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公開番号2024134263
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023044473
出願日2023-03-20
発明の名称ワイヤーハーネス
出願人株式会社オートネットワーク技術研究所,住友電装株式会社,住友電気工業株式会社
代理人弁理士法人上野特許事務所
主分類H01B 7/00 20060101AFI20240926BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】扁平部と低扁平部を有する絶縁電線を含む複数の電線を用いて、低扁平部において、隣接する電線との間隔を確保しながら、扁平部の箇所で、電線の集合体が占める幅を小さく抑えることができるワイヤーハーネスを提供する。
【解決手段】重心ずれ電線1Bを含む複数の電線を備え、前記重心ずれ電線1Bは、扁平部と、低扁平部と、を軸線方向に沿って有し、軸線方向に直交する断面が、前記扁平部において、幅方向に長い扁平形状をとり、かつ前記低扁平部において、前記扁平部よりも扁平度の低い形状をとり、前記低扁平部における前記断面の重心31の位置が、前記扁平部における前記断面の重心21の位置に対して、前記扁平形状の前記幅方向に沿った第一方向にずれている、絶縁電線として構成され、前記重心ずれ電線1Bは、前記第一方向と反対の方向である第二方向において、他の電線と隣り合っている、ワイヤーハーネス5,5Aとする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
重心ずれ電線を含む複数の電線を備え、
前記重心ずれ電線は、
複数の素線が撚り合わせられた導体と、
前記導体の外周を被覆する絶縁被覆と、を有し、
前記導体を構成する前記素線のそれぞれ、および前記絶縁被覆を相互に連続させて、扁平部と、低扁平部と、を軸線方向に沿って有し、
軸線方向に直交する断面が、前記扁平部において、幅方向に長い扁平形状をとり、かつ前記低扁平部において、前記扁平部よりも扁平度の低い形状をとり、
前記低扁平部における前記断面の重心の位置が、前記扁平部における前記断面の重心の位置に対して、前記扁平形状の前記幅方向に沿った第一方向にずれている、絶縁電線として構成され、
前記重心ずれ電線は、前記第一方向と反対の方向である第二方向において、他の電線と隣り合っている、ワイヤーハーネス。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記重心ずれ電線は、前記第二方向において隣り合う前記他の電線と、前記扁平部にて接触している、請求項1に記載のワイヤーハーネス。
【請求項3】
前記重心ずれ電線は、端末部に前記低扁平部を有し、前記低扁平部において、前記他の電線と共通のコネクタに接続されている、請求項1または請求項2に記載のワイヤーハーネス。
【請求項4】
前記ワイヤーハーネスは、前記重心ずれ電線を少なくとも2本含み、
2本の前記重心ずれ電線は、それぞれの前記第二方向の外縁を、直接対向させて、あるいは間に他の電線を挟んで対向させて、前記扁平形状の幅方向に並べられている、請求項1または請求項2に記載のワイヤーハーネス。
【請求項5】
前記重心ずれ電線は、前記扁平部と前記低扁平部の間に遷移部を有し、
前記遷移部の前記幅方向外側の外縁は、少なくとも、前記第二方向において、前記軸線方向に対して角度を有している、請求項1または請求項2に記載のワイヤーハーネス。
【請求項6】
前記遷移部の前記外縁は、少なくとも前記第二方向において、前記軸線方向に対して傾斜している、請求項5に記載のワイヤーハーネス。
【請求項7】
前記遷移部の前記外縁は、前記第一方向と前記第二方向の両方において、前記軸線方向に対して傾斜を有しており、
前記傾斜は、前記第一方向において、前記第二方向よりも小さくなっている、請求項6に記載のワイヤーハーネス。
【請求項8】
前記遷移部の前記外縁は、
前記第一方向において、前記軸線方向に沿って延びており、
前記第二方向において、前記軸線方向に対して角度を有している、請求項6に記載のワイヤーハーネス。
【請求項9】
前記重心ずれ電線において、
前記低扁平部は、幅方向の全域が、前記扁平部の幅の範囲内に収まっている、請求項1または請求項2に記載のワイヤーハーネス。
【請求項10】
前記重心ずれ電線において、
前記低扁平部の幅方向の少なくとも一部の領域は、前記扁平部に対して、前記扁平部の幅の範囲を超えて、前記第一方向にずれている、請求項1または請求項2に記載のワイヤーハーネス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤーハーネスに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
絶縁電線において、軸線方向に沿って、扁平部と低扁平部とを設ける形態が提案されている。断面における導体の外形が、扁平部においては扁平形状とされ、低扁平部においては扁平部よりも扁平度の低い形状、典型的には略円形とされる。この種の扁平部と低扁平部を備えた絶縁電線は、例えば特許文献1および特許文献2に開示されている。特許文献1では、全体が扁平形状よりなる原料扁平電線を変形させることで低扁平部を形成しているのに対し、特許文献2では、断面円状等の電線を圧潰して扁平部を形成しており、製法の差異に起因して、扁平部および低扁平部における導体素線の形状の分布等、絶縁電線の詳細な構造に差異を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-156581号公報
