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公開番号
2024137736
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-07
出願番号
2024020581
出願日
2024-02-14
発明の名称
鋼及び軟窒化部品
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20240927BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】冷間鍛造性に優れ、且つ、軟窒化後の疲労強度に優れた鋼及びこれから形成された軟窒化部品を提供する。
【解決手段】C:0.02質量%以上0.15質量%未満、Si:0.03質量%以上0.15質量%以下、Mn:0.10質量%以上0.95質量%以下、Cr:0.50質量%以上1.90質量%以下、P:0.1質量%以下、S:0.5質量%以下、Al:0.005質量%以上0.080質量%以下、N:0.0010質量%以上0.0120質量%以下、V:0.03質量%以上0.30質量%以下及びCu:0.2質量%以上1.5質量%以下を含み、残部がFe及び不純物からなる鋼。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
C:0.02質量%以上0.15質量%未満、
Si:0.03質量%以上0.15質量%以下、
Mn:0.10質量%以上0.95質量%以下、
Cr:0.50質量%以上1.90質量%以下、
P:0.1質量%以下、
S:0.5質量%以下、
Al:0.005質量%以上0.080質量%以下、
N:0.0010質量%以上0.0120質量%以下、
V:0.03質量%以上0.30質量%以下及び
Cu:0.2質量%以上1.5質量%以下を含み、
残部がFe及び不純物からなる成分組成を有する鋼。
続きを表示(約 510 文字)
【請求項2】
前記成分組成が、更に、
Ni:1.5質量%以下、
Mo:1.0質量%以下、
B:0.01質量%以下、
Ti:0.1質量%以下、
Nb:0.1質量%以下、
Sn:0.1質量%以下、
Sb:0.1質量%以下、
Se:0.3質量%以下、
Ca:0.1質量%以下、
Pb:0.3質量%以下及び
Bi:0.3質量%以下
からなる群より選択される1種以上を含む、請求項1記載の鋼。
【請求項3】
前記成分組成がCu:0.41質量%以上1.5質量%以下を含む、請求項1又は2に記載の鋼。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の鋼で形成されており、
表面から深さ0.2mmの転位密度が1.5×10
14
(m
-2
)以上である軟窒化部品。
【請求項5】
請求項3に記載の鋼で形成されており、
表面から深さ0.2mmの転位密度が1.5×10
14
(m
-2
)以上である軟窒化部品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼及び軟窒化部品に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
冷間鍛造はニアネットシェイプ成形が可能なため、熱間鍛造と比較して鍛造後の切削量を低減でき歩留まり低下を抑制可能な利点がある。また、軟窒化は浸炭焼入れ等と比較して熱処理ひずみの発生を軽減しつつ鋼部品の疲労特性を向上させる熱処理であり、自動車用の歯車などの各種工業部品に適用されている。
【0003】
特許文献1には、冷間加工性に優れた機械構造用鋼、および、その機械構造用鋼の製造方法、並びに、機械構造用鋼を用いた加工部品製造方法が開示されている。この機械構造用鋼は、C:0.005~0.06質量%、Si:0.01~0.1質量%、Mn:1.0超~3.0質量%、P:0.05質量%以下、S:0.005~0.05質量%、Cr:0.3~3.0質量%、Al:0.005~0.1質量%、N:0.008~0.02質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物から成る組成を有し、N固溶量は0.008~0.02質量%であり、組織中のセメンタイト相分率が2%以下で、残部がフェライト相であり、前記フェライト相の平均結晶粒径が10~100μmであることを特徴とする。この機械構造用鋼は、Mnを所定量含有することで、Mnの脱硫作用によりMnがSと結合して、鋼材の変形能が向上するとともに、固溶Nによる時効強化分の熱軟化が抑制されている。
【0004】
特許文献2には、冷間鍛造性に優れた高強度軟窒化用鋼が開示されている。この軟窒化用鋼は、合金元素の含有率が質量%で、C:0.01%以下(0%含む)、Si:0.01%~1.5%、Mn:0.15%~2%、Cu:0.5%~2%を含有し、N:0.005%未満に制限し、残部がFeおよび不可避的な不純物元素からなり、熱間圧延まままたは熱間鍛造ままの硬さがHV150以下である。この高強度軟窒化用鋼では、フェライト中にCuを析出させることにより優れた析出硬化が得られ、軟窒化処理後において高い疲労強度が得られるとされている。また、この高強度軟窒化用鋼では、Cの添加量を0.01質量%以下とすることで、冷間鍛造性を向上させている。
【0005】
特許文献3には、軟窒化用鋼材の製造方法及びその鋼材を用いた軟窒化部品が開示されている。この軟窒化用鋼材の製造方法では、重量%で、C:0.15~0.45%、Si:0.05~0.50%、Mn:0.2~2.5%、Cu:0.5~1.5%、Ni:0.25~0.75%で、且つ1.8≦Cu/Ni≦2.2、Cr:0.5~2.0%、V:0.05~0.5%、Al:0.01~0.3%、Mo:0~0.3%、S:0~0.13%、Pb:0~0.35%、Ca:0~0.01%、残部はFe及び不可避不純物の化学組成からなる鋼を、熱間加工後に球状化焼鈍して硬度をHv180以下となし、次いで冷間加工して硬度をHv250以上としている。この軟窒化部品は、上記軟窒化用鋼材を素材とし、軟窒化後の表面硬度がHv600以上、且つ、有効硬化深さが0.1mm以上である。この軟窒化部品では、CuとNiの複合添加により軟窒化処理に際し析出硬化するCuの作用の発現を顕著としている。
【0006】
特許文献4には、軟窒化用鋼材の製造方法及びその鋼材を用いた軟窒化部品が開示されている。この軟窒化用鋼材の製造方法では、重量%で、C:0.15~0.45%、Si:0.05~0.50%、Mn:0.2~2.5%、Cu:0.5~1.5%、Ni:0.25~0.75%で、且つ、1.8≦Cu/Ni≦2.2、Cr:0.5~2.0%、V:0.05~0.5%、Al:0.005~0.3%、Mo+0.5W:0~0.3%、Ti:0~0.2%、Zr:0~0.2%、Nb:0~0.2%、Pb:0~0.35%、Ca:0~0.01%、S:0.13%以下、残部はFe及び不可避不純物の化学組成からなる鋼を熱間加工後に球状化焼鈍して芯部硬度をHv180以下とし、次いで冷間加工して芯部硬度をHv250以上とするとともに、脱炭深さを鋼材の表面から0.1~0.4mmにする。この軟窒化部品は、上記軟窒化用鋼材を素材とし、軟窒化後の表面硬度がHv600以上、且つ、有効硬化深さが0.2mm以上である。この軟窒化部品でも、CuとNiの複合添加により軟窒化処理に際し析出硬化するCuの作用の発現を顕著としている。
【0007】
非特許文献1には、X線回折ピークの半価幅から格子の不均一変形に起因した格子ひずみを求めて転位密度を見積もる手法(いわゆる、Williamson-Hall法)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2011-236449号公報
特開2002-69571号公報
特開平9-256045号公報
特開平10-226818号公報
【非特許文献】
【0009】
G. K. Williamson and W. H. Hall, “X-ray Line Broadening from Filed Aluminium and Wolfram,” Acta Metall., Vol. 1, 1953, pp. 22-31.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
冷間鍛造により部品を製造できれば、熱間鍛造による部品の製造よりも低コスト化を実現できる。また、冷間鍛造前の軟化焼鈍を省略したり、ネットシェイプ成形により冷間鍛造後の切削を省略したりすることができれば、更なる低コスト化を実現できる。
(【0011】以降は省略されています)
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