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公開番号
2024142040
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023053999
出願日
2023-03-29
発明の名称
電動機
出願人
愛知電機株式会社
代理人
弁理士法人勇智国際特許事務所
主分類
H02K
3/46 20060101AFI20241003BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】中性点を形成するリード部の移動を簡単な構成で規制することができる技術を開示する。
【解決手段】U相~W相の固定子巻線は、電源に接続される第1のリード部400U1~400W1と、中性点ブスバー410に接続される第2のリード部400U2~400W2を有している。固定子コア100の軸線方向第1側に配置されている第1の電気絶縁体アセンブリ200の外壁部210は、軸線方向第1側に飛び出ている複数の突部211を有している。複数の突部211のうちの突部211A、211Bには、軸線方向第1側、周方向第1側及び周方向第2側が開口している溝211a、211bが形成されている。中性点バスバー410は、溝211a、211b内に挿入されている。溝211a、211b内に挿入されている中性点ブスバー410は、突部211Cによって周方向第1側への移動が規制され、突部211Dによって周方向第2側への移動が規制される。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
回転子と固定子により構成され、
前記固定子は、軸線方向に延在する筒状の固定子コアと、前記固定子コアの軸線方向第1側に配置されている第1の電気絶縁体アセンブリと、前記固定子コアの軸線方向第2側に配置されている第2の電気絶縁体アセンブリと、固定子巻線と、を備え、
前記固定子コアは、前記軸線を中心とする周方向に延在するヨークと、前記ヨークから径方向内側に延在する複数のティースと、を有し、
前記第1の電気絶縁体アセンブリ及び前記第2の電気絶縁体アセンブリは、前記周方向及び前記軸線方向に延在する外壁部と、前記外壁部より径方向内側に配置され、前記周方向及び前記軸線方向に延在する複数の内壁部と、前記外壁部と前記各内壁部の、前記軸線方向に沿って前記固定子コア側の部分の間に配置され、径方向に延在する複数の胴部と、を有し、
前記固定子巻線は、第1相~第3相の固定子巻線により構成され、前記第1相~第3相の固定子巻線は、前記固定子コアの前記ティース、前記第1の電気絶縁体アセンブリの前記胴部及び前記第2の電気絶縁体アセンブリの前記胴部に巻き付けられている巻き付け部と、電源に接続される第1のリード部と、共通に接続される第2のリード部と、を有する電動機であって、
前記第1相~第3相の固定子巻線の前記第2のリード部が共通に接続されている中性点部を有し、
前記第1の電気絶縁体アセンブリの前記外壁部は、前記中性点部の移動を規制する第1の移動規制部を有していることを特徴とする電動機。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の電動機であって、
前記第1の移動規制部は、前記中性点部の径方向内側への移動、径方向外側への移動及び前記軸線方向第2側への移動を規制するように構成されていることを特徴とする電動機。
【請求項3】
請求項2に記載の電動機であって、
前記第1の電気絶縁体アセンブリの前記外壁部は、前記周方向に離間する位置に、前記軸線方向第1側に飛び出ている複数の突部を有し、
前記複数の突部のうちの少なくとも1つには、前記周方向に延在しているとともに、前記軸線方向第1側が開口し、前記中性点部が挿入可能な溝が形成されており、
前記第1の移動規制部は、前記溝により構成されていることを特徴とする電動機。
【請求項4】
請求項2に記載の電動機であって、
前記第1の移動規制部は、前記中性点部の、周方向第1側及び周方向第2側のうちの少なくとも一方側への移動を規制するように構成されていることを特徴とする電動機。
【請求項5】
請求項3に記載の電動機であって、
前記溝は、周方向第1側及び周方向第2側のうちの少なくとも一方側が閉じていることを特徴とする電動機。
【請求項6】
請求項3に記載の電動機であって、
前記溝は、周方向第1側及び周方向第2側のうちの一方側が開口していることを特徴とする電動機。
【請求項7】
請求項6に記載の電動機であって、
前記第1の電気絶縁体アセンブリの前記外壁部は、前記少なくとも1つの突部より、前記周方向第1側及び前記周方向第2側のうちの前記一方側に配置されている第2の移動規制部を有し、
