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公開番号
2024142943
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023055365
出願日
2023-03-30
発明の名称
偏光板
出願人
住友化学株式会社
代理人
弁理士法人深見特許事務所
主分類
G02B
5/30 20060101AFI20241003BHJP(光学)
要約
【課題】偏光板の斜め方向より視認される虹ムラが抑制され、かつ良好な輝度を有する偏光板、並びに、該偏光板を含む粘着剤層付き偏光板及び該粘着剤層付き偏光板を含む液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】ポリエステル系樹脂フィルム、第1接着剤層、偏光子、第2接着剤層及びアクリル系樹脂フィルムをこの順に含む偏光板であって、偏光板の視感度補正単体透過率が43.0%以上であり、ポリエステル系樹脂フィルムは、Re=(n
x
-n
y
)×dで定義される位相差値Reについて、第1配置において測定される位相差値Re1が6000nm以上であり、第2配置において測定される位相差値Re2が5000nm以上であり、第3配置において測定される位相差値Re3が6000nm以上であり、第4配置において測定される位相差値Re4が7000nm以上である偏光板が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリエステル系樹脂フィルム、第1接着剤層、偏光子、第2接着剤層及びアクリル系樹脂フィルムをこの順に含む偏光板であって、
前記偏光板の視感度補正単体透過率が43.0%以上であり、
前記ポリエステル系樹脂フィルムは、式(1)で定義される位相差値Reについて、以下の[i]~[iv]を満たす偏光板。
Re=(n
x
-n
y
)×d (1)
[式中、n
x
はフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、n
y
はフィルム面内の進相軸方向の屈折率を表し、dはフィルムの厚みを表す。]
[i]ポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が90°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第1配置において測定される位相差値Re1が6000nm以上である。
[ii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その進相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第2配置において測定される位相差値Re2が5000nm以上である。
[iii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、ポリエステル系樹脂フィルム面内においてその進相軸に対して45°の角度をなす軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第3配置において測定される位相差値Re3が6000nm以上である。
[iv]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その遅相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第4配置において測定される位相差値Re4が7000nm以上である。
続きを表示(約 600 文字)
【請求項2】
前記ポリエステル系樹脂フィルムの膜厚が60μm以上である請求項1に記載の偏光板。
【請求項3】
前記ポリエステル系樹脂フィルムの式(2)で定義される厚み方向の位相差値Rthに対する位相差値Re1の比が、0.5以上である請求項1に記載の偏光板。
Rth=〔(n
x
+n
y
)/2-n
z
〕×d (2)
[式中、n
x
はフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、n
y
はフィルム面内の進相軸方向の屈折率を表し、n
z
はフィルム厚み方向の屈折率を表し、dはフィルムの厚みを表す。]
【請求項4】
前記偏光板の視感度補正偏光度が99.996%以上である請求項1記載の偏光板。
【請求項5】
前記偏光板の視感度補正単体透過率が44.5%以下である請求項1記載の偏光板。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の偏光板と、粘着剤層とを含む粘着剤層付き偏光板であって、
前記粘着剤層が、前記(メタ)アクリル系樹脂フィルムにおける前記偏光子とは反対側の面に積層されている粘着剤層付き偏光板。
【請求項7】
請求項6に記載の粘着剤層付き偏光板を含む液晶表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板に関し、さらには該偏光板を含む粘着剤層付き偏光板及び画像表示装置にも関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置の視認性の向上が求められている。液晶表示装置の視認性向上のため、液晶表示を構成する部材の一つである偏光板においても、偏光板のムラ抑制や透過率の向上が求められている。
【0003】
