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公開番号2024134341
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023044594
出願日2023-03-20
発明の名称プレスフィット端子
出願人株式会社オートネットワーク技術研究所,住友電装株式会社,住友電気工業株式会社
代理人弁理士法人上野特許事務所
主分類H01R 12/58 20110101AFI20240926BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】スルーホールとの干渉・接触を抑制しながら、スルーホールへの挿入時の変形によって生じる応力を分散させることができるプレスフィット端子を提供する。
【解決手段】 端に位置する先端部10と、前記先端部10よりも後方に位置する基部20と、開口部40を介して互いに対向して配置され、前記先端部10および前記基部20の間に位置して両者を連結するとともに、幅方向外側に向けて張り出した1対の弾性接触片30と、を備え、前記先端部10と前記弾性接触片30との境界部を含む領域に、応力分散部50が設けられており、前記応力分散部50は、前記境界部よりも前方側に、幅方向外側の側縁1aが幅方向内側に入り込んだ、外側狭窄部を有するとともに、前記境界部よりも後方側に、前記開口部40の周縁41が幅方向外側に張り出した内側狭窄部を有する、プレスフィット端子1とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
回路基板に設けられたスルーホール内に挿入されるプレスフィット端子であって、
前記スルーホールに対する前記プレスフィット端子の挿入方向を前方、その反対の方向を後方とし、前記挿入方向に直交する方向を幅方向として、
前記プレスフィット端子は、
前端に位置する先端部と、
前記先端部よりも後方に位置する基部と、
開口部を介して互いに対向して配置され、前記先端部および前記基部の間に位置して両者を連結するとともに、幅方向外側に向けて張り出した1対の弾性接触片と、を備え、
前記先端部と前記弾性接触片との境界部を含む領域に、応力分散部が設けられており、
前記応力分散部は、
前記境界部よりも前方側に、前記プレスフィット端子の幅方向外側の側縁が幅方向内側に入り込んだ、外側狭窄部を有するとともに、
前記境界部よりも後方側に、前記開口部の周縁が幅方向外側に張り出した内側狭窄部を有する、プレスフィット端子。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記外側狭窄部において、前記側縁が最も幅方向内側に入り込んだ底部と、前記内側狭窄部において前記周縁が最も幅方向外側に張り出した頂部との間で、前後方向に沿った距離が、1対の前記弾性接触片の張り出し幅の50%以内に収まっている、請求項1に記載のプレスフィット端子。
【請求項3】
前記プレスフィット端子を、1対の前記弾性接触片の張り出し幅よりも小さい内径を有するスルーホールに挿入した状態において、
前記弾性接触片の変形により生じる応力が、前記弾性接触片の前後方向中央よりも前方の領域の中で最大になる位置が、前後方向に沿って前記外側狭窄部と前記内側狭窄部の間に存在する、請求項1または請求項2に記載のプレスフィット端子。
【請求項4】
前記内側狭窄部において、前記周縁は、円弧形状をとって、幅方向外側に張り出している、請求項1または請求項2に記載のプレスフィット端子。
【請求項5】
前記応力分散部は、前記側縁が幅方向外側に突出した凸部を有さない、請求項1または請求項2に記載のプレスフィット端子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、プレスフィット端子に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
回路基板に形成された電子回路に対して、回路基板の外部の部材との間に電気接続を形成するのに、プレスフィット端子が用いられる。プレスフィット端子は、回路基板に設けられたスルーホールに挿入されるタブ状の接続端子であり、弾性変形可能な弾性接触片を有している。プレスフィット端子をスルーホールに圧入すると、弾性接触片がスルーホールの内壁面に対して弾性的に接触し、スルーホールと導通接続される。
【0003】
プレスフィット端子においては、温度や振動による影響に対して接続信頼性を保証するため、また振動等の外力によってプレスフィット端子が回路基板から離脱するのを防止するために、保持力、つまりスルーホールからのプレスフィット端子の引き抜きに要する力を、十分に大きく確保することが求められる。一方で、プレスフィット端子をスルーホールに圧入する際に、スルーホールの開口縁部等の箇所に、プレスフィット端子から大きな荷重が印加されることで、回路基板に負荷が生じる場合がある。また、スルーホールへのプレスフィット端子の挿入に伴う弾性接触片の変形によって、プレスフィット端子のひずみが大きくなるおそれがある。