前記第2の移動規制部は、前記中性点部の、前記周方向第1側及び前記周方向第2側のうちの前記一方側への移動を規制するように構成されていることを特徴とする電動機。
【請求項8】
請求項3に記載の電動機であって、
前記溝は、周方向第1側及び周方向第2側が開口していることを特徴とする電動機。
【請求項9】
請求項8に記載の電動機であって、
前記第1の電気絶縁体アセンブリの前記外壁部は、前記少なくとも1つの突部より前記周方向第1側及び前記周方向第2側に配置されている第2の移動規制部を有し、
前記周方向第1側に配置されている前記第2の移動規制部は、前記中性点部の前記周方向第1側への移動を規制するように構成され、前記周方向第2側に配置されている前記第2の移動規制部は、前記中性点部の前記周方向第2側への移動を規制するように構成されていることを特徴とする電動機。
【請求項10】
請求項7または9に記載の電動機であって、
前記第2の移動規制部は、前記複数の突部のうちの、前記少なくとも1つの突部以外の突部により構成されていることを特徴とする電動機。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源に接続される第1のリード部と共通に接続される第2のリード部を有する電動機に関する。
続きを表示(約 5,700 文字)
【背景技術】
【0002】
圧縮機等の種々の装置において、U相、V相及びW相の固定子巻線がスター接続されている電動機が用いられている。U相~W相の固定子巻線がスター接続されている電動機を備える圧縮機は、例えば、国際公開第2017-138534号(特許文献1)に開示されている。特許文献1に開示されている圧縮機は、密閉容器と、密閉容器内に収容されている圧縮機構部及び電動機により構成されている。電動機は、回転子と固定子により構成されている。固定子は、固定子コアと、固定子コアの軸線方向両側に配置されている電気絶縁体アセンブリ(「樹脂ボビン」、「ボビン」あるいは「インシュレータ」と呼ばれている)と、固定子巻線を有している。固定子巻線は、U相~W相の固定子巻線により構成されている。U相~W相の固定子巻線は、固定子コアのティース及び固定子コアの軸線方向両側に配置されている電気絶縁体アセンブリの胴部に巻き付けられている巻き付け部、第1のリード部及び第2のリード部を有している。第1のリード部は、電源に接続され、第2のリード部は、共通に接続されている。すなわち、U相~W相の固定子巻線は、スター接続されている。
ここで、共通に接続されている第2のリード部が移動すると、第2のリード部が他の部品と接触するおそれがある。このため、特許文献1に開示されている電動機では、第2のリード部の移動を規制するために、一方の電気絶縁体アセンブリの、固定子コアと反対側に、第2のリード部を保持するガイド部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2017-138534号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている電動機では、第2のリード部を保持するガイド部材が必要である。また、ガイド部材を電気絶縁体アセンブリに取り付ける作業や、第2のリード部を電気絶縁体アセンブリと別体のガイド部材に配線する作業が必要である。
本開示は、共通に接続されるリード部の移動を、簡単な構成で、容易に規制することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、回転子と固定子により構成される電動機に関する。
固定子は、軸線方向に延在する筒状の固定子コアと、固定子コアの軸線方向第1側及び軸線方向第2側に配置されている第1及び第2の電気絶縁体アセンブリと、固定子巻線と、を備えている。
固定子コアは、軸線を中心とする周方向に延在するヨークと、ヨークから径方向内側に延在する複数のティースと、を有している。
第1及び第2の電気絶縁体アセンブリは、外壁部、複数の内壁部及び複数の胴部を有している。外壁部は、周方向及び軸線方向に延在している。複数の内壁部は、外壁部より径方向内側で、周方向に離間する位置に配置され、周方向及び軸線方向に延在している。複数の胴部は、外壁部と各内壁部の、軸線方向に沿って固定子コア側の部分の間に配置され、径方向に延在している。
固定子巻線は、第1相~第3相の固定子巻線により構成されている。各相の固定子巻線は、巻き付け部、第1のリード部及び第2のリード部を有している。巻き付け部は、固定子コアのティースと、第1及び第2の電気絶縁体アセンブリの胴部に巻き付けられている導線により形成される。第1のリード部は、電源に接続され、第2のリード部は、共通に接続される。これにより、各相の固定子巻線は、スター接続される。
