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公開番号2024141972
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053886
出願日2023-03-29
発明の名称リチウムイオン二次電池用負極材料、その製造方法、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池用負極
出願人住友理工株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 4/139 20100101AFI20241003BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 負極活物質の粒子の断絶を抑制し、導電パスを維持することにより、充放電を繰り返しても容量が低下しにくいリチウムイオン二次電池を実現することができる負極材料、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 リチウムイオン二次電池用負極材料は、負極活物質と、カルボキシ基含有ポリマーおよび導電助剤を有し該負極活物質の表面を被覆するポリマー層と、を有するポリマー被覆活物質と、イミド系ポリマーおよび導電助剤を有し該ポリマー被覆活物質同士を結着するバインダーと、を有する。当該負極材料の製造方法は、カルボキシ基含有ポリマーおよび導電助剤を有する被覆用ポリマー液に負極活物質を分散させて活物質含有液を調製する工程と、イミド系ポリマーおよび導電助剤を有するバインダー液を調製する工程と、該活物質含有液と該バインダー液とを混合して負極材料液を調製する工程と、を有する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
負極活物質と、カルボキシ基含有ポリマーおよび導電助剤を有し該負極活物質の表面を被覆するポリマー層と、を有するポリマー被覆活物質と、
イミド系ポリマーおよび導電助剤を有し該ポリマー被覆活物質同士を結着するバインダーと、
を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記カルボキシ基含有ポリマーの含有量は、前記負極活物質の質量を100質量%とした場合の1.0質量%以上4.0質量%以下である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
【請求項3】
前記カルボキシ基含有ポリマーに対する前記イミド系ポリマーの含有比率は、該カルボキシ基含有ポリマーの質量を1とした場合の2以上9以下である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
【請求項4】
体積抵抗率は、0.5Ω・cm以下である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
【請求項5】
前記イミド系ポリマーの含有量は、前記負極活物質の質量を100質量%とした場合の7.0質量%以上である請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
【請求項6】
前記負極活物質は、ケイ素を有する請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
【請求項7】
前記カルボキシ基含有ポリマーは、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、カルボキシルメチルセルロースから選ばれる一種以上である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
【請求項8】
前記イミド系ポリマーは、ポリアミドイミドおよびポリイミドから選ばれる一種以上である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
【請求項9】
請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法であって、
カルボキシ基含有ポリマーおよび導電助剤を有する被覆用ポリマー液に負極活物質を分散させて活物質含有液を調製する活物質含有液調製工程と、
イミド系ポリマーおよび導電助剤を有するバインダー液を調製するバインダー液調製工程と、
該活物質含有液と該バインダー液とを混合して負極材料液を調製する負極材料液調製工程と、
を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
【請求項10】
前記活物質含有液調製工程において、前記カルボキシ基含有ポリマーに対する前記導電助剤の配合比率は、該カルボキシ基含有ポリマーの質量を1とした場合の0.3以上1.0以下である請求項9に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、リチウムイオン二次電池用負極に関し、特に負極材料およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は、比較的高いエネルギー密度を有することから、各種電子機器の電源、電気自動車やハイブリッド自動車の電源などとして広く使用されている。リチウムイオン二次電池を構成する負極は、粉末状の負極活物質とバインダーとを混合し、溶媒を加えてペースト状にした負極材料を、集電体の表面に塗布、乾燥することにより形成される。負極活物質としては炭素材料が知られているが、電池容量をより大きくするという観点から、容量密度が大きいケイ素材料を用いる検討が進められている。
