TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024142081
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023054069
出願日2023-03-29
発明の名称メタン回収用装着型装置
出願人日本ハム株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A01K 29/00 20060101AFI20241003BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】本発明は、家畜から発生するメタンを、メタン溶解性溶媒に溶解して回収することを目的とする。
【解決手段】家畜から発生するメタンを、メタン溶解性溶媒に溶解して回収する装着型装置を提供することにより、メタンを回収することが可能になる。これにより、大気中に放出されるメタン量を低減するとともに、資源として利用することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
吸引ポンプと、通気口と排気口とを含む貯蔵容器を含み、貯蔵容器がメタン溶解性溶媒を含み、呼気中のメタンをメタン溶解性溶媒に溶解して回収する、装着型装置。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記メタン溶解性溶媒が、炭素数5~14の炭化水素を含む、請求項1に記載の装着型装置。
【請求項3】
前記貯蔵容器がさらに水を含み、通気口側に水相を配置する、請求項2に記載の装着型装置。
【請求項4】
貯蔵容器内で、2相に分離し、下相に水を配置し、上相に炭素数5~14の炭化水素を配置する、請求項3に記載の装着型装置。
【請求項5】
貯蔵容器を複数の区画に分け、各区画は、前の区画の気相と、後の区画の液相とを連結する通気連結口を介し連結され、通気口を含む第一区画に、水と炭素数5~14の炭化水素を配置し、排気口を含む第二区画にさらに水又は生体安全性溶媒を配置する、請求項2に記載の装着型装置。
【請求項6】
通気連結口及び通気口に、曝気ノズルを配置する、請求項5に記載の装着型装置。
【請求項7】
第一区画の上に第二区画が配置される、請求項5に記載の装着型装置。
【請求項8】
第一区画の横に隣接して第二区画が配置される、請求項5に記載の装着型装置。
【請求項9】
第一区画を、水を含む第一水相区画と、炭素数5~14の炭化水素を含む第一溶媒相区画とに分け、第一水相区画と、第一溶媒相区画とが通気連結口を介し連結される、請求項5~8のいずれか一項に記載の装着型装置。
【請求項10】
前記メタン溶解性溶媒が、フルオラス溶媒を含む、請求項1に記載の装着型装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、家畜のげっぷを含む呼気中(以下、呼気)中に含まれるメタンを溶媒に溶解して回収する、装着型装置に関する。より具体的に、吸引ポンプと、メタン溶解性溶媒を含む貯蔵容器とを含む装着型装置に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
メタン(CH
4
)は、二酸化炭素(CO
2
)と並ぶ温室効果ガスとして知られている。これらの温室効果ガスは赤外線領域に強い吸収をもち、大気中に放出されると、地表から放射されるエネルギーを吸収し、その一部を下層の地表に向かって放出する。これにより、地表から放出されたエネルギーの一部が温室効果ガスによって再び地表に戻されるため、地球温暖化が起こる。メタンは、CO
2
の21~72倍の温室効果を発揮するとされており、CO
2
に比べて大気中の含有量は少ないものの、温暖化への寄与が懸念されている。
【0003】
メタンは、天然ガスやメタンハイドレートとして大量に埋蔵されているほか、火山活動や自然の生態系からも放出されている。生態系からの放出として、湖沼からの放出に加え、動物、特に反芻動物の消化管に含まれるメタン生成細菌によっても生成される。メタンは、草食動物の呼気に含まれ、また糞からも排出される。畜産分野から放出されるメタンは、大気中のメタンガスの21%を占めるともいわれており、地球温暖化への影響が指摘されている。持続可能な開発目標(SDGs)の観点からも畜産分野に対策を求める声が上げられている。
