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公開番号2024135084
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023045599
出願日2023-03-22
発明の名称回路基板の製造方法
出願人味の素株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類H05K 3/46 20060101AFI20240927BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】無機充填材含有量の高い厚さ15μm以下の樹脂組成物層を用いて絶縁層を形成する場合であっても、導体層との密着性が良好な絶縁層を備えた回路基板もたらすことができる新規な技術を提供する。
【解決手段】(I)支持体と、該支持体上に設けられた、無機充填材含有量が60質量%以上であり且つ厚さが15μm以下である樹脂組成物層とを備える樹脂シートを、樹脂組成物層が基材と接合するように、該基材に積層する工程、
(II)樹脂組成物層を熱硬化させて絶縁層を形成する工程、及び
(III)支持体を剥離する工程、
をこの順で含む、回路基板の製造方法であって、
JIS K7129に準拠した方法にて温度40℃、相対湿度差90%の条件下で測定された支持体の水蒸気透過度から算出される支持体の水蒸気透過係数が、0.5g/m2・mm-1・24h以下であり、
工程(II)において、樹脂組成物層を、温度T1にて保持する加熱処理に付した後、温度T1より高い温度T2にて保持する加熱処理に付す、方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(I)支持体と、該支持体上に設けられた、無機充填材含有量が60質量%以上であり且つ厚さが15μm以下である樹脂組成物層とを備える樹脂シートを、樹脂組成物層が基材と接合するように、該基材に積層する工程、
(II)樹脂組成物層を熱硬化させて絶縁層を形成する工程、及び
(III)支持体を剥離する工程、
をこの順で含む、回路基板の製造方法であって、
JIS K7129に準拠した方法にて温度40℃、相対湿度差90%の条件下で測定された支持体の水蒸気透過度から算出される支持体の水蒸気透過係数が、0.5g/m

・mm
-1
・24h以下であり、
工程(II)において、樹脂組成物層を、温度T1にて保持する加熱処理に付した後、温度T1より高い温度T2にて保持する加熱処理に付す、方法。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
温度T2が150℃以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
温度T1と温度T2の差T2-T1が20℃以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
温度T1が50℃以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程(II)において、樹脂組成物層を、0.5℃/分以上30℃/分以下の昇温速度で温度T2まで昇温する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
樹脂組成物層が熱硬化性樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
樹脂組成物層が活性エステル系硬化剤、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤からなる群から選択される1種以上の硬化剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
絶縁層にレーザーでビアホールを形成する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
絶縁層の表面に導体層を形成する工程をさらに含む、請求項1~8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
絶縁層と導体層とのピール強度が0.3kgf/cm以上である、請求項9に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
熱硬化性樹脂とその硬化剤を含む樹脂組成物は、絶縁性、耐熱性、密着性などに優れる硬化物をもたらすことから、プリント配線板や半導体パッケージの再配線基板などの回路基板の絶縁材料として広く使われてきた。
【0003】
他方、近年の通信の高速化に伴い、回路基板の絶縁材料には、高周波環境で作動させる際の伝送損失を低減すべく、誘電特性(低誘電正接)に優れる絶縁材料が必要とされている。また、回路基板における絶縁層と導体層との熱膨張の差によるクラックや回路歪みの発生を抑制すべく、あるいは、ウェハレベルパッケージ(WLP)やパネルレベルパッケージ(PLP)といった回路基板の製造において大面積の絶縁層を形成する場合に反りの発生を抑制すべく、低熱膨張率を呈する絶縁材料が必要とされている。良好な誘電特性を呈すると共に低熱膨張率を呈する絶縁材料としては、シリカ粒子等の無機充填材を高配合した樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-93188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回路基板の製造技術として、絶縁層と導体層(回路層)を交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が知られている。ビルドアップ方式による製造方法においては、一般に、樹脂シート等を用いて樹脂組成物層を基材に積層し、該樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する。その後、絶縁層を粗化処理(デスミア処理)し、めっき工程に付して導体層を設け配線パターンを形成する。
【0006】
本発明者らは、良好な誘電特性や低熱膨張率を達成すべく無機充填材含有量の高い樹脂組成物を用いて絶縁層を形成する場合において、回路基板の低背化のために薄型の樹脂組成物層を用いると、絶縁層と導体層との密着性が十分に得られない場合のあることを見出した。とりわけ厚さが15μm以下の薄型の樹脂組成物層において無機充填材を高配合すると、絶縁層と導体層との密着性の悪化が顕著となることを確認した。
【0007】
本発明は、無機充填材含有量の高い厚さ15μm以下の樹脂組成物層を用いて絶縁層を形成する場合であっても、導体層との密着性が良好な絶縁層を備えた回路基板もたらすことができる新規な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の課題につき鋭意検討した結果、下記構成を有する回路基板の製造方法によれば上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
<1>
(I)支持体と、該支持体上に設けられた、無機充填材含有量が60質量%以上であり且つ厚さが15μm以下である樹脂組成物層とを備える樹脂シートを、樹脂組成物層が基材と接合するように、該基材に積層する工程、
(II)樹脂組成物層を熱硬化させて絶縁層を形成する工程、及び
(III)支持体を剥離する工程、
をこの順で含む、回路基板の製造方法であって、
JIS K7129に準拠した方法にて温度40℃、相対湿度差90%の条件下で測定された支持体の水蒸気透過度から算出される支持体の水蒸気透過係数が、0.5g/m

・mm
-1
・24h以下であり、
工程(II)において、樹脂組成物層を、温度T1にて保持する加熱処理に付した後、温度T1より高い温度T2にて保持する加熱処理に付す、方法。
<2>
温度T2が150℃以上である、<1>に記載の方法。
<3>
温度T1と温度T2の差T2-T1が20℃以上である、<1>又は<2>に記載の方法。
<4>
温度T1が50℃以上である、<1>~<3>の何れかに記載の方法。
<5>
工程(II)において、樹脂組成物層を、0.5℃/分以上30℃/分以下の昇温速度で温度T2まで昇温する、<1>~<4>の何れかに記載の方法。
<6>
樹脂組成物層が熱硬化性樹脂を含む、<1>~<5>の何れかに記載の方法。
<7>
樹脂組成物層が活性エステル系硬化剤、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤からなる群から選択される1種以上の硬化剤を含む、<1>~<6>の何れかに記載の方法。
<8>
絶縁層にレーザーでビアホールを形成する工程をさらに含む、<1>~<7>の何れかに記載の方法。
<9>
絶縁層の表面に導体層を形成する工程をさらに含む、<1>~<8>の何れかに記載の方法。
<10>
絶縁層と導体層とのピール強度が0.3kgf/cm以上である、<9>に記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、無機充填材含有量の高い厚さ15μm以下の樹脂組成物層を用いて絶縁層を形成する場合であっても、導体層との密着性が良好な絶縁層を備えた回路基板をもたらすことができる新規な技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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