本開示の電動機は、各相の固定子巻線の第2のリード部が共通に接続されている中性点部を有している。
そして、第1の電気絶縁体アセンブリの外壁部は、中性点部の移動を規制する第1の移動規制部を有している。
本開示では、第2のリード部の移動を規制する第1の移動規制部が電気絶縁体アセンブリの外壁部に設けられている。これにより、第2のリード部の移動を、簡単な構成で、容易に規制することができる。
本開示の異なる形態では、第1の移動規制部は、中性点部の径方向内側への移動、径方向外側への移動及び軸線方向第2側(固定子コア側)への移動を規制するように構成されている。
本形態では、第2のリード部の径方向内側への移動、径方向外側への移動および軸線方向第2側への移動を、簡単な構成で規制することができる。
本開示の異なる形態では、第1の電気絶縁体アセンブリの外壁部には、周方向に離間する位置に、軸線方向第1側(固定子コアと反対側)に飛び出ている複数の突部が形成されている。
また、複数の突部のうちの少なくとも1つには、周方向に延在しているとともに、軸線方向第1側(固定子コアと反対側)が開口している溝が形成されている。溝は、中性点部が挿入可能に形成されている。
第1の移動規制部は、少なくとも1つの突部に形成されている溝により構成されている。
本形態では、第2のリード部の、径方向内側への移動、径方向外側への移動及び軸線方第2側への移動を、簡単な構成で規制することができる。
本開示の異なる形態では、第1の移動規制部は、中性点部の、周方向第1側及び周方向第2側への移動のうちの少なくとも一方側への移動を規制するように構成されている。
本形態では、第2のリード部の径方向内側への移動、径方向外側への移動、軸線方向第2側への移動、周方向第1側及び周方向第2側のうちの少なくとも一方側への移動を規制することができる。
本開示の異なる形態では、少なくとも1つの突部に形成されている溝は、周方向第1側及び周方向第2側のうちの少なくとも一方側が閉じている。
本形態では、第2のリード部の径方向内側への移動、径方向外側への移動、軸線方向第2側への移動、周方向第1側及び周方向第2側のうちの少なくとも一方側への移動を、簡単な構成で規制することができる。
本開示の異なる形態では、少なくとも1つの突部に形成されている溝は、周方向第1側及び周方向第2側のうちの一方側が開口している。
本形態では、中性点部を溝内に容易に挿入することができる。
本開示の異なる形態では、第1の電気絶縁体アセンブリの外壁部は、少なくとも1つの突部より、周方向第1側及び周方向第2側のうちの一方側に配置されている第2の移動規制部を有している。
第2の移動規制部は、中性点部の周方向第1側及び周方向第2側のうちの一方側への移動を規制するように構成されている。
本形態では、第2のリード部の、周方向第1側及び周方向第2側のうちの一方側への移動を容易に規制することができる。
本開示の異なる形態では、少なくとも1つの突部に形成されている溝は、周方向第1側及び周方向第2側が開口している。
本形態では、中性点部を溝内により容易に挿入することができる。
本開示の異なる形態では、第1の電気絶縁体アセンブリの外壁部は、少なくとも1つの突部より周方向第1側及び周方向第2側に配置されている第2の移動規制部を有している。
周方向第1側に配置されている第2の移動規制部は、中性点部の周方向第1側への移動を規制するように構成されている。また、周方向第2側に配置されている第2の移動規制部は、中性点部の周方向第2側への移動を規制するように構成されている。
本形態では、第2のリード部の周方向第1側への移動及び周方向第2側への移動を容易に規制することができる。
本開示の異なる形態では、第2の移動規制部は、複数の突部のうちの、少なくとも1つの突部以外の突部により構成されている。
本形態では、第2の移動規制部を容易に形成することができる。
本開示の異なる形態では、中性点部は、第1相~第3相の固定子巻線の第2のリード部が接続されている中性点ブスバーにより構成されている。
中性点ブスバーは、導電性を有する材料により形成されている。
本形態では、中性点部を容易に構成することができる。
本開示の異なる形態では、固定子は、カバーを備えている。カバーは、第1の電気絶縁体アセンブリの軸線方向第2側(固定子コアと反対側)に配置されている。
本形態では、中性点部の軸線方向第1側(固定子コアと反対側)への移動を規制することができる。
【発明の効果】
【0006】
本開示の電動機では、共通に接続されるリード部の移動を、簡単な構成で、容易に規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
