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公開番号2024145617
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058053
出願日2023-03-31
発明の名称エレクトレットフィルム捲回体
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H10N 30/857 20230101AFI20241004BHJP()
要約【課題】連続的に製造しても極性が部分的に反転することがなく、面内での圧電特性のばらつきが小さいエレクトレットフィルム捲回体を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係るエレクトレットフィルム捲回体は、エレクトレットフィルムがコアに捲回されてなる、エレクトレットフィルム捲回体であって、前記エレクトレットフィルム捲回体から巻き出したエレクトレットフィルムの極性反転割合が1%未満である。
<極性反転割合>
エレクトレットフィルムを幅200mm×長さ200mmに切り出し、幅方向及び長さ方向に等間隔で、合計50点以上について圧電定数d33を測定する。極性が反転している測定点の数を求め、下記式により極性反転割合を算出する。
(極性反転割合)=(極性反転数÷全測定点数)×100
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
エレクトレットフィルムがコアに捲回されてなる、エレクトレットフィルム捲回体であって、
前記エレクトレットフィルム捲回体から巻き出したエレクトレットフィルムの極性反転割合が1%未満である、エレクトレットフィルム捲回体。
<極性反転割合>
エレクトレットフィルムを幅200mm×長さ200mmに切り出し、幅方向及び長さ方向に等間隔で、合計50点以上について圧電定数d33を測定する。極性が反転している測定点の数を求め、下記式により極性反転割合を算出する。
(極性反転割合)=(極性反転数÷全測定点数)×100
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記エレクトレットフィルムが多孔質フィルムである、請求項1に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
【請求項3】
前記エレクトレットフィルムの空孔率が0%超50%以下である、請求項1に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
【請求項4】
前記エレクトレットフィルムがポリオレフィン系樹脂を主成分として含有する、請求項1に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
【請求項5】
前記ポリオレフィン系樹脂が、80%以上のβ晶生成能を有するポリプロピレン系樹脂である、請求項4に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
【請求項6】
エレクトレットフィルムの少なくとも片面に導体が積層され、コアに捲回されてなる、請求項1に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
【請求項7】
前記導体が金属箔である、請求項6に記載のエレクトレットフィルム捲回体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトレットフィルム捲回体に関し、特にアクチュエーター、発振器、ソナー、振動発電、センサー等に好適に用いることができるエレクトレットフィルム捲回体に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
エレクトレットとは、電気を通しにくい高分子材料や無機質材料等を熱的又は電気的に処理することで、その材料の一部を半永久的に分極させたものである。
例えば、多孔性樹脂フィルムを用いた多孔エレクトレットは、優れた圧電効果を示すことが知られており、アクチュエーター、発振器、ソナー、振動発電、センサー等に広く用いられている。優れた圧電性を有するエレクトレットとするためには、電荷注入の際により高い電圧でフィルムを分極処理し、より多くの電荷を注入することが必要になる。
多孔エレクトレットの一例として、特許文献1では、ポリプロピレン系樹脂のβ晶を利用した微多孔膜を用いた圧縮性ポリオレフィンフィルムが提案されている。
【0003】
樹脂フィルムをエレクトレット化するためには、樹脂フィルムに高電圧を印加する必要があるため、従来はバッチ式による帯電処理(ポーリング処理)が主流であった。
しかし、エレクトレットフィルムを量産化するためには、大面積かつ連続的にエレクトレットフィルムを製造することが求められる。例えば、特許文献2では、帯電処理工程と、除電処理工程と、巻き取り工程とを経て、連続的にエレクトレットフィルムを製造する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-055114号公報
特開2022-133991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、エレクトレットフィルムを連続的に製造することで得られる捲回体は、フィルム同士の接触によって、フィルム面内の極性が部分的に変わってしまうことがわかってきた。フィルム面内の極性が部分的に異なるエレクトレットフィルムは、圧電特性のばらつきが大きくなってしまう場合があった。
【0006】
そこで、本発明は、連続的に製造しても極性が部分的に反転することがなく、面内での圧電特性のばらつきが小さいエレクトレットフィルム捲回体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、かかる課題を解決することに着目し本発明を完成するに至った。本発明は、その一態様において以下の[1]~[7]を要旨とする。
【0008】
[1]エレクトレットフィルムがコアに捲回されてなる、エレクトレットフィルム捲回体であって、
前記エレクトレットフィルム捲回体から巻き出したエレクトレットフィルムの極性反転割合が1%未満である、エレクトレットフィルム捲回体。
<極性反転割合>
エレクトレットフィルムを幅200mm×長さ200mmに切り出し、幅方向及び長さ方向に等間隔で、合計50点以上について圧電定数d33を測定する。極性が反転している測定点の数を求め、下記式により極性反転割合を算出する。
(極性反転割合)=(極性反転数÷全測定点数)×100
[2]前記エレクトレットフィルムが多孔質フィルムである、上記[1]に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
[3]前記エレクトレットフィルムの空孔率が0%超50%以下である、上記[1]又は[2]に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
[4]前記エレクトレットフィルムがポリオレフィン系樹脂を主成分として含有する、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載のエレクトレットフィルム捲回体。
[5]前記ポリオレフィン系樹脂が、80%以上のβ晶生成能を有するポリプロピレン系樹脂である、上記[4]に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
[6]エレクトレットフィルムの少なくとも片面に導体が積層され、コアに捲回されてなる、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載のエレクトレットフィルム捲回体。
[7]前記導体が金属箔である、上記[6]に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、エレクトレットフィルム捲回体を連続的に製造しても極性が部分的に反転することがなく、面内での圧電特性のばらつきが小さくなる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明の内容が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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