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公開番号
2024146858
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2024051347
出願日
2024-03-27
発明の名称
偏光子、及び、偏光板
出願人
住友化学株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G02B
5/30 20060101AFI20241004BHJP(光学)
要約
【課題】115℃の高温に曝された状態下での、偏光子の黄変を抑制できる偏光子を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中にホウ素元素、カリウム元素、ヨウ素元素及び亜鉛元素を含有する偏光子であって、
前記偏光子が下記式(C)を満たす、偏光子。
0.001≦[Zn]/([I]×[B]×[K])≦0.070 (C)
[式(A)中、[Zn]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中の亜鉛元素の含有量(質量%)を表し、[I]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のヨウ素元素の含有量(質量%)を表し、[B]はポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のホウ素元素の含有量(質量%)を表し、[K]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のカリウム元素の含有量(質量%)を表す。]
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中にホウ素元素、カリウム元素、ヨウ素元素及び亜鉛元素を含有する偏光子であって、
前記偏光子が下記式(C)を満たす、偏光子。
0.001≦[Zn]/([I]×[B]×[K])≦0.070 (C)
[式(A)中、[Zn]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中の亜鉛元素の含有量(質量%)を表し、[I]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のヨウ素元素の含有量(質量%)を表し、[B]はポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のホウ素元素の含有量(質量%)を表し、[K]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のカリウム元素の含有量(質量%)を表す。]
続きを表示(約 270 文字)
【請求項2】
[Zn]が、0.01質量%以上1.0質量%以下である請求項1に記載の偏光子。
【請求項3】
[B]が、3.5質量%以上6.0質量%以下である請求項1又は2に記載の偏光子。
【請求項4】
[I]が、2.0質量%以上4.0質量%以下である請求項1又は2に記載の偏光子。
【請求項5】
[K]が、0.40質量%以上1.0質量%以下である請求項1又は2に記載の偏光子。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の偏光子と、接着剤層と、保護フィルムとをこの順に備える偏光板。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光子、及び、偏光板に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来より、ポリビニルアルコール系樹脂及びヨウ素を含むフィルムから形成される偏光子が知られている(例えば、特許文献1)。偏光子を含む画像表示装置は、カーナビゲーション装置やバックモニターなどの車載用の画像表示装置としても使用されるなど、その用途は広がっている。用途の拡大に伴い、画像表示装置および画像表示装置を構成する一部である偏光子には、従来要求されてきたよりも、より過酷な環境下(例えば、高温環境下)における高い耐久性が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-71241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムから形成される偏光子は、高温環境下に晒された場合に、ポリビニルアルコールのポリエン化が進行するため、偏光子が黄色に変色する(黄変)という問題が生じることがある。特に、前述の車載用途のような高温環境下(例えば115℃)では、黄変の進行がより顕著になる傾向がある。しかしながら、従来の偏光子では、必ずしもこのような高温での黄変の抑制が十分とは言えない場合があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、115℃の高温に曝された状態下での、偏光子の黄変を抑制できる偏光子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1] ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中にホウ素元素、カリウム元素、ヨウ素元素及び亜鉛元素を含有する偏光子であって、
前記偏光子が下記式(C)を満たす、偏光子。
0.001≦[Zn]/([I]×[B]×[K])≦0.070 (C)
[式(A)中、[Zn]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中の亜鉛元素の含有量(質量%)を表し、[I]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のヨウ素元素の含有量(質量%)を表し、[B]はポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のホウ素元素の含有量(質量%)を表し、[K]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のカリウム元素の含有量(質量%)を表す。]
[2] [Zn]が、0.01質量%以上1.0質量%以下である請求項1に記載の偏光子。
[3] [B]が、3.5質量%以上6.0質量%以下である請求項1又は2に記載の偏光子。
[4] [I]が、2.0質量%以上4.0質量%以下である請求項1~3のいずれか一項に記載の偏光子。
[5] [K]が、0.40質量%以上1.0質量%以下である請求項1~4のいずれか一項に記載の偏光子。
[6] [1]~[5]のいずれか一項に記載の偏光子と、接着剤層と、保護フィルムとをこの順に備える偏光板。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、115℃の高温に曝された状態下での、偏光子の黄変を抑制できる偏光子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
一実施形態に係る偏光板を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<偏光子>
一実施形態に係る偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中にホウ素元素、カリウム元素、ヨウ素元素及び亜鉛元素を含有する。
【0010】
(ポリビニルアルコール系樹脂)
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムのポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常約85モル%以上、好ましくは約90モル%以上、より好ましくは約99モル%以上である。本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルから選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
(【0011】以降は省略されています)
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