【0004】
これまで、家畜からのメタン発生を減少させるため、細菌や飼料を工夫し、メタン排出量を抑制する試みがされている。一例として、システインを用いる方法(特許文献1)、ビタミン、微量元素、アミノ酸、微生物などのサプリメントを利用する方法(特許文献2)、乳酸菌を利用する方法(特許文献3)、アルカリゲネス菌を利用する方法(特許文献4)などが報告されている。また、メタンの約95%が呼気とげっぷを介して牛の口と鼻孔から排出されることから、ウシの鼻付近に触媒を取り付けることで、生成したメタンを温室効果の少ない二酸化炭素に変換分解する装置について開発が進められている(特許文献5)。以上のように、畜産分野では、発生するメタンの放出の抑制に注力して研究が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平7-322828号公報
特表2022-521565号公報
特開2009-201354号公報
国際公開第2011/145516号
国際公開第2022/180375号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、畜産分野で発生するメタンの放出を抑制することについて試みられている一方で、家畜から発生するメタンを回収して利用することについてはいまだ研究が進められていない。本発明は、家畜から発生するメタンを回収することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、家畜から発生するメタンを利用することについて鋭意研究を行い、家畜から発生するメタンを溶媒に溶解して回収する装着型装置を着想した。具体的に、呼気中のメタンを、温室効果ガスではないメタン溶解性溶媒に溶解して回収することで、回収及び貯蔵が難しい気体のメタンを回収することが可能になった。
そこで本発明は以下に関する:
[1] 吸引ポンプと、通気口と排気口とを含む貯蔵容器を含み、貯蔵容器がメタン溶解性溶媒を含み、呼気中のメタンをメタン溶解性溶媒に溶解して回収する、装着型装置。
[2] 前記メタン溶解性溶媒が、炭素数5~14の炭化水素を含む、項目1に記載の装着型装置。
[3] 前記貯蔵容器がさらに水を含み、通気口側に水相を配置する、項目2に記載の装着型装置。
[4] 貯蔵容器内で、2相に分離し、下相に水を配置し、上相に炭素数5~14の炭化水素を配置する、項目3に記載の装着型装置。
[5] 貯蔵容器を複数の区画に分け、各区画は、前の区画の気相と、後の区画の液相とを連結する通気連結口を介し連結され、通気口を含む第一区画に、水と炭素数5~14の炭化水素を配置し、排気口を含む第二区画にさらに水又は生体安全性溶媒を配置する、項目2に記載の装着型装置。
[6] 通気連結口及び通気口に、曝気ノズルを配置する、項目5に記載の装着型装置。
[7] 第一区画の上に第二区画が配置される、項目5に記載の装着型装置。
[8] 第一区画の横に隣接して第二区画が配置される、項目5に記載の装着型装置。
[9] 第一区画を、水を含む第一水相区画と、炭素数5~14の炭化水素を含む第一溶媒相区画とに分け、第一水相区画と、第一溶媒相区画とが通気連結口を介し連結される、項目5~8のいずれか一項に記載の装着型装置。
[10] 前記メタン溶解性溶媒が、フルオラス溶媒を含む、項目1に記載の装着型装置。
[11] 前記貯蔵容器が、さらに水又は生体安全性溶媒を含み、上相に水又は生体安全性溶媒の相を配置する、項目10に記載の装着型装置。
[12] 前記貯蔵容器が、さらに水及び生体安全性溶媒を含み、フルオラス溶媒相、水相、及び生体安全性溶媒相の3相を形成する、項目10に記載の装着型装置。
[13] 前記貯蔵容器を複数の区画に分け、各区画は、前の区画の気相と、後の区画の液相とを連結する通気連結口を介し連結され、通気口を含む第一区画に、フルオラス溶媒を配置し、排気口を含む第二区画に水及び/又は生体安全性溶媒を含む、項目10に記載の装着型装置。
[14] 前記第一区画を、さらに水を含む第一水相区画と、フルオラス溶媒を含む第一溶媒相区画とに分け、第一水相区画と、第一溶媒相区画とが通気連結口を介し連結される、項目13に記載の装着型装置。
