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公開番号2024132659
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2023043514
出願日2023-03-17
発明の名称固体酸化物形電解セルシステム
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類C25B 9/00 20210101AFI20240920BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】変動性が高い排熱を利用するものとしても、電解用の水蒸気を安定的に供給することができると共に、エネルギ効率を向上させる。
【解決手段】固体酸化物形電解セルシステムは、固体酸化物形電解セルと、システム系外からの排熱を蓄熱する蓄熱部と、水源から固体酸化物形電解セルの燃料極に至る燃料供給ラインに設けられ蓄熱部の蓄熱を利用して水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、燃料供給ラインにおける水蒸気発生部よりも下流側に設けられ固体酸化物形電解セルからの排熱を利用して水蒸気を加熱する熱交換部と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水蒸気電解により水素を生成する固体酸化物形電解セルを備える固体酸化物形電解セルシステムであって、
システム系外からの排熱を蓄熱する蓄熱部と、
水源から前記固体酸化物形電解セルの燃料極に至る燃料供給ラインに設けられ、前記蓄熱部の蓄熱を利用して水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、
前記燃料供給ラインにおける前記水蒸気発生部よりも下流側に設けられ、前記固体酸化物形電解セルからの排熱を利用して前記水蒸気発生部で生成された水蒸気を加熱する熱交換部と、
を備える固体酸化物形電解セルシステム。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
請求項1に記載の固体酸化物形電解セルシステムであって、
前記固体酸化物形電解セルの燃料極からの燃料極オフガスに含まれる水蒸気を冷却媒体との熱交換により凝縮させる凝縮部と、
前記凝縮部を通過した冷却媒体を前記蓄熱部に供給する冷却媒体供給ラインと、
を備える固体酸化物形電解セルシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の固体酸化物形電解セルシステムであって、
原水から純水を生成する純水装置と、
前記燃料供給ラインに接続され、前記純水を蓄える前記水源としての水タンクと、
を備え、
前記凝縮部は、前記燃料極オフガスに含まれる水蒸気を前記冷却液体としての前記原水との熱交換により凝縮させ、
前記冷却媒体供給ラインは、前記凝縮部を通過した原水を前記蓄熱部に供給する、
固体酸化物形電解セルシステム。
【請求項4】
請求項2に記載の固体酸化物形電解セルシステムであって、
原水を純水と処理排水とに分離する純水装置と、
前記燃料供給ラインに接続され、前記純水を蓄える前記水源としての水タンクと、
を備え、
前記凝縮部は、前記燃料極オフガスに含まれる水蒸気を前記冷却媒体としての前記処理排水との熱交換により凝縮させ、
前記冷却媒体供給ラインは、前記凝縮部を通過した処理排水を前記蓄熱部に供給する、
固体酸化物形電解セルシステム。
【請求項5】
請求項2に記載の固体酸化物形電セルシステムであって、
前記凝縮部は、前記燃料極オフガスに含まれる水蒸気を前記冷却媒体との熱交換により凝縮させる第1凝縮部と、前記第1凝縮部を通過した燃料極オフガスに含まれる残余の水蒸気を前記冷却媒体との熱交換により凝縮させる第2凝縮部と、を有し、
前記冷却媒体供給ラインは、前記冷却媒体が前記第2凝縮部と前記第1凝縮部とを順に通過すると共に、前記第1凝縮部を通過した後の冷却媒体を前記蓄熱部に供給する、
固体酸化物形電解セルシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書は、固体酸化物形電解セルシステムについて開示する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、固体酸化物形電解セルを備える固体酸化物形セルシステムが知られている。例えば、特許文献1には、水を加熱して水蒸気を生成する蒸発器と、水蒸気を電気分解する電解セルと、を備える水素製造システムにおいて、蓄熱材(水酸化マグネシウム系蓄熱材)を含む熱貯蔵タンクを有し、外部熱源から提供される熱を脱水反応により蓄熱し、蓄えた熱を水和反応により蒸発部へと放熱するものが開示されている。蒸発部には、ヒータが設けられ、外部熱源から熱が提供されない場合に、ヒータの加熱が併用される。
