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公開番号
2024141260
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023052800
出願日
2023-03-29
発明の名称
圧電積層体、圧電積層体の製造方法、及び圧電素子
出願人
住友化学株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
H10N
30/853 20230101AFI20241003BHJP()
要約
【課題】圧電定数及びDCストレス耐性が高く、膜応力が小さい、カリウム、ナトリウム、ニオブ、及び酸素を含む圧電膜を有する圧電積層体を提供する。
【解決手段】基板と、基板上に製膜される下部電極膜と、下部電極膜上に製膜され、カリウム、ナトリウム、ニオブ、及び酸素を含むアルカリニオブ酸化物で構成される圧電膜と、を備え、前記圧電膜の圧電定数e
31
が10C/m
2
以上であり、200℃の温度下で、下部電極膜と圧電膜上に設けられる上部電極膜との間に300kV/cmの電界を生じさせるように上部電極膜に対して負電圧を印加した際、負電圧の印加開始から圧電膜に流れるリーク電流密度が30mA/cm
2
を超えるまでの時間が5時間以上であり、圧電膜の膜応力が150MPa以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基板と、
前記基板上に製膜される下部電極膜と、
前記下部電極膜上に製膜され、カリウム、ナトリウム、ニオブ、及び酸素を含むアルカリニオブ酸化物で構成される圧電膜と、を備え、
前記圧電膜の圧電定数e
31
が10C/m
2
以上であり、
200℃の温度下で、前記下部電極膜と、前記圧電膜上に設けられる上部電極膜と、の間に300kV/cmの電界を生じさせるように前記上部電極膜に対して負電圧を印加した際、前記負電圧の印加開始から前記圧電膜に流れるリーク電流密度が30mA/cm
2
を超えるまでの時間が5時間以上であり、
前記圧電膜の膜応力が150MPa以下である、
圧電積層体。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記下部電極膜と前記上部電極膜との間に300kV/cmのユニポーラの交流電界が生じるように前記上部電極膜に対して交流の負電圧を連続で印加した際、前記圧電膜の圧電変位量が初期値の80%以下に低下するまでの前記電圧の印加サイクル数が1000万回超である、請求項1に記載の圧電積層体。
【請求項3】
前記圧電膜は、ドーパントとして、銅及びマンガンから選択される少なくともいずれかの元素を、0.1at%以上2.0at%以下の濃度で含む、請求項1又は2に記載の圧電積層体。
【請求項4】
基板上に下部電極膜を製膜する工程と、
前記下部電極膜上に、カリウム、ナトリウム、ニオブ、及び酸素を含むアルカリニオブ酸化物で構成される圧電膜を製膜する工程と、を有し、
前記圧電膜を製膜する工程では、最初に、前記圧電膜の一部である第1圧電膜を、(001)配向率が95%以上になるとともに膜応力が100MPa以下になる第1温度で製膜し、その後、前記圧電膜の他の部分である第2圧電膜を、前記第2圧電膜の圧電定数e
31
が10C/m
2
以上になるとともに、前記下部電極膜と前記第2圧電膜上に製膜される上部電極膜との間に300kV/cmの電界を生じさせるように前記上部電極膜に対して負電圧を印加した際に前記第2圧電膜に流れるリーク電流密度が30mA/cm
2
を超えるまでの時間が5時間以上になる第2温度で前記第1圧電膜上に製膜する、
圧電積層体の製造方法。
【請求項5】
基板と、
前記基板上に製膜される下部電極膜と、
前記下部電極膜上に製膜され、カリウム、ナトリウム、ニオブ、及び酸素を含むアルカリニオブ酸化物で構成される圧電膜と、
前記圧電膜上に製膜される上部電極膜と、を備え、
前記圧電膜の圧電定数e
31
が10C/m
2
以上であり、
200℃の温度下で、前記下部電極膜と前記上部電極膜との間に300kV/cmの電界を生じさせるように前記上部電極膜に対して負電圧を印加した際、前記負電圧の印加開始から前記圧電膜に流れるリーク電流密度が30mA/cm
2
を超えるまでの時間が5時間以上であり、
前記圧電膜の膜応力が150MPa以下である、圧電素子。
【請求項6】
前記下部電極膜と前記上部電極膜との間に300kV/cmのユニポーラの交流電界が生じるように前記上部電極膜に対して負電圧を連続で印加した際、前記圧電膜の圧電変位量が初期値の80%以下に低下するまでの前記電圧の印加サイクル数が1000万回超である、請求項5に記載の圧電素子。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧電積層体、圧電積層体の製造方法、及び圧電素子に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
