィルム、接着剤層、偏光子、樹脂層をこの順に含み、
前記粘着剤層は前記樹脂層側に積層されており、
前記樹脂層の厚み方向の位相差の絶対値が100nm以下であり、
樹脂フィルムの厚みH1と樹脂層の厚みH2とが、以下の式(i)を満たす粘着剤層付き偏光板。
H1/H2>1.0 (i)
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記樹脂フィルムの膜厚が60μm以上である請求項1に記載の粘着剤層付き偏光板。
【請求項3】
前記樹脂フィルムがポリエステル系樹脂フィルムであり、
前記ポリエステル系樹脂フィルムは、式(1)で定義される位相差値Reについて、以下の[i]~[iv]を満たす、請求項1に記載の粘着剤層付き偏光板。
Re=(n

-n

)×d (1)
[式中、n

はフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、n

はフィルム面内の進相軸方向の屈折率を表し、dはフィルムの厚みを表す。]
[i]ポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が90°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第1配置において測定される位相差値Re1が6000nm以上である。
[ii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その進相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第2配置において測定される位相差値Re2が5000nm以上である。
[iii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、ポリエステル系樹脂フィルム面内においてその進相軸に対して45°の角度をなす軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第3配置において測定される位相差値Re3が6000nm以上である。
[iv]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その遅相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第4配置において測定される位相差値Re4が7000nm以上である。
【請求項4】
前記樹脂層の膜厚が60μm以下である請求項1に記載の粘着剤層付き偏光板。
【請求項5】
前記樹脂層が、アクリル系樹脂フィルムである請求項4に記載の粘着剤層付偏光板。
【請求項6】
偏光板と粘着剤層とを含む粘着剤層付き偏光板であって、
前記偏光板は、樹脂フィルム、接着剤層、偏光子、樹脂層をこの順に含み、
前記粘着剤層は前記樹脂層側に積層されており、
前記粘着剤層付き偏光板の膜厚をyとし、前記樹脂フィルムの前記偏光子と反対側の表面から前記偏光子の膜厚中心までの距離をzとした場合、以下の式(ii)を満たす粘着剤層付き偏光板。
y/2-z<10 (ii)
【請求項7】
前記樹脂フィルムがポリエステル系樹脂フィルムであり、
前記ポリエステル系樹脂フィルムは、式(1)で定義される位相差値Reについて、以下の[i]~[iv]を満たす、請求項6に記載の粘着剤層付き偏光板。
Re=(n

-n

)×d (1)
[式中、n

はフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、n

はフィルム面内の進相軸方向の屈折率を表し、dはフィルムの厚みを表す。]
[i]ポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が90°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第1配置において測定される位相差値Re1が6000nm以上である。
[ii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その進相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第2配置において測定される位相差値Re2が5000nm以上である。
[iii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、ポリエステル系樹脂フィルム面内においてその進相軸に対して45°の角度をなす軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第3配置において測定される位相差値Re3が6000nm以上である。
[iv]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その遅相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第4配置において測定される位相差値Re4が7000nm以上である。
【請求項8】
前記樹脂層の厚み方向の位相差の絶対値が100nm以下であり、
前記樹脂フィルムの厚みH1と前記樹脂層の厚みH2とが以下の式(i)を満たす、請求項6又は請求項7に記載の粘着剤層付き偏光板。
H1/H2>1.0 (i)
【請求項9】
前記樹脂層の膜厚が60μm以下である請求項6に記載の粘着剤層付き偏光板。
【請求項10】
前記樹脂層が、アクリル系樹脂フィルムである請求項9に記載の粘着剤層付偏光板。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板に関し、さらには該偏光板を含む粘着剤層付き偏光板及び光学積層体にも関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置の視認性の向上が求められている。液晶表示装置の視認性向上のため、液晶表示装置を構成する部材の一つである偏光板においても、偏光板のムラ抑制が求められている。
【0003】
偏光板のムラ抑制のために、偏光板における偏光子保護フィルムの種類や組み合わせの検討が行われている。例えば、特許文献1には、一方の偏光子保護フィルムとして厚み38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを適用した場合に、もう一方の偏光子保護フィルムとして、セルロースエステル系樹脂の組成を調製したアクリル含有フィルムを適用することにより偏光板の偏光度ムラを抑制できることが記載されている。
【0004】
また、液晶表示装置では、高温環境下での偏光板の収縮に伴う液晶セルの変形(反り)により表示品位が低下するため、その抑制が求められている。そのため、液晶セルの変形抑制のため偏光板においても検討が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-123402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の偏光板であったとしても、偏光板の斜め方向より視認される虹ムラ抑制や、偏光板が貼り合わされた液晶セルの高温下での変形(反り)の抑制が十分ではなかった。
【0007】
本発明の目的は、偏光板の斜め方向から視認される虹ムラが抑制され、かつ、偏光板が貼り合わされた液晶セルの高温下での変形(反り)が抑制される偏光板、並びに、該偏光板を含む粘着剤層付き偏光板及び該粘着剤層付き偏光板を含む光学積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の発明を含む。
[1] 偏光板と粘着剤層とを含む粘着剤層付き偏光板であって、
偏光板は、樹脂フィルム、接着剤層、偏光子、樹脂層をこの順に含み、
前記粘着剤層は前記樹脂層側に積層されており、
前記樹脂層の厚み方向の位相差の絶対値が100nm以下であり、
樹脂フィルムの厚みH1と樹脂層の厚みH2とが、以下の式(i)を満たす粘着剤層付き偏光板。
H1/H2>1.0 (i)
[2] 前記樹脂フィルムの膜厚が60μm以上である[1]に記載の粘着剤層付き偏光板。
[3] 前記樹脂フィルムがポリエステル系樹脂フィルムであり、
前記ポリエステル系樹脂フィルムは、式(1)で定義される位相差値Reについて、以下の[i]~[iv]を満たす、[1]又は[2]に記載の粘着剤層付き偏光板。
Re=(n

