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公開番号
2024132668
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-01
出願番号
2023043527
出願日
2023-03-17
発明の名称
変圧器取付具
出願人
中国電力株式会社
代理人
個人
主分類
H01F
27/06 20060101AFI20240920BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】既存の柱上変圧器への適用が可能であって、しかも、一次ブッシングに作業者が誤って接触することを確実に防ぐことができる変圧器取付具を提供する。
【解決手段】変圧器取付具1は、支持金具61bによって電柱Pに固定される高圧カットアウト支持アーム取付金具2と、支持金具61aによって電柱Pに固定される下部ハンガー座当て金具3と、柱上変圧器50に設置される上部ハンガー座4及び下部ハンガー座5と、高圧カットアウト支持アーム取付金具2に連結されるハンガーアーム6を備えており、上部ハンガー座4及び下部ハンガー座5がそれぞれハンガーアーム6及び下部ハンガー座当て金具3によって下方から支持される構造となっている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
電柱に柱上変圧器を設置する際に用いられる変圧器取付具であって、
前記柱上変圧器の外箱本体の側面の上部と下部にそれぞれ設置された上部ハンガー座及び下部ハンガー座と、
前記電柱に巻回されるバンド部を有する支持金具と、
この支持金具を介して前記電柱に固定され前記下部ハンガー座を下方から支持する下部ハンガー座当て金具と、
この下部ハンガー座当て金具の上方に配置され前記支持金具を介して前記電柱に固定される高圧カットアウト支持アーム取付金具と、
この高圧カットアウト支持アーム取付金具に連結され前記上部ハンガー座を下方から支持するハンガーアームと、を備えていることを特徴とする変圧器取付具。
続きを表示(約 520 文字)
【請求項2】
前記上部ハンガー座及び前記下部ハンガー座は、矩形状の板材が側面視「コ」の字状をなすように両端が同一方向へ直角に曲折された構造であって、互いに平行をなす一対の曲折部と、この一対の曲折部を繋ぐ係止部をそれぞれ有し、
前記係止部は、ボルトが内部に配置される切り欠き又は前記ボルトが挿通される第1のボルト挿通孔を有し、
前記ハンガーアームには、前記ボルトが挿通される第2のボルト挿通孔を有し前記上部ハンガー座に係合する係合突起が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の変圧器取付具。
【請求項3】
前記柱上変圧器の前記外箱本体は円筒状をなし、
前記上部ハンガー座及び前記下部ハンガー座の前記係止部には、前記切り欠き又は前記第1のボルト挿通孔が前記外箱本体の前記側面の周方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項2に記載の変圧器取付具。
【請求項4】
前記上部ハンガー座及び前記下部ハンガー座は、前記柱上変圧器の二次ブッシングを挟んで対称にそれぞれ対をなすように前記外箱本体の前記側面に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の変圧器取付具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱上変圧器を電柱に固定する際に用いられる変圧器取付具に係り、特に、昇柱している作業者が柱上変圧器の付近で胴綱を打ち替えるなどの動作を行った場合でも胴綱の金物や作業者自身が高圧充電部に接触することがないような状態で柱上変圧器を電柱に取り付けることができる変圧器取付具に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
柱上変圧器は電柱に対して変圧器取付具を用いて固定されているが、従来の変圧器取付具では、低圧線や引込線の作業等で昇柱した作業者が柱上変圧器の高圧充電部に接触するおそれがあった。ここで、従来の変圧器取付具について図5乃至図8を用いて説明する。
図5(a)及び図5(b)はそれぞれ柱上変圧器の正面図及び側面図であり、図5(c)は2台の柱上変圧器が電柱に取り付けられた状態を示した図である。また、図6(a)乃至図6(c)はそれぞれハンガーアームの正面図、平面図及び側面図であり、図6(d)及び図6(e)はそれぞれ変圧器取付部材及び変圧器脱落防止金具の側面図である。さらに、図7は図5(a)乃至図5(c)に示した上部ハンガー座及び下部ハンガー座の斜視図であり、図8(a)及び図8(b)はそれぞれ柱上変圧器が取り付けられた電柱に昇って作業を行う作業者を側方及び上方から見た状態を表した図である。なお、図8(a)では上部ハンガー座、下部ハンガー座及び二次ブッシングの図示を省略している。
【0003】
柱上変圧器50は、図5(a)及び図5(b)に示すようにエポキシなどの樹脂でモールドされた高電圧巻線と、その内側に配置された低電圧巻線と、これらの巻線が周囲に配置された鉄心と、金属やガラス繊維強化樹脂などの合成樹脂によって形成された外箱本体51と、外箱本体51の上部に取り付けられた上蓋52と、外箱本体51の側面51aに設けられた一対の一次ブッシング53、53及び二次ブッシング54を備えており、外箱本体51の側面51aの上部と下部には一対の上部ハンガー座55、55及び一対の下部ハンガー座56、56が二次ブッシング54を間に挟んで対称に、かつ、外箱本体51の側面51aの周方向に見た場合の位置が同じになるようにそれぞれ設置されている。
柱上変圧器50は、図5(c)に示すようにハンガーアーム57に設けられた係合突起58に変圧器取付部材59(図6(d)を参照)及び変圧器脱落防止金具60(図6(e)を参照)を用いて上部ハンガー座55が固定されるとともに、自在バンドと呼ばれる支持金具61aによって電柱Pに取り付けられた下部ハンガー座当て金具62に変圧器取付部材59(図6(d)を参照)を用いて下部ハンガー座56が固定されている。