圧電体は、センサ、アクチュエータ等の機能性電子部品に広く利用されている。圧電体の材料の一つとして、カリウム、ナトリウム、ニオブ、及び酸素を含むKNN系の強誘電体が用いられており、このような圧電体を用いて製膜された圧電膜(KNN膜)を有する積層体が提案されている。KNN膜には、圧電定数が高いことや、KNN膜に対して大きな負電圧を長時間印加した場合であってもKNN膜が絶縁破壊しにくいこと(すなわちDCストレス耐性が高いこと)が要求されている。そこで、KNN膜の圧電定数を高める技術や(例えば特許文献1参照)、KNN膜のDCストレス耐性を高める技術(例えば特許文献2,3参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-295786号公報
特開2017-076730号公報
特開2018-207055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の技術で得られるKNN膜は、高圧電定数又は高DCストレス耐性を有するものの、膜応力が大きい。
【0005】
本開示の目的は、圧電定数及びDCストレス耐性が高く、膜応力が小さい、カリウム、ナトリウム、ニオブ、及び酸素を含む圧電膜を有する圧電積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、
基板と、
前記基板上に製膜される下部電極膜と、
前記下部電極膜上に製膜され、カリウム、ナトリウム、ニオブ、及び酸素を含むアルカリニオブ酸化物で構成される圧電膜と、を備え、
前記圧電膜の圧電定数e
31
が10C/m
2
以上であり、
200℃の温度下で、前記下部電極膜と、前記圧電膜上に設けられる上部電極膜と、の間に300kV/cmの電界を生じさせるように前記上部電極膜に対して負電圧を印加した際、前記負電圧の印加開始から前記圧電膜に流れるリーク電流密度が30mA/cm
2
を超えるまでの時間が5時間以上であり、
前記圧電膜の膜応力が150MPa以下である、
圧電積層体及び圧電素子が提供される。
【0007】
本開示の他の態様によれば、
基板上に下部電極膜を製膜する工程と、
前記下部電極膜上に、カリウム、ナトリウム、ニオブ、及び酸素を含むアルカリニオブ酸化物で構成される圧電膜を製膜する工程と、を有し、
前記圧電膜を製膜する工程では、最初に、前記圧電膜の一部である第1圧電膜を、(001)配向率が95%以上になるとともに膜応力が100MPa以下になる第1温度で製膜し、その後、前記圧電膜の他の部分である第2圧電膜を、前記第2圧電膜の圧電定数e
31
が10C/m
2
以上になるとともに、前記下部電極膜と前記第2圧電膜上に製膜される上部電極膜との間に300kV/cmの電界を生じさせるように前記上部電極膜に対して負電圧を印加した際に前記第2圧電膜に流れるリーク電流密度が30mA/cm
2
を超えるまでの時間が5時間以上になる第2温度で製膜する、圧電積層体の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、圧電定数及びDCストレス耐性が高く、膜応力が小さい、カリウム、ナトリウム、ニオブ、及び酸素を含む圧電膜を有する圧電積層体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の一態様にかかる圧電積層体の断面構造の一例を示す図である。
本開示の一態様にかかる簡易圧電素子の構造の一例を示す図である。
本開示の一態様にかかる圧電素子の概略構成の一例を示す図である。
本開示の一態様にかかる圧電デバイスモジュールの概略構成の一例を示す図である。
(a)は、各サンプルを用いて作製した簡易的なユニモルフカンチレバーの概略構成の一例を示す図であり、(b)は、圧電定数の測定方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明者等が得た知見>
本発明者等は、高圧電定数及び高DCストレス耐性の両方を有するKNN膜の実現を目指して鋭意検討した。その結果、シリコン(Si)基板等の基板上にスパッタリング法によりKNN膜を製膜する際、高温でKNN膜を製膜することで、高圧電定数及び高DCストレス耐性の両方を有するKNN膜を実現できることを見出した。しかしながら、KNN膜を高温で製膜すると、KNN膜の圧電定数及びDCストレス耐性を高めることはできるものの、KNN膜の膜応力が大きくなってしまう。なお、スパッタ製膜時の温度が高いと、KNN膜に生じる膜応力は引っ張り応力が大きくなる傾向がある。KNN膜の膜応力が大きいと、例えばKNN膜の膜応力が150MPa超であると、メンブレン構造、カンチレバー構造等の圧電素子を作製する際に大きな構造変形が生じてしまう。その結果、作製した圧電素子が正常に機能しなくなる。また、圧電素子や圧電デバイスモジュールの製造歩留りが低下する。このため、KNN膜の膜応力を低く抑えること、例えば、KNN膜の膜応力を150MPa以下に抑えることが要求されている。
(【0011】以降は省略されています)
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