-n

)×d (1)
[式中、n

はフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、n

はフィルム面内の進相軸方向の屈折率を表し、dはフィルムの厚みを表す。]
[i]ポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が90°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第1配置において測定される位相差値Re1が6000nm以上である。
[ii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その進相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第2配置において測定される位相差値Re2が5000nm以上である。
[iii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、ポリエステル系樹脂フィルム面内においてその進相軸に対して45°の角度をなす軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第3配置において測定される位相差値Re3が6000nm以上である。
[iv]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その遅相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第4配置において測定される位相差値Re4が7000nm以上である。
[4] 前記樹脂層の膜厚が60μm以下である[1]~[3]のいずれかに記載の粘着剤層付き偏光板。
[5] 前記樹脂層が、アクリル系樹脂フィルムである[1]~[4]のいずれかに記載の粘着剤層付偏光板。
[6] 偏光板と粘着剤層とを含む粘着剤層付き偏光板であって、
前記偏光板は、樹脂フィルム、接着剤層、偏光子、樹脂層をこの順に含み、
前記粘着剤層は前記樹脂層側に積層されており、
前記粘着剤層付き偏光板の膜厚をyとし、前記樹脂フィルムの前記偏光子と反対側の表面から前記偏光子の膜厚中心までの距離をzとした場合、以下の式(ii)を満たす粘着剤層付き偏光板。
y/2-z<10 (ii)
[7] 前記樹脂フィルムがポリエステル系樹脂フィルムであり、
前記ポリエステル系樹脂フィルムは、式(1)で定義される位相差値Reについて、以下の[i]~[iv]を満たす、[6]に記載の粘着剤層付き偏光板。
Re=(n

-n

)×d (1)
[式中、n

はフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、n

はフィルム面内の進相軸方向の屈折率を表し、dはフィルムの厚みを表す。]
[i]ポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が90°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第1配置において測定される位相差値Re1が6000nm以上である。
[ii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その進相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第2配置において測定される位相差値Re2が5000nm以上である。
[iii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、ポリエステル系樹脂フィルム面内においてその進相軸に対して45°の角度をなす軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第3配置において測定される位相差値Re3が6000nm以上である。
[iv]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その遅相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第4配置において測定される位相差値Re4が7000nm以上である。
[8] 前記樹脂層の厚み方向の位相差の絶対値が100nm以下であり、
前記樹脂フィルムの厚みH1と前記樹脂層の厚みH2とが以下の式(i)を満たす、[6]又は[7]に記載の粘着剤層付き偏光板。
H1/H2>1.0 (i)
[9] 前記樹脂層の膜厚が60μm以下である[6]~[8]のいずれかに記載の粘着剤層付き偏光板。
[10] 前記樹脂層が、アクリル系樹脂フィルムである[6]~[9]のいずれかに記載の粘着剤層付偏光板。
[11] 偏光板と粘着剤層とを含む粘着剤層付き偏光板と、基板とをこの順に含む光学積層体であって、
前記偏光板は、樹脂フィルム、接着剤層、偏光子、樹脂層をこの順に含み、
前記粘着剤層は前記樹脂層側に積層されており、
前記粘着剤層付き偏光板の膜厚をy、前記樹脂フィルムの前記偏光子と反対側の表面から前記偏光子の膜厚中心までの距離をz、前記基板の膜厚をtとした場合、以下の式(iii)を満たす、光学積層体。
y/2-(z+t)<-290 (iii)
[12] 前記樹脂フィルムがポリエステル系樹脂フィルムであり、
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、偏光板の斜め方向から視認される虹ムラが抑制され、かつ、偏光板が貼り合わされた液晶セルの高温下での変形(反り)が抑制される偏光板、並びに、該偏光板を含む粘着剤層付き偏光板及び該粘着剤層付き偏光板を含む光学積層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
位相差値Re1及びその測定方法を説明する概略斜視図である。
位相差値Re2及びその測定方法を説明する概略斜視図である。
位相差値Re3及びその測定方法を説明する概略斜視図である。
位相差値Re4及びその測定方法を説明する概略斜視図である。
本発明の粘着剤層付き偏光板を模式的に示す概略断面図である。
本発明の粘着剤層付き偏光板を模式的に示す概略断面図である。
本発明の光学積層体を模式的に示す概略断面図である。
本発明の光学積層体を模式的に示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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