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公開番号2024134812
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023045196
出願日2023-03-22
発明の名称変速機の制御装置
出願人ダイハツ工業株式会社
代理人個人
主分類F16H 61/02 20060101AFI20240927BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】アクセル開度が高開度である状態に限定されることなく、モードの切り替えに伴うショックを抑制可能な状況においてモード切替処理を実行可能とする制御装置の提供を目的とした。
【解決手段】ECUは、ベルト変速機構33を有し、スプリットモードからベルトモードへとモード切替を行う際に、入力軸回転数の目標変化率と、非スプリット点モード切替処理においてクラッチC1の解放及びクラッチC2の係合に要する切替時間と、に基づいて導出される増加予測回転数と、ベルト45モードへの切り替え後における目標入力軸回転数と、ベルトモードへの切り替え時における入力軸回転数である切替時入力軸回転数との差に基づいて導出される差回転数と、を導出し、増加予測回転数が差回転数よりも小さいことを条件として、非スプリット点モード切替処理の実行を許可する判定を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
入力軸と出力軸との間の第一動力伝達経路上に介在される第一係合要素と、前記入力軸と前記出力軸との間の第二動力伝達経路に介在される第二係合要素とを備え、前記第二動力伝達経路上にベルト変速機構を有し、前記第一係合要素の解放および前記第二係合要素の係合により、前記ベルト変速機構によるプーリ比が大きいほど前記入力軸と前記出力軸との間でのトータル変速比が大きくなる第一モードとなり、前記第一係合要素の係合および前記第二係合要素の解放により、前記プーリ比が大きいほど前記トータル変速比が小さくなる第二モードとなり、前記トータル変速比が所定のスプリット変速比であるときに、前記第一係合要素および前記第二係合要素に差回転が生じないように構成された無段変速機を制御する制御装置であって、
前記トータル変速比の目標を目標トータル変速比として設定する目標トータル変速比設定部と、
前記目標トータル変速比設定部により設定される目標トータル変速比に基づいて、前記プーリ比を変更するプーリ比変更部と、
前記第二モードで前記目標トータル変速比設定部により設定される前記目標トータル変速比が前記スプリット変速比よりも大きいことを条件として、前記トータル変速比が前記スプリット変速比と一致しない状態において、前記第一係合要素を解放させ、前記第二係合要素を係合させることにより前記第二モードから前記第一モードへと切り替える非スプリット点モード切替処理を行う切替制御部と、
前記非スプリット点モード切替処理の実行可否を判定する判定部と、
を有し、
前記判定部が、
入力軸回転数の目標変化率と、前記非スプリット点モード切替処理において前記第一係合要素の解放及び前記第二係合要素の係合に要する時間と、に基づいて導出される増加予測回転数と、
前記第一モードへの切り替え後における目標入力軸回転数と、前記第一モードへの切り替え時における入力軸回転数である切替時入力軸回転数との差に基づいて導出される差回転数と、を導出し、
前記増加予測回転数が前記差回転数よりも小さいことを条件として、前記非スプリット点モード切替処理の実行を許可する判定を行うこと、を特徴とする制御装置。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記切替時入力軸回転数が、前記出力軸の回転数と、前記プーリ比と、に基づいて導出されること、を特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記入力軸に入力される動力を減速させた状態で前記ベルト変速機構に向けて出力する前減速機構を備えており、
前記切替時入力軸回転数が、前記前減速機構における減速比、前記出力軸の回転数、及び前記プーリ比に基づいて導出されること、を特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記増加予測回転数が前記差回転数以下であることを条件として、前記判定部が、前記非スプリット点モード切替処理を禁止する判定を行うこと、を特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記増加予測回転数が前記差回転数より大きいことを条件として、前記トータル変速比が前記スプリット変速比と一致する状態において、前記第一係合要素を解放させ、前記第二係合要素を係合させることにより前記第二モードから前記第一モードへと切り替えるスプリット点モード切替処理を行うこと、を特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機の制御装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
自動車などの車両に搭載される変速機として、動力を無段階に変速するベルト変速機構を備え、入力軸と出力軸との間で動力を2つの経路で分割して伝達可能な動力分割式無段変速機が提案されている。
【0003】
