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公開番号2024179632
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023098623
出願日2023-06-15
発明の名称有価金属の製造方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類C22B 7/00 20060101AFI20241219BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】廃リチウムイオン電池を含む原料から乾式製錬プロセスにより有価金属を回収して製造する方法において、スラグに含まれるようになったメタルを効率よく分離回収する技術を提供すること。
【解決手段】本発明は、廃リチウムイオン電池を含む原料からの有価金属の製造方法であって、原料を熔融炉内に装入しその原料に対して還元熔融処理を施してスラグと有価金属を含むメタルとを含む還元物を得る還元熔融工程と、還元物からスラグを分離するスラグ分離工程と、分離されたスラグを粉砕するスラグ粉砕工程と、粉砕後のスラグを所定の目開きの篩を用いて篩別する篩別工程と、を有し、篩別工程では、側面にマグネットシートが設けられた篩を用いてスラグを篩別する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
廃リチウムイオン電池を含む原料からの有価金属の製造方法であって、
前記原料を熔融炉内に装入し、該原料に対して還元熔融処理を施して、スラグと前記有価金属を含むメタルとを含む還元物を得る還元熔融工程と、
前記還元物からスラグを分離するスラグ分離工程と、
分離されたスラグを粉砕するスラグ粉砕工程と、
粉砕後のスラグを所定の目開きの篩を用いて篩別する篩別工程と、を有し、
前記篩別工程では、側面にマグネットシートが設けられた篩を用いてスラグを篩別する、
有価金属の製造方法。
続きを表示(約 260 文字)【請求項2】
前記還元熔融工程では、前記還元熔融処理を施すことによって前記原料に誘導電流を生じさせ、前記有価金属を含むメタル粒を生成させる、
請求項1に記載の有価金属の製造方法。
【請求項3】
前記篩別工程では、生成する前記メタル粒の粒径よりも小さい目開きの篩を用いてスラグを篩別する、
請求項2に記載の有価金属の製造方法。
【請求項4】
前記マグネットシートは、ネオジウムマグネットシートである、
請求項1乃至3のいずれかに記載の有価金属の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃リチウムイオン電池からの有価金属の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、軽量で大出力の二次電池としてリチウムイオン電池が普及している。よく知られているリチウムイオン電池は、外装缶内に、負極材と、正極材と、セパレータと、電解液とを封入した構造を有している。例えば、外装缶は、アルミニウム(Al)や鉄(Fe)等の金属から構成される。また、負極材は、負極集電体(銅箔等)に固着させた負極活物質(黒鉛等)から構成され、正極材は、正極集電体(アルミニウム箔等)に固着させた正極活物質(ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等)から構成される。また、セパレータは、ポリプロピレンの多孔質樹脂フィルム等から構成され、電解液は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF

)等の電解質を含んで構成される。
【0003】
リチウムイオン電池の主要な用途の一つにハイブリッド自動車や電気自動車があり、自動車のライフサイクルと共に、搭載されたリチウムイオン電池も将来大量に廃棄される見込みとなっている。また、製造中に不良品として廃棄されるリチウムイオン電池もある。このような使用済み電池や製造中に生じた不良品の電池(以下、「廃リチウムイオン電池」ともいう)を資源として再利用することが求められている。
【0004】
再利用の手法として、従来、廃リチウムイオン電池を高温炉(熔融炉)で全量熔解する乾式製錬プロセスが提案されている。具体的に、乾式製錬プロセスは、破砕した廃リチウムイオン電池を熔融処理し、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)に代表される回収対象である有価金属と、鉄(Fe)やアルミニウム(Al)に代表される付加価値の低い金属とを、それらの間の酸素親和力の差を利用して分離回収する手法である。この手法は、付加価値の低い金属を極力酸化してスラグにする一方で、有価金属はその酸化を極力抑制し合金として回収するというものである。
【0005】
しかしながら、熔融処理により生成するスラグ中には、若干ではあるが、メタルの形態で有価金属が含まれることがある。スラグに含まれるメタルは、そのスラグから分離しなければ回収ロスとなる。したがって、乾式製錬プロセスにより廃リチウムイオン電池を熔融処理した際に得られるスラグに含まれるようになったメタルを、効率よく分離して回収し、メタルの回収率をより向上させる技術が求められている。
【0006】
例えば特許文献1には、酸化鉄含有物質及び炭材を含む塊成物を加熱して金属鉄含有焼結体を製造し、得られた金属鉄含有焼結体を粉砕し、スラグを除去して金属鉄を製造するにあたり、金属鉄とスラグに分離するときの分離性を高め、効率よく金属鉄とスラグに分離できる金属鉄の製造方法が開示されている。ところが、特許文献1には、廃リチウムイオン電池を熔融処理した際に得られるメタルとスラグからスラグを分離し、分離したスラグに若干含まれるメタル粒を回収する技術については、開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2014-214330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、廃リチウムイオン電池を含む原料から乾式製錬プロセスにより有価金属を回収して製造する方法において、スラグに含まれるようになったメタルを効率よく分離回収する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、廃リチウムイオン電池を含む原料を還元熔融して得られる、僅かにメタルを含むスラグを粉砕し、その後、マグネットシートが側面に設けられた所定の目開きの篩を用いて篩別処理することで、スラグに含まれていたメタルを効率よく分離回収できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
(1)本発明における第1の発明は、廃リチウムイオン電池を含む原料からの有価金属の製造方法であって、前記原料を熔融炉内に装入し、該原料に対して還元熔融処理を施して、スラグと前記有価金属を含むメタルとを含む還元物を得る還元熔融工程と、前記還元物からスラグを分離するスラグ分離工程と、分離されたスラグを粉砕するスラグ粉砕工程と、粉砕後のスラグを所定の目開きの篩を用いて篩別する篩別工程と、を有し、前記篩別工程では、側面にマグネットシートが設けられた篩を用いてスラグを篩別する、有価金属の製造方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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