特開2020-77499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2に開示されるような、扁平部および低扁平部を備えた絶縁電線は、扁平部および低扁平部のそれぞれが有する形状や特性を活用して、それぞれの部位を適した用途に用いることができる。例えば、扁平部は扁平形状の高さ方向に、高い省スペース性を有するうえ、高い曲げ柔軟性を有するため、絶縁電線を曲げながら所定の経路に配策するのに、好適に利用することができる。一方で、低扁平部は、円形等、扁平度の低い断面形状を有することを利用して、絶縁電線に他の部材を取り付けるのに、好適に用いることができる。例えば、絶縁電線にコネクタを取り付ける場合の端末部等、他の部材を取り付ける箇所において、絶縁電線に低扁平部を設けておけばよい。そうすれば、端子やコネクタ、結束部材等、絶縁電線に取り付ける部材として、断面扁平形状の絶縁電線に取り付け可能な構造に設計した特殊なものを準備しなくても、断面略円形の丸電線をはじめとして、扁平度の低い従来一般の絶縁電線に用いられる汎用的な部材を、そのまま適用することが可能となる。それらの部材を取り付けるための工具としても、断面扁平形状の絶縁電線を加工するのに特化したものを用いなくても、丸電線等、従来一般の扁平度の低い絶縁電線の加工に用いられるものを利用することができる。
【0005】
しかし、複数の絶縁電線を共通のコネクタに接続してワイヤーハーネスを構成する場合等、扁平部と低扁平部を有する絶縁電線を、幅方向に複数並べて配置する場合には、低扁平部と扁平部の幅の違いに起因して、低扁平部の集合体が占める領域よりも、扁平部が占める領域の方が、幅が広くなる場合がある。図5Aに示すように、特許文献1,2に開示されているような絶縁電線9においては、扁平部2の重心の位置21と、低扁平部3の重心の位置31が揃っている。この絶縁電線9を幅方向に複数並べる際に、図5Bに示すように、隣接する絶縁電線21において、低扁平部3の重心31の間に、扁平部2の幅wよりも大きな間隔pを設けて、絶縁電線9を配置する必要が生じる場合がある。このような場合には、隣接する絶縁電線9の扁平部2を相互に接触させて並べることができず、隣り合う扁平部2の間に空隙gが生じてしまう。すると、隣り合う絶縁電線9を扁平部2にて相互に接触させて並べる場合と比較して、複数の絶縁電線9の集合体が扁平部2の箇所で占める幅A’が、大きくなってしまう。隣り合う低扁平部3の重心31の間に、扁平部2の幅wよりも大きな間隔pのように、比較的大きな間隔を設ける必要性は、例えば、絶縁電線9の外周に嵌め込む防水栓6や、絶縁電線9の端末に接続する端子として、大型のものを用いる場合などに、生じうる。
【0006】
このように、低扁平部3の間に所定の間隔pを設けることで、複数の絶縁電線9の集合体が扁平部2の箇所において占める幅A’が大きくなると、ワイヤーハーネスが幅方向に大きな空間を占めることになり、幅方向におけるワイヤーハーネスの省スペース化が難しくなる。また、ワイヤーハーネスの外周に、金属編組等のシールド材や、コルゲートチューブやツイストチューブ等の保護用の外装材等の部材を設ける場合に、それらの部材としても径の大きいものを用いる必要が生じ、材料コストの上昇につながりうる。
【0007】
以上に鑑み、扁平部と低扁平部を有する絶縁電線を含む複数の電線を用いて、低扁平部において、隣接する電線との間隔を確保しながら、扁平部の箇所で、電線の集合体が占める幅を小さく抑えることができるワイヤーハーネスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のワイヤーハーネスは、重心ずれ電線を含む複数の電線を備え、前記重心ずれ電線は、複数の素線が撚り合わせられた導体と、前記導体の外周を被覆する絶縁被覆と、を有し、前記導体を構成する前記素線のそれぞれ、および前記絶縁被覆を相互に連続させて、扁平部と、低扁平部と、を軸線方向に沿って有し、軸線方向に直交する断面が、前記扁平部において、幅方向に長い扁平形状をとり、かつ前記低扁平部において、前記扁平部よりも扁平度の低い形状をとり、前記低扁平部における前記断面の重心の位置が、前記扁平部における前記断面の重心の位置に対して、前記扁平形状の前記幅方向に沿った第一方向にずれている、絶縁電線として構成され、前記重心ずれ電線は、前記第一方向と反対の方向である第二方向において、他の電線と隣り合っている。
【発明の効果】
【0009】
本開示のワイヤーハーネスは、扁平部と低扁平部を有する絶縁電線を含む複数の電線を用いて、低扁平部において、隣接する電線との間隔を確保しながら、扁平部の箇所で、電線の集合体が占める幅を小さく抑えることができるワイヤーハーネスとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A~1Cは、本開示の実施形態にかかるワイヤーハーネスを構成する重心ずれ電線の一例を示す概略図である。図1Aは斜視図である。図1Bは図1A中のA-A断面に相当する扁平部、図1Cは図1A中のB-B断面に相当する低扁平部を表示する断面図である。各図において、導体を構成する素線は省略している。
図2Aは、図1の重心ずれ電線を示す平面図である。図2B~2Dは、他の形態の重心ずれ電線を示す平面図である。
図3A,3Bは、本開示の実施形態にかかるワイヤーハーネスについて、電線とコネクタの接合部を模式的に示す平面図である。それぞれ、ワイヤーハーネスを構成する電線が2本の場合、および3本の場合の例を示している。
図4A,4Bは、本開示の実施形態にかかるワイヤーハーネスについて、電線とコネクタの接合部を模式的に示す平面図である。いずれもワイヤーハーネスを構成する電線が4本の場合の例を示しているが、用いている電線の種類が異なっている。
図5Aは、重心のずれのない絶縁電線を示す平面図である。図5Bは、図5Aの重心のずれのない絶縁電線のみを用いたワイヤーハーネスを示している。
(【0011】以降は省略されています)

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