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公開番号
2024143070
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023055555
出願日
2023-03-30
発明の名称
硫化水素ガス減圧脱気槽
出願人
住友金属鉱山株式会社
代理人
個人
主分類
C22B
23/00 20060101AFI20241003BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】 硫化水素ガスフローの配管で発生していたエロージョンによる穴あきリスクを低減させることが可能な構造を有する脱気槽の提供。
【解決手段】 ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスにおける硫化工程に設置される減圧脱気槽であって、前記減圧脱気槽が、硫化工程で生成された硫化物スラリーを脱気処理により気液分離し、気相の硫化水素ガスと固液成分のスラリーを得て、前記硫化水素ガスの回収を行う装置で、前記減圧脱気槽の槽内の硫化物スラリー流入部の上方に、頂点を上部に配置した円錐状のバッフルおよびドーナツ状バッフルが配置され、上部に前記円錐状のバッフル、下部に少なくとも1基のドーナツ状のバッフルからなる組み合わせの少なくとも1組以上が、配置されていることを特徴とする硫化水素ガス減圧脱気槽。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスにおける硫化工程に設置される減圧脱気槽であって、
前記減圧脱気槽が、硫化工程で生成された硫化物スラリーを脱気処理により気液分離し、気相の硫化水素ガスと固液成分のスラリーを得て、前記硫化水素ガスの回収を行う装置で、
前記減圧脱気槽の槽内の硫化物スラリー流入部の上方に、頂点を上部に配置した円錐状のバッフルおよびドーナツ状バッフルが配置され、上部に前記円錐状のバッフル、下部に少なくとも1基のドーナツ状バッフルからなる組み合わせの少なくとも1組以上が、配置されていることを特徴とする硫化水素ガス減圧脱気槽。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
ニッケルの湿式製錬分野における製造装置に関し、詳細にはニッケル酸化鉱石からニッケルを回収する高温加圧硫酸浸出に基づく湿式製錬プロセスにおける、硫化反応後のニッケル硫化物スラリー中に含まれる溶存硫化水素を脱気する脱気槽の構造に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
ニッケル酸化鉱石の湿式製錬においては、高温高圧条件下で硫酸により浸出処理を施すHPAL(High Pressure Acid Leaching)法とも称される高圧酸浸出法が知られている。この高圧酸浸出法は、原料のニッケル酸化鉱石に対して還元処理や乾燥処理を施す乾式製錬法とは異なり、ほぼ全工程に亘って湿式で処理を行なうのでエネルギー的及びコスト的に有利な処理法である。
また、比較的低品位のニッケル酸化鉱石原料からニッケル品位が50~60質量%程度まで高められたニッケル及びコバルトを含む混合硫化物(ニッケルコバルト混合硫化物とも称する)を生成できるという利点も有している。
【0003】
上記の高圧酸浸出法は、原料のニッケル酸化鉱石に水を加えて調製した鉱石スラリーに硫酸を添加して高温高圧下で浸出処理を行なう浸出工程と、該浸出工程で生成される浸出スラリーから浸出残渣を分離除去してニッケル及びコバルトを含む浸出液を得る固液分離工程と、該浸出液に中和剤を添加して該浸出液に含まれる不純物を中和澱物として分離除去して中和終液を得る中和工程と、該中和終液に硫化剤を添加してニッケル及びコバルトをそれらの混合硫化物として回収するニッケル回収工程とから一般的に構成される。
【0004】
上記のニッケル回収工程のなかの硫化工程においては、硫化剤として硫化水素ガスを吹き込んでニッケルコバルト混合硫化物を得ており、硫化工程から産出するスラリーには、反応に使われなかった硫化水素ガスが溶存している。
一般に硫化水素ガスは有毒物質であることから、スラリーの取り扱いを容易にするため、特許文献1や特許文献2では硫化工程を終える段階でスラリー中に含まれる硫化水素を脱気・回収する設備が備えられている。その設備は、一般に特許文献3に示すような気液分離器が知られているが、サイクロンを用いているため気体をしっかりと分離できる一方、サイクロンで加速された粒子が気液分離器の摩耗を生じる。硫化工程から産出するスラリーは固体粒子としてニッケルコバルト混合硫化物を大量に含有していることから摩耗を特に起こしやすく、サイクロンを使わずに邪魔板を最大限に活用するといった工夫をするのが妥当である。
【0005】
しかしながら、一般的な減圧脱気槽(図1参照)では、その操業条件を大気圧以下の環境下にすることで、上記のように硫化物スラリーに溶存する硫化水素を気相部へ移動させ気液分離しているが、脱気された硫化水素ガスに硫化物スラリーの固体分および液体分が同伴されることがある。
この同伴により、硫化水素ガスのみが流れるべき配管内に、ごく少量ではあるが硫化物スラリーが混入することになり、スラリー液滴の衝突に伴う配管のエロージョンによる穴あきが発生するリスクが高まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-132945号公報
特開2022-098258号公報
特開2008-036503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、硫化水素ガスフローの配管で発生していたエロージョンによる穴あきリスクを低減させることが可能な構造を有する脱気槽の提供を図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために、当該脱気槽へのスラリー流入部の上方に、笠状のバッフルおよびドーナツ状バッフルを設けることで、それらのバッフルでスラリーから脱気された硫化水素ガスに同伴する液体・固体分をトラップして硫化水素ガスフロー内に、液体及び固体成分が流入するのを防ぐことができると考え、鋭意研究開発を進めた結果、図1に示すような減圧脱気槽100および真空ポンプ(図示せず)で構成されている基礎的な減圧脱気槽構成形態を見出した。
【0009】
図1において、符号100は本発明の基礎となる減圧脱気槽、符号100aは槽体、符号101は硫化物スラリー流入挿入管、符号101aは硫化物スラリー流入口、符号112は頂点を上部に配した円錐状のバッフル(笠状のバッフルとも称す)であり、スラリー流入口101aから排出された硫化物スラリーをバッフル面で受け、気液分離を行い、気体成分の硫化水素ガスを槽体100aの上部にあるガス排出口114から外部に除去し、液体(スラリー)成分はバッフル面を流下し、槽体100aの下部にあるスラリー排出口115から外部に除去される。
【0010】
符号113はドーナツ状のバッフルで、鉛直線下向きに斜度を設けた、側面のみからなる逆円錐台状のバッフルであり、槽体100aの内面に配置され、上方の笠状のバッフルで気液分離された液体成分を、そのドーナツ状のバッフル面に受け、再度気液分離を行い、硫化水素ガス成分から液体成分を更に取り除いた硫化水素ガスを排出口114から外部に除去すると共に、その残滓の液体成分を下方に流下させ、硫化物スラリー排出口115から外部に除去する。
上記のようにして外部に除去される硫化水素ガスからは、固液成分が除去され、固液成分を極力含まない硫化水素ガスを外部へ除去することが出来る。
更に、その硫化水素ガス成分からの固液成分の除去を目指して研究開発を進めた結果、図2に示すような本発明の完成に至った。
(【0011】以降は省略されています)
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