TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024144145
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2024022193
出願日2024-02-16
発明の名称偏光膜形成用組成物、偏光膜、偏光板およびその製造方法
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20241003BHJP(光学)
要約【課題】転写性に優れ、ブロッキングを生じ難い偏光膜を形成し得る偏光膜形成用組成物を提供すること。
【解決手段】スメクチック液晶性を示す重合性液晶化合物、二色性色素、重合開始剤、および少なくとも2種の有機溶剤を含み、
前記重合開始剤の分子量が400以上であり、
前記有機溶剤が、前記重合性液晶化合物のアイソトロピック相転移温度よりも-20℃以上50℃以下高い沸点を有する有機溶剤Aと、前記重合性液晶化合物のアイソトロピック相転移温度よりも50℃を超えて高い沸点を有する有機溶剤Bとを含む偏光膜形成用組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
スメクチック液晶性を示す重合性液晶化合物、二色性色素、重合開始剤、および少なくとも2種の有機溶剤を含み、
前記重合開始剤の分子量が400以上であり、
前記有機溶剤が、前記重合性液晶化合物のアイソトロピック相転移温度よりも-20℃以上50℃以下高い沸点を有する有機溶剤Aと、前記重合性液晶化合物のアイソトロピック相転移温度よりも50℃を超えて高い沸点を有する有機溶剤Bとを含む偏光膜形成用組成物。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
偏光膜形成用組成物に含まれる全有機溶剤100質量部に対する有機溶剤Aの含有量が51~99質量部であり、有機溶剤Bの含有量が1~49質量部である、請求項1に記載の偏光膜形成用組成物。
【請求項3】
有機溶剤Aがケトン系溶剤または芳香族系溶剤である、請求項1または2に記載の偏光膜形成用組成物。
【請求項4】
有機溶剤Bが、ケトン系溶剤またはラクトン系溶剤である、請求項1または2に記載の偏光膜形成用組成物。
【請求項5】
有機溶剤Bが、環状ケトン系溶剤またはラクトン系溶剤である、請求項1または2に記載の偏光膜形成用組成物。
【請求項6】
分子量が400以上である重合開始剤の含有量が、重合性液晶化合物100質量部に対して1~10質量部である、請求項1または2に記載の偏光膜形成用組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の偏光膜形成用組成物の硬化物であって、重合性液晶化合物および/またはその重合体がスメクチック液晶状態で配向している偏光膜。
【請求項8】
X線回折測定においてブラッグピークを示す、請求項7に記載の偏光膜。
【請求項9】
請求項7または8に記載の偏光膜および基材を備えてなる偏光板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光膜形成用組成物、偏光膜、偏光板およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、偏光板は、フラットパネル表示装置(FPD)において、液晶セルや有機EL表示素子等の画像表示素子に貼合されて用いられている。このような偏光板として、重合性液晶化合物を基材上に塗布して重合させることにより得られる偏光膜を用いた薄型の偏光板が広く知られている。このような重合性液晶化合物から形成される偏光膜は、一般に、重合性液晶化合物や二色性色素を溶剤とともに含む偏光膜形成用組成物を、樹脂フィルム等の基材上に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を加熱乾燥することにより重合性液晶化合物を液晶状態に相転移させる工程を経て作製される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-139222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、偏光膜形成用組成物の硬化時に生じ得る微結晶の析出に起因するドット抜けや配向欠陥を抑制することを目的として、偏光膜形成用組成物における溶剤として高沸点溶剤を用いることが開示されている。本発明者等は、このような高沸点溶剤が含まれる偏光膜形成用組成物から偏光膜を形成する場合に、高沸点溶剤を除去するための乾燥条件によって溶剤とともに重合開始剤が昇華し得ることを見出した。偏光膜の形成過程において重合開始剤が昇華してしまうと、十分に硬化した偏光膜を得ることが難しくなり、得られる偏光膜の転写性の低下やブロッキング発生の原因となり得る。
【0005】
本発明は、転写性に優れ、ブロッキングを生じ難い偏光膜を形成し得る偏光膜形成用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の好適な態様を提供するものである。
[1]スメクチック液晶性を示す重合性液晶化合物、二色性色素、重合開始剤、および少なくとも2種の有機溶剤を含み、
前記重合開始剤の分子量が400以上であり、
前記有機溶剤が、前記重合性液晶化合物のアイソトロピック相転移温度よりも-20℃以上50℃以下高い沸点を有する有機溶剤Aと、前記重合性液晶化合物のアイソトロピック相転移温度よりも50℃を超えて高い沸点を有する有機溶剤Bとを含む偏光膜形成用組成物。
[2]偏光膜形成用組成物に含まれる全有機溶剤100質量部に対する有機溶剤Aの含有量が51~99質量部であり、有機溶剤Bの含有量が1~49質量部である、前記[1]に記載の偏光膜形成用組成物。