下記特許文献1に開示されている変速機の制御装置は、上述した動力分割式無段変速機において、第二モードであるスプリットモードから第一モードであるベルトモードに遷移するダウンシフトにおける変速ショックの発生を抑制すべく提供されたものである。特許文献1の制御装置は、スプリットモードにおいてトータル変速比の目標が一定値よりも大きい値に設定された場合に、スプリットモードからベルトモードへの切り替え、つまり第一クラッチと第二クラッチとの係合の切り替えを行う。この場合に、特許文献1の制御装置は、キックダウン要求発生時のプーリ比のアップシフト方向への時間変化率が所定の変速閾値以上である場合に、プーリ比がスプリット点に一致しない状態でのクラッチツークラッチ制御の実施を禁止する制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-118278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで本発明者らは、上記特許文献1に開示されているような動力分割式の無段変速機において、アクセル開度が低回度から中開度である状態でスプリットモードからベルトモードに切り替える場合の制御について鋭意検討した。その結果、図6(a)に示すように、第一係合要素及び第二係合要素に差回転が生じない状態までプーリ比を到達させた後に、スプリットモードからベルトモードに切り替えることとすれば、モードの切り替え時に生じるショックが小さくなるものの、モードの切り替えに時間を要してしまい、ユーザーがタイムラグを感じやすいとの知見が得られた。その一方で、アクセル開度が低回度から中開度である状態のように、スプリットモードからベルトモードへの切り替えの前後における差回転が小さい状況において、上述のようなクラッチツークラッチ制御を行うと、目標入力軸回転数を超えてから第二係合要素が係合することになり、モードの切り替えに伴うショックが大きくなるとの知見が得られた。そのため、アクセル開度に基づいてクラッチツークラッチ制御を行うこととした場合には、アクセル開度が高開度であるという限定的な条件下においてクラッチツークラッチ制御を行うこととしなければ、モードの切り替えに伴うショックを抑制することができないという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、アクセル開度が高開度である状態に限定されることなく、モードの切り替えに伴うショックを抑制可能な状況においてクラッチツークラッチ制御によってスプリットモードからベルトモードへのモード切替処理を実行可能とする制御装置の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の制御装置は、入力軸と出力軸との間の第一動力伝達経路上に介在される第一係合要素と、前記入力軸と前記出力軸との間の第二動力伝達経路に介在される第二係合要素とを備え、前記第二動力伝達経路上にベルト変速機構を有し、前記第一係合要素の解放および前記第二係合要素の係合により、前記ベルト変速機構によるプーリ比が大きいほど前記入力軸と前記出力軸との間でのトータル変速比が大きくなる第一モードとなり、前記第一係合要素の係合および前記第二係合要素の解放により、前記プーリ比が大きいほど前記トータル変速比が小さくなる第二モードとなり、前記トータル変速比が所定のスプリット変速比であるときに、前記第一係合要素および前記第二係合要素に差回転が生じないように構成された無段変速機を制御する制御装置であって、前記トータル変速比の目標を目標トータル変速比として設定する目標トータル変速比設定部と、前記目標トータル変速比設定部により設定される目標トータル変速比に基づいて、前記プーリ比を変更するプーリ比変更部と、前記第二モードで前記目標トータル変速比設定部により設定される前記目標トータル変速比が前記スプリット変速比よりも大きいことを条件として、前記トータル変速比が前記スプリット変速比と一致しない状態において、前記第一係合要素を解放させ、前記第二係合要素を係合させることにより前記第二モードから前記第一モードへと切り替える非スプリット点モード切替処理を行う切替制御部と、前記非スプリット点モード切替処理の実行可否を判定する判定部と、を有し、前記判定部が、入力軸回転数の目標変化率と、前記非スプリット点モード切替処理において前記第一係合要素の解放及び前記第二係合要素の係合に要する時間と、に基づいて導出される増加予測回転数と、前記第一モードへの切り替え後における目標入力軸回転数と、前記第一モードへの切り替え時における入力軸回転数である切替時入力軸回転数との差に基づいて導出される差回転数と、を導出し、前記増加予測回転数が前記差回転数よりも小さいことを条件として、前記非スプリット点モード切替処理の実行を許可する判定を行うこと、を特徴とするものである。
【0008】
本発明の制御装置は、トータル変速比がスプリット変速比と一致しない状態において第二モードから第一モードへと切り替える非スプリット点モード切替処理の許否を判定する処理において、入力軸回転数の変化率と、第一係合要素の解放及び第二係合要素の係合に要する時間とに基づいて回転数の増加予測回転数を導出する。また、本発明の制御装置は、第一モードへの切り替え後における目標入力軸回転数と、第一モードへの切り替え時における入力軸回転数(切替時入力軸回転数)との差に基づいて差回転数を導出する。このようにして導出された増加予測回転数が差回転数よりも小さい場合には、非スプリット点モード切替処理を実行しても、ふきあがりが発生せず、第二モードから第一モードへのモード切り替えに伴うショックを最小限に抑制できる。本発明の制御装置は、かかる知見に基づき、増加予測回転数が差回転数よりも小さい場合に、非スプリット点モード切替処理の実行を許可するものとされている。従って、本発明の制御装置は、アクセル開度が高開度である状態に限定されることなく、ショックを抑制可能な状況において非スプリット点モード切替処理によってスプリットモードからベルトモードへの切り替えを実行することができる。
【0009】
(2)本発明の制御装置は、前記切替時入力軸回転数が、前記出力軸の回転数と、前記プーリ比と、に基づいて導出されるものであると良い。
【0010】
本発明の制御装置は、上記(2)のような構成とすることにより、出力軸の回転数、及びプーリ比に基づいて適切に切替時入力軸回転数を導出できる。これにより、本発明の制御装置は、非スプリット点モード切替処理の実行に係る許可判定を適確に行うことができる。
(【0011】以降は省略されています)

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