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公開番号
2024139726
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-09
出願番号
2024041158
出願日
2024-03-15
発明の名称
新規飼料添加用乳酸菌
出願人
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
,
広島県
,
雪印種苗株式会社
代理人
弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類
C12N
1/20 20060101AFI20241002BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】ラクトバチルス・ブクネリIWT192株(NITE P-01268)よりも、更なる低温増殖性能、低温発酵性に優れ、発酵安定化に必要なpHの低下を迅速に進めることができる、新規飼料添加用乳酸菌を提供すること。
【解決手段】低温増殖性能を有する乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタス。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
低温増殖性能を有する乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタス。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
酸性領域における増殖性能を有する、請求項1に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタス。
【請求項3】
酵母に対する生育阻害性能を有する、請求項1に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタス。
【請求項4】
ペディオコッカス・イノピナタスIWT669株(NITE P-03828)、ペディオコッカス・イノピナタスIWT685株(NITE P-03829)、ペディオコッカス・イノピナタスIWT687株(NITE P-03830)からなる群より少なくとも1つ選択される、請求項1に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタス。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタスを含有する飼料。
【請求項6】
請求項1~4の何れか1項に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタスを含有する発酵飼料。
【請求項7】
請求項1~4の何れか1項に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタスを含有する飼料調製用添加剤。
【請求項8】
請求項1~4の何れか1項に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタスを含有する発酵飼料調製用添加剤。
【請求項9】
請求項1に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタスと発酵飼料材料を用いることを特徴とする発酵飼料の調製方法。
【請求項10】
前記発酵飼料材料が飼料用イネである、請求項9に記載の発酵飼料の調製方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温増殖性能や酸性領域における増殖性能や酵母に対する生育阻害性能を有する乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタス、新規乳酸菌株、それを含有する飼料、サイレージ、飼料調製用添加剤または発酵飼料調製用添加剤、および当該添加剤を用いる発酵飼料の調製方法に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
我が国の畜産は輸入飼料への依存度が高いため、近年の不安定な世界情勢によって大きな影響を受けており、畜産物を安定供給するためには、飼料自給率のさらなる向上が大きな課題となっている。そこで国産のイネや飼料用米を用いた発酵飼料の研究開発がすすめられ、畜産の現場でも利用されている。
また、国産発酵飼料や地域食品製造副産物等を活用した完全混合飼料(Total Mixed Ration、以下「TMR」という。)の利用促進が図られており、寒冷地や寒冷期においても高品質な発酵飼料を、安定して貯蔵できる技術が求められている。さらに、これらの安定貯蔵技術は、国外の飼料生産現場でも要望されている。
【0003】
サイレージは、嫌気条件下で乳酸菌の力を巧妙に利用して調製される家畜の貯蔵飼料である。乳酸菌はその発酵品質のみならず、栄養価値や反芻家畜の生理代謝に影響を及ぼす決め手となるが、サイレージ材料の草に共生する酪酸菌、好気性細菌、カビおよび酵母などの微生物は、乳酸菌の発酵を競合的に阻害し、サイレージの品質の劣化や栄養損失を招く原因となる。例えば、特許文献1には、乳酸生成能が高く、好気性細菌及び酪酸菌等の増殖を抑制することができるサイレージ調製用乳酸菌が開示されている。
寒冷期や寒冷・高標地域において調製されたサイレージおよび発酵TMRは、乳酸発酵が緩慢で低乳酸高pH型となる場合が多く、貯蔵中に酪酸菌、大腸菌群およびカビ等の有害微生物が増殖し、栄養成分の低下、カビ毒などの有害物質による家畜の生産性低下、および衛生管理面などから解決すべき重要な課題となっている。
牧草を円柱状に成形しラップして調製するロールベールサイレージは、その開封後、フレッシュTMRや発酵TMRとして二次利用する場合や、小規模畜産農家において、給与までに一定期間好気条件下で管理せざるを得ない場合も多いことから、開封後の二次発酵による変敗防止の技術への要望が高い。特に、近年開発された高糖分含量飼料用イネ「たちすずか」・「つきすずか」・「つきことか」については、晩生や極晩生のため寒冷地などでは収穫適期には低温環境であることから、乳酸発酵が緩慢となる場合が知られており、カビ発生や二次発酵の原因微生物の1つと考えられる酵母の増殖が顕著となる問題が生じている。
【0004】
本発明者らは、これらの課題に対して、飼料添加用乳酸菌として活用できる乳酸菌を見出し、ラクトバチルス・ブクネリ(Lactobacillus buchneri、属変更に伴い現在は、レンチラクトバチルス・ブクネリ:Lentilactobacillus buchneri)IWT192株(NITE P-01268)として報告している(特許文献2)。