一実施形態の圧縮機の部分断面図である。
図1を矢印II-II線方向から見た断面図である。
一実施形態の電動機の一部の斜視図である。
一実施形態の電動機を構成する第1の電気絶縁体アセンブリの斜視図である。
図3を矢印V方向から見た図である。
図5の、矢印VIで示されている部分を拡大した図である。
図6を、矢印VII方向から見た図である。
図3を矢印VIII方向から見た図である。
一実施形態の電動機の斜視図である。
図9を矢印X方向から見た図である。
一実施形態の電動機で用いられている第1実施形態のカバーの斜視図である。
図11を矢印XII方向から見た図である。
図12を矢印XIII-XIII線方向から見た図である。
図12を矢印XIV-XIV線方向から見た図である。
図10を矢印XV-XV線方向から見た図である。
図10を矢印XVI-XVI線方向から見た図である。
第2実施形態のカバーの斜視図である。
第3実施形態のカバーの斜視図である。
第4実施形態のカバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示の電動機の実施形態を、図面を参照して説明する。
本明細書では、固定子コア100の軸線Pの延在方向(図1、図2において、Xで示されている方向)を「軸線方向」という。固定子コア100の軸線Pは、回転子50が固定子40に回転可能に配置されている状態において、回転子50の回転中心線に対応する。
また、軸線方向一方側から見て(図2参照)、軸線Pを中心とする円周方向を「周方向」(図2において、Yで示されている方向)という。
また、軸線方向一方側から見て、軸線Pを通る線の延在方向を「径方向」という。「径方向内側」という記載は、径方向に沿って軸線P側を示し、「径方向外側」という記載は、径方向に沿って軸線Pと反対側を示す。
なお、電気絶縁体アセンブリ(第1の電気絶縁体アセンブリ200、第2の電気絶縁体アセンブリ300)、カバー500に対しては、「軸線方向」、「周方向」及び「径方向」という記載は、固定子コア100に配置された状態における「軸線方向」、「周方向」及び「径方向」を示す。
また、以下では、図1において、矢印X1で示されている方向(紙面に沿って上方向)を「軸線方向第1側」といい、矢印X2で示されている方向(紙面に沿って下方向)を「軸線方向第2側」という。
また、図1、図2において、矢印Y1で示されている方向(時計方向)を「周方向第1側」といい、矢印Y2で示されている方向(反時計方向)を「周方向第2側」という。
勿論、「軸線方向第1側」、「軸線方向第2側」、「周方向第1側」及び「周方向第2側」を、逆の方向に規定することもできる。
【0009】
図1~図16を参照して、一実施形態の圧縮機10と、一実施形態の圧縮機10に用いられている一実施形態の電動機30を説明する。
図1は、圧縮機10の部分断面図であり、図2は、図1を矢印II-II線方向から見た断面図である。なお、図1には、電動機30の概略構成が示されている。
図3は、カバー500を取り外した状態における電動機30の斜視図である。
図4は、第1の電気絶縁体アセンブリ200の斜視図である。図5は、図3を矢印V方向から見た図であり、図6は、図5の、矢印VIで示されている部分の拡大図であり、図7は、図6を、矢印VII方向から見た図である。
図8は、図3を矢印VIII方向から見た図である。
図9は、カバー500を取り付けた状態における電動機30の斜視図であり、図10は、図9を矢印X方向から見た図である。
図11は、第1実施形態のカバー500の斜視図であり、図12は、図11を矢印XII方向から見た図である。図13は、図12を矢印XIII-XIII線方向から見た図であり、図14は、図12を矢印XIV-XIV線方向から見た図である。
図15は、図10を矢印XV-XV線方向から見た図であり、図16は、図10を矢印XVI-XVI線方向から見た図である。
【0010】
圧縮機10は、密閉容器20、電動機30、圧縮機構部(図示省略)により構成されている。電動機30と圧縮機構部は、密閉容器20の密閉容器内周面21により形成される密閉容器空間内に収容されている。圧縮機構部と電動機30の配置位置(上下方向の配置位置、左右方向の配置位置)は、適宜変更可能である。圧縮機構部としては、公知の圧縮機構部が用いられる。
電動機30により圧縮機構部が駆動されると、吸入口から吸入された冷却媒体は、圧縮機構部で圧縮された後、吐出口から吐出される。
(【0011】以降は省略されています)
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