【0004】
特許文献1,2では、高保持力の確保と、プレスフィット端子のスルーホールへの圧入時に基板に印加される負荷の低減とを両立する観点から、プレスフィット端子の設計がなされている。一方、特許文献3では、スルーホールに挿入したプレスフィット端子において、弾性接触片の変形に伴って生じる応力を分散させる観点から、プレスフィット端子の設計がなされている。特許文献3では、ここで図7に示しているように、先端部91と基部92の間に弾性接触片93が設けられたプレスフィット端子9’の構造において、先端部91と弾性接触片93との境界部を含む領域、および基部92と弾性接触片93との境界部を含む領域の少なくとも一方に、弾性接触片93の張り出し方向と同方向に突出する応力分散部95を設けることで、応力の分散を図っている。その結果として、プレスフィット端子における大きなひずみの発生を抑制できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-127610号公報
国際公開第2008/038331号
特開2018-63937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、電気・電子機器の小型化や電子回路の高集積化に伴い、回路基板に形成されるスルーホールも小径化している。一方で、スルーホールの小径化に合わせて、スルーホールに挿入するプレスフィット端子を幅の狭い形状に設計するのには、限界がある。上にも述べたとおり、スルーホールに挿入したプレスフィット端子の保持力を確保するために、プレスフィット端子からスルーホールの内壁面に対して十分に大きな接触荷重を印加することを要するが、そのためには、弾性接触片にある程度の幅を持たせ、弾性変形による復元力を確保する必要があるからである。また、幅の狭すぎるプレスフィット端子をプレス加工によって製造するのは困難だからである。このように、プレスフィット端子を幅の狭い形状とするのに限界がある中で、スルーホールを小径化すると、スルーホールの径に対する相対的なプレスフィット端子の幅が大きくなってしまう。
【0007】
図7に示した特許文献3の形態のように、弾性接触片93と先端部91との境界部を含む領域に突出形状の応力分散部95を設けることで、弾性接触片93の変形に伴って発生する応力を分散させることができるが、応力分散部95が突出形状を有することで、スルーホールにプレスフィット端子9’を挿入する際に、開口縁部をはじめとして、スルーホールの各部と、応力分散部95が干渉や接触を起こす可能性がある。特に、上記のように、スルーホールの径に対する相対的なプレスフィット端子9’の幅が大きくなっている状況では、スルーホールに対する応力分散部95の干渉や接触が起こりやすくなる。すると、スルーホールへのプレスフィット端子の挿入が行いにくくなる。また、プレスフィット端子の挿入に要する力(挿入力)も大きくなってしまう。このように、突出形状の応力分散部をプレスフィット端子に形成する場合に、応力分散部による応力の分散と、スルーホールとの間の干渉・接触の回避とを両立しながら、プレスフィット端子の幅を小さくすることは困難である。
【0008】
そこで、スルーホールとの干渉・接触を抑制しながら、スルーホールへの挿入時の変形によって生じる応力を分散させることができるプレスフィット端子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のプレスフィット端子は、回路基板に設けられたスルーホール内に挿入されるプレスフィット端子であって、前記スルーホールに対する前記プレスフィット端子の挿入方向を前方、その反対の方向を後方とし、前記挿入方向に直交する方向を幅方向として、前記プレスフィット端子は、前端に位置する先端部と、前記先端部よりも後方に位置する基部と、開口部を介して互いに対向して配置され、前記先端部および前記基部の間に位置して両者を連結するとともに、幅方向外側に向けて張り出した1対の弾性接触片と、を備え、前記先端部と前記弾性接触片との境界部を含む領域に、応力分散部が設けられており、前記応力分散部は、前記境界部よりも前方側に、前記プレスフィット端子の幅方向外側の側縁が幅方向内側に入り込んだ、外側狭窄部を有するとともに、前記境界部よりも後方側に、前記開口部の周縁が幅方向外側に張り出した内側狭窄部を有する。
【発明の効果】
【0010】
本開示にかかるプレスフィット端子によれば、スルーホールとの干渉・接触を抑制しながら、スルーホールへの挿入時の変形によって生じる応力を分散させることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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