この乳酸菌は、低温増殖性能、低温発酵性に優れ、乳酸と酢酸を多く産生するという特徴があり、酢酸を産生することによって飼料の変敗の原因となる酵母レベルを抑制することができる。しかし、一方で酢酸は弱酸であるため、発酵を安定化させるのに必要なpHの低下が思うように進まない傾向があった。
また低温発酵性に優れるとはいえ、冬場などの寒冷期における発酵遅延の発生があるほか、夏場における高水分の材料を原料とするサイレージ調製に、発酵不良が生じる事例も確認されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-196860号公報
特許第6762535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明では、本発明者が先に報告した上記のラクトバチルス・ブクネリIWT192株(NITE P-01268)よりも、更なる低温増殖性能、低温発酵性に優れ、発酵安定化に必要なpHの低下を迅速に進めることができる、新規飼料添加用乳酸菌の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、飼料調製用優良乳酸菌のスクリーニングの中から、低温増殖性能、低温発酵性、酸性領域における増殖性能や酵母に対する生育阻害性能に優れた乳酸菌株を見出し、上記課題を解決するに至ったものである。
【0008】
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.低温増殖性能を有する乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタス。
2.酸性領域における増殖性能を有する、1.に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタス。
3.酵母に対する生育阻害性能を有する、1.に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタス。
4.ペディオコッカス・イノピナタスIWT669株(NITE P-03828)、ペディオコッカス・イノピナタスIWT685株(NITE P-03829)、ペディオコッカス・イノピナタスIWT687株(NITE P-03830)からなる群より少なくとも1つ選択される、1.に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタス。
5.1.~4.の何れか1項に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタスを含有する飼料。
6.1.~4.の何れか1項に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタスを含有する発酵飼料。
7.1.~4.の何れか1項に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタスを含有する飼料調製用添加剤。
8.1.~4.の何れか1項に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタスを含有する発酵飼料調製用添加剤。
9.1.に記載の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタスと発酵飼料材料を用いることを特徴とする発酵飼料の調製方法。
10.前記発酵飼料材料が飼料用イネである、9.に記載の発酵飼料の調製方法。
11.ペディオコッカス・イノピナタスIWT669株(NITE P-03828)、ペディオコッカス・イノピナタスIWT685株(NITE P-03829)、ペディオコッカス・イノピナタスIWT687株(NITE P-03830)からなる群より少なくとも1つ選択される、乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタス。
【発明の効果】
【0009】
本発明の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタスは、4℃環境下において分離・選抜された特徴ある菌株であり、低温増殖性能に優れる。これにより、低温環境下においても乳酸や酢酸等の有機酸産生増加による発酵促進効果が得られ、良質な畜産飼料を生産することが可能となる。
また、本発明の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタスは、酸性領域における増殖性能を有するため、乳酸や酢酸などの有機酸蓄積に伴う飼料の酸性化を経ても増殖が抑制され難いことから、良質なサイレージの指標であるpH4.2以下に飼料のpHを速やかに低下させ、飼料の安定貯蔵を可能とする。
さらに、本発明の乳酸菌ペディオコッカス・イノピナタスは、飼料栄養価の品質保持能力が高いので、牛等の家畜の摂取量が安定化し健康を維持することができる。さらに、サイレージ等の発酵飼料を開封し好気下においた時の二次発酵や、飼料として供給後に生じるTMRの二次発酵等、飼料の二次発酵やカビの発生も抑制できるので、家畜の飼養ならびに衛生管理に大きく寄与するという新たな効果も得られるため有用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例2における基準株JCM12518
T
、乳酸菌IWT192株、新規乳酸菌IWT669株、IWT685株、IWT687株の1℃における低温増殖性能を示す図である。
実施例2における基準株JCM12518
T
、乳酸菌IWT192株、新規乳酸菌IWT669株、IWT685株、IWT687株の4℃における低温増殖性能を示す図である。
実施例2における基準株JCM12518
T
、乳酸菌IWT192株、新規乳酸菌IWT669株、IWT685株、IWT687株の10℃における低温増殖性能を示す図である。
実施例4における基準株JCM12518
T
と新規乳酸菌IWT669株、IWT685株、IWT687株のpH5.0での増殖性能を示す図である。
実施例4における基準株JCM12518
T
と新規乳酸菌IWT669株、IWT685株、IWT687株のpH4.5での増殖性能を示す図である。
実施例4における基準株JCM12518
T
と新規乳酸菌IWT669株、IWT685株、IWT687株のpH4.0での増殖性能を示す図である。
実施例4における基準株JCM12518
T
と新規乳酸菌IWT669株、IWT685株、IWT687株のpH3.9での増殖性能を示す図である。
実施例6における20℃の温度条件下で28日間貯蔵し、開封した後の発酵TMR品温の変化を示す図である。
実施例6における5℃の温度条件下で28日間貯蔵し、開封した後の発酵TMR品温の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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