[15] 通気連結口及び通気口に、曝気ノズルを配置する、項目13に記載の装着型装置。
[16] 前記装着型装置の貯蔵容器が、ウシ首又は肩付近に取り付けられ装着具で固定される、項目1に記載の装着型装置。
[17] 前記貯蔵容器とウシとの間に吸収パッドを含む、項目16に記載の装着型装置。
[18] 連結管を介して前記貯蔵容器に連結された回収部をさらに含む、項目1に記載の装着型装置。
[19] 前記連結管が首に沿って頭頂部又は頬部を介して配置され、前記回収部が鼻腔又は口付近に配置される、項目18に記載の装置。
[20] ウシの呼気中のメタンを回収する装着型のシステムであって、
ウシの鼻又は口付近に装着される回収部、
通気口と排気口とを備え、メタン溶解性溶媒を含む貯蔵容器、
回収部と貯蔵容器とを連結する連結管、
前記回収部に陰圧を付与し、ウシの呼気を吸入し、そして貯蔵容器へと吐出する吸引ポンプ、
前記吸引ポンプを駆動する電源、及び
前記回収部、貯蔵容器、連結管、吸引ポンプ及び電源を、ウシに固定するための装着具
を含む、前記システム。
【発明の効果】
【0008】
メタンを回収することで、畜産分野からの温室効果ガスの発生を抑制することが可能になるとともに、回収されたメタンを資源として利用することができる。気体のメタンを、メタン溶解性溶媒に溶解させることで、小さい容積の貯蔵容器に保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は本発明に係る装着型装置及びシステムを簡略化して示す模式図である。
図2は、メタン溶解性溶媒と水とを含む貯蔵容器2を簡略化して示す模式図である。
図3は、メタン溶解性溶媒と水を含む第一区画と、生体安全性溶媒を含む第二区画とを、上下に重ねて含む貯蔵容器2を簡略化して示す模式図である。
図4は、水を含む第一水相区画と、メタン溶解性溶媒を含む第一溶媒相区画と、第二区画とを上下に重ねて含む、貯蔵容器2を簡略化して示す模式図である。
図5は、水を含む第一水相区画と、メタン溶解性溶媒を含む第一溶媒相区画と、第二区画とを隣接して含む、貯蔵容器2を簡略化して示す模式図である。
図6は、本発明に係る装着型装置1を牛に装着させた模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は家畜の呼気中に含まれるメタンを、メタン溶解性溶媒に溶解して回収する、装着型装置(以下、本発明に係る装着型装置と呼ぶ)、又は当該装着型装置を含むシステムに関する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

日本ハム株式会社
米粉パンの製造方法
6日前
日本ハム株式会社
メタン変換回収用装着型装置
7日前
個人
釣り用ルアー
6日前
東レ株式会社
海苔網
8日前
個人
ハーブの育種法
7日前
個人
イカ釣りの仕掛け
17日前
個人
ルアーホルダ
13日前
井関農機株式会社
作業機
10日前
個人
手押し式草刈り機
13日前
井関農機株式会社
コンバイン
2日前
井関農機株式会社
コンバイン
2日前
個人
回転式草刈刃
2日前
株式会社ジェンク
除草システム
14日前
株式会社たねまき
収穫装置
7日前
松山株式会社
農作業機
10日前
松山株式会社
農作業機
17日前
東邦化学工業株式会社
除菌剤組成物
13日前
株式会社DRT
釣り用ルアー
23日前
株式会社ナカショウ
園芸用防虫ネット
16日前
ユシロ化学工業株式会社
組成物
6日前
グローブライド株式会社
釣用仕掛け
10日前
株式会社クボタ
作業車
6日前
株式会社クボタ
作業車
6日前
井関農機株式会社
収穫作業機
6日前
セッツ株式会社
殺菌剤組成物
7日前
株式会社ランテクノ
植物育成システム
6日前
個人
太陽光パネル付植物栽培システム
2日前
株式会社大阪製薬
物品用消毒剤
6日前
第一精工株式会社
逆巻替え装置
7日前
グローブライド株式会社
ルアー
17日前
株式会社リッチェル
ペット用玩具
13日前
本田技研工業株式会社
芝刈機
17日前
西山商事有限会社
蓮根の栽培方法
2日前
住友化学株式会社
液状農薬組成物
17日前
株式会社やまびこ
駆動装置
20日前
株式会社クボタ
作業車両
17日前
続きを見る