【0003】
ケイ素(Si)やケイ素酸化物(SiO

)などのケイ素材料は、充放電時のリチウムイオンの吸蔵、放出に伴い大きく膨張、収縮する。膨張、収縮を繰り返すと、活物質の粒子が崩壊したり、活物質同士の繋がりが断たれたりして導電パスが失われる。結果、リチウムイオンの吸蔵、放出に寄与するケイ素材料が減少し、容量が低下してしまう。このように、ケイ素材料を用いると、繰り返しの充放電による容量の低下が大きく、サイクル寿命が短いという課題がある。
【0004】
リチウム二次イオン電池のサイクル特性を向上させる技術として、例えば、特許文献1には、ケイ素酸化物などの負極活物質の粒子表面を炭素で被覆し、その表面にさらに炭素繊維をポリイミド樹脂などで接着した負極材料が記載されている。特許文献1には、当該負極材料、リチウムイオンを吸蔵、放出する炭素材料、およびバインダーを含む層が、集電体上に形成されている負極が記載されている。特許文献2には、ポリアミドイミドとカルボキシ基含有ポリマーとを混合した結着剤(バインダー)が記載されている。特許文献2には、ケイ素材料からなる負極活物質と、当該混合バインダーと、導電助剤と、を混合した負極合材に有機溶剤を加えたスラリーを、集電体の表面に塗布、乾燥して負極を製造することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/083262号
特開2016-46151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の負極材料においては、負極活物質の粒子表面に接着した炭素繊維により、導電パスを形成している。しかしながら、同文献の段落[0029]、[0032]に記載されているように、炭素繊維は、負極活物質とその周囲に存在する炭素材料との間の導電パスを形成するものに過ぎない。よって、炭素繊維を接着させても、負極活物質の膨張、収縮に伴う粒子の崩壊や、活物質同士の断絶を抑制することは難しい。
【0007】
特許文献2においては、ポリアミドイミドとカルボキシ基含有ポリマーという、異なる樹脂成分を有するバインダーを用いることにより、負極活物質の保持能力を高めている。同文献の段落[0024]、[0034]にも記載されているように、ポリアミドイミドとカルボキシ基含有ポリマーとは、リチウムイオンに対する反応性、強度などの点で特性が異なる。しかしながら、特許文献2によると、予めポリアミドイミドとカルボキシ基含有ポリマーとを混合してバインダーを製造してから、それを負極活物質と混合する(段落[0054]-[0059])。この場合、ポリアミドイミドとカルボキシ基含有ポリマーとが混合された状態で負極活物質の周囲に配置されるため、各々の成分の特性が発揮されにくい。例えば、カルボキシ基含有ポリマーはリチウムイオン伝導性を有するが、ポリアミドイミドはそれを有しない。このため、負極活物質の近傍に存在するカルボキシ基含有ポリマーが少ないと、負極活物質にリチウムイオンが供給されにくくなる。
【0008】
また、負極には、導電性(電子伝導性)を向上させるために、バインダーと共にアセチレンブラックなどの導電助剤が配合されることが多い。本発明者が検討を重ねたところ、導電助剤は、カルボキシ基含有ポリマーに分散しにくいため、導電助剤をポリアミドイミドとカルボキシ基含有ポリマーとの混合物に配合すると、導電助剤はポリアミドイミド側に偏在するおそれがあるという知見を得た。よって、ポリアミドイミドとカルボキシ基含有ポリマーとの混合物であるバインダーと、導電助剤と、負極活物質と、を混合した場合には、仮にカルボキシ基含有ポリマーが負極活物質の近傍に存在したとしても、そこに含まれる導電助剤が少ないため、負極活物質の表面における電子伝導性が低下して、負極活物質におけるリチウムイオンの吸蔵、放出が阻害されるおそれがある。
【0009】
本開示は、このような実状に鑑みてなされたものであり、負極活物質の粒子の崩壊、および負極活物質同士の繋がりの断絶を抑制し、導電パスを維持することにより、充放電を繰り返しても容量が低下しにくいリチウムイオン二次電池を実現することができる負極材料、その製造方法、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池用負極を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記課題を解決するため、本開示のリチウムイオン二次電池用負極材料は、負極活物質と、カルボキシ基含有ポリマーおよび導電助剤を有し該負極活物質の表面を被覆するポリマー層と、を有するポリマー被覆活物質と、イミド系ポリマーおよび導電助剤を有し該ポリマー被覆活物質同士を結着するバインダーと、を有することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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