【0004】
図6(a)乃至図6(c)に示すように、ハンガーアーム57は上部ハンガー座55に下方から係合する係合突起58と、上面63aに係合突起58が垂直に立設されるとともに両端の一部が軸方向に対して傾斜し、かつ、対称に切り欠かれた角筒状のアーム本体63と、補強板64からなる。アーム本体63は平面視した場合に細長い六角形をなす上面63a及び下面63bと、平面視した場合に細長い矩形状をなす前面63c及び背面63dによって構成されている。なお、前面63cと背面63dの幅は等しいが、背面63dの方が前面63cよりも長く形成されている。また、係合突起58はアーム本体63の斜めに切り欠かれた端面63eと平行をなすとともに変圧器取付部材59の挿通孔58aを有しており、アーム本体63には、係合突起58の補強板64が上面63aに対して傾斜した状態で設けられている。さらに、アーム本体63の上面63aには、中央に一対の角孔63f、63fが設けられるとともに、上面63aと下面63bには、変圧器脱落防止金具60(図6(e)を参照)の挿通孔63gが係合突起58の近傍にそれぞれ設けられている。そして、前面63cと背面63dには、アーム本体63の軸方向に長く形成された一対の長孔63h、63hが互いの符合するような位置にそれぞれ設けられている。
【0005】
図6(d)に示すように変圧器取付部材59は、ボルト59aと、このボルト59aに螺合するナット59bによって構成されている。
図6(e)に示すように変圧器脱落防止金具60は、棒状をなし、ハンガーアーム57の上面63aと下面63bにそれぞれ設けられた一対の挿通孔63g、63gに連通される雄ネジ部60aと、この雄ネジ部60aの先端側に設けられるフック部60bと、雄ネジ部60aに螺合するナット60eを備えており、フック部60bの基端側には挿通孔63gに係止する係止部60dが設けられている。なお、変圧器脱落防止金具60は、雄ネジ部60aが一対の挿通孔63g、63gに連通された場合に、ハンガーアーム57の上面63aに係止部60dが係止した状態でハンガーアーム57の下面63bから下端60cが突出するとともに、この状態でフック部60bが上部ハンガー座55の上面55e(図7を参照)に係止可能な構造となっている。
【0006】
図7に示すように、上部ハンガー座55及び下部ハンガー座56は、矩形状の板材が側面視「コ」の字状をなすように両端が同一方向へ直角に曲折された構造であり、一対の曲折部55a、55aを繋ぐ係止部55b及び一対の曲折部56a、56aを繋ぐ係止部56bには、変圧器取付部材59のボルト59a(図6(d)を参照)を内部に配置可能な幅を有する切り欠き55c又は切り欠き56cが所定の長さで下面55d又は下面56dから上面55e又は上面56eへ向かってそれぞれ形成されている。
【0007】
図8(a)及び図8(b)に示すように、先端側に高圧カットアウト(図示せず) が取り付けられる角柱状の支持アーム65を支持する高圧カットアウト支持アーム取付金具66と下部ハンガー座当て金具62は支持金具61aによって電柱Pに固定され、ハンガーアーム57はアームタイレスバンドと呼ばれる支持金具61bによって電柱Pに固定されている。なお、自在バンド(支持金具61a)が電柱Pに巻回されるバンド部材の長さを調節可能な構造であるのに対し、アームタイレスバンド(支持金具61b)は電柱Pに巻回される部分の長さを調節可能な構造のバンド部材に加え、ハンガーアーム57の前面63cと背面63dに設けられた一対の長孔63hに連通されるボルトと、このボルトに螺合するナットからなり、ハンガーアーム57をバンド部材に固定する連結部材を備えている。
【0008】
図8(a)に示すように、従来、柱上変圧器50は、高圧カットアウト支持アーム取付金具66とともに支持金具61aで電柱Pに固定される下部ハンガー座当て金具62と、支持金具61bで電柱Pに固定されるハンガーアーム57によって支持されていた。この場合、昇柱する作業者67は支持金具61a、61bが設置された場所を通過する度に胴綱68を打ち替える動作を行わなければならず、さらに図8(b)に示すように一対の一次ブッシング53、53の一方が内側(支持アーム65側)を向いていることから、その動作中に柱上変圧器50の高圧充電部である一次ブッシング53に接触するおそれがあった。
【0009】
柱上変圧器の高圧充電部との接触による感電事故を防ぐ技術としては、例えば、特許文献1に「柱上変圧器一次ブッシング保護金具の鳥害防止具」という名称で、電柱上に設置された変圧器の外壁面に一次側ブッシングとともに突設された保護金具に取り付けられる鳥害防止具に関する発明が開示されている。
特許文献1の図面で用いられている符号を用いて説明すると、特許文献1に開示された発明では、難燃性アクリル樹脂からなり、下面が開放した略キャップ状に成形された鳥害防止具A1が保護金具Bに取着された構造となっているため、作業者が一次側ブッシング21の保護金具Bに接触することによる感電事故や鳥や樹木の枝の接触による地絡事故を未然に防ぐことができる。
【0010】
また、特許文献2には「配電用柱上変圧器」という名称で、電柱に設置されて高電圧側ブッシングを介して高電圧巻線に架空配電線から電力が供給される配電用柱上変圧器に関する発明が開示されている
特許文献2の図面で用いられている符号を用いて説明すると、特許文献2には、配電用柱上変圧器20の外箱本体1の底板12の一部に高電圧側ブッシング4が取り付けられた構造及び外箱本体1の底板12の一部を底上げして、側板11の一部を外箱本体1の内側に食い込ませた部分のブッシング挿入部5の底板部に高電圧側ブッシング4が取り付けられた構造が記載されている。
このような構造であれば、高電圧側ブッシング4の汚損等を防ぐことができるだけでなく、作業者の感電事故が発生し難いという効果も期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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