偏光板のムラ抑制や透過率の向上のために、偏光板における偏光子保護フィルムの種類や組み合わせの検討が行われている。例えば、特許文献1には、一方の偏光子保護フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムを適用した場合に、もう一方の偏光子保護フィルムとして、アクリル系樹脂フィルムを適用することにより偏光板の高温環境下での光学耐久性の向上や、透過率を向上できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2016-500833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の偏光板であったとしても、偏光板の斜め方向より視認される虹ムラ抑制が十分ではなかった。
【0006】
また、液晶表示装置の高輝度などの表示品位向上のため、液晶表示装置のバックライトの発光強度を増加させることが一般的である。バックライトの発光強度の増量により、消費電力が増加するため、カーボンニュートラル等を踏まえ、その抑制が求められている。そのため、消費電力の増加抑制のため偏光板においても検討が行われている。しかしながら、特許文献1に記載の偏光板では、消費電力の増加抑制が十分ではなかった。
【0007】
本発明の目的は、偏光板の斜め方向より視認される虹ムラが抑制され、かつ良好な輝度を有する偏光板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の発明を含む。
[1] ポリエステル系樹脂フィルム、第1接着剤層、偏光子、第2接着剤層及びアクリル系樹脂フィルムをこの順に含む偏光板であって、
前記偏光板の視感度補正単体透過率が43.0%以上であり、
前記ポリエステル系樹脂フィルムは、式(1)で定義される位相差値Reについて、以下の[i]~[iv]を満たす偏光板。
Re=(n
x
-n
y
)×d (1)
[式中、n
x
はフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、n
y
はフィルム面内の進相軸方向の屈折率を表し、dはフィルムの厚みを表す。]
[i]ポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が90°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第1配置において測定される位相差値Re1が6000nm以上である。
[ii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その進相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第2配置において測定される位相差値Re2が5000nm以上である。
[iii]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、ポリエステル系樹脂フィルム面内においてその進相軸に対して45°の角度をなす軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第3配置において測定される位相差値Re3が6000nm以上である。
[iv]前記第1配置にあるポリエステル系樹脂フィルムを、その遅相軸を中心軸として30°回転させることによりポリエステル系樹脂フィルムの面と測定方向とのなす角度が60°となるようにポリエステル系樹脂フィルムを配置する第4配置において測定される位相差値Re4が7000nm以上である。
[2] 前記ポリエステル系樹脂フィルムの膜厚が60μm以上である[1]に記載の偏光板。
[3] 前記ポリエステル系樹脂フィルムの式(2)で定義される厚み方向の位相差値Rthに対する位相差値Re1の比が、0.5以上である[1]または[2]に記載の偏光板。
Rth=〔(n
x
+n
y
)/2-n
z
〕×d (2)
[式中、n
x
はフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を表し、n
y
はフィルム面内の進相軸方向の屈折率を表し、n
z
はフィルム厚み方向の屈折率を表し、dはフィルムの厚みを表す。]
[4] 前記偏光板の視感度補正偏光度が99.996%以上である[1]~[3]のいずれかに記載の偏光板。
[5] 前記偏光板の視感度補正単体透過率が44.5%以下である[1]~[4]のいずれかに記載の偏光板。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載の偏光板と、粘着剤層とを含む粘着剤層付き偏光板であって、
前記粘着剤層が、前記(メタ)アクリル系樹脂フィルムにおける前記偏光子とは反対側の面に積層されている粘着剤層付き偏光板。
[7] [6]に記載の粘着剤層付き偏光板を含む液晶表示装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、偏光板の斜め方向より視認される虹ムラが抑制され、かつ良好な輝度を有する偏光板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の偏光板の一例を模式的に示す概略断面図である。
位相差値Re1及びその測定方法を説明する概略斜視図である。
位相差値Re2及びその測定方法を説明する概略斜視図である。
位相差値Re3及びその測定方法を説明する概略斜視図である。
位相差値Re4及びその測定方法を説明する概略斜視図である。
本発明の偏光板の別の一例を模式的に示す概略断面図である。
本発明の粘着剤層付き偏光板の一例を模式的に示す概略断面図である。
本発明の光学積層体の一例を模式的に示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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