[3]有機溶剤Aがケトン系溶剤または芳香族系溶剤である、前記[1]または[2]に記載の偏光膜形成用組成物。
[4]有機溶剤Bが、ケトン系溶剤またはラクトン系溶剤である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の偏光膜形成用組成物。
[5]有機溶剤Bが、環状ケトン系溶剤またはラクトン系溶剤である、前記[1]~[4]のいずれかに記載の偏光膜形成用組成物。
[6]分子量が400以上である重合開始剤の含有量が、重合性液晶化合物100質量部に対して1~10質量部である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の偏光膜形成用組成物。
[7]前記[1]~[6]のいずれかに記載の偏光膜形成用組成物の硬化物であって、重合性液晶化合物および/またはその重合体がスメクチック液晶状態で配向している偏光膜。
[8]X線回折測定においてブラッグピークを示す、前記[7]に記載の偏光膜。
[9]前記[7]または[8]に記載の偏光膜および基材を備えてなる偏光板。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、転写性に優れ、ブロッキングを生じ難い偏光膜を形成し得る偏光膜形成用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
【0009】
<偏光膜形成用組成物>
本発明の偏光膜形成用組成物は、スメクチック液晶性を示す少なくとも1つの重合性基を有する重合性液晶化合物(以下、「重合性液晶化合物(A)」ともいう)を含む。スメクチック液晶性を示す重合性液晶化合物を用いることにより、配向秩序度の高い偏光膜を形成することができる。重合性液晶化合物(A)の示す液晶状態は、好ましくはスメクチック相(スメクチック液晶状態)である。より高い配向秩序度を実現し得る観点から、高次スメクチック相(高次スメクチック液晶状態)であることがより好ましい。ここで、高次スメクチック相とは、スメクチックB相、スメクチックD相、スメクチックE相、スメクチックF相、スメクチックG相、スメクチックH相、スメクチックI相、スメクチックJ相、スメクチックK相およびスメクチックL相を意味する。これらの中でも、スメクチックB相、スメクチックF相およびスメクチックI相がさらに好ましい。液晶性はサーモトロピック性液晶でもリオトロピック性液晶でもよいが、緻密な膜厚制御が可能な点でサーモトロピック性液晶が好ましい。また、重合性液晶化合物はモノマーであってもよいが、重合性基が重合したオリゴマーであってもポリマーであってもよい。
【0010】
重合性液晶化合物(A)は、少なくとも1つの重合性基を有する液晶化合物である。ここで、重合性基とは、重合開始剤から発生した反応活性種、例えば活性ラジカルや酸などによって重合反応に関与し得る基のことをいう。重合性液晶化合物(A)の重合性基としては光重合性基が好ましく、例えば、ビニル基、ビニルオキシ基、1-クロロビニル基、イソプロペニル基、4-ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、ラジカル重合性基が好ましく、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基がより好ましく、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

住友化学株式会社
偏光板
1日前
住友化学株式会社
偏光板
1日前
住友化学株式会社
積層体
1日前
住友化学株式会社
偏光板
1日前
住友化学株式会社
偏光板
1日前
住友化学株式会社
偏光板
1日前
住友化学株式会社
偏光板
1日前
住友化学株式会社
偏光板
1日前
住友化学株式会社
偏光フィルム
1日前
住友化学株式会社
積層フィルム
2日前
住友化学株式会社
積層フィルム
2日前
住友化学株式会社
積層フィルム
2日前
住友化学株式会社
積層フィルム
2日前
住友化学株式会社
積層フィルム
2日前
住友化学株式会社
偏光板の製造方法
2日前
住友化学株式会社
積層体及び表示装置
1日前
住友化学株式会社
光学積層体の製造方法
1日前
住友化学株式会社
ブロック共重合体およびその利用
1日前
住友化学株式会社
積層体、偏光板および画像表示装置
1日前
住友化学株式会社
積層体、偏光板および画像表示装置
1日前
住友化学株式会社
積層体、偏光板および画像表示装置
1日前
住友化学株式会社
積層体、偏光板および画像表示装置
1日前
住友化学株式会社
積層フィルム、および、レトルトパウチ
1日前
住友化学株式会社
偏光フィルム、及び偏光フィルムの製造方法
1日前
住友化学株式会社
積層体及びそれを含む表示装置、並びに粘着剤層
1日前
住友化学株式会社
光吸収異方性膜、光学フィルム、及び光学積層体
3日前
住友化学株式会社
積層体及びそれを含む表示装置、並びに粘着剤層
1日前
住友化学株式会社
圧電積層体、圧電積層体の製造方法、及び圧電素子
2日前
住友化学株式会社
圧電積層体、圧電積層体の製造方法、及び圧電素子
2日前
住友化学株式会社
偏光膜形成用組成物、偏光膜、偏光板およびその製造方法
1日前
住友化学株式会社
ガス分離膜及びガス分離装置、並びにガス分離膜の製造方法
2日前
住友化学株式会社
積層フィルム
1日前
住友化学株式会社
積層フィルム
1日前
住友化学株式会社
塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
1日前
住友化学株式会社
塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
1日前
住友化学株式会社
偏光板および表示装置
1日前
続きを見る