TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2024141338
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023052925
出願日
2023-03-29
発明の名称
コンクリーションの製造方法
出願人
UBE三菱セメント株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B28B
11/24 20060101AFI20241003BHJP(セメント,粘土,または石材の加工)
要約
【課題】カルシウムイオンを含む溶液と、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含む溶液とを用いた、コンクリーションの製造方法を提供すること。
【解決手段】本開示は、コンクリーションの製造方法であって、筒体と、筒体の下端側の開口を閉塞し、カルシウムイオンを含む第一の溶液が浸透可能な閉塞部材と、を備える容器に、骨材を含む粉体を充填し、粉体層を形成する工程と、容器を、筒体の下端側から第一の溶液に挿入することによって、閉塞部材を介して第一の溶液を容器の内部に導入し、粉体層を第一の溶液に浸漬する工程と、筒体の上端側の開口から、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含む第二の溶液を、容器の内部に注入し、粉体層の内部に固体を析出させる工程と、を備え、第二の溶液のpHが8.30超である、製造方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
コンクリーションの製造方法であって、
筒体と、前記筒体の下端側の開口を閉塞し、カルシウムイオンを含む第一の溶液が浸透可能な閉塞部材と、を備える容器に、骨材を含む粉体を充填し、粉体層を形成する工程と、
前記容器を、前記筒体の下端側から前記第一の溶液に挿入することによって、前記閉塞部材を介して前記第一の溶液を前記容器の内部に導入し、前記粉体層を前記第一の溶液に浸漬する工程と、
前記筒体の上端側の開口から、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含む第二の溶液を、前記容器の内部に注入し、前記粉体層の内部に固体を析出させる工程と、を備え、
前記第二の溶液のpHが8.30超である、製造方法。
続きを表示(約 420 文字)
【請求項2】
前記第一の溶液におけるカルシウムイオンの濃度が0.9mol/L以上である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第二の溶液における前記炭酸イオン及び前記炭酸水素イオンの合計濃度が1.0mol/L以上である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
骨材を含む原料粉末に対して中和処理することによって、前記粉体を得る工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記骨材の粗粒率は、2.00以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第二の溶液は、水を含む溶媒に、セメント工場の排ガスから回収された二酸化炭素を添加することを含む方法によって作製される、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項7】
海水から第一の溶液を作製する工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンクリーションの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
セメント製品の製造においては、燃料の燃焼におけるCO
2
発生、原料の脱炭酸等によるCO
2
発生など、CO
2
の発生量が多く、地球温暖化対策の観点から二酸化炭素排出量削減の要求が高まっている。
【0003】
砂等の粒子間に炭酸カルシウムが析出することによって凝結し、炭酸コンクリーション等の硬化体が形成されることが自然界においても観測されている。コンクリーションの形成の際にはCO
2
が消費されることから、コンクリーションの生成プロセスを応用して工業的に利用可能な硬化体を製造することができれば、既存のセメント製品の代替として利用することで環境負荷を低減できると考えらえれる。人工的にコンクリーションを製造する方法の検討が進められている。
【0004】
例えば、特許文献1には、(I’)少なくとも水を含む液にCa源及び/又はMg源を含有する粒子を添加する工程;(II)工程(I’)で得られた液に、CO
2
を溶解させる工程;を有することにより、Ca(HCO
3
)
2
及び/又はMg(HCO
3
)
2
を含む液を得、(III)骨材を所定の形状とする工程;(IV)工程(III)で得られた所定の形状に、前記Ca(HCO
3
)
2
及び/又はMg(HCO
3
)
2
を含む液を添加する工程;及び(V)工程(IV)で得られた所定の形状内の環境を変化させる工程;を有することにより硬化体を得る、硬化体の製造方法であって、該硬化体は、前記骨材;及び前記骨材間に存在する物質;を有して形成され、前記物質が炭酸塩を含有する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-162955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カルシウムイオン源としては、豊富な天然資源である海水の利用が期待される。海水の利用を想定すると、海水を模したカルシウムイオンを含む溶液と、CO
2
を溶解させた溶液と、の2液と、を用いるコンクリーションの製造方法の開発が望まれる。また、このような2液を利用してコンクリーションを製造可能であれば、セメント製造等で生じるCO
2
の利用先として、コンクリーションへの固定が可能であり、有用である。
【0007】
そこで、本開示は、カルシウムイオンを含む溶液と、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含む溶液とを用いた、コンクリーションの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らの検討によって、単に、骨材を含む粉体の周辺で、カルシウムイオンを含む溶液と炭酸イオン及び炭酸水素イオン含む溶液とを混合するだけでは、コンクリーションが生成しないことが明らかとなった。具体的には、固体の析出自体が起こらない場合や、粉体から離れた場所で固体の析出が起こる場合があるといった問題があった。
【0009】
本発明者らは、更に鋭意研究を行った結果、筒体と、該筒体の下端側の開口を閉塞し、カルシウムイオンを含む第一の溶液が浸透可能な閉塞部材と、を備える容器を用いて、まず、骨材を含む粉体を容器に充填して粉体層を形成した後、容器の下側から、カルシウムイオンを含む第一の溶液を容器内部に導入して粉体層を第一の溶液に浸漬し、次いで、容器の上側から所定のpHを有する炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含む溶液を注入することによって、粉体層の内部に固体が析出し、コンクリーションを製造できることを見出した。
【0010】
本発明は、いくつかの側面において、下記の[1]~[7]を提供する。
[1]
コンクリーションの製造方法であって、
筒体と、筒体の下端側の開口を閉塞し、カルシウムイオンを含む第一の溶液が浸透可能な閉塞部材と、を備える容器に、骨材を含む粉体を充填し、粉体層を形成する工程と、
容器を、筒体の下端側から第一の溶液に挿入することによって、閉塞部材を介して第一の溶液を容器の内部に導入し、粉体層を第一の溶液に浸漬する工程と、
筒体の上端側の開口から、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含む第二の溶液を、容器の内部に注入し、粉体層の内部に固体を析出させる工程と、を備え、
第二の溶液のpHが8.30超である、製造方法。
[2]
第一の溶液におけるカルシウムイオンの濃度が0.9mol/L以上である、[1]に記載の製造方法。
[3]
第二の溶液における炭酸イオン及び炭酸水素イオンの合計濃度が1.0mol/L以上である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]
骨材を含む原料粉末に対して中和処理することによって、粉体を得る工程をさらに含む、[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]
骨材の粗粒率は、2.00以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
第二の溶液は、水を含む溶媒に、セメント工場の排ガスから回収された二酸化炭素を添加することを含む方法によって作製される、[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
海水から第一の溶液を作製する工程をさらに含む、[1]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
他の特許を見る