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公開番号
2024141468
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023053144
出願日
2023-03-29
発明の名称
偏光板の製造方法
出願人
住友化学株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G02B
5/30 20060101AFI20241003BHJP(光学)
要約
【課題】ブロッキングに因る樹脂フィルムの構造的欠陥を解消し、且つ樹脂フィルムの表面を覆う易滑層の剥離を抑制する偏光板の製造方法を提供すること。
【解決手段】偏光板の製造方法は、易滑フィルム1を用いる。易滑フィルム1は、第一樹脂フィルム2、及び第一樹脂フィルム2の表面を覆う易滑層3からなる。樹脂ロールR1から繰り出された易滑フィルム1は、加熱炉4内の複数のガイドロールを介して搬送される。加熱炉4を通過した易滑フィルム1は、第一接着剤5aを介して、偏光子フィルム6の表面に貼合される。加熱炉4内の雰囲気の温度は、80℃以上120℃以下である。複数のガイドロールのうちガイドロールAは、易滑層3の表面に直接接する。ガイドロールAと易滑フィルム1との抱き角αは、80°以上170°以下である。ガイドロールAの表面の算術平均粗さRaは、0.06μm以下である。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
偏光子フィルム及び易滑フィルムを用いた偏光板の製造方法であって、
前記易滑フィルムは、長尺の樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムの表面を覆う易滑層と、からなり、
前記偏光板の前記製造方法は、
巻回された前記易滑フィルムからなる樹脂ロールから繰り出された前記易滑フィルムを、加熱炉内に設置された複数のガイドロールを介して搬送する加熱工程と、
前記加熱炉を通過した前記易滑フィルムの表面に接着剤を塗布する塗布工程と、
前記易滑フィルムを、前記接着剤を介して、前記偏光子フィルムの表面に貼合する貼合工程と、
を備え、
前記加熱炉内の雰囲気の温度は、80℃以上120℃以下であり、
前記複数のガイドロールは、前記易滑層の表面に直接接する少なくとも一つのガイドロールAを含み、
前記ガイドロールAと前記易滑フィルムとの抱き角が、80°以上170°以下であり、
前記ガイドロールAの表面の算術平均粗さRaは、0.06μm以下である、
偏光板の製造方法。
続きを表示(約 330 文字)
【請求項2】
前記貼合工程では、前記樹脂フィルムとは別の樹脂フィルムが、接着剤を介して、前記偏光子フィルムの前記表面の裏面に貼合される、
請求項1に記載の偏光板の製造方法。
【請求項3】
前記易滑層は、重合体、及び複数の粒子を含み、
複数の前記粒子は、無機粒子及び有機粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種の粒子である、
請求項1に記載の偏光板の製造方法。
【請求項4】
前記易滑層は、ポリウレタンを含む、
請求項1に記載の偏光板の製造方法。
【請求項5】
前記算術平均粗さRaは、0.01μm以上0.06μm以下である、
請求項1に記載の偏光板の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、偏光板の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
偏光板は、テレビ、コンピュータ、モバイルフォン(スマートフォン)、スマートウォッチ、携帯ゲーム機、又は車両の計器パネル等の画像表示装置(液晶ディスプレイ、又は有機ELディスプレイ等)に用いられる。
【0003】
偏光板の製造方法では、樹脂フィルムが接着剤を介して偏光子フィルムの表面に貼合される。樹脂フィルムが偏光子フィルムの表面に貼合される前、樹脂フィルムは、巻回された長尺の樹脂フィルムからなる樹脂ロール(円柱状の巻回体)から繰り出される。樹脂フィルムの表面は平坦であるため、樹脂ロール内において重なり合った樹脂フィルム同士は、互いに密着している。樹脂ロールの自重、樹脂ロールの長時間の保管、及び樹脂ロールの加熱等に因り、樹脂ロール内において密着した樹脂フィルム同士が互い剥離し難くなる現象が起きる。この現象は、ブロッキングと呼ばれる。ブロッキングに因り、樹脂ロールから繰り出される樹脂フィルムにおいて構造的欠陥が生じてしまう。例えば、樹脂フィルムの構造的欠陥は、樹脂フィルムの表面に形成される微細な凹凸、及び樹脂フィルムの皺等である。ブロッキングに因る樹脂フィルムの構造的欠陥は、ブロッキングに因る樹脂フィルムの変形と言い換えられてよい。
【0004】
下記特許文献1は、ブロッキングに因る樹脂フィルムの構造的欠陥を解消するために、樹脂フィルムを偏光子フィルムの表面に貼合する前に、樹脂フィルムを加熱炉において80~120℃で加熱する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-205722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ブロッキングは、巻回される前の樹脂フィルムの表面を易滑層で覆うことによって、ある程度抑制される。例えば、易滑層は、ポリウレタン等の重合体、及びシリカ等の多数の粒子を含む層である。易滑層に含まれる多数の粒子に因り、易滑層の表面は樹脂フィルムの表面よりも粗くなる。したがって、樹脂ロール内において樹脂フィルム同士が易滑層を介して重なり合うことに因り、樹脂フィルム同士の直接的な密着が抑制される。以下に記載の「易滑フィルム」とは、長尺の樹脂フィルムと、樹脂フィルムの表面を覆う易滑層と、からなる積層体を意味する。
【0007】
ブロッキングに因る樹脂フィルムの構造的欠陥を易滑層によって完全に防止することは困難である。したがって、ブロッキングに因る樹脂フィルムの構造的欠陥を解消するために、易滑フィルムを偏光子フィルムの表面に貼合する前に、易滑フィルムを加熱炉内で加熱することが望ましい。易滑フィルムは、加熱炉内において複数のガイドロール(自在に回転する円柱)を用いて搬送される。しかしながら、易滑層の一部が、樹脂フィルムの表面から剥離して、加熱炉内のガイドロールの表面に付着してしまう。ガイドロールの表面に付着した易滑層の断片は、その上流から搬送される易滑フィルムの表面に付着してしまう。その結果、易滑層の断片が異物として偏光板中に混入し、偏光板の欠陥になってしまう。
【0008】
本発明の一側面の目的は、偏光板を構成する樹脂フィルムの構造的欠陥(ブロッキングに因る樹脂フィルムの構造的欠陥)を解消し易く、且つ樹脂フィルムの表面を覆う易滑層の剥離を抑制する偏光板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
例えば、下記[1]~[5]の通り、本発明の一側面は、偏光板の製造方法に関する。
【0010】
[1] 偏光子フィルム及び易滑フィルムを用いた偏光板の製造方法であって、
易滑フィルムは、長尺の樹脂フィルムと、樹脂フィルムの表面を覆う易滑層と、からなり、
偏光板の製造方法は、
巻回された易滑フィルムからなる樹脂ロールから繰り出された易滑フィルムを、加熱炉内に設置された複数のガイドロールを介して搬送する加熱工程と、
加熱炉を通過した易滑フィルムの表面に接着剤を塗布する塗布工程と、
易滑フィルムを、接着剤を介して、偏光子フィルムの表面に貼合する貼合工程と、
を含み、
加熱炉内の雰囲気の温度は、80℃以上120℃以下であり、
複数のガイドロールは、易滑層の表面に直接接する少なくとも一つのガイドロールAを含み、
ガイドロールAと易滑フィルムとの抱き角が、80°以上170°以下であり、
ガイドロールAの表面の算術平均粗さRaは、0.06μm以下である、
偏光板の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)
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