【0003】
特許文献2には、高温水蒸気電解および固体燃料電池の可逆運転可能な固体電解質セルを原子力発電プラントや火力発電プラント等の発電プラントに併設し、SOE(電解)運転時にセルから出た水素と水蒸気とが再生熱交換器(HX-2)および熱交換器(HX-4)により冷却された後、セパレータで水蒸気に分離され、水素は水素タンクに水は水タンクに回収されるようにしたSOE/SOFCシステムにおいて、水タンクからの水を加熱する熱交換器(HX-4)と、発電プラントからの熱により電解用水蒸気を加熱する熱交換器(HX-1)と、酸素タンクからの酸素と熱交換器(HX-1)を通過した電解用水蒸気に混合された水素とを燃焼させて電解用水蒸気を加熱する燃焼器と、を備えるものが開示されている。
【0004】
特許文献3には、100℃未満の温度を有する熱源をヒートポンプで利用して水蒸気を生成し、電解セルに供給するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-144623号公報
特開2001-160404号公報
特表2018-517233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の固体酸化物形セルシステムでは、外部熱源が工場排熱などの排熱であった場合、熱源の変動性が高いため、蓄熱材(水酸化マグネシウム系蓄熱材)が300℃未満の低温の排熱を利用できないことから、蒸発部に安定的に熱供給できない場合が生じる。ヒータを併用することで、熱不足を補うことができるものの、電力消費が増大し、エネルギ効率が悪化してしまう。特許文献2に記載の固体酸化物形セルシステムでは、外部熱源を用いた熱交換により水を蒸発させて水蒸気を生成し、外部熱源で不足する熱は、水素タンクに加圧貯蔵した水素を電解用水蒸気に混合させた混合ガスを燃焼器に導入して燃焼させるが、加圧した水素を用いることから、昇圧分のエネルギ損失が生じる。また、燃焼器には水素と水蒸気とを含む混合ガスが導入され、水蒸気を含むことから、燃焼器で安定した燃焼が得られなくなり、電解用水蒸気を十分に加熱できない場合が生じる。特許文献3に記載の固体酸化物形セルシステムでは、100℃未満の温度を有する熱源を利用して水蒸気を生成するものとされているが、変動性が高い熱源を利用する場合については何ら言及されていない。
【0007】
本開示の固体酸化物形電解セルシステムは、変動性が高い排熱を利用するものとしても、電解用の水蒸気を安定的に供給することができると共に、エネルギ効率を向上させた固体酸化物形電解セルシステムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の固体酸化物形電解セルシステムは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0009】
本開示の固体酸化物形電解セルシステムは、
水蒸気電解により水素を生成する固体酸化物形電解セルを備える固体酸化物形電解セルシステムであって、
システム系外からの排熱を蓄熱する蓄熱部と、
水源から前記固体酸化物形電解セルの燃料極に至る燃料供給ラインに設けられ、前記蓄熱部の蓄熱を利用して水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、
前記燃料供給ラインにおける前記水蒸気発生部よりも下流側に設けられ、前記固体酸化物形電解セルからの排熱を利用して前記水蒸気発生部で生成された水蒸気を加熱する熱交換部と、
を備えることを要旨とする。
【0010】
この本開示の固体酸化物形電解セルシステムでは、システム系外からの排熱(低温排熱)を水蒸気発生部で水の潜熱(状態変化)に使用し、固体酸化物形電解セルからの高温の排熱を水蒸気発生部で生成された水蒸気の顕熱(温度上昇)に使用する。これにより、固体酸化物形電解セルからの高温の排熱を潜熱に使用するものに比して、熱エネルギを効率よく使用することができ、システムの効率をより向上させることができる。また、システム系外からの排熱を蓄熱部に蓄熱しておくから、システム系外の排熱の供給状態にバラツキがあっても、潜熱に使用する熱を安定的に供給することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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